令和6年6月定例会 文化生活・教育常任委員会及び予算特別委員会文化生活・教育分科会2日目―2024年6月24日〜島田敬子府議の質疑応答部分

付託請願

下記の議案について審査(討論・採決)が行われた。
 ・第2号議案「文化が活きる京都の推進に関する条例制定の件」
 ・第6号議案「個人府民税の控除対象となる特定非営利活動法人への寄附金を定める条例一部改正の件」

◯島田敬子委員  第2号議案「文化が活きる京都の推進に関する条例」案について反対をします。理由を述べます。この条例の根拠となる法律「文化芸術振興基本法」は、2001年に芸術や文化の振興を支援する目的で、議員立法で制定され、2017年の法改正では、全会一致で、「表現の自由」が明記されました。
 その基本法前文には、文化芸術の礎たる表現の自由の重要性を深く認識し、文化芸術活動を行う者の自主性を尊重することや創造性の尊重、文化芸術を創造し、享受することが人々の生まれながらの権利だとうたっております。
 今回、廃止しようとする2018年度策定の「京都府文化力による未来づくり条例」の審議の際にも、この重要な理念を明記すべきと指摘しました。今回の条例にも、明記がありません。これが反対の第一の理由です。
 第二の理由は、条例前文には「企業活動を含めて、府民の多様な文化的経済的諸活動に京都の文化を生かしていく」とあり、文化を経済的利益追求の道具にして利用しようとしている点です。しかも、今回、条例案は理念条例にとどめて、施策の体系を入れない形を取っています。具体の基本方針や計画、施策について白紙委任をすることになるので問題です。
 このことは質疑でも言いましたけれども、第8回の審議会で「儲かる分野の芸術のみが『推し』とされた30年間の日本の文化政策は失敗であり、文化政策の根本的転換が必要」との意見や、第10回審議会では「例えば『経済活動』といった言葉が強い力や意味を持ちすぎることがある。言葉を利用された『文化』を損なうことにならないように、文化を守るということの優先度を高くし、言葉選びを慎重にすべき」などの意見が出されているものです。
 第三に、基本的施策や条例には対象とするものが明記されておらず、文化芸術を創造し、享受する立場の幅広い府民の意見が反映されていないためです。
ホームページでは、審議会の概要が報告されておりますが、会議資料などは掲載されておりません。パブリックコメントの府民意見は2人にとどまっていることからも明らかです。
 第四に、廃止される未来づくり条例及び、基本計画の総括が十分なされておりません。審議会に報告された「文化に関する府民意識調査の結果」を見ますと、府民の文化活動が減少しておりますし、まだ回復していないという事でもありました。コロナ対応のいくつかの補助金、芸術家団体への補助は縮小廃止され、府の文化芸術施策が、一般市民への文化芸術活動を支援するという点で不十分です。こども文化会館を突然廃止したことや文芸会館等施設の改修整備を行う文化芸術施設整備事業費が年々削減されることは問題です。必要な予算を確保し、府民利用の文化芸術施設の改善を求めます。
 以上で終わります。

●採決…初めに、第2号議案について、挙手採決の結果、賛成多数により、原案のとおり可決された。
   次に、第6号議案について、挙手採決の結果、賛成全員により、原案のとおり可決された。
   なお、第2号議案について、少数意見が留保された。
    (留保者…島田敬子委員、賛成者…田中富士子委員)

 


 

所管事項(教育委員会)

 委員会の所管事項(教育委員会)について質問・答弁が行われた。

 

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◯島田敬子委員  特別支援学校に関連して伺います。府立特別支援学校における教室不足、教員不足の解消と学校施設整備の改善について伺います。
 各学校では令和3年度に京都府特別支援学校教室不足解消集中取組計画がつくられて、生徒増に対応した普通教室の増室などの対応が進められていると承知しております。
 先日、丹波支援学校を視察させていただきました。児童生徒数は毎年10名ずつ増え続けて、図書室、美術室、理科教室などを普通教室に転用してもなお不足する事態であり、運動場にプレハブ校舎6教室を整備されておりましたけれども、今年度は普通教室が8教室増築される予定であります。集中取組計画では、令和11年までに毎年10人ずつ増加して270名になるとの予測がありますが、もともと丹波支援学校は150人のキャパシティの学校に270人となるということで大変現場に矛盾が生じていると思いますが、今後の見通しと対応策について伺いたいと思います。

◯廣田一幸 特別支援教育課長  丹波支援学校の児童生徒数の増加についてでございますけれども、本年度、丹波支援学校全体で231名の児童生徒となっておりまして、こちらのほう、委員がおっしゃいましたとおり前年度から増加しております。
 令和3年度に集中整備計画といたしまして、児童生徒数の見込みのほうを立てております。こちらのほうでございますが、なかなか児童生徒数の見込みというのは個々の学校で見込むのは非常に難しいという状況もございまして、現時点の状況でいきますと丹波支援学校での状況というのも、ちょっと数字のほうは若干前後しているという状況でございます。ただ、おおむね当時の見込みと近しい状況にはなっておりまして、将来的には今後10年程度の間に270から280、300名はいくかなというのは、現時点ではよく分かりませんけれども、そういった状況になるのかなというふうには考えております。
 こういった状況の中で、整備の状況というのを含みまして教室の対策とかそういったところを考えていきたいというふうに考えてございます。以上でございます。

◯島田敬子委員  現場に伺いますと、普通教室だけ増やしても、例えば図書室も回復できませんし特別教室も回復できませんし、体育館には全校生徒が入り切れずに全校集会が持てません。それから、楽器が足りないなどの事態もありました。こういう教育条件について、やはりもう少し予算面もそうですけれども、改善が必要ではないかというふうに思うんです。そのあたり、もう一度対策について、あるいは検討状況について伺います。

◯廣田一幸 特別支援教育課長  教室の状況ということでございますが、現在、丹波支援学校のほうでの教室の対策といたしましては、特別教室の転用という形を取らせていただいている部分というのがございます。委員から先ほど御紹介いただきましたとおり、現在、増築ということで対応のほうを進めておるところでございます。楽器を含めました教育環境での様々な設備という部分がございますけれども、こういったものについては学校とも十分相談しながら、要望を聞きながら対応していきたいというふうに考えております。以上でございます。

◯島田敬子委員  集中取組計画には、通学区域内での高等部の分校設置の検討とありますけれども、この検討状況はいかがでしょうか。

◯廣田一幸 特別支援教育課長  分校設置の検討というところでございますけれども、現時点におきましては、丹波支援学校のこの児童生徒増、それから今現在、整備をしております教室の増築というところで当面は対応できるかというふうに考えております。そういった状況から、現在はまだ分校の具体的な設置状況の検討というのはちょっと行っていないというような状況でございます。以上でございます。

◯島田敬子委員  あと、給食施設や寄宿舎の老朽化が目立っております。車椅子を利用する障害のある子どもも利用する寄宿舎で、お風呂はバリアフリーにもなっていないこととか、非常に老朽化が著しいし、バリアフリー等の対策が遅れているというふうに思います。給食施設も、子どもたちが増え続けておりますので不自由を来している現状がありますが、この施設整備の取組については、現状どのようになっておりますか。

◯廣田一幸 特別支援教育課長  まずバリアフリー対策についてでございますけれども、寄宿舎の状況なりで老朽化が進んだ中で、例えば畳の関係がちょっと古かったという状況もありましたけれども、この点も学校の要望を聞きながら必要な修繕のほうを行っているという状況でございます。
 あともう1点、給食厨房施設に関してでございますけれども、児童生徒数の増加に伴いまして喫食数というのが非常に増えておる状況でございます。現状ではまだ十分対応できている状況ではございますけれども、今後まだ増加傾向にあるという状況がございますので、今現在、厨房のところ、改修のほうを検討しているというこういった状況でございます。以上でございます。

◯島田敬子委員  学校現場にも足を運んでいただいて、声を聞いていただいていることかと思いますので、ぜひ改善をお願いしたい。寄宿舎のバリアフリーの問題は、多分お風呂も先生が抱えて入浴させていると思います。これは早急な改善が必要であると労働環境の面からも要望をしておきたいと思います。
 同じく、児童生徒数の増加が著しい学校が宇治支援学校ですけれども、令和11年度395名と予測されております。ここもキャパが250名のところに400人近い子どもをどうやって見ていくのか。敷地内の校舎増築、宇治市内での高等部分校設置、通学区域内の見直しを含めた学校規模の適正化を検討するとありますが、ここはいかがでしょうか。

◯廣田一幸 特別支援教育課長  宇治支援学校の状況でございます。この集中取組計画の策定時点での見込みでは、令和6年度、実際のところ乖離が出ておりまして、6年度の実数と比較しますと19名少なく、教室数でいきますと3教室少なくなっております。
 そういった意味では、令和3年度の計画で行っておりました見込みよりは、現在、下回る状況で推移をしているというふうに捉えております。現在、改修によりまして普通教室の確保というのを3教室予定しております。こういった部分で一定対応は今後の増加には耐えられるといいますか、対応できるというふうに捉えております。以上でございます。

◯島田敬子委員  プレハブ校舎での対応とか特別教室を潰すなどのその場しのぎではなくて、しっかりと今後の児童生徒数の増加を見据えて対策を早期に立てて、教育環境整備に全力を挙げていただきたいと要望しておきます。
 放課後の下校時のスクールバス、丹波支援学校に行って驚いたんですが、10台のバスの後にデイケアのお迎えの車が狭い敷地に23台も並んで、大変危険な状況となっておりました。子ども1人1人に先生がついて対応されて、今のところ事故がないということですけれども、まだ起こっていないだけで車の陰に子どもが隠れたりとかとても心配との声を聞きました。それから、雨天時は大変な状況だろうなと。
 このようなデイケアのお迎えの車が丹波支援学校では最高30台並ぶそうですけれども、ほかの支援学校についても課題となっているというふうに伺ったんですが、何らかの対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

◯廣田一幸 特別支援教育課長  いわゆる放課後デイサービスのお迎えの話でございます。丹波支援学校に限らず、おっしゃるとおり他の支援学校でも、下校時に福祉事業所なりからのお迎えという車がかなりの数がやってまいります。この時間帯は限られた敷地内の中で、今、御紹介ですと丹波支援学校で30台が最大でございますけれども、車のほうが混雑するという状況は確かにございます。
 その安全対策といたしましては、まず車のほう、しっかりとまず校舎内に入っていただいて駐車をしっかりしていただきまして、その状態で、車が動かない状態で子どもたちがそれぞれの車のほうに乗っていく、それから先生なり福祉事務所の方がその車に確実に乗っていること、そういった状況を確認した上でスクールバス、福祉事業所の車のほうを出発するという手順をそれぞれのところで取っていただいております。こういった安全対策のほうで、先ほど御紹介がありました車の陰に隠れてというようなことがないようにしっかり乗っているかどうかの確認といったことを繰り返し徹底しながら、各ルールを決めまして安全対策ということをさせていただいております。
 現状のところ、把握する限りでも事故というのは校内で発生しておりませんので、こういった安全対策というのをしっかりと徹底して対応したいというふうに考えております。以上でございます。

◯島田敬子委員  本当に現場は御苦労が多いかと思いました。見て、本当にびっくりしましたけれども、せめて屋根というか、雨が防げるような改善ですとか、できるところはぜひ学校にも支援をいただきたいというふうに思っています。要望しておきます。
 続いて、教員不足の解決です。丹波支援学校では4月スタート時点で4名の講師未配置ということでありました。穴埋めに週20時間勤務非常勤講師を充てたり、教員が学部を越えて助け合ってやっているという状況だとお聞きしました。どのような状況でしょうか。

◯吉岡伴幸 教職員人事課長  当初から、何人かの代替教員の方で一定、常勤の講師が見つからないので非常勤の方を見つけて採用させていただいてということでやっているところがございます。また、常勤のほうで一定、最初入っていなくてもこの5月からまた入れさせていただいているということでございまして、最初に出てはいても一定努力をしながら解消に向けて動いているというところでございます。以上でございます。

◯島田敬子委員  先ほど、田中委員の質問に答えて未配置が17人と。このうち支援学校は何人ぐらいあるのでしょうか。

◯吉岡伴幸 教職員人事課長  支援学校は5人でございます。以上でございます。

◯島田敬子委員  丹波支援学校はどうですか。

◯吉岡伴幸 教職員人事課長  丹波支援学校は1人という形になります。以上でございます。

◯島田敬子委員  現場は、小学部・中学部を含めて4名と。頭数としては揃っているのでそういう数になっているのですけれども、実際には40時間配置のところが19時間とか20時間とかということで、結局子どもが下校した後の15時以降は先生がいなくなる。本来40時間の先生がいればできる校務の仕事などに手が回らない、あるいは産休代替の先生も24時間で、継ぎ接ぎだらけということでとても生徒の実態には合っていないという状況です。なので、京都府のこの調べの17人ということの数字の裏にもそういう実態が現場にあるということを御存じかと思うんですけれども、対応が必要だと思います。
 年度途中に講師を採用しようにも人がいない、悪循環になって教育に穴が空き、その影響は子どもたちに行くと思うんです。先生方がころころ変わるので、とても保護者が不安だし、子どもたちも落ち着かない。1年間を通じて子どもと先生、そして先生と保護者、その信頼関係をずっとつくりながら教育の実践が行われているんですけれども、そういう点でも影響を与えております。
 とりわけ丹波支援学校は毎年、講師未配置が続いておりました。これは地域性の問題もあるというふうなことも校長先生にも聞きました。それならば、臨時の講師ではなくて、年度当初から正規の教員を配置するという対策を取らないとこれは毎年続いているというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

◯吉岡伴幸 教職員人事課長  丹波支援学校につきましては毎年未配置もあるということで、新規採用者の配置であるとか本務者の配置等で見ながら一定配慮をさせていただいたところではございますけれども、やはり全体としてなかなか年度当初から確保は難しいというところもございまして、できる範囲で一定やっているというところが実態でございます。以上でございます。

◯島田敬子委員  できる範囲ではなくて、教育委員会は学校と連携して責任を持って人の確保もしなければいけないし、これまでのやり方が不十分であれば何らかの緊急対策も含めて必要ではないかと思います。丹波支援学校は生徒が急増しているにもかかわらず、先生の数がほとんど増えていないということで、組み合わせによって各クラスの配置についても学校なりの工夫をしており、あるいは重度の知的障害があって多動[※ADHD:注意欠如・多動症]の子どもで本当はもう1人、2人の先生が欲しいのにそこが入らないとか様々な矛盾があります。
 加えて、定数内講師の比率が他の支援学校に比べても大変高い状況にあります。この点もやっぱり地域的な問題もありますので、採用が困難な地域でもあって解決のために講師ではなく正規教員を年度当初からということで改めて改善を要望しますが、再度、御見解をお聞かせください。

◯吉岡伴幸 教職員人事課長  丹波支援学校だけではなく全ての特別支援学校において、もしくは高校、小・中学校におきまして年度当初から欠員のないように定数の配置、それぞれの学校に応じた配置をさせていただいているところでございますので、それが私の責務として考えていきたいと思っております。以上でございます。

◯島田敬子委員  国においてもいろいろ議論されておりますけれども、普通科も含めまして授業の持ちコマ数を減らしたりとか、やっぱり抜本的に少人数教育等を実現するための定数改善、増員が必要であると思います。また、教員の採用については、講師の先生の経験も生徒に評価をして採用に反映させるなどの取組もぜひ検討していただきたいというふうに思います。要望して終わります。