令和5年9月定例会 文化生活・教育常任委員会(1日目)及び予算特別委員会文化生活・教育分科会(2日目)―2023年9月26日〜島田敬子府議の質疑応答部分

報告事項

下記の事項について報告が行われた。
 ・京都府犯罪のない安心・安全なまちづくり計画の改定について
 ・配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護・自立支援に関する計画の改定について
 ・困難な問題を抱える女性への支援に関する京都府基本計画(仮称)の策定について
 ・魅力ある府立高校づくりに関する基本計画(仮称)の策定について
 ・「第2期京都府スポーツ推進計画(仮称)」の策定について

[1] 京都府犯罪のない安心・安全なまちづくり計画の改定について
◯益田結花 文化生活部長  文化生活部から3件、御報告をさせていただきます。
 まず、1件目でございます。次のページの別紙1をお願いいたします。京都府犯罪のない安心・安全なまちづくり計画の改定についてでございます。
 1番の計画の趣旨にございますとおり、本計画は犯罪等に関する社会情勢や地域における防犯活動の状況を踏まえつつ、府、警察、市町村、府民等が一体となって京都府における犯罪のない安心・安全なまちづくり施策を総合的に推進するための計画として策定しておりまして、現行の計画の計画期間が今年度末で終了することに伴い、改定を行うものでございます。
 また、2の計画の基本的な考え方にございますとおり、本計画は京都府犯罪のない安心・安全なまちづくり条例の規定に基づき、犯罪のない安心・安全なまちづくり及び犯罪被害者等に対する支援に関する計画として策定し、併せて平成30年度の改定におきまして、再犯の防止等の推進に関する法律の規定に基づく、地方再犯防止推進計画として、新たに再犯防止施策の推進を柱の1つに盛り込んで策定した計画でございます。
 3番の主な現状・課題でございますが、府内における令和4年度の刑法犯認知件数は戦後最小となりました令和3年よりも微増しておりまして、高齢者を狙った振り込め詐欺等の特殊詐欺被害やSNSの利用に起因する子どもたちの性被害は依然深刻な状況でございます。
 また、社会情勢により進化するサイバー犯罪の相談受理件数は、5年前の1.7倍となっておりまして、被害の深刻化や手口の悪質化が大きな問題となっております。
 4番の改定時期及び5番、今後のスケジュールでございますが、計画期間は令和6年度から令和10年度までの5年間とし、府議会をはじめ外部有識者で構成する検討委員会の御意見を伺いながら、本年12月議会において中間案を御報告の後、パブリックコメントを実施し、この結果と併せ令和6年2月府議会において、計画策定案を提案させていただく予定としております。

[2] 配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護・自立支援に関する計画の改定について
◯益田結花 文化生活部長  次に、次のページでございます別紙2をお願いいたします。配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護・自立支援に関する計画の改定についてでございます。
 本計画は、今年度末で現行計画の期間が終了することから改定をするものでございます。今回の改定のポイントでございますが、3番に記載してございますとおり、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、いわゆるDV防止法が改正されまして、令和6年4月1日から施行されることに伴いまして、まず身体的暴力のみならず、心理的、精神的暴力の追加、保護命令の期間延長、被害者の自立支援のための施策、国・地方公共団体・民間団体の連携・協力に関する基本計画への記載、DVに関する協議会の設置について計画に反映すること、また男性相談や加害者対策の実施などの取組について検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 計画期間は4番に記載しておりますとおり、令和6年度から令和10年度までとしております。
 改定スケジュールにつきましては、5に記載しておりますとおり、府議会や外部有識者の御意見をお伺いしながら、12月府議会の常任委員会で中間案を御報告した後、パブリックコメントを実施し、令和6年2月府議会の常任委員会で最終案を報告したいと考えております。

[3] 困難な問題を抱える女性への支援に関する京都府基本計画(仮称)の策定について
◯益田結花 文化生活部長  次に、3点目でございます。次のページの別紙3をお願いいたします。
 困難な問題を抱える女性への支援に関する京都府基本計画(仮称)の策定についてでございます。
 1番の計画策定の趣旨にございますとおり、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が成立し、国による基本方針が示されたことを受け、府の基本理念や施策を定めた計画を新たに策定するもので、健康福祉部と連携し、先ほどのDV基本計画と並行して、検討を進めているところでございます。
 また、3番、計画の主な内容にございますとおり、困難な問題を抱える女性への支援に関する基本的な方針のほか、そうした女性に対する支援の内容など8つの施策を記載することとし、計画期間は4に記載のとおり、令和6年度から令和10年度までの5ヶ年計画として策定しようとするものでございます。
 5番に、今後のスケジュールを記載しておりますが、12月府議会の常任委員会で中間案を御報告した後、パブリックコメントを実施し、令和6年2月府議会において最終案を報告したいと考えております。
 文化生活部からは以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

[4] 魅力ある府立高校づくりに関する基本計画(仮称)の策定について
◯大路達夫 教育次長  教育委員会からは2件、御報告いたします。ただいま通知をお送りしました資料の次のページを御覧願います。
 魅力ある府立高校づくりに関する基本計画(仮称)の策定についてでございます。
 まず、「1 計画の名称(案)」は、策定の趣旨を踏まえ、魅力ある府立高校づくり推進基本計画としております。
 次に、「2 計画の概要」でございます。本計画は、府立高校の在り方ビジョンに掲げた学校や学科等の配置の在り方、入学者選抜制度など、府教育委員会が取り組む改革の基本的方針等を示すものであり、計画期間は上位計画のビジョンに合わせて、計画策定後から令和13年度までとしております。
 また、ビジョンの改定等により見直しを行うこととしております。
 資料の次の次のページ、3ページ、表題に「【別紙】基本計画中間案の概要(基本方針)」と書かれている資料を御覧願います。
 第2章、「1 全日制課程の魅力化と配置等の在り方」として、(1)普通科・普通科系の専門学科でございます。
 大多数の生徒が普通科に入学することから、昨年度開催の懇話会では、教育内容面の特徴化の推進やキャリア教育の視点の重要性などの御意見をいただきました。これを踏まえ、社会を牽引する人材の育成、地域との連携・協働、学び直しなど幅広い生徒のニーズに応じた多彩な選択肢を提供することとしており、魅力化を図るための新しい普通科を設置したいと考えております。
 次に、(2)を御覧ください。府内の地域産業を支える担い手を育成する職業学科及び総合学科については、地域バランス等を考慮した学校、学科配置としてまいります。
 次に、(3)京都府立大学附属高校化については、京都府立大学が推し進められる大学改革に呼応し、農林業系専門分野において既存の府立高校を附属高校とし、府立大学との相互連携を高度化させてまいります。
 次のページ、4ページを御覧ください。
 (4)全日制高校の配置等の在り方についてでございます。
 まず、基本方針1)では、現状の学校規模や生徒数の将来推移等が南部、北部で大きく異なるため、地域ごとに学校配置の方針を整理しております。南部地域では、通学利便性が比較的高く、府立高校のほかに私立高校や京都市立高校といった選択肢が多いことから、1学年6学級から8学級程度、学校全体で18学級から24学級程度を望ましい学校規模として、地域内の学校配置や役割を見直す方針としております。
 ただし、学校規模の大きさが生徒にとって特色、魅力の1つであることも念頭に、一律的、機械的な平準化は行わないこととしております。
 次に、北部地域では、南部に比べ生徒が通える範囲内に高校の選択肢が限られているため、地元地域からの入学状況等も含めて総合的に判断し、さらなる小規模化により生じる教育活動の課題を解消するために、各地域内における学校の配置、役割を見直すこととしております。
 このほか、基本方針2)では、学校配置の見直しに当たり通学時間を考慮すること、基本方針3)では、各校の社会的役割や特色を明確にするためのスクールミッション等の策定に関すること、基本方針4)では、府立高校を取り巻く地域社会との連携・協働について記載しております。
 次のページ、5ページをお願いいたします。定時制・通信制課程の魅力化と配置等の在り方についてでございます。
 これまでの働きながら学ぶ場から多様な生徒が学ぶ場へと生徒の状況が、あるいはニーズが大きく変化しており、京都フレックス学園構想による昼間定時制での柔軟な教育システムの成果なども踏まえ、定時制課程の配置を見直すとともに、通信制課程では、ICTの活用や全日制、定時制課程との連携など、新しい教育システムの構築を推進してまいります。
 次に、「3 柔軟な教育システムによる魅力化」として、(1)新しいスタイルの全日制高校についてでございます。
 特色化の1つとして、国が定める高校卒業に必要な単位数の下限74単位に設定する緩やかな教育課程など、生徒の将来への挑戦をサポートする新しいスタイルの全日制高校を設置してまいります。
 また、(2)特別支援教育の充実については、府立高校でのインクルーシブ教育環境の構築、通級による指導の拡充を図ってまいります。
 次のページ、6ページをお願いいたします。「4 高校設置者間の協調・協議」についてでございますが、少子化をはじめとする公立、私立高校の設置者における共通課題について、京都府公私立高等学校協議会において、中長期的な生徒の受入対策等を協議してまいります。
 次に、「5 学校施設等の整備」についてでございますが、計画的な整備の推進とともに、学校の配置、見直しなど魅力化に合わせて重点的な施設・設備整備を実施してまいります。
 次に、資料下部、「第3章 今後の入学者選抜の在り方」についてでございます。
 現行制度への移行後10年が経過しており、その成果と課題を府教委と京都市教委が連携して、公立中学校・高校等の代表者とともに検証・整理を行い、よりよい制度に向けた検討を進めてまいります。
 資料戻りまして、ただいま通知をお送りしました1ページ、「表題に魅力ある府立高校づくりに関する基本計画(仮称)の策定について」と書かれている資料をお願いいたします。
 こちらの資料の下部、「3 今後の予定」でございます。今回、この9月議会において中間案を御報告し、パブリックコメントを実施した上で、最終案を12月議会において御報告したいと考えております。
 また、基本計画策定後は、学校現場や地域の意見等も十分に聞きながら、段階的に地域別の実施計画を策定したいと考えております。
 1件目は以上でございます。

[5] 「第2期京都府スポーツ推進計画(仮称)」の策定について
◯大路達夫 教育次長  続きまして、ただいま通知をお送りしました別紙2、1ページ目を御覧ください。
 表題に、「第2期京都府スポーツ推進計画(仮称)」の策定についてと書かれている資料でございます。
 本府では、平成26年3月に、10年間を見通したスポーツ推進に関する基本計画として、京都府スポーツ推進計画を策定いたしました。今年度、その完了年となることから、推進計画に基づき進めてきた取組の成果を踏まえ、今後の本府におけるスポーツ推進施策を明確にし、一層の府民スポーツの推進・発展を図る必要があると考えております。
 このため、昨年度実施した府民のスポーツに関する実態調査の結果や京都府スポーツ推進審議会での意見を踏まえ、第2期京都府スポーツ推進計画(仮称)を策定してまいりたいと考えております。
 次に、次期計画のポイントでございますが、資料に記載の3つのポイントを柱としております。
 まず、(1)の京都府独自の新たな視点「マイスタート KYOTO-SPORT-STILE」を基に計画を推進してまいります。スポーツを「する」だけではなく、「みる」「ささえる」といった様々なスタートラインをきっかけにして、スポーツと関わるきっかけをつくる具体的施策を計画してまいります。
 次に、(2)人々が日々の生活の中で持つ前向きで積極的な心のありようを「スポーツごころ」とし、そのありようを「芽吹かせ」「広め」「深め」「高める」ことをテーマとして取り組んでまいります。
 さらに、(3)マイスタートの具現化に向けた取組の4つの分野です。御覧のとおり、スマートスポーツ、エンジョイスポーツ、次のページを御覧いただきまして、チャレンジスポーツ、スポーツ環境の充実という形で、それぞれ具体的な施策を進めてまいります。
 最後に、資料の下部、「6 策定のスケジュール」を御覧ください。7月に行われました府スポーツ推進審議会での意見を踏まえ、9月議会で概要報告をさせていただき、委員の皆様方からいただいた御意見なども踏まえ、12月議会に中間案を御報告させていただきます。その後、パブリックコメントや2月開催予定の府スポーツ推進審議会の意見を踏まえた最終案を2月議会に御報告の上、年度内の策定を目指してまいりたいと考えております。
 教育委員会からの報告は以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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◯島田敬子委員  私からも魅力ある府立高校づくり推進基本計画(仮称)に関わって質問をいたします。
 先ほどの入学選抜の在り方についての議論の中で、北部にかかわらず市内部におきましても自由に選べるどころか、入れる学校を選んで、やっぱり行きたいところに行けるという状況にはないし、これ例年、5,000人が前期選抜で不合格ということになっていまして、それは何度もチャンスがあると言われながら、心に本当に深刻なダメージを受けて臨まなきゃいけないという状況があると思うんです。
 それで、成果と課題について、先ほど説明がありましたけれども、もう少し課題についても具体的にどんな課題があって、どう改革するのかというのは、御答弁をいただきたいというふうに思うんです。
 それで、前期選抜、中期選抜の募集割合、志願できる地域が異なって複雑であるといった指摘があると書いてありますけれども、例えば前期選抜で100%、子どもを採る学校が5〜6校あるんですかね。これはどのような目的でこういう差をつけているのか、今後はこれ何か課題はないのか、お聞かせください。

◯橋長正樹 高校改革推進室長  まず、前期で100%の募集をしている学科についてですけれども、これは特色のある学科というふうになっておりまして、例えば普通科系のその他専門学科ですとか、それから普通科の中にございますスポーツ総合専攻といった学科が100%になっております。
 それから、一部の職業系の専門学科、こういったところが100%になっております。
 こういったところでは前期のほうで生徒を選抜しまして、万が一、不合格になられた場合でも、もう1度、中期でチャンスがあるんだと、100%の学校は無理ですけれども、そのほかの普通科等にチャレンジをしていただけるというふうになってございます。
 それから、課題についてどういうふうにというふうなお話がありましたけれども、例えば課題として前期の合格発表から中期の志願までの日程が非常に短いというふうなこともございますし、日程について、そのほか、いろいろと現在、また中学校の校長先生方、高等学校の校長先生方ともこの成果と課題については議論を進めているところですので、そういったところでの結果を鑑みながら、今後検討を進めてまいるというふうなことで考えております。
 以上です。

◯島田敬子委員  いや、前期選抜で100%を採る学校は何でそうなるのか理由を聞いているんです。

◯相馬直子 指導部長  前期選抜におきましては、地域選抜と異なりまして各学校の特色ある選抜というのを行っております。その中でも共通問題等を使わずに学校独自の問題をつくりまして、その独自問題によって選抜をしているところが100%の選抜となっております。
 特に実技教科を伴っております学校につきましては、やはりスポーツ総合専攻、美術総合専攻などについては、目的として選抜上、実技を行う必要があるということで実施をしております。より際立った特色を持っている学科につきまして、その学科に見合った選抜を行うということで、前期選抜100%というふうにしているということでございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  言い方が変ですけれども、前期、いい子採りといいますかね、特色化の名の下にそういうふうに位置づけて、そこには予算も学校の先生の数も違って特色化を図って、そして競争的、100%、この学校に受かるチャンスは1回だけだぞと、散々叱咤激励して頑張っているわけですけれども、そこには最初から格差があるというふうに思うんですよ。分かりにくいのではなくて、分かりやすい制度にするためには、伝え方の問題でなくて内容がやっぱり検討されなければいけないと思うので、全国的にはこのような前期、中期、後期といった3段階選抜ってやっている府県はあるのでしょうか。

◯相馬直子 指導部長  多くの府県におきまして3段階、名称については前期、中期、後期とは異なりまして、特色選抜でありますとか一般選抜、2次選抜というような言い方をしているところもありますけれども、3段階の選抜を行っている府県というのはかなりあります。それは今、流れの中で見直し等が図られている府県もございますので、京都府におきましても現状の制度についてしっかりと検証していくということで、今回計画の中にも盛り込ませていただいているところでございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  全国的には既に見直しているところもありますし、本当に子どもたちの長い人生の中での1区間でありますよね。高校に入るのが目的ではないので、そのことからしてもやっぱり丁寧に検証して、よい方向で改革をしてほしいというふうに思います。
 基本計画の中身で、標準法の改正によって35人学級の対象学年を順次、小学校から引き上げていますが、生徒数が減少するとはいえ、さらなる教育条件の改善という展望を持って中学校、そして今度は高校ということで、高校段階においても学級規模を35人、30人学級と1学級の生徒数を減らしていくと、そういう展望も持ちながら、推計もあってもいいのではないかというふうに思いますが、この点、いかがでしょうか。

◯相馬直子 指導部長  国におきまして現在、高校については、1学級40人という規模で教職員定数が示されております。その中で京都府におきましては、例えば少人数の授業選択ができるようにするですとか、教育課程上の工夫によりまして少人数講座等も実施をしております。
 ただ、学級編成そのもの、国の基準が定められている現状におきましては、その現状を踏まえての設定としているところでございます。
 ただし、小規模化している学校につきましては、一部柔軟な対応として1学級規模を減らして対応しているところもございますので、その辺りにつきましても今後検討の中で進めていきたいと考えております。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  お話がありましたように、現に丹後地域の府立高校全日制の定員は、宮津天橋高校で35人学級、丹後緑風高校網野学舎は30人学級、久美浜学舎は25人学級ということで、地域において公教育の役割を果たそうということに尽力をされていて、そして少人数学級による効果も上がっているというふうに聞いているわけですけれども、この点はいかがでしょうか。

◯相馬直子 指導部長  先ほど申し上げましたように、40人規模を1学級としております学校におきましても、少人数規模の事業展開をするなどして、その教育の質の向上、あるいは子どもたちに合った教育というのを進めているところでございますので、それぞれの学校の状況に応じまして、そういった工夫がされているものと認識をしているところでございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  今、お話がありましたように、これまでの懇話会の議論の中でも、人口減少をチャンスと捉えた改革をという御意見があったりして、これは全部報告の中にもありますけれども、やはり教育条件をどの地域でも高めていくという、少人数教育も効果があるとするならば、30人学級、35人学級も視野に入れて推計した場合にどうなるのか、こういう検討もあっていいのかなと、これは指摘、要望しておきたいと思います。
 全日制課程の在り方についてですけれども、圧倒的多数の高校生が学んでいる全日制普通科、これが一番改革の焦点であると思いますが、これまでも普通科、それから普通科系専門学科をつくってきて、これが大変うまくいっているという評価だと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。

◯相馬直子 指導部長  京都府の場合、他府県に比べましても普通科に在籍している生徒数が多いという状況にございます。多くの生徒が学ぶ普通科におきまして、これまでからそれぞれの学校が工夫した特色ある教育を実施してまいりました。その点については非常に評価をされているのではないかと思っておりますし、これからの時代、さらにその未来に向けて子どもたちが求める教育がどういうものなのかということを考える中で、普通科の内容についても見直していく必要があるということで、今回お示しをさせていただいております。
 また、いわゆる普通科系専門学科と呼んでおります、その他専門学科につきましては、かなりとがらせた内容を学んでいる、あるいは専門性の高い教育を行っているというところで、その学科内容に魅力を感じて志願をしてくれている生徒も多いですので、その内容についてもさらに充実ができるようにしていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  それらの評価の上に立って、今後、さらに特色化を推進するために、新しい普通科の設置を上げておられます。新しい普通科について、学際領域に関する学科として大学等とも連携・協力体制を整備する学校、2つ目は地域社会に関する学科、地域社会が有する課題や魅力に着目した実践的学びに重点的に取り組む地域の行政機関等との連携・協力体制を整備した学校、これを上げて各通学圏ごとに設置するということになっております。
 これまでの普通科、普通科系専門学校がすばらしいと評価をされながら、国の中央教育審議会等の審議はありますけれども、突然、ここに、新しい普通科という概念を入れて再編していくということで、これは国の教育の改革の方向に沿ってやっているのかなというふうに思いますけれども。
 さて、この通学圏にそれぞれの学際領域、あるいは地域社会に関する学科、何校ぐらい設置する予定なのか、また各通学圏の学際領域を扱う学校は学校単独高とするのかどうか、南部北部の通学圏によって異なるのかどうか、どういう計画をお持ちなのかをお聞かせください。

◯相馬直子 指導部長  新しい普通科につきましては、これまで普通科としてしか学科が置けなかったところが、さらに選択肢が広がったというふうに私どもとしては受け止めております。
 ですので、今までの積み重ねてきた教育の中で、新しい普通科として転換することによって、よりよい教育ができるのであれば、そういう方向性もあるかというふうに思っております。
 必ずしもその学際領域に関する学科ですとか、地域に関する学科それぞれをどれだけ置くのがよいのかというのは、今、申し上げましたように、各地域ごとの学校の役割分担ということも考えながら、今後、地域全体を見て考えていく必要があるかなというふうに思っておりますので、現時点で何校程度というような数値目標を持っているものではございません。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  それでは、バランスを考えた場合にね、各通学圏に少なくとも1校とか、そんなことは考えていらっしゃるんですか。

◯相馬直子 指導部長  先ほど申し上げましたように、それぞれの地域における各学校の役割を考えていく上で、今ある学科、普通科としての取組をさらに拡充していくために、新しい普通科とするほうがいいのではないかという学校もございますので、そういったことも含めて各通学圏には1校ずつは配置をしていく方向かなというふうに思っておりますが、1校で終わるのか、あるいは特徴を考える中で配置をしない、あるいは複数配置するということも今後検討していきたいと思っております。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  普通科単独校では、行政区を越えた片道45分以上の広域通学で、自ら育った地域ではないところに行って地域との連携・協働した学びと言われても、モチベーションが感じられるのかどうかなど、いろいろ疑念を持つわけですけれども、普通科の魅力化、特色化を推進するために、一部の学校でまた学際領域とか、あるいは地域社会に関する学科を整備して特色化競争をしていくというやり方が本当にいいのかな、こんなふうにも思います。地域社会の中で、その自分のふるさとを知り、産業を知り、そして生きていくために、全ての子どもたちがそういう観点で育てられるべき、行政とかいろんな皆さんとも関わりの中でも学べる環境をつくるということであれば、ううんと思いますが、また一部の学校だけそういうふうに特色化をして、しかも令和5年度の国の予算配分なんかを見てみますと、そういう領域には予算がついていると。これはお金も伴って、やっぱり学校間格差が広がりかねないなというふうに思うわけであります。
 懇話会の意見では、中学生段階で将来を描ききれない生徒が多く、職業学科を選択することが難しい側面もあるという声も出されており、また高校生のアンケートでも、通学費があまりかからずに部活動もできて、住んでいる地域の近くの学校を望む声も大きいわけでありますが、こうした当たり前の普通の子どもが入りやすい、学びやすい環境を整えることが重要ではないかと私は思っておりますが、いかがでしょうか。

◯相馬直子 指導部長  高校生にとって地域をどう捉えるかというのはあるかと思います。もちろん、住んでいる地域、生活している地域というのもございますし、学校が存する地域というのもあるかと思います。高校生になりますと、行動範囲というのは広いところもありますので、幅広い意味での地域というふうに捉えることも重要ではないかと思っております。
 学校間の格差をつくるということではなくて、やはり生徒から見た時に、それぞれの生徒には希望する、高校に期待すること、魅力を感じることというのは多々あるかと思います。それぞれの生徒の選択肢をより多様化していきたいということもありまして、学校ごとの役割、あるいは学校内においても複数の役割を持つということが大切ではないかと思っているところでございます。
 中学生が進路を選択する際に何に魅力を感じるかというところは、確かにアンケート調査の中では、通いやすさであったり近さということもありますけれども、やはり学校の教育内容、授業などに魅力を感じている生徒は多いかと思っておりますので、そういう意味での多様性を持たせるために、魅力化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  いずれにいたしましても、高校生のアンケートを連続してとって、いろいろ懇話会の場で多様な意見をいただきながら改革を進めようということでありますので、やっぱり一番の主体である子どもたちにとってどうかという視点で、引き続きよりよいものになるように御努力をいただきたいと思います。
 以上です。