令和3年2月定例会 本会議 一般質問 – 2021年2月22日

○島田敬子議員  日本共産党の島田けい子でございます。先に通告しております数点について、知事並びに関係理事者に質問をさせていただきます。

 まずはじめに、南丹市の美山診療所についてです。2020年12月の南丹市議会で、「南丹市国民健康保険診療所条例」が可決をされ、2021年4月から「国保南丹みやま診療所」が開設される予定となっています。
 当初南丹市は、現在の診療所の機能を大幅に縮小し外来のみとする考えでしたが、今の診療所の機能を残してほしいとの住民の強い声に押され、入院病床4床は維持するといたしました。ただし、介護老人保健施設は廃止し、通所リハビリや訪問看護は縮小するなど、住民の期待を大きく裏切るものとなっています。
 開設準備の中で南丹市が示した職員体制は、今の60人から大幅削減の20人体制であり、入院は1泊2日程度、外来は月曜日から金曜日の昼のみとし、夜間・土日の医療、時問外救急や在宅での看取りへの対応も明確に示されておりません。救急受診は地域医療の要です。「民営」では守られてきた命が「公営」では守られなくなるなど、到底許されません。
 さらに、現在100人ほどの患者さんが受診する糖尿病甲状腺外来、精神科外来などの今後の見通しも示されておりません。もしもこれがなくなれば、多くの住民が遠距離の通院を強いられます。

 老人保健施設について、12月定例会で知事は、
「美山診療所以外にも南丹市には特別養護老人ホームや老人保健施設がある」
と、南丹市と同じ認識を示されましたが、しかしこれまで、美山診療所が、入院病床と一体に中部医療センターなど他の地域の病院から地域に帰って来られる方を受け入れ、リハビリなどを継続して行い在宅復帰へ繫げるとともに、転換型老健施設として難病の患者さん、高齢者も受け入れてきました。
 これらが無くなれば、療養やリハビリが身近で受けられなくなり、車で片道30分から1時問余りにもかかる施設へ行かなければなりません。移動の時間やお金も必要となるなど、患者・家族に大きな負担がのしかかります。
 高齢者のみの世帯や1人暮らしの高齢者が多い美山で、在宅生活を支える24時間の訪問看護や居宅介護支援事業も廃止し、月に160人もの利用があった無料送迎や無料低額診療制度も廃止するというひどい内容です。
 2020年4月に診療所所長に就任した中村真人所長は、『京都新聞』インタビューで、
「地域住民と日ごろ接して、必要な施設だと気づかされる。美山では過疎と高齢化が進み、公共交通機関が少ない。受診が困難な場合は無料送迎がある。急患もできるだけ受け入れ、老健や通所リハビリ、専門外来もある」
「老健は絶対に必要」
「入院病床があることで救急を受けられ、救急車のたらいまわしも防げる。今後も欠かせない」
と述べ、これからも住民の願いに応え、患者本位の医療をしていくと決意を述べておられます。

 ところが南丹市長は、「医師の労働負担を軽減しないと来てもらえない」と発言され、これには現場の医師も怒りの声をあげておられます。住民の命や健康を守るという使命感をもって従事される医師に対して、たいへん失礼なことです。中村先生をはじめ複数の医師確保と中部総合医療センターからの派遣も可能となっているなか、なぜ医療機能を縮小しなければならないのでしょうか。
 美山の住民有志の皆さんが、南丹市に対し公開質問状を提出され、住民への説明会の開催を要望するとともに、これまでの美山診療所が住民に提供してきた医療・介護の水準を維持し地域包括ケアシステムの確立を図ること、老人保健施設を診療所に併設することなどを求めておられます。

 そこで伺います。第一に、「民営」で守られてきた命が「南丹市直営」になったら守られず、救急医療の体制が後退することで「救える命が救えない」事態になること、これまで受けられた医療・介護を受ける権利が奪われることについて、これはもはや人権侵害に値する問題だと考えますがいかがでしょうか。
 第二に、コロナ禍の中、医療のひっ迫や人材不足が大きな社会問題となる中、貴重な医療・介護従事者の雇用を打ち切り、地域医療や介護の体制を後退させる計画について、知事はどのようにお考えか、認識を伺います。
 第三に、市長が南丹市議会の場で繰り返し述べた住民説明会について、いまだ開催されず、住民の6割を超える署名に託された願いにも背を向け、現場の医師や住民にも説明を行わないことは、自治体の長として問題があると考えますがいかがでしょうか。
 第四に、京都府は保健医療計画や高齢者健康福祉計画を定めています。へき地医療確保とともに、府民の医療・介護の体制を提供する責任は知事にあります。府の責任で課題を解決し、現在の美山診療所が提供している医療・介護の水準を維持し、南丹市国保南丹みやま診療所に老人保健施設が併設できるよう、必要な支援を行うべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。

○西脇隆俊知事  島田議員の質問にお答えいたします。
 美山診療所についてでございます。超高齢化社会を迎える中、住み慣れた地域で安心して暮らすためには、必要な時に適切な医療を受けられる仕組みを構築することが重要でございます。そのためには、それぞれの地域の実情に応じて、病院や診療所、介護事業所が相互に連携し、地域全体で医療・介護を提供できる体制づくりを進める必要がございます。
 議員ご質問の美山診療所につきましては、昨年の南丹市12月議会において、南丹市国民健康保険診療所条例が議決され、直営の国保診療所として、夜間体制も含めた診療所の体制を検討されているところでございまして、南丹市において地域に必要な診療所機能を確保されるものと承知をしております。また老人保健施設などの介護サービスにつきましても、南丹市において、管内の介護施設事業所と国保診療所との連携を進められております。
 京都府といたしましては、引き続き南丹市の意向を十分尊重しながら、地域に必要な医療・介護提供体制が確保されるよう、支援をしてまいりたいと考えております。
 その他のご質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。

○糸井利幸・健康福祉部長  美山診療所の医療・介護従事者の雇用についてであります。
 南丹市では、令和3年4月から診療所の開設に向け、南丹市医療対策審議会がとりまとめた答申の主旨を踏まえて、準備が進められているところです。
 美山地域で必要な医療・介護のサービス提供体制については、南丹市が新たに開設される 国保南丹みやま診療所と近隣の医療機関、介護施設事業所とが連携を図り体制確保に努められるとともに、地域における医療・介護人材の活用を図られるものと認識しております。
 なお、新たな診療所は南丹市直営であり、南丹市が新たに雇用関係を結ばれることとなりますが、診療所の運営に必要な人材の確保含め適切に対応されると期待しております。また、地域住民向けの説明会につきましては、コロナ禍の影響により、現在南丹市において開催を見合わせておられますが、今後地域の感染状況にも十分配慮しながら実施される予定とお聞きしております
 京都府におきましては、保健医療計画や高齢者健康福祉計画に基づき、地域で必要な医療・介護提供体制を確保することとしており、引き続き南丹市の意向を十分尊重しながら支援してまいりたいと考えております。

○島田敬子議員  ご答弁をいただきましたが、必要な医療がさらに後退するということを指摘しております。
 高齢化率47%。ベッド数は京都府平均の10分の1。今でも非常に貧困な医療状態です。これをさらに後退をさせるのです。京都府の計画、第9次京都府高齢者健康福祉計画の中で、重点事項には
「認知症、看取り、リハビリ等の地域包括ケアの一層の推進、在宅療養を支える居宅サービス・地域密着型サービスの充実、医療・介護の連携や介護・福祉人材の確保」
を挙げておられますが、これら計画は絵に描いた餅だということですか。京都府の計画からも逆行する事態だと、必要な医療が提供されなくなる、医療難民・介護難民が出かねない現状を紹介をして、見解を求めているのです。あらためて知事の明確な答弁をお願いします。
 南丹市直営になって、逆に救急医療も地域包括ケア体制も後退させ、救える命が救えない事態になるが、人権侵害につながる問題だと指摘していることについて、知事の見解をお願いをいたします。

○西脇隆俊知事  島田議員の再質問にお答えをいたします。
 先ほど冒頭述べましたけれども、この超高齢化社会の中で、住み慣れた地域で安心して暮らすためには、その地域の実情に応じて、必要な時に適切な医療・介護が受けられる体制の構築が必要だと思っております。南丹市につきましては、直営の国保診療所として開設される、その夜間診療体制も含めて、今診療所の体制を検討されるところでございまして、南丹市の意向を十分尊重しながら、支援をしてまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、地域包括ケアの例示がございましたが、京都府が作っております計画、これを地元の市町村とも十分連携しながら実現する、そして持続可能な医療・介護体制を作っていくのが、我々の責務だと考えております。

○島田敬子議員  住民の命と安全が脅かされる医療の縮小は許されません。必要な医療を提供するというのであれば、医療難民・介護難民を生みかねない今の進め方はですね、1回見直さなければいけません。4月1日開設にこだわらず、現場の声、住民の声をよく聞き、計画の見直しを行うことを求めたいと思います。
 40人もの医療介護の従事者を解雇する、コロナワクチンの接種でも身近な診療所で行えばスムーズに行くところだったんですが、土日も無くなるんですね。現場の混乱を解決していただきたい。20人へ縮小した体制でさえ確保できないと聞き及んでおりますので、これは現場の実態を調べていただきたい。美山の人たちが安心して暮らせるよう、京都府として必要な支援、助言を行うよう強く求めて、次の質問に移ります。

 次に、新型コロナ感染症(COVID-19)対策について数点伺います。
 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)対応のための改定特別措置法、改定感染症法が、2月3日の参院本会議で、自民・公明・維新・立憲民主の各党の数成多数で可決、成立をいたしました。
 13日施行の改定感染症法で刑事罰を削除したものの、入院拒否には50万円以下の過料がかけられます。
 公衆衛生学が専門の東京大学大学院の橋本英樹教授は、地域の健康を守る為に真に必要なのは「住民の理解と協力」で、「罰則は逆効果」と警告をしています。そして多くの関係者が、新型コロナ感染者への差別・攻撃を助長しかねないと、懸念を表明しています。入院できずに自宅で亡くなられる方がおられる下で、新型コロナの患者の「自宅療養」を感染症法に位置付け、従わないなら罰金を科すなど大問題です。
 また、特措法によって新型コロナ患者受け入れ要請に応じない病院名の公表という社会的制裁を行うことは、政府の長年にわたる医療社会保障抑制政策の失政を不問にし、それに苦しめられている医療機関に病床逼迫の責任を押しつけるものであり、許されません。
 コロナ受け入れ医療提供体制の拡充について、京都府は医療機関へ協力要請を行われ、この問、コロナ患者の受け入れ病床を330床から350床へ20床増やされました。これに多大な貢献をいただいている洛和会・音羽病院の二宮清院長は、『京都民報』紙面で次のように述べておられます。
「特別措置法の改定で、病院名の公表が盛り込まれたことは、病床不足に役立つどころか、逆効果になるのではと危惧する」
「コロナ患者の受け入れには、コロナ患者から他の疾患の患者に感染させないために、他の疾患の患者との混在を避けるための専用病棟が必要となり、コロナを疑われた患者とコロナが確定した患者とを受け入れるため、すべて個室が必要になる」
「日本の病院の多くが多床室。当院では39床ある一般病棟の4人部屋を1人用に転用し12床にしたが、これだけでも相当の損失となり、外来・入院患者の受診抑制、検査・麻酔・手術の自粛も加わり、2020年4月から9月の上半期だけで3億円弱の赤字となった。行政からのコロナ受け入れに際しての機器・物品を購入した分の補助だけでは到底足りない」
とのことです。また、
「クラスターが院内で発生した場合、病院にとっては致命的打撃になる。民間病院の規模や機能はさまざまだが、“公表”を恐れるあまり、無理にコロナ患者を受け入れてクラスターが発生し、コロナ以外の患者が巻き込まれて感染し亡なる場合もある。その補償も必要になる。最悪の場合には、病院を閉鎖せざるを得ない場合も出てくる。病床を増やすどころか、病院存続が危ぶまれる」
とのことです。
 そもそも病床不足の根本には、急性期病床の削減や診療報酬の引き下げなど、長年の国の社会保障抑制策があるのであり、コロナ以前から多くの病院が赤字経営を余儀なくされ、多額の借金をすでに背負っております。現にクラスターが発生した一般病院でも、風評被害も相まって患者が戻らず、経営が悪化し、病床を削減する病院も出始めています。

 そこで伺います。代表質問で知事は、医療機関への減収補填についての見解で、「令和3年度から診療報酬・介護報酬を特例的に増額される 」と答弁されましたが、現場に伺いますと、
「月平均延べ8,000人の外来患者、入院が月延べ11,000人のある病院で、加算額は150万円規模。1ヶ月の収入の0.18%の増加に過ぎず、減収補填には程遠い。コロナ受け入れのところは一定の補助があるが、受け入れができない医療機関は、手持ち資金がなくなれば閉院せざるを得なくなる」
「介護報酬加算も雀の涙にしかならず、それも9月までの措置」
ということです。コロナ以外の一般医療機関も、介護の事業所も、深刻な経営難が起きているのであり、コロナ患者の受け入れの有無にかかわらず減収補填を行うべきです。いかがですか。
 また代表質問答弁では、病床ひっ迫の解消へ転院促進の必要性を認められましたが、現場では機能しておりません。今日のニュースの私立病院協会のアンケートでも明らかです。
 東京墨田区等で「入院待機ゼロ」を達成する等の大きな効果を上げている転院支援のための補助金制度が必要です。2月21日の報道でも、大阪・兵庫など6都府県がすでに実施あるいは創設するとのことです。そこで伺います。本府でも療養支援病床を確保する医療機関への財政支援が必要と考えますが、いかがですか。

 介護事業所や障がい者福祉施設も同様です。クラスターが発生した特別養護老人ホームでは、デイサービスやショートステイ事業を一時中止したために、大きな減収となりました。また、体力の乏しい小規模事業所では一気に経営が困難となり、廃業に追い込まれ、その結果介護サービスを受けられない利用者が出ています。もともと慢性的な人手不足と介護報酬改定により経営困難がある中、コロナでさらに問題が深刻化し、廃業件数は過去最大になっているのです。
 そこで伺います。介護事業所や障害児・者施設等においても、国へ減収補填の実施を求めるとともに、新型コロナウイルス対応地方創生臨時交付金や緊急包括支援事業を活用して、府独自の財政的支援を行うべきです。その財源が不足するのであれば、国に対し交付金等の増額を求めるべきですが、いかがでしょうか。

 次に、PCR検査についてです。
 12月定例会本会議で、日本共産党の森下議員が、
「老人ホーム、医療機関等で感染者が出ている。クラスターが起きてからでは遅い。病院、介護・福祉施設等で、入所者や職員に対する定期的なPCR検査を実施すべき」
と強く要望したのに対し、知事は、「医療機関や保健所の負担になるから、慎重に検討すべき」と答弁されました。その後、ご承知のように病院や介護施設でクラスターが次々に発生し、尊い命が奪われているのです。
 宇治徳洲会の松岡副院長は、『京都新聞』インタビューで、
「年末年始、恐怖と絶望しかなかった」
「今回の感染拡大は、災害で例えるなら予測ができない地震ではなく、来るとわかっていた津波だ。行政には先を見据えた対応が求められる」
と発言されていますが、同感です。想定外の患者急増という発言もありましたが、しっかりと検証し、今後に活かすべきだと考えます。指摘をしておきます。
 代表質問で知事から、「宇治市で先行実施したが、『攻めのPCR検査』ということが言われ始めたので対象地域や施設を拡大する」と答弁されました。国の求めに応じて本府が提出した計画は、国の通達の範囲内であり、定期的検査が計画にありません。クラスターを発生させないために、無症状の陽性者を発見し、高齢者施設、障害児・者施設等で働く人たちが安心して働き続けられるように、定期的なPCR検査を実施すべきです。知事の決断を求めます。いかがでしょうか。

 いま、医療・介護の現場で働く人たちの声を間いていただきたいと考えます。
看誰師たちの多くが、
「コロナ病棟で働くことを嫌だと思ったことはない。ただ、手を尽くしても助けてあげられなかった患者さんや、人生最後の家族との別れもできず一人旅立たれる患者さんを看る。そんな毎日の中で、頑張りたくても心と体がどんどんつらくなっていく」
と、先の見えない不安に苛まれているのです。
 ある病院の看護師長さんは、
「GoToキャンペーンの時に、これでは患者が絶対増える。重症患者が転院できなくなる状況が来るのではないかとドキドキしていたが、実際にそうなりました。スタッフの多くがこの1年間、 『感染しない』『感染させない』と、旅行も飲み会も我慢をしてきた。けれど、他の人が楽しそうに遊んでいるところを見ると、とてもつらい思いをしています。そして、懸命に働いている人たちが辞め急ぐことのないように、過酷な労働条件を改善してほしい。コロナを契機にもっと日本の医師や看護師の体制を欧米並みに増やしてほしい」
と言われました。また、
「慰労金についてはとてもありがたいけど、コロナ陽性患者に関わった人だけに手当てがあたるということに違和感を感じている。一般病棟にもシワ寄せはいっている」
とのことでした。
 そこで伺います。国の責任で、コロナの最前線で尽力する医療・介護従事者の大幅な増員ととともに、賃金の引き上げ等処遇改善を行うことが必要です。また「慰労金」について、業種の区別なく一律の再給付を行うべきと考えますが、いかがですか。

○糸井利幸・健康福祉部長  医療機関の減収補填についてでございます。
 京都府ではこれまでから、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関に対し、病床確保や設備整備に要する費用の補助など、幅広い支援を実施しており、来年度においても病床確保に対する支援など、約360億円の予算案を今議会に提案しているところです。
 また、減収に対する補填につきましては、コロナ禍ですべての医療機関が厳しい経営状況にあることから、診療報酬のあり方も含め、国に繰り返し要望しており、この結果、感染予防策を講じたすべての医療機関について、令和3年4月から、特例的な対応として、外来や入院の診療報酬に加算措置が講じられることとなりました。これからも、あらゆる機会を通じて、国に要望してまいります。
 次に、療養支援病床を確保している病院への支援についてであります。
 京都府においては、病院団体や医師会と連携し、新型コロナウイルス感染症の回復後も引き続き入院が必要な患者の転院先病床の確保を図っているところであり、回復者を受け入れた場合は診療報酬の中で加算措置がされていますが、そうした患者を受け入れる病床を確保することで生じた空床を病床確保料により保障することについても、全国知事会を通じて国に要望しているところでございます。
 次に、介護事業所や障害者福祉施設等に対する減収補填についてであります。
 京都府においては、これまでから、介護事業所や障害者福祉施設等に対して、衛生用品の供給や設備整備に対する支援、感染発生時のかかりました経費の助成など幅広い支援を実施しており、来年度においてもこれらの支援を実施するため、4億3000万円の予算案を今議会に提案しているところです。
 また、国に対し、コロナ禍の影響で厳しい状況にある事業所や施設に対する支援を繰り返し要望してきた結果、令和3年4月からの特例的な措置として、利用者が減少した通所介護事業所等に対し介護報酬が加算されるとともに、すべての障害福祉サービスに対し、半年間、基本報酬が上乗せされることになりました。今後も、事業所や施設に対する支援について、引き続き国に要望してまいります。

 次に、医療施設や高齢者施設等の従事者に対するPCR検査の実施についてであります。
 医療機関については、院内感染を防止するためのハード整備や医療従事者に対するPCR検査の委託費用が、国の「医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業」による補助対象となっており、医療機関が自ら検査を行っていただける環境が整っているものと考えております。
 また、高齢者や障害児・者の入所施設における感染拡大を防ぐため、京都府では2月3日から施設の従事者に対する検査を実施しているところです。従事者の感染を無症状の段階から発見することで、従事者自身の安心にもつながっており、今後、対象地域及び施設を拡大して、実施してまいります。
 次に、医療・介護従事者の増員と処遇改善、慰労金の再給付についてであります。
 医療従事者のうち、特に確保が難しい看護師については、京都府ナースセンターにおいて、コロナ受け入れ医療機関の求人を受け付け、積極的に働く意思のある方の紹介を行っているところであります。また、医療従事者の処遇改善については、知事会を通じて国に要望しております。
 介護従事者の確保については、これまでから厳しい状況にある中、京都福祉人材認証制度により職場環境の整備を進めるとともに、介護従事者の処遇改善を国に対し繰り返し要望してきたところです。
 また、慰労金については、本年1月末現在、医療機関及び介護・障害福祉事業所分合わせ約141億円を交付しており、さらに国に対し対象期間の拡大を要望しているところです。
 今後も、府内の医療機関や介護事業所等としっかりと連携し、感染症対策に全力で取り組んでまいります。

○島田敬子議員  ご答弁いただきましたが、現場の現状をしっかりと調査もしていただきたいと思います。
 70万人にものぼる潜在看護師がおり、働けない最大の理由は、「過酷な夜勤」「少ない人員」など労働条件にあります。医療・介護従事者が安心して働き続けられるよう、国・自治体とも、ケア労働を重視する政策へと転換が必要です。指摘をしておきます。
 医療機関・介護事業所への減収補填について、その必要性について明言がありませんでした。特例加算では、減収補填には当たらないと、先ほども指摘をいたしました。
 今後、ワクチン接種が始まりますが、医師・看護師不足が大きな課題です。これから、感染防護とワクチン接種の二大事業を担う医療機関の体制確保のためにも、減収補填は急務です。その認識になぜ立たれないのですか。指摘要望に代えさせていただきます。
 医療・介護崩壊を招かないために必要な財政支援、そして定期的PCR検査など、しっかりと国にも意見を上げるとともに、京都府独自の努力も求めておきます。

 菅政権は、コロナ禍でも重要な役割を果たしている全国の公立・公的病院の救急ベッドの縮小など再編計画を推し進め、75歳以上の高齢者の医療費窓口負担を2倍にするなど、医療・社会保障の切り捨てをさらに進めようとしています。こうした国の政策に対しても、キッパリものを言っていただきたい。
 美山の人々を含め、すべての京都府民が安心して暮らせるよう、住民福祉の向上に努める地方自治体本来の役割を果たしていただくよう、強く要望して質問を閉じます。
 ご清聴、ありがとうございました。