令和元年6月定例会 総務・警察常任委員会及び予算特別委員会総務・警察分科会2日目―2019年7月1日〜島田敬子府議の討論部分

付託議案(討論・採決)

下記の議案について審査(討論・採決)が行われた。
 ・第4号議案「京都府手数料徴収条例一部改正の件」
 ・第5号議案「京都府府税条例一部改正の件」
 ・第6号議案「選挙長等の報酬及び費用弁償条例一部改正の件」
 ・第53号議案「京都府警察手数料徴収条例一部改正の件」
 ・第59号議案「京都地方税機構規約変更に関する協議の件」

 

◯島田委員  第4号議案、第5号議案、第53号議案、第59号議案に反対する立場で討論を行います。
 まず、第4号議案「京都府手数料徴収条例一部改正の件」及び第53号議案「京都府警察手数料徴収条例一部改正の件」については、各種申請手数料、施設利用料を一律2%程度引き上げるものですが、政令に基づき引き上げる部分は消費税の増税に伴うものです。京都府民の家計収入や消費支出の落ち込みは全国最悪であるなど、府民の暮らしと京都経済の現状から、増税そのものが許されないものです。さらに、政令で定められていない部分は、これまでの消費税増税の際には府の判断で値上げをしなかった経緯も含めて、値上げの根拠はありません。よって、反対です。
 第5号議案「京都府府税条例一部改正の件」についてですが、今回の見直しは、国の消費税増税により拡大する自治体間の財政格差を是正する目的で、地方税法等の一部改正等を行うことに伴うものですが、新設される国税である特別法人事業税は、地方税を国が取り上げ、他の自治体に回すやり方を恒久化するもので、地方自治体の課税自主権を侵害し、地方税制に歪みを持ち込むものです。また、自動車税の税率恒久的な引き下げと環境性能割の1%減税は、業界団体の要望に応え、消費税増税による駆け込み需要と反動減への対策を行うものであり、反対です。自治体間の財政格差は地方交付税の財政調整機能を回復させ、国の責任で是正するべきものであるということを指摘しておきます。よって、反対です。
 第59号議案「京都地方税機構規約変更に関する協議の件」についてですが、固定資産税、償却資産の課税事務共同化等に伴う京都地方税機構の規約変更を行うものですが、自治体の課税自主権を侵害する地方税機構の業務拡大に反対です。
 以上です。

 

採決

 初めに、第4号、第5号、第53号及び第59号の議案4件について、挙手採決の結果、賛成多数により、いずれも原案のとおり可決された。
 なお、第4号、第5号、第53号及び第59号の議案4件について、少数意見が留保された。
  (留保者…島田委員、賛成者…浜田委員)
 次に、第6号議案について、挙手採決の結果、賛成全員により、原案のとおり可決された。

 

所管事項

 委員会の所管事項について質問・答弁が行われた。

◯島田委員  まず、警察本部に伺います。拳銃奪取などの目的で交番や駐在所が襲撃される事件が後を絶ちませんが、警察当局が装備や勤務体制の見直しなど、安全対策を進める中で、凶行が繰り返されております。本当に重大です。この点で既に昨年9月には交番等における安全確保の一層の強化等について通達も出されているところでございますが、本部の取り組みの現状をお聞かせいただきたいと思います。

◯井上警察本部総務部長  富山の事件であったり、宮城の事件であったり、あるいは先般の大阪での事件ということもありますので、平素からの訓練は当然のことといたしまして、必要な装備資機材については、しっかり配備、あるいは要求をしていって、警察官の安全を守るという取り組みについては、しっかり総務部門としても取り組んでいるところでございます。

◯吉崎警察本部地域部長  交番等のセキュリティー対策につきましては、今、総務部長からもありましたとおり、装備資機材等の配付はもちろんですけれども、あと、施設内のレイアウトの見直しであるとか、カメラ等の設置等の準備を進めているところで、安全対策を強化しているところであります。
 以上です。

◯島田委員  既に総点検は行われて、どんな課題があるのかというのをもう少し具体的に。私の近所の交番はレディース交番なので、女性の警察官も頑張っていただいておりまして、そういう方々の対人防護衣、女性に特に軽いものでということで、少し値段も高いようでありますが、順次導入も始まっておりますが、対人防護衣などがちゃんと行きわたっているのかどうか、また着用をちゃんと徹底されているのか。いかなる状況下においても、不意な攻撃に対応できるような、訓練も含めてだと思うんですが、十分な対策をとる必要があるんですが、ちなみに着用が必要な警察官にはどれぐらいの割合で普及されているのか。もちろん、そもそも着用しなきゃいけないけれども、軽く身につけやすいものを含めて、どういう状況になっているのかと。
 それから、拳銃奪取の問題では、大阪府警等の情報によると、奪われにくいような材質や構造に改良した新たな拳銃入れを大阪府警も5月から順次配備していたけれども、奪われた吹田署の男性巡査は旧型だったという報道もありましたが、このあたりの京都府警における状況はどうでしょうか。

◯井上警察本部総務部長  まず、対人防護衣の関係でありますけれども、当然女性警察官用ということで軽量のものが順次整備されつつある状況にございます。それから、通常交番勤務をしている警察官については、そういった対人防護衣については全員が着装できるように配備しているところでありますし、加えて交番相談員についても、しっかり配備をしているという状況にございます。
 それから、拳銃入れ、拳銃ケースの関係でありますけれども、当然奪われにくいものを配備する必要があるというところでございます。逆に、いざというときには使用しなければならないというところの問題もございますので、そういったところについては、現在、一部警視庁等で、そういった新型の拳銃入れが配備されている状況にございます。現在、警察庁のほうで、全国的に配備をするかどうかというところも含めて計画中ということで承知をしておりますが、いずれにしましても、昨今の現状を考えますと、京都も早急に整備を進めていく必要があるというふうに認識をしております。
 以上です。

◯島田委員  女性用の対人防護衣などは、予算の問題もあるかと思いますが、安全はもちろんですけれども、軽装で着用しやすいような装備をぜひ、予算を確保して行っていただきたいと思います。
 答弁によりますと、改良した新たな拳銃の導入は、まだ京都府警では始まっていないということで、今後、計画的に整備をするということでしょうか。

◯井上警察本部総務部長  現在、警察庁のほうで配備をどうするのかということも含めて、計画中ということで承知をしていますので、警察庁からの示達も含めて、そういう対応については早急に準備ができるように、こちらとしても進めていきたいというふうに考えております。

◯島田委員  国において議論されるべき観点もあると思いますが、これまでの事件等を見ておりますと、それこそ包丁とか日常的にあるもので凶行に及ぶという側面と、拳銃等の使用といいますか、警察官から奪うために襲われて危険性が増すほうの側面が大きくて、一般の人たちは別に警察を拳銃で襲うなんていうことはないので、そもそも交番の警察官などが拳銃を携帯していくことそのものに対する議論も、先日テレビなどでもあったようでありますが、そこは京都府警の範囲を超えると思いますが、議論も進めていただいて、交番等の安全確保に一層お努めいただきたいと思います。
 それで、家族ぐるみでといいますか、駐在所の安全対策を、家族も含めてきちっとやる必要があるなというようなことも考えているんですが、このあたりはいかがなんでしょうか。

◯吉崎警察本部地域部長  交番等のセキュリティー対策については、先ほど来、説明したところですけれども、委員が御指摘のとおり、駐在所は家族も一緒に赴任をしているというか、住居と一緒になっているということで、家族とともに地域に溶け込んだ活動をしているということであります。そういった活動には、当然家族の理解と協力が不可欠というふうに考えております。そうしたことから、府警では勤務員の安全対策はもちろんなんですけれども、同居する家族の安全対策にも当然力を入れているということであります。例えば、ハード面におきましては、来訪者が屋内からでも確認ができるように、モニターとか施設管理カメラといったものを整備しておりますし、あと不審者等の侵入防止に向けた更改であるとか、事務室とか、そういったところへの侵入防止のためのレイアウトの変更を順次進めております。それから、家族が急のときに、110番通報がすぐにできるような短縮ダイヤルの登録であるとか、先ほど来言っています、装備資機材、もちろん警杖であるとか、さすまたであるとか、盾とかいったものを置いておりまして、御家族の方にも有事の際には使っていただくように整備をしているということであります。あと、ソフト面では、さっき言ったような、モニターを使って、来訪者があれば確認をしていただいて、状況によってはすぐに応対せずに、ご主人に連絡する、それから本署に連絡するといったことをしていただく。それから、隣接の駐在所勤務員とか、あとパトカー勤務員が随時警らで回ってまいりまして、不安感の解消等をしているというところであります。近年特に力を入れているのは、事前の研修会ということで、駐在所に新たに赴任をする勤務員、それからその家族を本部に招致いたしまして、駐在所といったところが、危険なところも、襲われる可能性があるということを認識していただいた上で、そういった対応要領であるとか留意事項といったものを指導しておりますし、装備資機材がどんなものがあるかとか、そういったものを使った護身術といったものの指導をしているということでございます。
 以上です。

◯島田委員  ありがとうございます。しっかりと御対応いただきたいと思います。
 2点目ですが、府庁職員の執務や労働環境改善の課題で幾つか伺います。
 夏の暑い時期を迎えておりまして、残念ながら京都府庁の空調管理は決して適切ではない状況があると思うんですが、予算の問題等、これまであったと思うんですけれども、現時点で課題は何がありますか。明確にした上で、計画的に改善が必要と考えますが、現在の認識と今後の取り組みについてお聞かせください。

◯坂根府有資産活用課長  空調運転のことでございますが、今年度、特に5月の当初から暑くなったこともありまして、通常7月1日から9月までが運転期間ではございますけれども、職員の勤務環境等も配慮して、柔軟に対応してきたところでございます。冷暖房の空調機器ですけれども、1号館は整備して30年ほど経ちますので、老朽化が進んでおります。近いうちに計画的に更新等を図って、適切な運用ができるように努めたいと思います。
 以上でございます。

◯島田委員  設定温度が今、28℃でしたかね。

◯坂根府有資産活用課長  設定温度は、去年から部屋の温度が28℃になるように努めておりまして、したがいまして、今現在設定しているのは吹き出しで26℃で設定をしております。
 以上でございます。

◯島田委員  1号館は、30年も経って老朽化しているということで、計画的に更新ということはよいと思いますが、今、1号館西側は西日が当たって暑くて、東側は朝日が入って暑くて、かなり部屋によって環境が違うと思うんですね。先ほど、時期的には柔軟な対応で、5月当初から始めたということですが、各部屋全部条件が違うと思いますので、そのあたりも含めて環境をしっかり把握して適正な管理をお願いしたいと思うのと、5時になって冷房をとめるというのは、まさに地獄ではないかと。超過勤務を命じているのでありますから、労働安全衛生上も柔軟な対応が必要であると考えますが、いかがでしょうか。

◯坂根府有資産活用課長  時間外の冷房についてですけれども、基本的には帰っていただくのが原則だと思うんですけれども、そのあたりは課題としては認識しておりまして、他府県とか、所管する職員総務課とも御相談させていただきながら、どういうことが可能なのかも含めて、検討していきたいと思います。

◯島田委員  ぜひ改善をしていただいて、職員の皆さんが安全に健康に仕事をしていただけるように御努力をいただきたいと思います。
 次に、旧本館の職場環境についてであります。シロアリや床のたるみ、雨漏り、ネズミなどが出てきて、執務環境、あるいは書類の保管にもとても不適切な箇所があるということでありますが、3号館が耐震不足ということで旧本館に移転した所属が、老朽化した建物で大変困っていらっしゃると伺っております。2階の多くの職場が床の老朽化で業務に支障を来している実態であると聞いておりますが、この辺の対応の状況はいかがでしょうか。

◯坂根府有資産活用課長  旧本館についてでございますが、確かに昨年度引っ越したところ、床に問題がございまして、一時的に応急対策をしております。そのほか、特に過重書類の多い所属が、この旧本館にたくさん残っておりますので、この組織改正で、できるだけ1号館、2号館のほうに移転いただけるような形で、今、教育委員会と調整を進めているところでございます。
 以上でございます。

◯島田委員  今、調整中ということでありますけれども、たまたま1階に入られた教育委員会の文化財保護課に専門家がいらっしゃって、床がぶよぶよしているので調べたら、シロアリを発見して、そこだけ部分的に緊急対応で修復を行ったというのが実態であるということも伺っているんですね。全体の耐震面、それからその他の箇所の床は大丈夫なのかとか、総点検が必要であると思うんですが、これはされたのでしょうか。

◯坂根府有資産活用課長  まず、耐震についてでございますけれども、単純に鉄筋コンクリートのIS値という数字は出ませんけれども、この間の調査等で、中規模程度までは耐え得るということ。それから、阪神淡路大震災以降、屋根のふきかえ等で多少手を入れていることから、中程度の地震には耐え得るものと認識しておりますけれども、大規模な地震が来た場合にはどうなるかというのはわかりませんので、早急な対応が必要と思います。一方、重要文化財ということで、外観を守りつつ、どう手を入れていくのかということを、経費も含めて検討しているところでございます。それから、床についてでございますが、1階のところはシロアリがいるというよりは、シロアリがいた、浸食した跡があったということです。そこは応急対策で直しております。ほかのところはそういうことを聞いておりませんし、1階については、今のところ問題があるということは聞いておりません。2階についてなんですけれども、1階の天井が高いこともあって、床下とのすき間が非常に少なく、人が入って点検できるようなスペースがどうもなさそうなので、どういう形で検査ができるのかも含めて、業者とは調整をしているんですけれども、まだ具体的な方法が見つかっていないという状況でございます。
 以上でございます。

◯島田委員  男子トイレも壊れて1ヶ月間使えなかったとか、配管等も大変老朽化していて、いろいろ課題が大きいわけでありますが、お話がありましたように、建物が文化財であり、今後の利用の形態のあり方とか、職員が働く上でも、そして府民利用施設でもあるので、本来安全でなければいけない施設だと思いますので、そういった点も含めてまして、全体として、今後のあり方をしっかり検討するべき時期に来ていると思うんですが、今後の方向というか、具体的な検討のスケジュールはどんなことになっていますか。

◯勝目総務部長(京都市域担当)  旧本館についてでございます。先ほど府有資産活用課長からも御答弁申しましたように、重要文化財に指定をされているということで、ここでの制約要因というのが相当ございます。また、非常に床面積も広い建物でありまして、ここに手を入れていくとなると、経費的にも相当かかるであろうと。当然、その際には文化庁との協議調整等、先ほど外観と申しましたけれども、内部、構造、あるいは材質、そういうところに至るまで、非常にきめ細かな対応というのが、一方で求められるというふうに思っております。その意味で、非常に難しい課題であるなという認識はありますけれども、ただ、そうはいってもその中でできることをしっかり着実に実施をしていって、執務室としても府民利用施設としてもきっちり使っていただけるように整備を進めていきたいと、このように思っております。

◯島田委員  文化庁も来て、教育委員会も追いやられて、本当にもともとある職場のほうが手狭になってきたり、いろいろ問題も大きいと思うんですが、少なくともいろいろなトイレの問題とか、障害者対応も含めまして、あるいは労働安全衛生上もしっかりと管理をいただくために、庁舎管理の予算はとっていただいて、御努力をいただきたいと思います。
 以上です。