◯池田委員長 まず、所管事項の調査についてでありますが、12月定例会の委員会での議論を踏まえ、本日のテーマは、「中小企業の採用力向上の取組等について」とし、参考人として、中小企業人材確保・多様な働き方推進センター事業責任者の富本剛様、オムロンエキスパートリンク株式会社人財ソリューション事業部就業支援グループ長の紙谷由利様、株式会社大滝工務店代表取締役の大滝雄介様に御出席いただいております。
また、大滝参考人の補助者が後方に1名同席されておりますので、御承知おき願います。
本日は、大変お忙しい中にもかかわらず、本委員会のために、快く参考人をお引き受けいただき、誠にありがとうございます。
富本様におかれましては、2005年にオムロンパーソネル株式会社、現在のオムロンエキスパートリンク株式会社に入社され、人材派遣の法人営業を御担当された後、2011年からは、大規模合同企業説明会の企画・運営等に取り組まれ、現在は、京都府からの受託事業である中小企業人材確保・多様な働き方推進センターの事業責任者として、強みの掘り起しや情報発信の工夫など、中小企業の採用力向上のための支援に御尽力いただいているところであります。
また、紙谷様におかれましては、1995年にオムロンパーソネル株式会社、現在のオムロンエキスパートリンク株式会社に入社され、京都支店長など、人材派遣等を行う営業部門でのマネジメントや、管理部門での人事制度改定などを御担当されました。2018年からは、就業支援グループ長として、これまでの御経験やキャリアコンサルタント等の資格も生かしながら、人材紹介や官公庁受託事業の責任者として御活躍されています。
また、大滝様におかれましては、東京の民間企業での勤務を経て、2007年に家業である舞鶴市の株式会社大滝工務店に入社され、2015年には代表取締役に就任され、地域に根ざした工務店として、幅広いジャンルの建築物に携わっておられます。
また、本業の傍ら、まちづくりチーム「KOKIN」の代表として、チャレンジショップの運営など舞鶴のまちをもっと楽しむための場づくりにも御尽力されているほか、御自身のUターンの御経験等を生かして、京都府などが取り組む移住・定住の促進にも御協力いただいているところであります。
本日は、そういった日頃の取組を踏まえたお話をお聞かせいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、御参考人の意見を拝聴いたしたいと思いますが、説明の準備が整うまで、しばらくお待ち願います。
それでは、富本様、よろしくお願いいたします。
◯富本参考人 京都府中小企業人材確保・多様な働き方推進センター事業責任者をしております富本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。失礼ですが、着席の上、御説明をさせていただきます。
それでは、「中小企業の採用力向上の取組等について」ということで、本日は、こちらの次第に沿って御説明をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
京都ジョブパーク京都府中小企業人材確保・多様な働き方推進センターでは、京都府内の中小企業様の採用と定着に係る相談対応から、京都ジョブパーク事業のメニューを活用し、最終的には府内中小企業様の人材確保と定着を目指した事業運営をしております。当センタースタッフが府内企業様へ訪問を中心にアプローチをさせていただき、支援を開始させていただくケースと、支援に有効なメニューを持つ関係機関へのおつなぎするケース、また逆に関係機関から支援依頼を受けるケースがあり、当センターがハブ機能を担い企業様に応じて適切な御支援につながるよう、京都府内関係機関の機能やメニューを活用しながら、中小企業様の支援を実施しております。
企業訪問時には共通のヒアリングシートというものを持参しまして、企業様の現状と課題を細かくヒアリングいたします。そして、ヒアリングをもとに企業様を3分類にさせていただくことで、各社ごとの課題と改善に必要な支援メニューを明確にし、当センターにおります中小企業診断士または社会保険労務士と協議の上、支援計画を立てて支援を開始してまいります。
企業支援の大きな流れとしましては、就労環境の改善、採用したい人物像の明確化、求人票、その内容の見直し、京都府様が管理するポータルサイトを活用した企業の魅力発信、そして求職者とのマッチングと入社後の定着支援を実施しております。
また、当センターが実施する企業セミナー及び昨今は近畿経済産業局様が京都で実施される事業と連携した企業向けセミナーを活用し、採用力向上やその発信方法等サポートを実施しております。
実際の企業様と求職者のマッチングですが、30社から100社規模ぐらいの合同企業説明会の開催だけではなく、京都テルサを中心に1社単独の個別企業説明会や10社未満のミニ企業説明会というものを平日のほぼ毎日開催をさせていただいております。
また、京都労働局様とも連携し同様の企業説明会をハローワーク内で開催し、企業様と求職者のマッチングを連携・実施させていただいております。
こちらは半年に1回実施しております企業様に対してのアンケート調査の一部でございます。中小企業様の課題として、御承知のことと思いますが、やはり一番多いのが求人採用に関することとなっております。
ただ、採用と言いましても一言ではなく、採用活動は各フェーズに分かれておりますので、各社の採用に関する課題に対して、どのフェーズに一番問題があるのか等、センタースタッフと専門家がそのフェーズの明確化と、それに対する支援計画を立て、企業様と相談を重ねながら一緒に改善活動を行っておる状況でございます。
一方、こちらが近畿経済産業局様が実施しました若者就職意識調査・企業フォローアップ調査の一部でございます。ここでは、若者が中小企業に対するイメージや中小企業が就職先の対象になるかどうかについて調査した資料となります。この資料では、82.9%の方が中小企業が就職先の対象となるという回答をしております。
また、将来の転職先として対象になるかという回答を合わせますと、91.8%が対象となるという回答をしておられます。
求職者による中小企業の就職先としての評価は高く、具体的にはこちらの資料の記載のとおりとなります。若者が中小企業を評価している点としましては、会社の雰囲気がよさそう、希望の仕事に就けそう、また残業が少なそうという点でございます。
同様に当センターで開催した合同企業説明会に参加した求職者の声からも、中小企業への就職に対する期待の声が多く寄せられている状況でございます。
一方で、就職先として考える場合の課題としましては、中小企業を知らない、これに尽きます。数多くある中小企業の情報は学生に届きにくいのが現状でございます。そのため、京都ジョブパークでは、産業学セミナーなど大学に企業をお連れして授業に御登壇いただくなどの活動を続けております。この調査により学生の傾向としては、会社規模にはこだわりがないが多数あり、やりたい仕事、自分に合った仕事を重視する傾向はありますが、希望職種等は特に決まっていない。また、人間関係や社風を重視する傾向が強く見受けられておりました。
中小企業も就職先の対象となる若者が多いということでお伝えをしてきましたが、その課題としましては、先ほども申し上げましたが、中小企業情報が学生に届きにくいこと、また本調査の結果、企業と求職者にギャップが生じており、中小企業は学生がどこを魅力として見ているのか、ここに気付かずギャップが生じているのが現状でございます。
このような状況におきまして、当センターでは学生の声を企業様に届け、職場環境改善、自社の魅力発信の内容や方法をしっかり一緒に見直し、中小企業様と求職者の出会いの場を創出することに注力しております。
次のページでは、これらのギャップや課題に対する対応策として、当センターが取り組んでおりますイベントを御紹介いたします。
◯紙谷参考人 ここより紙谷から御説明させていただきます。着席のまま失礼いたします。
こちらは当センターで実施しました「Cafe de 就活」という取組です。求職者に中小企業の魅力を伝え、人材を採用していくために当たり前だと思っている面接という入り口を変えてみました。
まずは話をしてみるをコンセプトに、求職者と企業担当者がカフェで全員と交流し、そこからマッチングに進んでいくという出会いの場をつくりました。この「Cafe de 就活」では1名採用予定で参加された製造メーカーの企業様が2名の採用に成功されました。合同企業説明会にブースを出して、ごく少数しか自分たちのブースに立ち寄ってくれないという経験をお持ちの企業様も多いと思います。従来の仕組みにこだわらず、様々な場を活用し、自社の魅力発信を行い、求職者とのギャップを埋めていくというのも1つだと思います。
次に、意思決定が早い中小企業ならではの働きやすい職場づくりを御紹介します。制度ですとかいろんな事例が出ておりますが、お盆休みとは別の夏季休暇の導入。これは業務の繁閑を踏まえてトップの決心で実現されたものです。日付が書かれたくじを引いて、引いた人は必ずその日は有給休暇を取得する、有給くじというのも非常にユニークな取組です。これらの企業の働きやすい職場づくりは収益を圧迫するようなものではなく、事業を加速し収益にもつながるという考え方で取り組んでいます。このような取組の共有を進め、自社らしい働きやすい職場づくりの広がりを支援していきたいと思っております。
続きまして、昨年度を中心に人事制度を改定したいというニーズを持つ企業にヒアリングを行いました。ほとんどの企業では、人事担当者の方は採用や教育制度運用など幾つものテーマをほとんどの方が1人で掛け持ちをしておられました。他社の制度ですとか事例などを非常によく研究されていて、あの会社のこういった制度がいいな、こういったものを取り入れたいなといういろいろなお声を伺いました。その際に、大企業のように細分化された人事部門ではなく、自社の全体が見えていてトップとの距離も近いからこそ、自社に合った入り口から出口まで整合性など制度を設計することができるのが中小企業ならではの強みですということをお伝えしておりました。企業のビジョンと整合する制度をつくっていくことも企業の魅力を発信していくことにつながると思います。
以上でございます。御清聴、ありがとうございました。
◯池田委員長 ありがとうございました。
次に、大滝様、よろしくお願いいたします。
◯大滝参考人 では、しゃべらせていただきます。「株式会社大滝工務店の人材確保の取組み」ということで、特別に何かできているわけではないんですが、我々がやっていることを体験としてシェアさせていただけたらと思います。
まず弊社の紹介ですけれども、昭和27年にできた会社でして私で3代目になります。大体年商が10億円ほど、今社員が23名になっております。舞鶴市を中心に活動しております。
私自身は大学、関東に出まして、それからシステムエンジニアとして東京で働きました。それから、父が病気をしましてUターンをして大滝工務店に入りました。大滝工務店の仕事をしながら、舞鶴の町並みをもっと格好よくしたいなというふうに思いまして、このまちづくりチームKOKINというのをつくって活動し始めましたという経緯です。
ちょうど先週またもう1個会社をつくりまして、今度は地域商社みたいな会社をやっていこうということで会社を起こしました。
今の2019年度の大滝工務店の組織図ですけれども、この黄色く塗ったところが今20代の社員になっています。建設業は、やっぱり人材不足でなかなか人の採用が難しいんですけれども、今こうやって20代が大分増えてきた。ごめんなさい。20代じゃないですね。ここ2年で入ってきた社員です。18で入って23、30歳、50歳の中途の社員が入ってきてくれたりとか、4月から大卒の女の子が入ってきてくれたりという形で、ここ数年こうやって入ってきてくれています。
会社自身はこうやって住宅とか店舗とかお寺さんとか発電所とかの仕事をしております。
求人で意識していることなんですが、1つは「カッコよく見せる」ということです。僕にふさわしい職場をつくっていくということで、1回地元を出て大学に行った学生さんが就職するときに、やっぱり自分にふさわしい職場かどうかということを意識すると思うので、地元にはそういった会社がないんじゃないかというふうに思うわけですね。その結果、Uターンしたり、地元に帰って目指すところというのが大体役所か銀行になるというところで、優秀な学生さんがみんな役所に入ってしまうというところが私は非常に悔しいなと思っていて、中小企業でも魅力的な職場をつくって、私にふさわしい職場というのを地元にいっぱいつくっていくということが大事かなというふうに思っております。
また、ターゲットを日本中に広げるということで、求人の範囲を地元だけじゃなくて、地元で建築業を目指す人となると非常に枠が限られるわけですね。外からでも来てくれるような会社づくりをするというところで、今、積極的に地方を選択するという若者が非常に増えておりますので、これは追い風ですので、そういったところも生かしながら、ターゲットを日本中に広げる取組をするということを考えております。
カッコよく見せる取組の1つとして、オシャレげにやるということです。非常にシンプルなんですが、これは弊社で造っているカフェ兼ショールームなんですけれども、こういった建物があって、半分カフェ、半分ショールームという形になっております。この中に、暮らしのコンシェルジュという立場の人間がいて、カフェに来たお客さんが暮らしのこと、住宅のことでお困りがあったら気軽に相談ができるということですね。非常に工務店というもの自体が地域からちょっと遠いなと思っていて、何か相談するのにすごく勇気が要るということ課題感で感じていましたので、気軽に相談ができるように我々が地域に出ていくというところで、こういった建物を造っております。
ちなみに、このカフェのほうは、またこれはこれで別会社をつくりまして、こちらのほうで運営をしております。その中でスタッフを雇っているんですけれども、店長ともう1人、男の子2人なんですが、この子も名古屋と東京から移住して来てくれました。これもインターネットで、こういったことを始めるという思いを書いて、それを見てくれて応募してきてくれたという形です。
これはこども工務店という取組をしているんですけれども、これも平たく言ったら、ただの木工教室なんですね。工務店の木工教室。よくあるんですけれども、これ自身も大工さんを格好よくしたいと、工務店自体を格好よくしたいというのは、ずっと私のミッションとしてありまして、子どもにとって大工さんを格好いい仕事にしたいというのがあります。はっぴも特注でつくりまして、大工になりきってもらって木工教室をやると。こういったときでも、ロゴをつくってやることで何かちょっとオシャレげに見えると。やっていることは別に何の変哲もないただの木工教室なんですが、そういった形で見せ方を整えるということをしたりします。
これはくらしのがっこうというセミナーなんですけれども、これも平たく言ったらただのセミナーなんですが、よくある税金相談、住宅ローン相談会とかそういう形じゃなくて、くらしのがっこうということで、もうちょっと入りやすくオシャレげにやるということをやったりしています。
もう1つが、まちづくりまでやる工務店ということで、先ほど私、まちづくりの会社をつくって、KOKINという会社をつくって活動していると言いましたけれども、これは完全個人の活動として始めたんですが、これ自身も大滝工務店から出資をしまして、社団法人というのをつくりました。ですので、工務店が支援をするまちづくり事業というふうな位置づけに今はしています。2012年から始まってずっと個人でやったんですが、去年、法人化をしまして、会社のほうから出資金を受けて会社を起こしたということで、大滝工務店がやっているまちづくり事業というカラーを出しております。
実際、中身としては、こういった古い建物を使ってのゲストハウス事業ですとか、チャレンジカフェ事業とか、銭湯の応援をしたりとか、学生のインターンを毎年受入れたりとかいうことをしております。
取組3つ目ですが、ITツールの活用ということで、非常にウェブ会議を最近は多用しております。先ほどのジョブパークさんの話でも、既存の形にこだわらない就職活動、求人活動というのがありましたけれども 、ウェブ会議でまずは気楽に会うということから始めております。面接に来るときもスーツでは来ないでくださいと、私服で来てくださいと、キャラを見たいのでということで、なるべくこう気軽に会って会社を見学してもらいつつ、舞鶴の町中も一緒に歩きながら面談をするというような形でしております。まずは舞鶴に来てくださいと言うとハードルが高いので、まずウェブで会いませんかということで、ウェブで会議を1回かますことで、それが0次面談みたいな形で気楽に会えると。だから、北海道の方とでもウェブ面談ができますし、それが全国の方を対象にした求人につながるということです。
社内でも現場に社員が散らばりますので、意識共有が図りにくいのでウェブ会議を使ってよく会議をしていたりします。
また、現場管理も現場が遠い社員とかだったら、現場に行って帰ってくるというだけでもう半日使ったりするわけですね。なので、ウェブカメラを置いておいて現場のことが見れるということで、現場に行く回数も少なくできるし、休日出勤も少なくできるというようなことをやっていたりしております。
次のターゲット日本中に広げる取組なんですが、想いを届ける求人媒体というものを使っております。具体的には、こういったWANTEDLYという求人サイトですとか、この日本仕事百貨というサイトとか、最近こういった思いを届けられる求人媒体というのが多くなってきています。既存のマイナビ、リクナビという中では、休日が何日あって給料が幾らで処遇がどうみたいな話に終始しがちなんですね。中小企業はそこで戦っても勝てないわけですね。なんで、どういったミッションを持って、地域の中でどういった役割を果たそうとしている、何のために存在しているんだと、どんなビジョンを描いているかということをやっぱりしっかり届けないと、中小企業に目が向かないわけですね。地域の中での役割という意味では、中小企業は非常に大事な役割を担っていて、そこの思いがしっかり伝わって、その思いを見てさらに会社に来たときに、そのイメージとのギャップがなければいいと思うんです。
今その地方で就職するとか地方に移住するということ自体があまりネガティブなイメージでないので、今非常にチャンスだなと思っていまして、この思いをしっかりと外に届けること、この広報活動というのが非常に大事だなというふうに思っております。
実際に、2018年からそれを取り組み始めまして、このWANTEDLYというサイトとかを使い始めて、それから応募があった方々をリストアップしております。2018年、京大の学生から始まって同志社女子とか沖縄県立芸術大学とか京都府立大学、武蔵野美術大学、上智大学、京都造形大学、大阪大学、いろんな方々が応募してきてくれました。
実際に、これはウェブで面談をして履歴書も送ってきてもらってという数なんで、これ以外にちょっと興味がありますというレベルの方はもっとたくさんいらっしゃいます。そのたびにウェブでちょっと会って話をして、どうですか、受けてみますかという話をして、受けてくれた方がこれだけいるという形です。
これが既存の枠組みで地域の就職フェア、マイナビ、リクナビでやっていると恐らくこれだけの方に会えないと思うんですね。ですので、今全国から、北海道から沖縄まで来てくれるというのは、こういったところなんですが、ただこうやって会って来て面接をするんですけれども、実際に、じゃあ、就職につながっているかと言うと、まだまだ課題があります。
例えば、この黄色い方が実際に入社をしてきてくれた方になるんですけれども、一番最初の京都大学の子、WANTEDLYというのに登録してすぐに応募があったんですが、京大の子にうちの会社なんて全くもうはまらないだろうというふうに思って、とりあえず遊びにおいでよということで1日遊びに来ました。帰っていきました。その先ないだろうと思っていたんですが、興味があるんでインターンしたいですというふうに連絡いただいて、2週間インターンに来てくれました。2週間インターンで、ほとんど僕の横についてずっと動いていたんですけれども、2週間たった後に実際どうするという話をしたら、来年、大滝工務店で働きたいですと言ってくれました。非常に優秀な学生だったんです。じゃあ、もう相思相愛ということで内定を出したんですが、親御さんから猛反対を受けまして、もう家族中から猛反対されていますと。お母さんが非常に教育ママの方で、大事な息子、京大まで行かせて何でそんな地方の中小企業に行かなあかんのやということで反対を受けまして、お母さんまで会わせてもらったんですが、もう目も合わせてくれない。大事な息子をとられると。何であんたなんかにみたいな感じで合わせてくれない。実際に応援してくれると思っていたお父さんまでそう言ってきたという、中小企業なんか後からでも行けるぞ、ということを言われてきたいう中で、何かどうしたらいいですかねというので、そのときに僕も自信を持って絶対うち来たらいいよと言えなかったんですね。それは入った後にこの子をちゃんと育てられるのかな、というのと、この子の幸せな将来を保証できるのかなと、自分の中で自信が揺らぎました。それは社内でのその体系的な研修だったりとか、この子が5年後、10年後にどういった仕事しているのかなという中で大滝工務店、中小企業の弱点はやはり20代で入っても60代で出ていってもずっと同じ仕事をするというところだと思うんですね。キャリアステップが変わらない。転勤もないし課長、部長となっていくんですが、部長も平と同じことをやっているということだと思います。なので、そこら辺がちゃんとしてあげられるだろうかということを考えると、自信がなくて、それは君にとっては違う道がいいと思うから、それは違うところを選んだほうがいいよということでリリースしました。そういうことがありました。
それが一番ど最初にありまして、それからこうやって活動しているわけですが、非常にそこが課題感でずっと思っていて、なので今、会社の中での評価制度、等級制度、その後の研修制度というのを体系的なものをこしらえているところです。会社のミッションから始まってのそういった体系的な研修というのをつくっております。そういったところも併せての求人活動なのかなというに思います。
先ほど絵に出されておりましたが、やはりミッションが最初にあって、会社のミッション、ビジョン、どういった使命感を持っていて、どういったビジョンを持っていてというところから、どういった人材がうちにとって必要か、会うかというところを定め、それに応じてターゲット絞った求人、その求人した方たちが入ってきたときに、どういうキャリアステップが描けるかというところの研修制度。それがやっぱり大企業ではしっかりしているんですね。5年目研修、7年目研修、何年たっていったらスペシャリストの道を行くのか、マネジメントのほうに行くのかみたいな道が用意されていると。中には海外に行く人もいるという中であって、その人の人生の生きがいが描けるというところがやはり中小企業と大企業の大きな違いだと思いますので、そこをどうやって描いていけるかというところが非常に課題感を感じております。
今は地方企業、中小企業であることがハンデではない時代だというふうに思っております。
ただし、それはつまり企業の魅力が真に問われる時代であるということですね。魅力があれば地方でも来てくれるし、魅力がなければ大企業でも来てもらえない、地方企業で魅力なければさらに来てもらえないということです。外への発信はよくても、会社に来たらトイレが汚いでは話にならないわけですね。まず、そこの環境から、働き方、土曜日はもう当然出るでしょうみたいな話では通用しないですし、建築業だから土曜日出なければ駄目でしょうみたいな話は通用しないわけですね。そこら辺から含めての中を磨いていく必要があるのかなというふうに思います。
弊社のミッションとしては、地域を、日本をよくするということを考えておりまして、地域をよくするのは当然なんですが、日本をよくするということで工務店というもの自体のアップデートを図っていくというのが私の大きなミッションです。人づくり、まちづくり、工務店をカッコよくするというところと中小企業の星になるということですね。地方の中小企業でもこういうことはできるんだということを、身をもって実感、表現していきたいというふうに考えておりまして、ビジョンとして掲げております。
以上、御清聴ありがとうございました。
◯池田委員長 ありがとうございました。(中略)それでは、御意見、御見解等がございましたら御発言願います。
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◯西脇委員 今日はありがとうございます。
まず、ジョブパークの方にお聞きしたいんですけれども、先ほど御報告がありましたが、年間3,555社支援をされておられると。その中で2,012名が採用につながったということだったんですけれども、この2,012名の内訳なんですけれども、先ほど地域的な御質問ありましたけれども、職種はどういった職種が多いんでしょうか。
◯富本参考人 すみません。今、この採用数に対する職種の内訳データを手元には用意していないんですけれども、職種は本当様々です。今回、御支援させていただいている企業様の業種も非常に様々ですので、そのときに出た求人に対してマッチングさせていただくということになっていますので、こう何か特定の職種を取り上げてというわけではございませんので、すみません、詳細は持ち合わせないんですけれども、職種は本当に様々なものです。
ただ、求職者の方の御希望としては、いまだやっぱり事務職というのは強い御希望としては今現状もあります。
◯西脇委員 はい、ありがとうございます。確かに事務職が多いんではないかなと思うんですけれども、その中で一方で先ほどの資料の中では、最近の学生の傾向としては、会社の規模にこだわらないと、それと希望業務は特に決まっていないという情報があるにもかかわらず、やはり最終的には希望されるのは事務職なんだということなんですが、その一方で大滝工務店さんの御努力もあって、やはり現場は求めておられるということなんですけれども、現在もずっと採用は継続しておられるということですね。
◯大滝参考人 はい、そうですね。継続しております。職種としては設計、現場、大工、あとマーケティングという新しい部署で採用を今回させていただいて、そちらも1人、女の子が決まりましたのでよいんですけれども、ずっと継続的にやっております。
◯西脇委員 はい、ありがとうございます。大企業志向ではなかったかと、この間ということがありましたけれども、先ほどの御議論の中でもだんだんとそうではなくて本当に自分がやりたい仕事、生きがいを持てる仕事を希望されると、その中で大滝参考人のところもそうだと思うんですけれども、人としてのつながり、家族的な魅力という規模は大きくないけれども、そういう自分にとってプラスというか、本当に長く続けられるという職種も工務店さんなども、その希望する中に入ってくるのではないかと思うんですが、その点は今すごく御苦労されておられるわけですけれども、先ほど率直な御事情もお話ししていただいたような研修の問題とか、それは大滝参考人の工務店の中だけではなかなか難しいということでしょうか。その上で、例えば府なり行政、国もそうですけれども、希望されておられる、今やっておられることというのがあれば教えてください。
◯大滝参考人 今、その若い方から求められる、人のつながりみたいなところを求める方もあると思います。やっぱり価値観が多分3・11以降、結構変わってきていて、自分の働く仕事が世にどういう社会的な影響を与えられるのかみたいなことを深く考える人が多くなっているなというのは肌感覚として感じます。その中で、自分のところの本業、我々でしたら建築というのが町の中でどう生きているのかというところで、まちづくりをやっているんだと、地域の暮らしの文化を創っているんだというところはやっぱり非常に刺さります。まちづくりまでやる工務店というタイトルに対しての食いつきは物すごく多いですし、逆に言うと、それによってミスマッチも起きてはいるんですが、まちづくりできるんですよねみたいなところで、実際来てみたら、いや、普通の工務店やんかみたいなところがミスマッチは実際あるのはあるんですが、でも、そういった形で自分の仕事がどう地域に生きるのかということをすごく考える方は多いと思うんですね。
なので、建築に限らず、建築はその中では物すごく打ち出しやすい部分だと思うんですが、例えば別に町の豆腐屋さんであったとしても、そういった部分は町の中でこういう貢献をしているんだということは訴えられると思うんですよ。そういったところをしっかりと思いを出すことということがいい求人、地方のいい求人につながるというふうには今認識をしています。
もう1つ御質問いただいたその研修が自社で難しいのかというところでいくと、実際、難しいのは難しいです。自社でできることはちゃんと体系を整えるというところですし、ただ、自社だけでやらなくていいかなとは思っているんですね。例えば、内定者研修を、1年間、内定者期間がありますから、舞鶴で3泊4日の、例えば舞鶴市役所の内定者と中小企業の内定者何社か合同で3泊4日の研修会をやったっていいわけだと思うんですね。そういったところで、この町をどう捉えるか、この町をどうしていきたいかみたいなところから含めて、本業につなげて考えていくみたいなことを何社かと一緒にやりたいなという思いはずっと今持っております。
◯西脇委員 ありがとうございます。そういった研修の在り方ですね。今までとはまたちょっと違う一歩も二歩も踏み込んだ、そういうその在り方等について、双方向で行政と、それから工務店なり企業の皆さんと率直にディスカッションできる、いろんなこんなこと困っていますと言えるような仕組みというのは、府のほうにもお聞きしたいんですけれども、理事者の皆さんにも、あるんでしょうか。
◯大滝参考人 それこそ明後日、舞鶴市長さんとランチミーティングをさせていただくんですが、こういったまちづくり活動を見ていただいて、1回話をしようと言っていただいて、2時間ほどお話をさせていただくんですけれども、その中でこの議論も出そうと思っていたんですね。市役所さんもそうやって非常に課題感も感じておられながら、一緒に中小企業とどう組めるのかみたいなところも見ておられるなというのは最近感じていますので、我々はそこの道をつくっていきたいなと思っています。今のところ、何かあるかと言うと、実際に形としては私が認識される中ではなかなかないんですけれども、今機運としては非常に高まってきているんだろうなと、みんなで地域をつくっていくんだということを率先してやっていきたいです。
◯西脇委員 もう1点、最後にお聞きしたいんですけれども、やはり工務店と言いますと、先ほどあったかと思いますが、イメージ的には特に建設業とか介護とか、なかなか就職が困難というか、採用に結びつけにくい職種だと思うんですが、やはりその点では一番の問題は賃金の問題、低賃金、長時間労働と、そういうことがある。御努力をしておられるかと思うんですが、その点の改善のための御努力なり現状なんかはどうでしょうか。
◯大滝参考人 私が思うに賃金が一番ではないのかなとは思っています。やっぱり自分らしくいられるかどうかみたいなところが結構大きいのかなと思います。その自分らしくという意味では、思いだけじゃなくて、それこそ都会にいて京都市内の中小企業で働いたら周りにいいものがたくさんあってとか、例えば大企業で働いたらパリッとスーツを着て格好よくいて、自分が何かテンション上がるみたいな部分があるじゃないですか。この子、絶対輝くのになという子が、中小企業に行くと作業着着て書類の山に埋もれてこうやっているみたいなところって非常にもったいないなというふうに思っていて、そういった環境面を整えるというところは、まずもって地方だからこそ必要でありますし、逆に言うと、その介護とか建築業って非常に採用が難しい部分なんですが、だからこそ、ちょっと違ったことをやると非常にとがるというか、非常に一歩出るみたいなところで私はやりやすいなと逆に思っています。
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(委員間討議)
◯島田委員 産業の担い手確保・育成をテーマに、本日も含め、参考人招致の貴重な意見交換や管外調査なども行いまして議論を進めてまいりまして、多くの学びも得たところでありますが、また事務局の皆様にも詳細に議事録も整理をしていただきまして、改めて振り返ってみました。本日も議論になりました府内の中小企業の人材確保について、6月、9月議会では外国人労働者に係る府内中小企業の取組の現状を聞くことから議論をしてまいりましたけれども、最終的にその議論の中で明らかになったことは、現場の社長さんたちが企業としては外国人労働者に頼らざるを得ない現状はあるが、本来会社の将来を考えると、日本人の人材がどうしても必要ということでありました。外国人労働者についても国内労働者と同様に、適切な労働条件を確保しようと思えば、コストは同じようにかかるという発言も参考人から伺いました。やはりそういった点で、国内の労働者の安定した雇用、そういう社会の実現こそ必要だと痛感をしたわけであります。
今日、頑張っておられた大滝参考人、同じように愛知県名古屋市のアルプススチール株式会社に伺いましたが、30代、40代、50代と3分の1ずつ在籍し、離職率が3.2%という状況で、誰でも長く安心して働ける労働環境の大きな柱として正規雇用者をちゃんとやっているということでした。学校とのマッチングや連携、障害者雇用や女性の能力も生かす取組による職場の活躍の機会を保証していることなどが紹介されまして、非常に感銘を受けたわけですが、社長さんがリーマンショック時も労働者を解雇せず、先ほど大滝参考人と同じようなきっと一緒に社員さんにも説明をして、歯を食いしばって乗り越えてこられたということにも大きな感銘を受けたわけであります。
ということで、中小企業の頑張りをどのように応援していくのかというのがやっぱり政策課題としては、より具体的に京都府の取組においても検証する必要があると。理事者には聞かないということでありますけれども、そうやって考えますと、京都府の実際の取組の現状や課題についてどうだったかという検証は、今委員会ではできなかったかなと思っています。
例えば、京都府が取り組まれている多様な働き方推進事業費補助金、就労環境改善サポート補助金、労働生産性向上推進事業補助金など各種の補助金がございまして既に取り組まれております。この中に京都企業の人材確保に向けた働き方改革を推進するということを目指しまして就業規則の政策変更、所定外労働時間削減のための施策あるいは労働環境改善のための設備支援など就労環境の改善が特に大事だと位置づけられております。
また、労働生産性の向上と長時間労働の削減あるいは先ほどあった休暇ですね。有給休暇の取得促進等への支援もあります。
つまり、やはり企業が優秀な人材を確保するために大事な視点が既に、焦点ははっきりしていまして、この点で今の取組もどこまで一体その効果が上がっているのか、京都府としても検証し、中小企業や現場の声に耳を傾けて、さらに改善を図っていくということが必要かなというふうに思っています。もし理事者から何かあれば伺いたいんですが、そのように感じました。
先ほどジョブパークにおける取組で、良質な正規雇用を確保する人材確保チャレンジ事業なども伺って、やはり安定した雇用、安心して働き続けるための正規雇用の重要性が確認できたというふうに思います。雇用対策は国の法律制度と密接に関わっておりますので、京都府独自では解決しません。その点で働き方改革の名で政府が進めてきたのは何だったのかという点では、やはり労働基準法等の法律を一括改定した働き方改革関連法が2019年4月から一部を除いてスタートしておりますが、労働時間規制を完全になくしてしまう高度プロフェッショナル制度、残業代ゼロ制度とも言われますが、このような導入や、過労死水準の残業を合法化するなどの働かせ方の大改悪が行われたわけであります。
現実、京都府内で働く若者の2人に1人が非正規雇用、そういう若者や大学を卒業したての若い方が非正規雇用に置かれている現状が半数あるという全国ワースト3位という状況でありますし、派遣労働者、契約社員、パート、期間社員などの非正規労働者は全国的に見ましても正規労働者の6割という低賃金に加えて、短期細切れ雇用契約の更新を繰り返し、常に雇用不安を抱えている労働者が現にいるということでありまして、今、京都府の職場でも2割が非正規ということになっていますので、こうした点、それから若者のブラックバイトやブラック企業の問題も大きな社会問題になって、本府も労働局と連携した調査や改善の取組が進められておりますけれども、そうした具体的の一つ一つの課題で、なお検証し、施策を展開していくことが必要であるなというふうに思っています。
先ほど給料は3番目か4番目とかとおっしゃいましたけれども、最後はやはり大工さんたちでも休暇と、そしてちゃんとボーナスも退職金もということで苦しくも出ましたけれども、やはりそうしたあたり、暮らしを支えるそういう条件というのは非常に大事かなというふうに思います。
現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大で、サプライチェーンの問題が明らかになりましたけれども、今朝のニュースを聞いておりましても、住宅建設現場でトイレとかキッチンとかガスコンロまで、その材料が中国から部品が入らないということで工事がストップする、あるいはパソコンの部品が来なくなって、もう在庫がなくなるとパソコンも買ってもらえませんよと私も聞いたんです。あるいは電動自転車の部品が届かずに、これも生産ができない、とんでもない事態になっているわけで、当面の利益、利潤追求のために、やはり安い労働力を求めて海外に製造現場を移転させてきた大きなツケが回っているのではないかということも、今日問題だなと感じております。グローバル社会あるいはグローバル経済の中で、やはり国内経済における内需拡大、そして地域循環型の経済政策への転換が必要だなと、この点でも感じたところであります。
この点で私ども国においても、ブラック企業規制法案とか労働者派遣法の抜本改正あるいはパート有期労働者の均等待遇あるいはサービス残業根絶等、様々な政策提案も行ってきましたけれども、やはり賃上げによって8時間働いたら普通に暮らせる、そうした条件をしっかりと整えていくということが必要だなと思っています。若者をはじめ働く人を過酷な労働に追いやる、そして物のように使い捨てるブラック企業、ブラックバイトの根絶も引き続き取組を進める必要があるなと思います。
また今期、議論はできませんでしたけれども、ジェンダー平等を促進し、同一価値労働同一賃金を実現することも喫緊の課題で、女性の2人に1人がパート、有期契約、派遣などの非正規雇用のもとに置かれて 長時間、過密労働の中で育児休業も取れない、あるいは結婚出産しても働き続けられる女性が3割に過ぎない、こういうことから男女間の賃金格差の解消、そして非正規雇用が多く占める女性の雇用環境の改善が必要であると思います。
最後に、労働者の東京一極集中が加速しております。大企業にも東京にも勝てないという現状がありますが、東京と京都の最低賃金は、令和元年で時給104円の差がありまして、前回格差103円でしたからさらに広がりました。東京と地方の格差は一番低いところでは、月額37,000円とかもう40,000円近い格差になっております。この最低賃金の格差拡大によって地方から東京へ若者の流出が進んでいる。これ以上進むと地方の企業は人材確保ができず業績が悪化すると。そうすると、雇用の必要の悪化がさらに広がるということで、逆にその東京では人口流入によって経済の規模が大きくなって、そこにまた若者が集まっていくというこの悪循環を断つためにも、全国一律最低賃金制度の確立あるいは時給1,500円の達成に向けて中小企業の社会保険料、事業主負担等の減免などを行って底上げ図っていくことによって、地方へ若者の雇用をしっかりとつなぎ止める、そういう点で中小企業の雇用政策としても、この点は大事ではないかなというふうに思っておりますので、まとめとしたいと思います。
以上です。
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◯村井副委員長 視察もさせていただき、参考人の御意見も拝聴し、各委員さんの御意見もいただいて、考えるところがあります。
島田委員、馬場委員がおっしゃっている1つの地域雇用の理想型、やっぱりこれは追求しなければならないと思いますね。従来どおりの雇用という形でどうやっていくのか。確かにおっしゃるとおりだと思います。短期的に見る視点も大事、中長期的な視点というのも、人材確保の面からいけば、従来から持っている雇用の問題だと思うんですね。これはもう対応しなければいけない。この問題を各地域は抱えながら都市間競争が起こっていると、地域間競争が起こっていると。
京都府に優位性があるのかというところなんですね。僕はそこで最大に参考になるのがサント機工さんですかね。京都府で多分50年、されています。僕は昔の企業の付き合いからいって、多少サント機工は知っているつもりです。あそこが従業員さんが約60名から70名で、今日の大滝工務店さんは20名なんですね。京都府の場合はよく言われるところの小規模企業が多いというのが、この20人規模。20人規模がなぜそこから脱皮できないのかというのが最大の京都府が持つ課題で、企業の立地条件なのか、人の条件なのか、これはもうずっと京都が持っている課題だと思います。私がいた中小企業も20人前後なんですね。回しやすいんですけれども、そこから、じゃあ、次どうするかというときに、なかなかないんですね。
そこで、サント機工さんは恐らくあれはそこの打開の道を外国の方を導入するということで、人を入れるということで打開されてきたということにおいて、僕はさきの石田委員でありますとか中島委員とか中村委員の御意見とか、また家元副委員長の御意見にやっぱりかなり近いです。
島田委員の御意見は、全然否定していません。1個違うとするならば、地域循環型経済というのは、僕は全然その考え方はないのでね。地域循環型経済というのは、非常にマルクス経済学の突出した考え方だと思うので、景気循環というのはその地域地域にめぐっているという考え方はしていますけれどもね。それはちょっと言っておきます。
でも、その課題とともにそれは1つ柱として、もう1つは現実、目の前にある人の不足というのは、もうこれは現実突き詰められた京都府が持っている企業の目の前の課題ですからね。そこに向き合わないというのは、やっぱり京都府としても議会としても僕は向き合うべきだと、今、課題があったとしてもですね。だから、その意味からおいて、サント機工さんの外国人労働者の雇用というのは、やっぱり大いに参考になるべきだし、それからいって、今言ったように20人規模脱皮ということ、企業業績の中でされていますんでね。京都府の大事なことだと思うんですよ。小規模企業が減らないんじゃなくて、小規模企業が次どう展開していくかといったときに、いわゆる中小企業というだけでくくれる企業になっていかなければならないという考え方も僕は持っていますので、そう意味から言ったら、僕は1つの姿として、もう一方の柱として、この人の不足というものは、人を育てるとかという意味も含めて、外国人労働者ということに対してもしっかりと向き合うべきだなと、そういう提言が出されれば、産業の担い手確保・育成という意味において、最もいいのではないかと思いますので、そういう形でおまとめいただきたいと思っております。
◯島田委員 現に外国人労働者を受け入れてしまっているので、先ほど御指摘のあった日本語教育も含めて、その雇用環境をちゃんと整える。あるいは技能訓練、やっぱり実習生は短期の雇用であって、長期的に主戦力になるかというと、そうじゃないですよね。だから、現実に直面して、それこそ外国人労働者あるいは留学生も不安定な雇用の中で切り捨てられる側面も実際ある。現実に直面するということであれば、そこにも向き合ってちゃんとした雇用環境を整えるのは当然です。
ただし、柱ではないと。そこまで言うのだったら、日本の雇用の現状の京都府内に働く若者実態がどうかというところの掘り下げというか、そこが大事だということの視点を言っているんですよね。先ほど紹介をしましたけれども、現に以前の議論で正規雇用の議論のときに、好んでそういう多様な働き方を望んでる人もいるんだという議論が結構ありましたが、結局のところ、やっぱり正規雇用で安定した雇用が必要だという立場に立っているから、良質な正規雇用をつくるというその点で、優秀な人材を中小企業が確保していく、そのための視点でもって現実に京都府の政策は先ほどずっと補助金の事業面を上げましたけれども、既に損なっているわけですよ。それで、現実に若者は安定して賃金もあって休暇もあって、5時になったら帰って家族と団らん、そういうことも含めて要求があるということが、議論の中で分かったので、そういう労働環境の改善を現に働いている京都府内の若者のそういう雇用環境をちゃんととどめることで、安定した雇用を生み出せるということで提言を申し上げていまして、その点でいくと、今日初めて建設業者の職人さんの声もお聞きいたしました。
それから、冒頭に山本委員からも出ておりました福祉職場での環境問題等も議論が尽くされていませんし、先ほど言いました女性の労働環境、こういうことも議論があまりできませんでしたので、そのことも含めていろいろ勉強になりましたが、さらにこれは調査が必要だなと。京都府の取組自身の検証が必要だということを改めて申し上げておきます。
地域循環型経済の問題はその偏った見方ではなくて、実質やっぱり地域でお金が回らないと、外にばかり持っていかれたんでは、幾ら企業を呼び込んでも税収にもならないし、働く人の賃金アップにならないというのはもう証明、事実として明らかになっているので、その指摘は当たらないというふうに思います。相違があるかもしれませんが、少なくとも京都府内の雇用の実態についても、少し検証もする必要があるなと。今期定例会でどれだけまとめるのかというのはいろいろ議論があると思うんですが、一言意見を述べたいと思います。