報告事項
下記の事項について報告が行われた。
・文化が活きる京都の推進に関する条例(案)に基づく基本的な指針の策定について
◯益田結花 文化生活部長 ただいま通知をお送りしました資料を御覧ください。文化生活部から1件、御報告をさせていただきます。次のページをおめくりいただきまして、別紙1「文化が活きる京都の推進に関する条例(案)に基づく基本的な指針の策定について」を御覧願います。
背景等にございますとおり、国においては昨年3月文化庁が京都に移転するとともに、文化芸術推進基本計画第2期が制定されたところであり、文化芸術活動を取り巻く社会情勢は大きく変化しているところです。このような状況を踏まえ、「京都府文化力による未来づくり条例」を見直し、後ほど御説明させていただきますが、今府議会において新たに、「文化が活きる京都の推進に関する条例(案)」を提案しております。御議決をいただくことができましたら、新たな条例に基づく基本指針の検討を進めてまいりたいと考えております。
基本指針の方向性といたしましては、これからの京都府の一層の発展には府民の様々な活動の中に文化の力を生かしていくことが大切であると考えており、文化庁、京都市をはじめとする市町村、経済・文化団体等と連携し、有形・無形の文化財、伝統芸能や地域の祭り・行催事などの伝統文化から現代芸術やアニメ、映画、ゲーム等のコンテンツまで京都の多彩な文化を効果的に活用することで、文化に込められた心を伝えていくとともに、文化と経済の好循環を生み出す施策を推進するよう基本指針をまとめてまいりたいと考えております。
今後の予定でございますが、条例の御議決をいただけましたら、本年9月府議会において指針の中間案を御報告の後、パブリックコメントを実施し、この結果と併せ今年12月府議会において指針案を御報告させていただく予定としております。
文化生活部からの報告は以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
◯島田敬子委員 ただいま報告がございました。文化が活きる京都の推進に関する条例(案)に基づく基本的指針の策定について伺います。
条例案の審議としてだぶったりするんですけれども、今回、条例案の中にはこれまでの条例にあった基本計画をなくして、指針は別にと今回の報告になっておりますが、この理由についてまず教えてください。
◯梅原和久 文化政策室長 前回の条例、未来づくり条例の場合は、基本計画といいますかそれぞれの指針に関しましても条例の中で記載をしておりました。これは条例と別に5ヶ年の計画として策定しておりましたけれども、今回、基本指針という形で条例から切り出すことにしましたが、それは5ヶ年という中長期のものではやはりこういう状況の変化とか社会情勢の変化とか、新たな文化施策を推進していく上ではもっと機動力を上げたほうがいいだろうという考えがございまして、別に切り出して指針をつくるということにしたものでございます。以上でございます。
◯島田敬子委員 そうしますと、基本指針の期間というのは、今回はどうなっているのでしょうか。
◯梅原和久 文化政策室長 今のところ、指針は期間を定める予定はございませんが、機動的に対応できるようにしたいと思っております。
◯島田敬子委員 審議をするに際していろいろホームページも見たり、審議会の状況、どんな議論が行われているのかということを見ましたけれども、この京都府文化力による未来づくり審議会における議事概要はホームページに掲載されておりましたけれども、その際に出された資料については掲載がなかったんですね。それで、いったい中身はどんな方向になっているのかとか、未来づくり条例と基本計画に基づく進捗状況ですとか総括ですとか、そういう部分がなかなか見て取れなかったんです。この点、改善が必要だと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
◯梅原和久 文化政策室長 御指摘いただきましたとおり、今、議事概要しか載っていないところでございますので、これは全面公開の審議会でございますので、その資料につきましてもアップするように改善したいと思っております。
◯島田敬子委員 パブリックコメントも2件しか寄せられていない。なかなか府民的な議論をするという点では情報公開の点でも不十分でありますので、ぜひ改善の方をお願いしたいと思います。
それで、理事者に会議資料を頂いて大体方向性が分かってくるのですけれども、昨年9月13日開催の第11回の審議会で示された条例基本計画の趣旨1に、
「京都府の魅力であり強みである文化を将来にわたって守り、育て、文化が活きる地域の活性化、地域経済の成長等を図る、そのために最近の社会状況の変化を踏まえた対応を図る」
とされております。文化庁の京都移転を契機とした機能強化、2025年大阪・関西万博の開催、IT技術の進展等によるグローバル化、地域における過疎・高齢化の課題、コロナ禍の影響等が挙げられておりました。このあたりを少し、別紙1の資料では分かりづらいですので、ちょっと分かりやすくお話ししていただけませんでしょうか。
◯梅原和久 文化政策室長 第9回の審議会で御説明したそういう条例制定の背景の御説明ということでよろしいでしょうか。
◯島田敬子委員 すいません、第9回の審議会資料には背景とか府民意識調査の結果などもございました。加えて、第11回の審議会では、いわゆる方向性、条例基本計画の趣旨というふうに書いてありますので、そこらあたりも踏まえましてもう少しお知らせいただきたいと思います。
◯梅原和久 文化政策室長 ありがとうございます。先ほどの御指摘でございますけれども、この後、条例の審査のときにそのあたりの御説明というのは一応資料としては入っておりますが、その第11回の時とかですと、条例基本計画の趣旨といたしまして、先ほど委員から御紹介いただきましたけれども、京都移転を契機とした文化庁の機能強化とか万博開催、それからコロナ禍による影響等、こういった社会情勢の変化を踏まえて対応することにしたというようなことを趣旨としては述べておりますし、これはこの後、条例のところでも同じようなことの説明をさせていただきたいと思っております。以上です。
◯島田敬子委員 国では第2期の文化芸術推進基本計画を策定されておりますが、この中に、例えば文化と経済の好循環を創造するための方策として、文化芸術の成長産業化、文化観光の推進等による文化振興への再投資の創出などが強調されておりますが、このような方向なんでしょうか。
◯梅原和久 文化政策室長 こういった国の指針も踏まえまして、京都ならではの施策というのを今後考えていきたいと考えております。
◯島田敬子委員 未来づくり条例に基づく基本計画に定めた施策の総括についてはどのようになっておりますでしょうか。
今、報告であったように条例との関係でちょっとあれですが、例えば府民意識調査の結果を見ますと、府民の文化活動、音楽、美術等の創作参加、音楽、茶道等の習い事、地域芸能や祭りへの参加が減少しているということになっております。多分コロナ禍があったからとのことですけれども、この間、府がこども文化会館を突然廃止したことや、文芸会館の改修がなかなか現場の願いには応えられていない点など、府の文化芸術施策が一般府民への文化芸術活動を支援する、保障するという点で十分でないということを思うわけですけれども、府民意識調査の結果等について御報告をお願いします。
◯梅原和久 文化政策室長 毎年3月に府民の意識調査というのを行っておりまして、その中で府民の文化体験をされた方の割合とかいうことを指標として取っているところでございます。委員から御紹介のとおり、コロナ禍のときに若干下がっておりますけれども、そこのあたりが若干は回復しているものの、やはりそういう機会が減っているというのは事実でございまして、今後の指針とか施策の中でもそういう文化に触れる機会というのをどんどん創出していくような取組をつくってまいりたいと考えております。
◯島田敬子委員 文化芸術施設整備の予算等がいろいろ凸凹あるんですけれども、減少傾向にあるなと見て取っているんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
◯梅原和久 文化政策室長 そのあたりもおっしゃるとおりでございまして、やはり利用者数とかが若干減っているのは事実でございます。そのあたりに関しましても取組を進めてまいりたいと考えております。
◯島田敬子委員 文化芸術や観光、まちづくり等の連携はあり得ることですけれども、そうしたことに直接関わらない分野の軽視はいけないですし、そもそもこの条例等については2001年議員立法で制定された文化芸術振興基本法が基にあるというふうに思っているわけですけれども、この国の基本法に照らして現在の取組状況というのはどんなことになっていますでしょうか。
◯山口勝委員長 すいません。今、報告事項をいただいているのは、新たな条例に基づく基本方針を策定するか否かという話なので、お聞きされている内容はリンクしているといえども、ちょっと所管事項等でもう少し詰めて、また条例等が出た時にやっていくべきで、この策定に関してどうなのかということに絞って御質問いただければと思います。梅原文化政策室長、答える分には答えてあげてください。
◯梅原和久 文化政策室長 平成29年に文化芸術基本法というのが改正されまして、そこで文化財の活用ですとか観光に生かすといった取組がフィーチャーされて、それが今回の基本計画等にも反映されているところでございます。あと、文化GDP[※GDP内に含まれる文化産業による付加価値]とかそのあたりの言葉もその当時に出たところなんですけれども、そういう経済に生かすという考え方自体は今回の計画にも生きておりますし、京都府の施策としましてもやはりGDPというところまで表現はしておりませんけれども、経済の活性化に資するような取組をやってまいりたいと考えております。
◯島田敬子委員 委員長の御指摘のように、なかなか条例と合ったものが今回取り沙汰されているので、審議の進め方について私もちょっと思慮しておったんですが、分かりました。条例案のところでやります。
これまでの基本計画に定めた施策の総括としては、先ほど私が指摘したところは部分的な指摘だと思うんですけれども、それはどのような総括というかまとまったものがあるのかどうか、ちょっと教えてください。
◯梅原和久 文化政策室長 この5ヶ年の計画の総括ということでよろしいでしょうか。毎年、基本計画のKPI[※Key Performance Indicator:重要業績評価指標]という形で指標をホームページに公開しておりまして、そのあたりで申しますと、先ほど答弁の中でも若干お答えさせていただきましたけれども、コロナ禍のときに一旦そういう機会が減った方々が戻りきっていないとか、そういうところの分析はもちろんさせていただいておりますし、そういう文化に携わる人たちの数が若干減っているということも事実でございます。ただ、一方で、文化財を活用して文化に親しんでいただくような取組の件数とかは増えてきているところもありますので、そういうところでは施策の成果は出ているところかなと思っているところでございます。
◯島田敬子委員 分かりました。KPI指標での評価が適切な評価指標であるのかというのは少し疑問のあるところではありますが、報告は了解いたしました。以上で終わります。
付託議案及び審査依頼議案
下記の議案について審査が行われた。
(付託議案)
・第2号議案「文化が活きる京都の推進に関する条例制定の件」
・第6号議案「個人府民税の控除対象となる特定非営利活動法人への寄附金を定める条例一部改正の件」
(審査依頼議案)
・第1号議案「令和6年度京都府一般会計補正予算(第1号)中、所管事項」
◯益田結花 文化生活部長 それでは、本常任委員会に付託されております議案のうち、文化生活部所管の議案につきまして御説明をいたします。ただいま通知をお送りいたしました資料をお願いいたします。
文化生活部の議案といたしましては、第2号議案文化が活きる京都の推進に関する条例制定の件、第6号議案個人府民税の控除対象となる特定非営利活動法人への寄附金を定める条例一部改正の件の2件でございます。
次のページにお進みいただきまして、付託議案資料の下にありますページ番号1ページからお願いいたします。先ほど来話題になっております、文化が活きる京都の推進に関する条例制定の件でございます。
京都府では、平成30年に「京都府文化力による未来づくり条例」を制定し、アート市場の拡大や地域アートマネージャーによる地域文化振興、暫定登録文化財制度による文化財の早期保護など、様々な施策を全国に先駆けて取り組んでまいりました。その後、国におきまして文化庁の京都移転が実現するとともに、文化芸術推進基本計画第2期が策定されたところであり、文化のさらなる活用や文化と経済の好循環を生み出していくなど文化芸術活動を取り巻く社会情勢は大きく変化しているところでございます。
こうした背景を踏まえ、これからの京都府の一層の発展には全ての府民が京都の文化に誇りと愛着を持ち続け、府民の様々な活動の中に文化の力を生かしていくことが大切であると考えております。そのため、京都の文化を将来にわたり継承するとともに、新たな文化の価値の創造につながる施策に総合的かつ効果的に取り組んでいけるよう、条例を全面的に見直し、新たな条例を制定するものでございます。
現行の条例につきましては、国民文化祭の後の府民の文化活動の継続による地域の活性化を図るとともに、地域の文化を観光等に生かしていくことを目指し策定したものでございます。一方、コロナ禍などの影響や過疎・高齢化が急速に進む地域の活性化が喫緊の課題となる中、今回の新しい条例において文化の力を様々な分野に生かして地域創生を図っていくことが重要であると考えております。
また、加えまして、文化庁の京都移転を受けて、京都の文化が有する心・精神性を未来につないでいくとともに、文化で世界中の人々との絆を深めるなど、文化で世界に貢献していくことを目指していきたいと考えております。
このため、条例を全面的に見直すことを通じて、改めて府民の皆様に地域の文化への認識を高めていただくとともに、自らの地域文化に愛着と誇りを持ち続けていただき、府民とともに文化による地域活性化を図っていきたいとの考えの下で本条例を提案させていただいたところでございます。
それでは、条例案について御説明をいたします。まず、条例の題名でございますが、府民の様々な活動の中に文化の力を生かしていくことを表す題名として「文化が活きる京都の推進に関する条例」としたいと考えております。
前文でございますが、文化が活きる京都を推進する意義や京都の文化的特徴を述べた上で、条例制定の趣旨や目的を記載している部分でございますので、少し長くなりますが御説明をさせていただきたいと存じます。
1つ目といたしまして、京都は、長い日本の歴史における政治と文化の中心地として四季折々の自然や気候風土と関わりながら独自の文化を育み、我が国の文化的・経済的な発展に重要な役割を果たしてきたこと。京都の文化の力は、大学などによる知の集積をもたらすとともに、人々の進取の気質と相まって多くのベンチャー企業を輩出し、伝統産業を基盤とした企業や世界規模で活躍する企業を生み出すなど、現代日本においても文化的・経済的な基盤の一端を担う源泉となり、今後もその役割を果たしていきたいと考えていること。そのためには、全ての府民が受け継いできた京都の文化に誇りと愛着を持って生活することができ、企業活動を含め府民の多様な文化的・経済的諸活動に文化の力を生かしていく取組の一層の推進が重要であること。
このような認識の下で、社会のあらゆる分野において京都の文化が将来にわたって継承され、現在及び将来の府民の間で大切に育まれ、文化に親しみ、文化に学び、新たな価値が持続的に創造される「文化が活きる京都を推進」することで、文化の力で地域の活性化、産業の振興、その他社会の持続的な発展に寄与し、人と人との絆が大切にされ心豊かに暮らせる温かい京都を築き、国内はもとより世界に貢献していく京都の実現を目指して、この条例を制定することと規定をしております。
次に定義といたしまして、「文化が活きる京都の推進」について定義いたしますとともに、1枚おめくりをいただきまして2ページ目、(4)の基本理念でございます。基本理念といたしまして、京都の文化の力を府民の多様な活動に生かしていくことが地域の活性化、産業の振興、その他社会の持続的な発展に寄与し、並びに人々の相互理解及び心豊かに暮らせる温かい生活の実現に資するものであることについて、国内外の理解を深めること、府民の自主性を尊重しつつ府民が京都の文化に誇りと愛着を持って生活し活動することができること、国内外の多様な機会を通じて京都の文化の力が国内外の交流の促進に資すること、文化芸術、観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業、その他の社会のあらゆる分野における有機的な連携が図られることを規定しております。
府の責務でございますが、基本理念にのっとり、文化が活きる京都の推進に関する総合的かつ効果的な施策を策定し、実施することを定めるとともに、その施策の推進を図るため基本的な指針、これが先ほど報告事項として御説明いたしました基本指針でございますが、この基本的な指針を定めることとしております。
また、連携協力体制の整備といたしまして、府民やその他の関係者と連携し協力していくことや、文化が活きる京都推進審議会として基本指針の策定など重要事項の調査審議を行う審議会を置くこととしております。
施行の期日は、公布の日を予定しております。
なお、本条例骨子案につきまして、3月18日から4月7日までパブリックコメントを実施いたしましたところ、計8件の御意見を頂戴いたしました。主なものといたしまして、「能や狂言などの京都の伝統文化を子どもが気軽に体験できる場が必要ではないか」「京都の地域文化を集めて見学や体験できる機会が必要」「守ることと同じくらい新たな文化を生み出す取組に力を注いでほしい」などがございまして、こうした御意見の趣旨を今後の施策に反映してまいりたいと考えております。
続きまして3ページをお願いいたします。第6号議案でございます。個人府民税の控除対象となる特定非営利活動法人への寄附金を定める条例一部改正の件でございます。
改正内容といたしましては、本条例において、個人府民税の控除対象となる特定非営利活動法人として規定している特定非営利活動法人劇研について、控除対象特定非営利活動法人として継続するための手続が行われなかったため、別表から削除をするものでございます。
以上が付託議案の概要でございます。私からは以上でございます。説明が長くなりまして失礼いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
◯角田幸総 文化施設政策監 続きまして、文化施設政策監所管分につきまして御説明させていただきます。ただいま通知をお送りいたしましたので御覧願います。
表紙にございますとおり、第1号議案令和6年度京都府一般会計補正予算(第1号)中、所管分の1件でございます。2枚お進みいただきまして、資料下にあるページ番号2ページの令和6年度6月補正予算案資料事項説明を御覧願います。
向日町競輪場周辺地域まちづくり協働検討費、100万円でございます。向日町競輪場及びアリーナの整備を核とした周辺地域の活性化を図るため、向日市をはじめとする周辺市町との協働により、地元と一体でまちづくりを検討するための経費でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
◯島田敬子委員 では、「文化が活きる京都の推進に関する条例案」について伺います。
長い日本の歴史における政治と文化の中心地である京都を発展させるということは非常に重要でありますし、文化の力を生かすというようなことも否定をするわけではありませんけれども、審議会の中にも専門分野の人もたくさんいらっしゃって、そうそうたるメンバーで議論が行われたのですが、その専門分野の方だけではなくアマチュアで活動をしている個人・団体にも生かせられるような条例を希望する声、そして府民誰もが文化芸術を享受できる環境を整えていくことが大事であると私たちは考えております。
それで、文化芸術振興基本法が2001年に議員立法で制定され、2017年には先ほどございましたようにこれも全会一致で改正されて、表現の自由等も明記されました。基本法前文には、文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重することや創造性の尊重、文化芸術を創造し享受することができるが、人々の生まれながらの権利だということもうたっております。
今回、廃止しようとする「文化力による未来づくり条例」についても、こうした重要な理念が明記されませんでしたし、今回の条例も明記がありませんけれども、このあたりどのように考えていらっしゃるか、教えてください。
◯田中圭一 文化生活部企画調整理事兼副部長(文化振興担当) 先ほど委員から御指摘のありました、表現の自由等の記載でございますけれども、これはそもそも憲法のほうでも保障されておりますし、今、御説明いただきましたように国の基本法にもう記述があるということでございますし、今回の条例に関しましてはその法令に基づいた、踏まえた条例というふうになっておりますので、わざわざ条例の中ではうたっていないという状況でございます。
◯島田敬子委員 国の基本法を踏まえたものであり、確かに記述の中にはあるわけですけれども、冒頭に申し上げましたように、府民誰もが文化芸術活動を享受できる環境という大前提がやはり重要だと私たちは考えているわけです。条例前文には、企業活動を含めて府民の多様な文化・経済的諸活動に京都の文化を活かしていくと御説明があったんですが、どうもこの文化的・経済的諸活動に活かすということで、これまでも指摘してきましたけれども、文化芸術を経済的利潤の追求として利用している側面が非常に大きいというふうに見ております。
それで、このことを第8回の審議会で「もうかる分野の芸術のみが良しとされた30年間の文化政策は失敗であり、文化政策の根本的転換が必要」との意見が出されておりますし、第10回審議会では、「例えば経済活動といった言葉が強い力や意味を持ち過ぎることがある。言葉を利用された文化を損なうことにならないように、文化を守るということの優先度を高くし、言葉選びを慎重にすべき」などとの意見が出されておりますが、こうした意見についてはどこかに反映されましたでしょうか。
◯田中圭一 文化生活部企画調整理事兼副部長(文化振興担当) 今回の条例制定に当たりましては、もちろん「文化を活かす」ということで様々な分野に生かすと。今、委員から御説明がありましたように、産業等にももちろん生かしていくのは当然でございますけれども、それは一面でございまして、本来もともと先ほどから御説明を申し上げていますとおり、日本文化がこれまで培ってきました心、自然への敬愛なり思いやりとか、あるいは周囲への気遣いといったそうした心をいかに未来に引き継いでいくかというところを非常に大事に思っておりますし、そのためには府民の皆様に様々な活動をそうした文化に基づいてしていただくということは、非常に大事な側面であると考えております。その点は、先ほども申しましたように、「文化を活かして世界中との絆を深めていく」というような御説明もさせていただいたところでございます。ですので、今回の条例に当たりましては、もちろん府民の皆様が活動しやすいような環境をつくっていくというのはベースにあるというふうに捉えていただいたらありがたいと考えております。
◯島田敬子委員 言葉についても、日本文化と京都の文化がどう違うのかとかいろんな議論があったのは審議会の報告でも見ましたし、なかなか条例としてまとめ上げるのは非常に御苦労があったかなというふうには思うんですけれども、言葉の額面上は別にこれでおかしいというのはありませんけれども、これまでの計画なり基本指針なり、さらには国の方向なり、さらには予算の配分なんかを見ておりますと、どちらかというと経済的追求といいますかそうした方向に行っている感があります。
しかも、先ほど述べましたように、基本的な計画や指針が条例の中にありませんので、一体何が条例の対象になっているのかということは分からないわけですね。ですので、府民がこの議論に参画しようにもなかなか難しい条例だなと。なので、パブリックコメントも府民意見が2人にとどまっている。あるいは、審議会の概要も報告されておりますが、会議資料などは掲載されていないことからも、文化を享受する立場の府民の参加がなかなか難しい状況になっているのではないかというふうに思っております。その点、いかがでしょうか。
◯田中圭一 文化生活部企画調整理事兼副部長(文化振興担当) 今回条例の内容につきましては、特に基本的な部分、いわゆる基本理念でありますとか、府の責務といったところに絞って条例のほうは立てさせていただいたというところでございまして、先ほど梅原文化政策室長のほうからも御説明申し上げましたとおり、そのほか具体的な施策につきましては、これから基本指針の中で様々な意見をお聞きしつつ策定していきたいというふうに考えておりますので、先ほど委員の御説明にありました中身につきましては、特にそうした基本指針の中で具体化していくということで御理解いただければというふうに思います。
◯島田敬子委員 指針等はこれから順次報告されてパブコメもということですが、それはあくまで報告なので、現時点では議決予定にもなっておりません。そういう問題があるというふうに思うので、引き続き府民参加もいただいて、御発言がありましたような方向も含めて府民にとって生きる基本指針にもしていただきたいし、条例という点では少しその中身が具体的に分かりませんので、問題はあると指摘しておきたいと思います。以上です。
◯田中富士子委員 条例を読ませていただきまして、先ほどから島田委員が述べられているように、文化的な活動の減少というのがコロナ禍で見られたというところはあるんですけれども、今後、これをどういうふうにまた府民が活動に触れる機会を増やしていくかという点で具体的な対策というのが少し見えてこないところがありまして、お聞きしたいと思います。
第9回京都府文化力による未来づくり審議会では、文化に関する府民意識調査の結果から、コロナ禍の中で文化体験の減少があったということは数字で見ても明白であります。そして、政府の文化芸術推進基本計画第2期の審議の中でも、我が国の文化芸術を取り巻く状況のまとめでは、「新型コロナ感染症が文化芸術に与えた影響に関して活動の減少があり、極めて甚大な影響」と評価しておられます。
そういう中で、2022年度の活動の減少が著しかったと思うんですけれども、2023年度の京都府の文化活動評価指標の目標値はかなり高く数値を見込んでおられたというふうに資料から見て取れました。2023年度の数値がまだ調査中ということではあるんですけれども、具体的にどういうふうな対策を取られたのかというのをちょっと教えていただきたいんですけれども。お願いいたします。
◯梅原和久 文化政策室長 先ほども答弁させていただきましたけれども、確かにコロナ禍で実際にそういう参加された方が減ったというのは事実でございます。ただ、いろんな形で、コロナ禍のときにはオンラインで体験、鑑賞できるような取組というのもそのときに進めたものでございますし、そういう取組というのはコロナ前にやっていたものを新たにオンラインで体験できるような、視聴できるような環境をつくるというようなことはいたしました。そういった取組を通じて、若干は回復しているところもございますし、昨年以降はリアルで開催するようなイベントも増えてまいりましたので、全体としては若干回復傾向にあるというようなところでございます。
◯田中富士子委員 例えば、学校などで演劇だとか音楽だとか鑑賞するという面では、リアル体験の場はコロナ前まで回復されたのでしょうか。
◯梅原和久 文化政策室長 2023年度の数字に関しましては今、取りまとめ中のところでございますけれども、イベント数、府の事業といたしましては回復しているところでございます。実数の把握はもうちょっとしてから公表したいと思っております。
◯田中富士子委員 ありがとうございます。
やはり、全ての子どもたちが学校に通っておりますので、こういう学校の現場で子どもたちが文化活動に触れる機会、演劇なり音楽なり多様な文化に接する場というのを保障していっていただきたいなというふうに思いますので、お願いいたします。そういうこともこの条例の中に盛り込んでいただければありがたいと思います。
次の質問ですけれども、先ほどから島田委員が述べておりますが、この文化が儲け重視になっていないかというところです。京都の文化というのは、日本の中でもやはり優れた文化がずっと継承されてきた中で、今、特に伝統産業などの従事者の減少というのが問題になっていると思うんです。私も地域の中で伝統産業の仕事をなさってきた方に聞くと、やはり後継者がつくれない、教える方もいないというような状況がありまして、これまで培われてきた伝統産業がもう続けられないところまで来ているのではないかというのが一番気になります。
そして、この文化を活かしていくにも、文化が途絶えてしまっては生かせない。新たな文化も必要ですが、この貴重な文化を後継につないでいくために本当にもっともっと力を入れることが必要ではないかと思うんですけれども、昨年、伝統産業などを担っている方々の減少数とか倒産数とかこういうことは把握なさっているのでしょうか。
◯山口勝委員長 田中委員に申し上げますけれども、今、条例に関しての質疑の内容になっておりますので、一部、伝統産業とかはここではなくて商工労働観光部とかに関わる内容になっておりますので、もう少し絞り込んだ形で条例に即した質問をお願いします。理事者、答えられることがあるのだったら答えてあげてください。
◯梅原和久 文化政策室長 伝統産業の従事者の減少数等に関しましては商工労働観光部の染織・工芸課が所管でしておりますので、御了承ください。
◯田中富士子委員 ありがとうございます。これで終わらせていただきます。ありがとうございます。
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◯島田敬子委員 予算の議案化としての発言を落としておりましたので、お許しをいただけるなら質問させていただきたい。
◯山口勝委員長 では、お許しをして。どうぞ。
◯島田敬子委員 ありがとうございます。今の関わりで、申し訳ありません。
向日町競輪場周辺地域まちづくり協働検討費100万円についてです。本会議答弁で知事は、アリーナ整備について、地元の皆様の御意見を丁寧にお聞きしながら地域のまちづくりとしての視点を重視して整備を進めていくと述べられました。北山エリア整備計画の進め方でいろいろ教訓があったかと思いますが、同じことを繰り返さないで住民本位で、まちづくりと一体に進めていただきたく、この観点から伺いたいと思います。
3月14日に西脇知事がアリーナ整備地に向日市を選定したことを発表し、4月26日の記者会見でアリーナが8,000席以上、2028年度の完成を目指すことを表明、その1週間後の5月2日、概算整備費や事業スケジュール等を記載した募集要項とアリーナ面積等を定めた要求水準書が発表されました。そして、アリーナの建設・維持管理を担う事業者の公募型プロポーザルが現在、行われておるところであります。
アリーナ建設発表から2ヶ月足らずでアリーナ建設に関わる地元住民の不安や意見を聞かないままに具体的なアリーナの形を示す募集要項、要求水準書に示す公募を行うやり方は、あまりにも住民置き去りではないかと住民の声も上がっております。
私も住民説明会に参加させていただきましたけれども、「今回の説明会の前にもう5月には事業者の公募が始まっている」「京都府や向日市の考え方に疑念を持っている」「北山エリアの検討状況と比べても市民の意見が軽んじられているのではないか」という声が出されておりました。また、賛成の方も「アリーナ整備をきっかけに道路整備が進むからというふうに言われているけれども、完成時期の2028年10月開業予定のときまでどのようにして道路の拡幅とかアクセス道路の整備とかできるのか、スケジュールを具体的に答えてほしい」と言われておりました。
こうした意見について、大変限られた時間ですので1問1答で終わっていてなかなか住民の方に納得いくような説明はされていなかったと思うんですが、改めてちょっと認識を伺いたいと思います。
◯新井弘徳 文化施設政策監付企画参事 新たに大規模な集客施設を整備することになることから、また交通渋滞等の影響について、地元の皆様はじめ、御懸念や御不安の声が出ることは当然のことであると考えております。先般開催したような説明会などを節目など必要に応じて開催することにより、地元の皆様の御意見も伺いながら進めていきたいと考えております。
◯砂子坂孝之 文化施設政策監付理事 補足でございますが、今後のスケジュール、道路、周辺環境整備というお話もございました。周辺環境整備につきましては、我々、道路整備そういったものだけではなくて、アリーナへのアクセス方法、そういったまちづくりの観点からソフト・ハード両面での検討が必要であるというふうに考えているところでございます。
代表的な道路といたしましては、東側にございます、通称物集女街道と申しております府道西京高槻線、こういったところは向日市内で2地区、長岡京市内で2地区で今現状では道路拡幅でありますとか無電柱化といった事業着手にかかっているところでございますので、そういったものの早期完成を目指して取り組んでいるところでございます。
また、ソフトにつきましても、周辺環境の道路状況を踏まえまして公共交通機関での来場の推奨ですとか、公共交通機関でもJR、阪急といった最寄駅への誘導、シャトルバスといったものの活用でアクセスの集中といったものの分散化を図ってまいりたい。申し上げましたように、ソフトとハードの両面で対応してまいりたいということでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
◯島田敬子委員 そのような説明をされておりましたけれども、土木事務所次長から、
「向日市民なら御承知のとおり、府道整備は一朝一夕には進まない。途方もなく時間がかかる。具体のスケジュールについては関係者も多いので、時間がかかるとしか言えない」
と言って会場はざわめくというかどよめく雰囲気がありました。それで、角田文化施設政策監がソフト・ハード両面でアクセスの分散化とかと説明されましたけれども、じゃあ、いったい1日どれだけのお客さんが来られて、そしてこれをどのルートで何人、どのルートで何人というふうに具体的にシミュレーションして、アクセスを確保するのかというところまでは踏み込まれていなかったわけですね。なので、住民はよく分からないということになっています。
KARA-1(カラワン)グランプリ大物産展で1日10万人の方が競輪場に来られて、商工会とか観光協会、激辛商店街などがうまくノウハウをお持ちでちゃんとさばいてやっておられた、このノウハウを活用していただくとも答弁されましたが、しかしなかなかこれでは府道整備は無理だろうからソフトで対応するしかないかのようにも聞こえたわけです。
本会議で能勢議員からも、アクセス道路の整備は府がしっかり責任を持って進めるべきだと要望されました。KARA-1グランプリで10万人来場された際にシャトルバス運行で対応した実績があると答弁されましたけれども、KARA-1グランプリは終日来場者の動きがありますが、プロバスケットの試合とかコンサートなどは観客が一気にその時間に集中するわけで、これで大丈夫とはならないと思いながら聞いておりました。そのあたり、具体的にシミュレーションといいますか、ソフト・ハードの両面で分散化するその中身について、それから府道を責任を持って整備をするという点についてもう少し明確に御答弁をいただきたいと思います。
◯砂子坂孝之 文化施設政策監付理事 今の御意見でございますけれども、まず道路整備につきまして説明会で乙訓土木事務所の次長が参りまして答弁をさせていただいたところでございます。御存じのように、やはり道路整備は単に道路を拡幅するだけではなくて、用地買収等から始まりまして様々な手順を踏んでいくわけになります。そういったところで、所管外ではございますが、1年、2年で全ての道路拡幅が完了するというのはなかなか難しいという趣旨で申し上げたというふうに理解しております。
本件アリーナは整備できたら終わりではなくて、やはり数十年運営をしていくということを考えますと、道路整備をここ5年までで全て完了することだけを見るのではなくて、運営期間を含めまして周辺環境をどのように整えていくかという観点で見るべきというふうに考えているところでございます。
先ほどKARA-1グランプリのお話がございました。確かに1日で10万人というお話をしております。こちらはただ、24時間KARA-1グランプリをされているわけではございません。KARA-1グランプリをされているのは数時間ということでございます。その中でもお客様が集中されるのはお食事時、お昼からお昼過ぎといったものに集中するというふうに考えておりますと、その1日で10万人というところでございます。
我々のアリーナ、8,000人以上と申し上げておりますが、やはり来場される方も一気に8,000人来られるわけではございません。数時間に分かれてこられると考えております。帰りにつきましても、8,000人が一気に出るというようなことをできるだけ避けるために分散化を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。向日町競輪場は昭和40年代には1レースで2万人というようなのもございますから、そういった集客実績もある中、過去から積み上げてこられたそういった実績をしっかり我々も活用してまいりたいという趣旨でございます。以上でございます。
◯島田敬子委員 まちづくりと一体で進める観点で庁内でも部局横断の場を持ち、住民との協議の場を持っていろいろと検討するとおっしゃいましたよね。その検討の土台に、やはりシミュレーションとかがあるべきだと思うんですよ、どのように交通を確保するのかとか。そういうのはないんですか、提案というのは。
◯砂子坂孝之 文化施設政策監付理事 今回のアリーナ整備につきましては、従来から答弁なりこちらの質問の回答で申し上げておりますけれども、民間の運営の柔軟性、そして府民負担の軽減のためにできるだけ事業者の皆さんの御提案をお受けさせていただくというようなことを考えておりまして、最低限の条件なりを整理したところで現在、動かしているところでございます。事業者の具体的な提案を待ちまして、その中身を含めて我々、文化施設政策監付のみならず建設交通部でありますとか府内関係部局、先ほど新井文化施設政策監付企画参事が申し上げましたが周辺自治体の皆様と対策も含め、まちづくりの観点で皆さんと御一緒に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
◯島田敬子委員 民間丸投げというのは問題だと思うんですけれども、まちづくりは事業者、もちろん調整はあると思うんですが、先ほど言いました一番の道路渋滞の問題とか、消防署もありますし学校もありますし、そういうあたりで一番住民の不安があるのでもう少し具体的に、それから府道についてはしっかりとこの道路とこの道路は整備するというようなことも含めまして、責任ある説明が必要だというふうに思うわけです。
駐車場がどうなるのか、ホームアリーナ検査要項新B1基準とかいろいろ書かれておりますが、最低何台の駐車場になろうとするのかとか、そこらあたりは分かるんでしょうか。
◯砂子坂孝之 文化施設政策監付理事 駐車場につきましては、現状で向日町競輪場の第4駐車場という駐車場で1,000台を超える収容台数を設けられる駐車場が存在しております。我々といたしましては、ただ、一般の皆様につきましては公共交通機関利用を推奨させていただくというところでございますので、あえて一般の方の駐車場は今回何台整備するというようなことは申し上げていないというところでございます。以上でございます。
◯島田敬子委員 住宅が密集しておりまして、先ほども言いました消防署もあって緊急車両がどうなるのかという不安もありました。それで、向日町競輪場全体56,000m2について全体の絵も、いろいろゾーニングは示しておられましたけれども、もっと具体的な説明が欲しいという声がありました。事業者に案の提示をお願いしているということですと、住民の具体的な疑問、知りたいことに答えてもらっていないというふうに思うんですけれども、なぜそうなるのでしょうか。
◯砂子坂孝之 文化施設政策監付理事 繰り返しのお答えで申し訳ございませんが、向日町競輪場敷地内全体の運営について非常に柔軟でより効果的・効率的、さらに府民負担の軽減を図るために、現在、事業者に事業内容の提案を求めているところでございます。以上でございます。
◯島田敬子委員 やはり事業者丸投げですよね。改めて募集要項・要求水準書を確認いたしますと、競輪場以外の余剰地全てを事業者に委ねることになっていると思うんですが、そういう理解でよいのかと。
◯砂子坂孝之 文化施設政策監付理事 我々、本件につきましてはアリーナ施設の整備だけを念頭に入れているわけではございませんで、やはり向日町競輪場全体を含めた周辺地域とのまちづくりの観点・視点というふうに考えているところでございます。そういった視点のノウハウ等をよく我々公共よりも持っている民間事業者の皆さんに、よりふさわしい効果的な提案を求めているものというふうに理解をしております。以上でございます。
◯島田敬子委員 「アリーナの整備運営に係る本体事業と本施設を活用して事業者が自らの負担において企画・立案・運営する自主事業で構成され、事業効果の増大や利用促進を目的として事業者の創意工夫による自主事業を行うための追加機能も提案することができ、本体事業、自主事業との相乗効果を高める機能を持つ施設として、敷地内に自らの負担で所有し運営を行う事業者提案施設を提案することができる」となっております。
つまり、事業者提案施設として利用する施設、これは府議会の議決を条件として無償で借受けができるということにもなっております。そうしますと、住民の意見がたくさん出ておりました子どもたちの遊び場、ボール遊びの場所も公園もない、広場がない、そういう自由に使用できるスペースも要望が出ておりましたけれども、こういうスペースはもうなくなるということになるのではありませんか。
◯砂子坂孝之 文化施設政策監付理事 遊び場・公園につきましては、私も住民説明会で御説明させていただきましたけれども、決してそれがなくなるというふうには考えておりません。向日市さんの都市計画上の地区計画の中でも広場、緑地、こういったものの規定もございますので、その地区計画も含めて我々としては検討していく必要があるというふうに思っているところでございます。
さらに、自主事業につきましては先ほどおっしゃったとおりでございますが、決して議会の御審議を経ずにするということは考えておりませんので、そういった提案が出てきた際には、必要な中身も含めまして議会の御審議をしっかり経た上で契約等に結んでいくというふうに考えているところでございます。以上でございます。
◯島田敬子委員 いや、全体の56,000m2のうち向日町競輪場は別だと。そして、アリーナと付属施設、事業者が提案してそこでいろいろと利益を上げなきゃいけませんので、そういう施設も造ることができると、どうぞ儲けてくださいということで提供する施設は、向日町競輪場以外の全てのことを使うということになると、要望に応えられないのではないかというふうに私は指摘しているんです。
要望に応えて向日市のまちづくりや都市計画と併せて造るというのであれば、そういうところの一画を確保しておかないと全て事業者に丸投げということにはならないし、本当にそういうスペースがあるのか、事業者提案施設は一体どこまで広げて、それを無償で貸したりできるのかというそういう疑問を持っているわけです。そういう住民の意見については、事業者に伝えるということなので、これは保障できないというふうに私は危惧をしているのですけれども、いかがでしょうか。
◯砂子坂孝之 文化施設政策監付理事 繰り返しで恐縮ですけれども、広場等につきましては、我々は無くすという意識を持っておりません。募集要項等を含めまして、我々が提示させていただいている書類を御覧いただきましたら、市民・府民の皆様がこういう興行や試合がないときでも憩いの場として普段でも御活用いただけるような場所ということも明記した上で、事業者の提案を求めておりますので、どの面積で公園がどれぐらいかというのはやはり事業者提案に委ねているところではございますが、そういった部分が全くなくなるという認識は持っておりません。以上でございます。
◯島田敬子委員 事業者提案に委ねるというのが、やっぱり主体的に関わらないといけない、これは問題だと思うんです。
先ほどの交通渋滞のさらなる悪化、そして通学路の安全対策、緊急車両の通行問題、騒音、そして直近にお住まいの方はこのバンクが30mの壁ががっと立ちはだかるのではないかという率直な心配、不安の声を出されておりますし、疑問の声も多く出されておりますが、具体的に理事者の説明が届いたかといえばそうでないという現状でありますので、引き続き住民説明会をする必要があるというふうに思うんです。節目節目でとおっしゃったけれども、しかし早急にこれは、この間の説明会では解決できておりませんので、説明すべきだというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
◯砂子坂孝之 文化施設政策監付理事 先ほどございました近隣の皆様方の御意見をしっかり受け止めさせていただくというのは、我々もそのように思っているところでございます。住民説明会につきまして節目節目と申し上げております。やはり、必要な場面節目節目で住民の皆様の御意見を頂戴するというのは、住民説明会の形式にとらわれず例えばこういった議会での御審議、向日市議会での御審議といったものでございますとか、近隣の自治会さん、住民の皆様からの御意見もホームページそういったところでもお受けしているところでございますので、そういう様々なチャンネルを活用させていただいて府民・市民の皆さんの御意見を丁寧に承ってまいりたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。
◯島田敬子委員 いろいろな課題が山積みですが、完成時期は発表されている。これはスケジュール的にも、なぜそうなっていくのかということです。
能勢議員(能勢昌博府議・自民党)が本会議で紹介されておりましたけれども、京都府発表からほどなくアリーナをホームとして使用する意向が京都ハンナリーズから発表されております。競輪場より約半年早くアリーナを整備する理由はハンナリーズの要望に応えるためですか。
◯山口勝委員長 島田委員に申し上げますけれども、検討費の審査依頼議案を今、審議しているわけでありまして、大きく取り上げれば今のお話も通じる部分があるかと思いますけれども、事業者であるハンナリーズのとこら辺のやりとりのところまではちょっと所管事項等に移していただいたほうがいい内容だと思いますので、もう少し絞り込んで審査依頼議案の内容に即してお願いします。
◯角田幸総 文化施設政策監 時期の御質問がございましたので、今回、いわゆる競輪場敷地内の全面的な再整備を行うこととしております。その中でアリーナと競争路、いわゆるバンクといった競輪施設との工期・工程や工事車両の動線、こういったものが可能な限り重ならないようなスケジュールを組むという必要がございます。
その上で、競輪施設の整備につきましては、令和7年9月、来年の秋でございますが、滋賀県で開催される国民スポーツ大会の自転車競技会場として同競輪場を使用することとしており、それまでは競争路のほうの工事には着手できない状況がございます。こういったものも踏まえまして、競輪施設につきましては全面的に改修の後、令和11年度に再開するという予定をしておりますので、今回、総合的に勘案してそれぞれの整備予定時期を想定しているものでございます。以上でございます。
◯島田敬子委員 分かりました。所管事項に一部譲ります。住民本位でまちづくりと一体で、本当に進め方も内容も議論を進めていきながら丁寧に説明するということを要望して終わります。