農業振興と害虫被害、鳥獣被害に関する支援策を求める緊急申し入れ

共産党府議団公式サイトにてアナウンスいたしましたが、環境急変による甚大な農業被害を深刻に受け止めた共産党京都府会議員団は、倉林参院議員や丹後地方の自治体議会議員を務めていらっしゃる方々とともに、緊急支援を行うよう京都府へ申し入れいたしました。

以下、議員団公式サイトの記事『農業振興と害虫被害、鳥獣被害に関する支援策を求める緊急申し入れ https://www.jcp-kyotofukai.gr.jp/act/2024/08/09-094736.php』より引用・転載しますので、ぜひご覧くださいませ。

申入れ文書はこちらです→[PDF]

 


 

2024年8月8日

京都府知事 西脇隆俊 殿
京都府丹後広域振興局長 平井公彦 殿

日本共産党 参議院議員 倉林明子
日本共産党 京都5区代表 山内健
日本共産党京都府議会議員団 団長 島田敬子
日本共産党京丹後市会議員団 団長 田中邦生
日本共産党宮津市会議員団 団長 小濃孝之
日本共産党伊根町会議員団 団長 大谷功
日本共産党与謝野町会議員団 団長 永島洋視

 

農業振興と害虫被害、鳥獣被害に関する支援策を求める緊急申し入れ

 日本の農業は歴代政権が農産物自由化の促進と主食である米を市場原理にゆだねた結果、食糧自給率はカロリーベースで38%と落ち込み、生産基盤は極めて脆弱なものとなってしまいました。さらに進行する気候危機のもとで作物の高温障害や鳥獣被害が多発し、京都府内の農業もより深刻な事態になろうとしています。JA京都が今年実施した「組合員との懇談会」では、さまざまな意見と要望が寄せられています。

 稲作では昨年は平年並みの作況といわれていましたが、高温障害等により乳白米が多くなったことで等級落ちが広がり、コメの在庫が不足する事態です。卸業者は集荷に追われ、店頭価格は高騰しています。今年も異常な高温が続く中、引き続き高温障害が危惧されます。

 また、暖冬の影響もあり田畑や果樹園に越冬したカメムシが大量発生し、水稲のみならず野菜、果樹、花卉など、被害は広範囲に及んでいます。京丹後市では農家のみなさんからは、
「出穂期に農薬の散布が必要」
「農薬散布すれば特別栽培米にはならず、価値が下がるが、散布しなければ斑点米になってしまう。どちらにしても減収だ」
「桃や梨をカメムシに吸われるとえくぼ状のくぼみができ、商品価値がなくなってしまう」
など被害の状況や、減収への懸念の声が寄せられています。あわせて、クマなどの食害もあとを絶たず、
「売れる果実がほとんどなくなった」
「これでは来年続けていく事もできない」
などの悲鳴が聞こえてきています。

 このような被害は地域によって違いはあるものの全体に広がっています。こうした事態に伊根町では本来水路や農道整備補修等に活用してきた中山間交付金を使い町内あげて集団防除を実施していますが、費用負担は多額となっています。

 加えて、営農環境は肥料・農薬・農業資機材等の高騰によって引き続き厳しい状態が続いていますが、国の価格高騰対策補助金は令和5年で打ち切られ、農業者からは復活を求める声が強く上がり、営農継続のため行政による支援の創設が求められています。また、収入保険などは保険料負担を気にせずに安心して加入できるように、加入条件の緩和や保険料の軽減など支援制度の充実を求める声が上がっています。

 ついては下記の各事項の要望について支援賜りますよう要望いたします。

 

  1. カメムシや鳥獣被害で困難を極めている農業者の実態を早急に調査し、対策にかかる費用や減収分などの実態をつかみ、対策を検討すること
  2. 高温障害による減収補填とともに、種子等の開発など適応策を抜本的に強めること
  3. 高騰している資材、肥料、農薬、燃料に対する補助とともに、資金繰りや融資の返済猶予など、支援の拡充を行うこと
  4. 農家の減収に対しての補填策を講じ、農家が経営意欲を失わない支援を強めること(すでに苗代、肥料代などがかかっているうえ、売り物にならないために処分費用もかさむ)
  5. 有害鳥獣捕獲に対する支援金の額を大幅に引き上げるよう検討すること
  6. 農業共済や果樹共済などの掛け金補助、補償範囲の拡大など国に要望すること
  7. 経営破綻に陥らないよう一定の所得を補償する直接支援を国に求めること
  8. 水田活用直接支払交付金については、農業者に寄りそった制度の拡充を国に求めること
  9. 集落営農組織も厳しい事態にあり、複数集落の統合だけでなく、集落営農組織が成り立つように特別支援の創設、実施をおこなうこと

以上