令和4年2月定例会 本会議 代表質問 – 2022年2月9日

○島田敬子議員  日本共産党の島田敬子です。共産党府議団を代表して、知事に質問します。
 はじめに、議長のお許しをいただき一言申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でお亡くなりになられた皆様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、療養中の皆様のご回復をお祈りします。さらに、年末年始の大雪被害にあわれた皆さまにお見舞いを申し上げます。
 そして、第一線で府民の命と暮らしを守るために奮闘いただいている現場の皆様に、心から敬意を表します。

 それでは、最初に雪害対策について要望します。
 昨年末から年始にかけての大雪により、府中北部において農家のパイプハウスの倒壊やビニールの破損、農産物の出荷停止など、深刻な被害が広がりました。共産党議員団として、1月11日・12日・24日と現地調査に入りました。度重なる被害に
「心が折れそう」
「一刻も早く復旧しないと万願寺トウガラシなどの特産品も4月までに作付けができない」
「倒壊したパイプハウスや付帯施設等の撤去・再建を支援してほしい」
など、切実な声をお聞きし、1月13日に緊急要望を行ったところです。
 今回の補正予算を歓迎するものですが、肥料や苗などの購入費用への支援などの要望も出されております。移住者や新規就農者も多く、この数年来大雪や台風などの被害を繰りかえし受けておられる方も多いのです。農業共済制度の加入や適用範囲に関わらず、再建に必要な費用の支援策や無利子融資等の対策も講じることを重ねて要望をしておきます。

 二つ目に、南丹市美山町芦生地域の府道38号京都美山広河原線の緊急改修及び、抜本的改修と土木事務所の体制強化についてです。
 1月13日・16日、府道38号の道路法面が崩落し、その後復旧工事が行われていたところ、1月18日深夜には大規模に崩壊し、集落が一時孤立を致しました。私は17日午前、現場調査に入りました。法面の防護ネットの基礎部分や壁面に亀裂が入っており、雪でも降れば重みで崩れるのではないかと心配しておりましたが、その日の深夜に大雪となり大規模な崩落が起きました。住民に被害がなかったのが幸いでした。
 現地から連絡をうけ、共産党議員団から土木事務所や危機管理部へ冬季閉鎖中の佐々里峠の緊急除雪による緊急車両の通行、電源車あるいは燃料等の確保を要望したところ迅速に対応いただきました。心から感謝申し上げます。

 そこで伺います。府道38号についてはそもそも、道路が狭隘で除雪作業にも困難をきたしており、道路拡幅や危険個所の改修を急いでほしいと強い住民要望が出されておりました。こうした改善要望個所は京都府内に多数ありますが、京都府の道路改良費は予算ベースで1999年度356億円から2018年度は66億円にまで減少し、その後、災害も重なり緊急防災・減災3ヶ年事業等でやや増額されたものの、2021年度142億円と22年前の4割に減少しています。
 住民生活の安全安心の確保のための維持管理、道路改修が追いついていないのではないかと考えますが、現状認識をお聞かせください。必要な予算を確保し、府道38号についても計画的整備を行うべきです。いかがでしょうか。

 また、今回のような災害を未然に防止するための道路パトロール業務は大変重要ですが、本府は行財政改革の一環で現業職員の退職者を補充せず、現在、パトロール班23班中13班を民間委託にしました。
 地域のことをよく知り尽くし、専門的な見地から監視し、事故や災害を未然に防ぎ、問題があればその場で補修等を行う体制が弱体化しています。
 そこで伺います。土木事務所の体制について、現業職員不補充方針を撤回し、道路パトロール業務を京都府が責任をもって行えるよう必要な人員を確保するとともに、土木事務所を統合前に戻し技術職員の増員等体制強化が必要と考えますが、いかがですか。ここまでお答えください。

○西脇隆俊知事  安心安全確保のための道路整備についてでございます。
 京都府の道路事業費の総額は平成11年度以降減少傾向にありますが、日常の道路管理に必要な経費は増加傾向にあり、適切な維持管理に努めているところでございます。また近年は激甚化、頻発化する自然災害から府民の生命や暮らしを守り社会の重要な機能維持するため、国の防災減災国土強靱化のための3ヶ年緊急対策及び、5ヶ年加速化対策予算を最大限活用し、緊急輸送道路や被災した際に孤立集落の発生を招くおそれのある道路の防災対策にも全力で取り組んでおります。
 去る1月18日に南丹市美山町芦生で、法面崩壊が発生した京都広河原美山線は、切りたった斜面と河川に挟まれた地形上の制約が厳しい区間が多く、拡幅が難しいため、国土強靭化予算を活用し法面防災工事を計画的に実施してきたところでございます。これまで対策が必要である29箇所のうち17箇所が完了し、現在は美山町田歌から京都市境の佐々里峠にかけての区間において6箇所の対策事業を実施しているところでございます。
 今後とも限られた予算の中ではありますが、府民の安心安全を守るためきめ細かな道路維持管理に努めるとともに、橋梁・トンネル・法面等の防災対策を計画的に実施してまいりたいと考えております。

 次に土木事務所の体制と道路パトロール業務についてでございます。
 京都府では施設管理や許可申請等の窓口審査などのうち、府職員が直接担わなくても府民サービスの質が維持できると考えられる業務につきましては、積極的に民間サービスを活用してきたところでございます。道路パトロール業務につきましても、国や他府県の例なども参考に適切な管理監督のもとであれば、民間事業者に委ねても道路の管理水準が維持できると判断し、順次民間委託に移行しているところでございます。
 また、災害復旧事業や防災・減災事業を遅滞なく進めるため技術職員を増やしてきたところであり、土木事務所においては3年連続で災害が発生する前の平成24年度と比べて23名の増員となっております。加えて令和2年度には、非常時を見据え平常時は広域振興局の総務部門の業務に従事する職員を、非常時には土木事務所の業務に専念させる仕組みも構築し、体制強化に努めてきたところでございます。
 今後とも非常時を念頭に置きつつ、最も効果的で効率的な執行体制を構築し、府民の安心安全の確保に全力を挙げてまいりたいと考えております。

○島田敬子議員  ご答弁ありがとうございます。
 多発する災害に対応するために、道路の維持管理を直営で行うことは安全安心の土台です。土木事務所の職員について増員を私ども求めて参りました。引き続きですね、道路パトロール職員も、先ほど申し上げましたように、民間がコロコロ変わるようではですね、やっぱり地域をよく知っている人でないと、しかも専門的な技術もある職員が必要であると考えますので、是非土木事務所の体制強化も合わせてお願いしたい。
 もう10年も経てばこのパトロール要員が無くなるという、これでいいのかと私は思います。

 また、現地は北陸新幹線延伸計画が進められています。「財政が大変だ」と言って現場の第一線の職員・土木事務所を減らし、日常生活道路の予算まで切り詰めておきながら、多額の財政負担が必要な北陸新幹線を進めるなどもってのほかです。税金の使い方を開発優先から、住民生活の安心安全確保を最優先するよう転換を強く求めます。

 次に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策についてです。
 感染力が強いオミクロン株(B.1.1.529 BA.1)など新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者が府内全域で急増し、ワクチン接種もすすまない中で、高齢者福祉施設や医療機関でのクラスター発生や保育所学校等の学級閉鎖・臨時休校が相次いでいます。
「オミクロンは風邪のようなもの、感染力は強いが、重症化率は低い」
などといった情報がマスコミでも氾濫し、
「たいしたことない」
という誤った認識が広がったのではないかと私は感じます。
 国や自治体、政治の情報発信の責任が鋭く問われているのではないでしょうか。

 2月7日現在の京都府内の療養者数は、22,862人、自宅療養者は22,523人となり、重症化して亡くなる方も増加しました。2月4日の府民環境厚生常任委員会で、救急搬送困難事案の急増、一般医療を含む医療逼迫の現状や、高齢者施設で感染したお年寄りが施設に留め置かれている現状もあること、自宅療養者への健康観察、生活支援も届いていない現状も明らかになりました。
 保健所では積極的疫学調査や健康観察が追いつかず、事業所や個々人に判断がゆだねられ、学校でも濃厚接触者の待機期間の短縮など、方針転換が次々行われ、現場職員や府民に混乱を広げています。
 また、発熱外来や診療所に有症状者が殺到しても受け付けてもらえず、無料の検査所に人々が列をなし、薬局では苦情対応に苦慮されるなど、これも現場は大混乱です。
 医療現場や保健所の逼迫の現状など、府民の皆さんに負担をかけている実態を知事が率直に、そして具体的に説明することがまず何より必要ではないでしょうか。そして、府民一人一人が「いま、どうしたらよいのか」判断できるよう、知事が明確なメッセージを発信すべきでが、いかがでしょうか。

 ワクチン接種体制についてです。ワクチンの3回目接種率は先進国の中でも最下位という現状です。現在の遅れの原因は、岸田政権が昨年11月、何の科学的根拠もない「原則8ヶ月」方針を打ち出し、自治体の接種前倒しを要望する声にも耳を貸さなかったことにあります。
 現在、府内市町村でも接種券の発送が追いつかない事態となっています。本府が設置した大規模接種会場における予約率も5割に届いていないようですが、本府における3回目接種の現状と今後の見通し、課題認識、及びワクチンの確保状況についてお聞かせください。
 また、国に対しては「65 歳未満の国民についても6ヶ月接種」を国方針として示し、ワクチン確保に全力を挙げるよう求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 検査体制についてですが、急激な感染拡大によって、検査難民が続出しています。発熱外来でさえ、検査キット(抗原定性検査)や試薬が不足し、調剤薬局でも予約が取れないなど、検査能力が逼迫しています。
 そこで伺います。検査キットや試薬について、有症状者や医療従事者への検査に支障をきたすことないよう、医療機関等への安定供給が行えるよう府内企業に協力を依頼し緊急確保に取り組むなど、本府の責任を果たすべきです。いかがですか。
 無症状者への検査については、重症化リスクの高い高齢者施設や保育所等に対し、重点的に行うべきです。また、医療や介護、教育、保育での頻回・定期検査の現状はどうか。お答えください。
 冬季は例年、心筋梗塞や脳卒中など高齢者をはじめ一般患者が増加する時期でもありますが、通常の病床をコロナ病床に変更したこともあり、一般医療がひっ迫しすでに救急患者の受け入れ困難事例が急増しています。宿泊療養施設を拡充するとともに、病院に近い療養環境に整え、医療提供も可能とした受け入れ体制の拡充を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
 政府は医療機関に対しコロナ受け入れ体制の強化について協力を求める一方、今でも重要な役割を果たしている公的・公立病院のベッド縮小、民間医療機関も含む急性期病床を70万床から50万床へ削減する計画を進めていることは重大です。病床削減を推し進める地域医療構想は撤回し、感染症を含む地域医療拡充のための計画を策定すべきですが、いかがですか。
 保健所業務が逼迫し、崩壊状態との声を伺っております。自宅療養者が急増する中、府民の命を守るために、不急のプロジェクトは中止し、全庁を挙げて保健所等のコロナ対応現場を支援し、万全の体制を構築すべきです。お答えください。

 次に、中小企業支援についてです。
 京都府内で2021年に休業、廃業、解散した企業数は、前年に比べ7.2%増の847件に上ったことが東京商工リサーチ京都支店の調査で明らかになりました。コロナの長期化から事業継続を断念するケースが増えていると見られると報じられています。
 この2年間、感染拡大のたびに営業自粛を求められてきた中小業者から、
「10月の緊急事態宣解除後、年末にかけてやっと客足が平年の7割から8割程度に戻ってきたのに、感染爆発で予約がほとんどキャンセルになり、お客が激減した」
「祇園は火が消えたようだ」
「八条口で夜中4時間待って売り上げ1,000円。燃料費高騰が重なり、LPガスも高い。けれど走らないと営業にならない。我慢している」
「催事販売の予定もキャンセルでどうにもならない。職人さんにも仕事がなくなる」
など呉服屋さんの声です。

 1月31日にやっと始まった「事業復活支援金」は持続化給付金の半分。事業者には50万円とわずかで、家賃補助金もなくなりました。この機会にもうやめてしまおうかという事業者がこの先も増えかねません。
 そこで伺います。新型コロナウイルス感染拡大の影響で売り上げが減少している全ての中小業者の営業を守るために、国に対して「事業復活支援金」を持続化給付金並みに増額し、要件緩和を求めていただきたい。そして京都府としても地方創生臨時交付金などの財源も活用し、国制度の上乗せや横出し、店舗家賃やリース代等の固定費や減収分への支援、新型コロナウイルス対応資金の返済期間の延長、猶予の措置、保証料補給を行うべきであります。いかがですか。

 また、国や府の給付金に税金がかかり、4割近くも税や社会保険料が徴収されることは問題です。
 コロナ禍が長期化しています。国に対し非課税とするよう求めるとともに、本府の事業税なども非課税または、減免制度の創設を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 収入は減少し物価は上がる。暮らしは大変なのに、岸田政権は公的年金額の2年連続引き下げを決定し、75歳以上の医療費窓口負担の2倍化も10月から実施の構えです。介護や国保料の値上げなど、相次ぐ負担増に府民の悲鳴があがっています。失業や収入減少で、病院に行くのを我慢したり、治療を中断する等、命に係わる深刻な事例が報告されています。
 全日本民主医療機関連合会が行った「コロナ禍を起因とした困窮事例調査」では、中間報告で319例が報告されています。京都でも、例えば高血圧で治療中だった70歳の男性は、コロナ禍、仕事が激減し医療費ねん出ができず治療を中断した事例。3人の子育て中のお母さんは、コロナで失業し、収入は会社員の夫の25万円のみ。検査で治療が必要だが医療費が工面できないとのことです。
 こうした相談には、無料定額診療制度を活用する等支援されておりますが、11月定例会で光永議員が求めましたように、制度活用の医療機関を広げられるようご努力をいただきたいと思います。

 本日は、高すぎる国民健康保険料の引き下げと負担軽減について伺います。
 市町村国保の加入者の多くが、先ほども知事が言われました非正規、自営業や農漁民、無職の人などです。京都府国民健康保険運営方針には
「年齢構成が高く医療費水準が高い」「所得水準が低く保険料の負担が重い」
など、構造的課題を指摘しています。
 が、その根本的解決を図らないまま、「財政安定化」を理由に、2018年4月に都道府県化を強行し、京都府はその牽引車の役割を果たしました。そして、一般会計からの法定外繰入の廃止などの方針の下、保険料は上がり続けております。
 2020年度現在、国保加入世帯356,335世帯中、保険料滞納世帯は31,435世帯、短期保険証交付世帯は12,774世帯、資格証明書交付世帯は3,145世帯で、合わせて47,350世帯、実に13%にのぼります。

 現在、京都府国保運営協議会が開催されており、報告されている2022年度の納付金は前年比で1人当たり129,302円増、1割近い値上げとなっています。これらを受けて京田辺市での国保料は、40代夫婦と未成年の子ども2人の4人家族で夫の所得300万円のモデル世帯で、530,600円にもなります。前年比25,500円、都道府県化前に比べ、実に83,600円の値上げです。
 宇治市、城陽市、大山崎町などで値上げが検討され、他方、据え置く自治体もあります。
 そこで伺います。全国知事会は、これまで、国保料を協会けんぽ並みにするために、国に1兆円の公費投入を求められましたが、実現したのは3,400億円のみです。緊急に国庫負担を医療給付費の45%に戻し、国保料(税)を引き下げるよう国に強く求めるとともに、一般会計からの法定外繰入について、市町村及び市町村運営協議会の自主的な決定を尊重し、本府独自の支援制度の創設などにより、保険料(税)の値上げを招かない対策を強化すべきと考えますがいかがでしょうか。

 また、国民健康保険法第44条に基づく医療費窓口負担金の一部減免制度についてですが、2020年度は京都市含めて52件、19市町村は利用者がありません。コロナ禍も災害と位置づけ、制度紹介等の啓発や各種相談窓口での周知徹底を行うとともに、国保運営の中心的役割を担う府として、市町村と連携し、制度の要件緩和などにより、活用が進むようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、国民健康保険の子どもの均等割はなくすよう求めてきましたが、4月からは一部、減額・減免措置が導入されますが、子育て支援の観点から18歳まで均等割の対象としないよう国に求めるとともに、当面の間、府独自に子どもにかかる均等割りを廃止するよう独自の措置を講じるべきと考えます。
 子どもの医療費について、11月定例会で共産党の西山議員が、京都市内の方で医療費負担のために受診をためらった方が33%もあり、「風邪で様子を見ていたら肺炎になった」など深刻な事例を紹介しました。
 コロナ禍、子育て世代の暮らしがさらに困難になっています。子どもの命を守るために、医療費助成制度を通院も含め中学卒業まで無料にするとともに、全国17府県で広がる妊産婦医療助成制度を本府でも創設すべきと考えますが、いかがでしょうか。ここまでお答えください。

○西脇隆俊知事  府民への情報発信についてでございます。
 新型コロナ感染症に係る検査や医療機関への受診方法などにつきましては、従来から新型コロナウイルス感染症対策本部会議や記者会見など通じまして、私が府民の皆様に直接説明してきたところであり、今後も染状況や国の動きなどに応じまして、必要なメッセージを発信してまいりたいと考えております。
 合わせて、濃厚接触者に係る待機期間短縮などの取り扱いに変更が生じた際には、ホームページを通じて迅速に発信しているほか、府市共同で設置している「きょうと新型コロナ医療相談センター」において、府民からの相談に丁寧に対応しているところでございます。今後とも府民に対する適切な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
 次にワクチン接種についてでございます。
 3回目接種の現状についてでございますが、12月1日から医療従事者、12月下旬から高齢者施設での接種、また1月下旬からは府内10市町村で一般の高齢者への接種が開始されたところでございます。京都府と致しましても、3ヶ所のワクチン接種会場を運営し、速やかに且つ円滑に3回目接種を進めてまいりたいと考えております。
 3回目接種の課題と致しましては、ワクチンの総量は4月までの接種対象者約151万人分が確保されているものの、ファイザー社ワクチンの供給割合が1回目2回目よりも少なく、その分モデルナ社ワクチンの供給割合が増えることで、交互接種を前提とした体制を構築する必要があることが挙げられます。
 このため有効性・安全性についての丁寧な広報を国に求めますとともに、希望する皆様が早期に3回目接種を受けられるよう、体制構築に努めてまいりたいと考えております。全ての国民の6ヶ月の前倒しにつきましては、既に国から「予約枠に空きが出た場合は、一般対象者についても前倒し接種を行っていただきたい」とする事務連絡が発出されており、京都府の接種会場では、2月1日から64歳以下の方の接種を実施しております。また市町村に対してもワクチンの供給時期を踏まえながら、可能な限り前倒しを働きかけてまいりたいと考えております。

 次に検査キット試薬の確保等についてでございます。
 抗原定性検査キットやPCR検査試薬につきましては、これまでから京都府では医療機関への優先流通を要請したところであり、先日国も製造メーカーへの増産要請を行いますとともに、流通にあたっての優先度を示されたことから、改めて府内の関係団体に対し要請を行ったところでございます。
 抗原定性検査キット等の確保につきましては、全国的な問題であり国が責任をもって対応されるべきものと考えておりますが、今後とも府内の状況を注視し、必要に応じて国への要望や関係団体への要請など適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に無症状者への検査についてでございます。
 京都府では、重症化リスクを抱える高齢者及び障害者・障害児への感染を防ぐため、昨年2月以降、入所施設や通所事業所の従事者約31,000人を対象に検査を実施しており、本年2月からは対象を訪問事業所の職員にも拡大したところでございます。
 これまで延べ約22万人に検査を実施しており、感染を無症状の段階から発見することで、施設事業所における感染拡大を防止しますとともに、従事者自身の安心にも繋がっております。
 次に宿泊療養施設の拡充についてでございます。
 宿泊療養施設につきましては3施設1,126室を確保し、各施設に臨床経験豊富な看護師を配置しますとともに、健康観察等を行う看護師の増員を図ることで、いち早く病状を把握し必要な医療につなげる体制の強化を図っております。
 また救急患者の受け入れ困難事例につきましては、2月1日から臨時の医療機関である入院待機ステーションを110床に増床の上、再稼働したところであり、これを最大限活用し陽性者の増加に対応しているところでございます。

 次に公立・公的病院の再編統廃合についてでございます。
 公立・公的病院においては、コロナ患者発症当初から積極的に患者を受け入れて頂いており、現在においてもコロナ医療の重要な役割を果たしていただているところでございます。これまでの新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、次の「第8次医療計画」において、「新興感染症等の感染拡大における医療提供体制の確保」が新たに位置付けられることから、各病院の役割につきまして地域医療構想調整会議等の場で丁寧に議論を進めてまいりたいと考えております。
 次に保健所の体制についてでございます。
 第6波における保健所の体制につきましては、あらかじめ応援職員を指定しフェイズに応じた迅速な保健所への配置を行ったほか、応援職員にWebによる事前研修を行い、即戦力となって現場支援が行えるよう工夫したところでございます。
 また山城地域では、就業制限通知の発行業務の一元化や、本庁等から管理職や係長など核となる人材の配置を行ったほか、「入院医療コントロールセンター」を含め全庁を挙げて応援体制を構築し、万全を期しているところでございます。引き続き府民の命と健康を守ることを最優先に、保健所体制のさらなる強化や負担軽減に努めてまいりたいと考えております。

 次に中小企業者への支援策についてでございます。
 中小事業者への支援につきましては、事業継続と雇用維持の基本となる支援は国が担い、京都府は地域の産業の特性に合わせた補助制度や、中小企業へのきめ細やかな経営支援などを担うことが重要でございます。
 国の事業復活支援金につきましては、支援額の増額や要件の緩和を求めますとともに、無利子融資の条件変更に伴う追加保証料の補助、償還期間の見直しなどについても国に要望しております。京都としても、今定例会に提案している予算におきまして、金融機関と経営支援機関が連携して伴走支援を行うための特別経営指導員の増員、固定費削減等につながる補助金の拡充の他、三産地連携による和装の新たな販路開拓など、きめ細やかに対応できるよう必要な経費を計上しております。
 なお事業者への協力金等につきましては、国税庁が収益の保証等の性質を有するものは課税対象とするとの判断基準を示しており、京都府といたしましても、この基準を踏まえ適切に対応して参ります。引き続きあらゆる施策を総動員して、中小企業の事業継続と雇用維持に全力で取り組んで参りたいと考えております。

 次に国民健康保険料の軽減についてでございます。
 国民健康保険の都道府県単位化を受け、国による財政支援の拡充が図られておりますが、今後も医療費の増加が見込まれることから、京都府といたしましても財政支援のさらなる拡充を国に求めているところでございます。一方、保険料につきましては、都道府県単位化後においても市町村が決定しており、地域の状況に応じて市町村の判断で法定外繰り入れが行われております。また京都府においては、保険料負担の軽減を図るため、令和4年度の納付金算定にあたり、国の激変緩和財源に加え剰余金を効果的に活用し、可能な限り納付金の上昇抑制に努めることとしております。
 次に医療費の一部負担金減免についてでございます。
 国保の一部負担金減免は、京都府において市町村と協議のうえ標準的な減免基準を定めており、市町村では地域の状況に応じて基準よりも対象を拡大するなど、低所得者などの受診機会の確保に取り組んでいるところでございます。
 今後も医療費負担が困難な方が安心して受診できるよう、市町村に制度の周知徹底を求めますとともに、基準の見直しにつきましては、まずは実施主体であります市町村の意見を聞いてまいりたいと考えております。
 次に子どもにかかる保険料均等割額の軽減についてでございます。
 令和4年度から導入される保険料は、均等割額の軽減につきましては未就学児に限定され、その軽減割合も5割であることから、対象範囲と軽減割合の拡充が必要であると考えております。国保制度は国の責任において制度設計を行うべきものであり、今後も国に対しまして更なる軽減が図られるよう強く求めてまいりたいと考えております。
 次に子育て支援医療費助成制度につきましては、京都府、市町村ともに厳しい財政状況にありながらも、制度の拡充を図ってきているところでございます。今後の制度のあり方につきましては、助成の実施状況等を見極めますとともに、市町村や医療関係者の意見を十分聞いてまいりたいと考えております。
 また妊産婦に対する医療費助成制度につきましては、都道府県単位で実施しているのは4県のみであり、まずは他県の取り組み状況や課題等を十分に見極める必要があると考えております。

○島田敬子議員  保健所等の対応についてですが、連日府庁から応援体制が行われておりますけれども、知事のかかげる重点課題は横においてでもコロナ対応に集中するというトップの判断は行われていないのではないでしょうか。
 現場の負担も大変になっております。現場の労苦に報い、応援できるよう知事の決断を求めておきます。
 国会で岸田首相はワクチン接種の目標も、PCR検査の能力の抜本的拡充の目標も持たないというありさまです。まさに後手後手。まさに成り行き任せです。さらに医療逼迫で保険所逼迫で、検査無しで医師の判断で感染者とみなす、いわゆる「みなし陽性」の方針転換を打ち出しました。
 そもそも感染症は検査・隔離・保護が大原則であり、コロナ治療の投薬は検査による確定診断が必須です。しかも発症5日以内に投与が必要です。これでは患者の命が救えないと現場の医師から批判の声が上がっています。
 なし崩しで方針がコロコロ変わる現状も含めて、このような新たな混乱が広がっていることについて知事はどう考えておられるのか伺います。ホームページで情報発信しているとかではなくて、具体的にお答えいただけなければいけません。お答えください。

 医療機関・保健所等での検査キットの優先供給についてです。
 卸売業者をはじめ関係機関にお願いするだけでは確保できません。2月2日の国の通知で、保育所での職員の検査キット3,000個を確保し、これから配布する方針準備していると、常任委員会で答弁がありました。新たに無料検査所を開設するところもあります。あるところにはあって、なぜどこでこの供給が止まっているのか、目詰まりしているのか、何が課題なのか、再度お答えください。
 子どもの医療費拡充について、知事は受診控え等も含めて市町村や医療関係者の意見は十分聞いて検討すると答弁されております。京都市長選挙で拡充を公約した京都市長はどのような意見か。残る自治体は全てもう(対象年齢を)上げてるわけですから。ぜひですね、(京都)市長はどのような意見を持っておられて、京都府知事としてどう対応したのか、しないのか明確にお答えください。
 国保 44 条減免(の対象者)についてまさに弱い方々です。所得が300万円で53万円の保険料。こうした事態は本当に大変です。44条減免について、減免基準が厳しすぎて区役所に行ったら資産報告まで求められて諦めて帰るとか、制度があることすら積極的に知らされない自治体も多くありますので、ぜひ活用されるよう助言をいただきたいというふうに思います。
 保険証は命綱です。全ての加入者に保険証交付を求めておきます。これは要望をしておきます。

 中小企業の支援について、石川県は国の事業者復活支援金受給者の追加支援として、県独自の上乗せを行うなどの事業が始まっています。京都府もご検討下さい。そして前例にとらわれずですね、本府事業税についても課税を行わない措置など、緊急に検討する知恵を出していただいて、全ての中小零細事業者の事業継続に全力を挙げていただくことを要望をいたします。

○西脇隆俊知事  島田議員の再質問にお答えいたします。
 まず、一点目。今回のオミクロン株によります感染拡大、オミクロン株の特性によって極めて急な拡大をしております。私どもの基本的な方針としては、まずは府民の皆様の命と健康を守ることを最優先にということで、重症化リスクのある人をはじめ医療につなげることが必要な方に的確に医療を繋げるということを前提に、全ての取り組みを行っているところでございます。
 コロコロ変わると話しございました。確かに事態の進展は非常に急でございます。逆に言えば、それに合わせて臨機応変に対応していくのがわれわれ府の役割だと思っておりまして、国の方針を踏まえ、国の方針を先取りする場合もあれば、国の方針に従ってやる場合、様々な方針を組み合わせながらですね、最後は府民の皆様の命と健康を守るために全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 二点目の検査キットにつきましては、確かに流通について若干分からないところもあるんですけれども、まずは全量が足りないということなので、増産をはじめ全体の供給につきましては、国に対しまして的確に対応いただけるようお願いしておりますし、それは当然必要なことだと思っております。
 あとは、来るものにつきまして、まずは医療機関、それから保健所等についての優先的な配分、各機関に対しましては、過剰な在庫を持たないように等のお願いをしておりまして、限られた検査キットの中を、いかに効率的・効果的に検査・治療につなげていくのかという観点から取り組んでまいりたいと思っております。
 三点目の子どもの医療費につきましては、これまで京都府と関係市町村、これは全ての市町村と一緒になって、それぞれの立場で意見を持ち寄って構築してきた非常にレベルの高い制度だと思っております。これにつきましては、引き続きどういうことができるのかも含めまして、各市町村それから実際に医療を担います医療機関の現場の意見も聞きながら、検討を進めてまいりたいと考えております。

○島田敬子議員  ご答弁ありがとうございます。
 コロナ禍でこそ府民の命を守るために、子どもの医療費の助成の拡充、また国保料の引き下げ、そして不妊治療には支援があるので、妊産婦の医療費助成制度についても、せっかく子どもを授かってもこれ大変だって声があるので、至急に検討お願いします。
 知事は保健所の広域化はメリットがあったと言われ、保健所体制の強化にも背を向けられました。国の言いなりで保健所統廃合、洛東病院廃止などを進めてきて、医療・公衆衛生行政を弱体化させてきた。そして逼迫すると「みなし陽性」だと、おかしな話であります。
 これまでのやり方について反省すべきは反省し、国や大阪に引きずられるのではなしに、ご自分の言葉で府民に説明するし、国にもモノを言う、そして命最優先の行財政運営への転換を求めておきます。

 最後に、米軍経ヶ岬基地における新型コロナ感染拡大に関わって質問します。
 沖縄や山口県など日本各地で、「米軍基地由来」の新型コロナウイルス感染が爆発し、国民の命を脅かす中、本府でも、京丹後経ヶ岬米軍基地で、1月5日、2名の陽性者が確認され、翌6日には共産党府議団として感染防護のための緊急要望を行いました。その後も実行性ある対策はなされず、これまで、10人の米軍人・軍属の陽性者が判明。1月14日には、京丹後市内の医療機関に米軍属3人が「陰性証明書が欲しい」と長時間居座る事態が起こりました。日本の検疫や行動制限が及ばない根拠となっている日米地位協定の弊害を改めて浮き彫りにしました。
 この間、在日米軍が、昨年9月時点で「検査なし入国」を日本政府に伝えていたのにこれを岸田政権が放置してきた疑惑も高まっています。事実なら水際対策に大穴をあけた岸田政権の責任は重大です。

 米国と各国で結ぶ地位協定の中でも、オーストラリアでは、配備される米軍についてオーストラリア政府の国内法を「順守する」と明記するなど、ドイツ、イタリア、フィリピンなども国内法の適用や検疫に関与できる仕組みを整えています。日本の政府の屈辱外交の結果が京丹後市での米軍人軍属の態度でも透けて見えます。
 そこで伺います。在日米軍の特権的扱いを認めた日米地位協定の抜本改定を国へ強く要請するとともに、現在の地位協定の下でも、京都府がやるべきは、さらなる市中感染を防止することです。
 米軍内の検査や医療提供体制については、米軍の責任で完結できる体制とすること、やむなく地域の医療機関等の利用が必要な場合には、国内や病院等のルールに従うこと、府民の安全・安心のため緊急に無料の検査体制を構築し、米軍との接触の有無にかかわらず、誰でもいつでも無料で検査が受けられる特別の体制をとること、以上のような対策が実施されるまで、緊急に米軍関係者の経ヶ岬米軍基地への移動中止、基地の閉鎖や撤去も含むきびしい態度で臨むべきと考えますが、いかがでありましょうか。
 時間がまいりましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。

○西脇隆俊知事  米軍経ヶ岬通信所における、新型コロナウイルス感染防止対策についてでございます。
 1月5日に米軍関係者の陽性が判明した後、感染拡大を防止するため直ちに私から通信所指令官と防衛局長に対し、保健所と通信所が相互に緊密に協力した上で、通信所内における感染防止対策にも改めて徹底すること、保健所の実施する感染経路や濃厚接触者等を特定するための調査等に積極的に協力することについて、文書で申し入れを行いました。
 丹後保健所と通信所におきまして一昨年の経験を踏まえ、円滑な情報提供体制を確立しており、今回米軍関係者の陽性が判明して以降、保健所から米軍への指示や米軍からの陽性者の行動歴、毎日の健康観察等の情報提供などが円滑に行われております。いずれに致しましても、京都府と致しましては今後とも府民の安心安全を守る立場から、米軍及び国に対しまして、通信所におけます新型コロナウイルス感染症対策を徹底・強化するよう、強く求めてまいりたいと考えております。