令和4年12月定例会 府民環境・厚生常任委員会(2日目)及び予算特別委員会府民環境・厚生分科会(3日目)―2022年12月19日〜「すべての子どもを対象とした医療費無償化の早期実現を求めることに関する請願」 島田敬子府議・馬場紘平府議、他会派府議の発言部分

付託請願

下記の請願について審査が行われた。
 ○新規請願(1件)
  ・第1470号請願「すべての子どもを対象とした医療費無償化の早期実現を求めることに関する請願」

◯馬場紘平委員  紹介議員の1人として、委員の皆さんに賛同を求める立場から発言をしたいと思います。
 この1470号請願につきましては、全ての子どもたちを対象にした医療費の無償化の早期実現をしてほしいということを求める請願になっております。
 そもそも親の所得に関係なく全ての子どもたちが、医療だけではありませんけれども、教育などを含めて受けることができるというふうにするのは、子育ての安心の上での基本になるというふうに思います。だからこそ府内の各市町村自治体の中では、子育て支援医療費助成制度に上乗せをするような形で無償化の努力がされてきたというふうに理解をしています。
 ただ、高校卒業までの無償化などにつきましては、京丹後市、伊根町、南丹市、京丹波町、井手町、和束町に加えて、入院のみの無償化については久御山町ということで7市町にとどまっております。現在、長引くコロナ禍や物価高騰が追い打ちをかける中で、府民生活がさらに厳しさを増しているということで、今、府内の自治体で言いますと、大山崎町では中学校の給食の無償化や、高校卒業までの医療費の無償化を公約に掲げた町長が選挙で当選をされて、速やかに実施をしたいということを議会の中で答弁もされています。八幡市では、市民からの請願を全会一致で可決をされて、市議会では中学校卒業までの入院の無償化については検討したいと表明をされて、同時にその質問の中では、通院の無償化については府の動きを見ていきたいということも答弁をされています。
 そういった意味では、既に取組をされているところはもちろんですし、これから検討していきたいというところも含めて、今、改めて市町村の背中を押して、さらに安心して子育てができる環境を整えていくということは、本府の大きな役割だというふうに思います。
 ぜひとも、この請願に皆さんにもぜひ御賛同いただいて、府民と一緒に府議会としても声を上げるといったことを呼びかけたいというふうに思います。
 以上です。

◯北原慎治委員(自民党)  この府民のお声に対して議論というか考えさせてもらうに当たって、少しお尋ねしたいんですけれども。6月の補正予算で福祉医療制度あり方検討費というのが計上されていて、現在、拡充に向けて子育て支援医療助成制度あり方検討会議で検討を進められているというふうにと思うんですけれども、その会議でどういうふうな意見が出ているのかを教えてもらっていいですか。

◯森川大輔 医療保険政策課長  子育てのあり方検討会議ですけれども、これまで9月と11月に2回開催をしてまいりました。その中で出た意見としましては、子の幸せを一番に考え地域の実情に応じてトータルでバランスよく様々な取組を進めていくことが大切であるとか、府の制度の上に市町村がフリーハンドで状況に応じて手当てをしていくということが本当の意味で良い府民サービスにつながるであるとか、収入に応じた助成額の設定が公平であるとか、あとは持続可能な制度設計であるとか、他の医療費助成以外の施策の拡充を希望する市町村もあるので、そういった府において医療費助成だけでなく幅広い視野で検討いただきたいといった意見があったところでございます。

◯北原慎治委員(自民党)  この問題を考える上で、府の財政だけじゃなくて、やっぱり市町村の財政とかというのにも影響してくると思うんですけれども、具体的に市町村からどういう意見があるのか教えてもらえますか。

◯森川大輔 医療保険政策課長  市町村からも8名の方に委員に就任していただいておりまして、その中で言いますと、通院における自己負担の軽減を図ってほしいでありますとか、先ほども言いました持続可能な制度設計を検討すべきであるとか、府の制度が拡充されると新たな他の子育て支援施策を展開できるとかといった意見がありました。
 以上です。

◯北原慎治委員(自民党)  持続可能というのも大事だと思うんですけれども、現在、京都府の制度の状況というのは、全国と比較してでもいいんですけれども、どういう状態かというのを教えてもらえますか。

◯森川大輔 医療保険政策課長  全国との比較ですけれども、これは厚生労働省の令和3年4月時点の調査ですけれども、これについては都道府県の制度として、現在通院において就学前までしか実施していないというのが全体の6割を占めているということになっております。中学生以上を対象としているのが13都道府県でして、そのうち京都府のように入院・通院とも所得制限なしで全ての子育て家庭を対象としているのは5都道府県のみと、こういう状況でございます。

◯北原慎治委員(自民党)  私も個人的にというか、全国の状況というのは調べさせてはもらっているんですけれども、決して京都府が遅れているという状況でもなく、頑張っていただいているとは思いますし、子育て支援というものはこの医療費だけではないというところで、これだけを挙げて請願として賛成するのには反対です。
 以上です。

◯馬場紘平委員  全国の中での取組、位置がどうなのかということもあると思うんですけれども、こうやって府民の方から声が上がっていると。改めて子どもの貧困であったりとか、やはり物価の高騰や長引くコロナ禍の影響などを含めて、今こそ、そうした役割を発揮してほしいという声が上がっているということを私は重く受け止める必要があるというふうに思うんですね。
 全国でどの位置にあるから、だから取り組まなくていいということにはやっぱりならないと、現場が求めているものにどう応えていくのかと。特に子育て環境日本一を掲げているわけですから、そうした意味では、その役割というのは非常に大きいし、同時に市町村と協議をしながらこの制度というのはつくられてきたわけですけれども、ただ、一方で地域間格差というのは非常に大きくなっていて、京都市などは京都府と同じレベルにとどまっているし、一方で上乗せをして中学校卒業までや高校卒業までという形で充実をさせているところもあるわけであります。
 そういった意味では、今、京都府がそうしたところに支援をする中で、先ほど検討会議の意見も紹介されていましたけれども、市町村の中では京都府が支援してくれることで、他の施策をさらに充実させる予算を取ることができるんだという意見もあるわけですから、改めて府が今この段階で明確に自らの方針を示していくということが極めて重要だと。全ての子どもたちが安心して医療にかかれるようにすると。
 医療の部分だけではないという話がありましたけれども、これは医療の部分が取り上げられているだけで、他の委員会にかかっている請願などを含めて見ますと、教育の問題などを含めてしっかりと書かれていますので、そういった意味では、御指摘はなかなか当たらないんじゃないかなというふうに思いますし、ぜひとも御賛同いただけるというふうに思います。

◯中村正孝委員(自民党)  今、北原委員と馬場委員からの御発言もお聞かせいただく中で、先ほども京都府の取組も含めてお話を聞かせていただいておるんですけれども、子育てというのは医療費助成だけの問題ではなくして、先ほどからも出ておりますように、それぞれの市町もやはり特色を生かしながら取組を進めていただいておるという状況もあります。それぞれの会派によって、少し考え方もやはり違うだろうとも思いますし、あり方検討会議での意見も含めて、やはり事業を行う主体である市町村の意見が非常に重要だというふうに思いますので、やはり、そこの整理というものが、一つは大事であろうというふうに私は思います。また、市町村独自の施策によって、充実を図っておられる状況もありますし、そういったものをやはりセットにして考えるべきであろうというふうに思いますので、私としては、この医療費の部分についてということについては、反対の立場で御意見をさせていただきました。

◯島田敬子委員  北原委員、中村委員の御説明は、反対の理由はなっていないと思います。亀岡は大いに頑張っていただいて、何と京都市から亀岡に居住を移すというふうなことで、市町村とセットだということですが、やっぱり市町村は先ほども紹介があったように、府の応援があれば、もっと充実できると頑張っていらっしゃるわけで、これは京都府の制度を拡充することによって応援することになるということだというふうに思うんです。
 中学校卒業までということになっていますが、3歳を超えると1,500円の負担があるんです。子どもが何人かいらっしゃると、あるいは月をまたぐと、すぐもう1,500円ということで、この1,500円でも非常に負担が重いわけですね。3歳児といいますと、まだ病気もたくさんしますので、そういった子も含めて緊急的に拡充してほしい。全体としては、やはり子どもの全ての医療費を無料にするということで、子どもの健やかな成長と健康づくりに役に立つ制度でありますので、これは子育て世代にとっては緊急課題なので、ぜひ頑張っていただきたいという請願だと思うんですよ。
 本来、自民党がこども庁までつくって、子どもの予算を倍にすると言ったのに全然具体化しないし、そもそも国の制度であるべきで、地方自治体が一生懸命頑張っているのをもう少し応援すべきだと。なので賛成していただきたいというふうに思います。

●審査結果…挙手採決の結果、賛成少数により、不採択と決定した。