令和4年9月定例会 決算特別委員会 書面審査 政策企画部―2022年10月12日〜島田敬子府議の質疑応答部分

◯島田委員  2点伺います。
 1点目は、子育て環境日本一推進戦略事業についてです。
 2019年度策定の府総合計画、京都府地域創生戦略の実施状況報告書がまとめられておりますが、地方創生戦略数値目標の合計特殊出生率について、2018年度1.29、全国1.42だったものが、令和2年度、令和3年度も連続減少して1.22と下がり続けております。
 さらに、総務省の人口動態調査の結果、京都市が2年連続で人口減少数が全国一となったこと、特に子育て世代の流出が深刻であることが報道されております。
 2月の予算特別委員会でも、理事者から「京都府から滋賀県とかに、第1子が産まれる直前の方々が流出している状況」などという発言もございました。平成27年度少子化実態調査を行ったときも、子育て世代の流出を言われておりましたが、改善がないと、止まらぬ少子化あるいは子育て世代の流出が止まらないという現状について、どのような分析をしているのか、課題は何か、また今後の取組方向について伺いたいと思います。

◯坂野総合政策室長  お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、合計特殊出生率は、ここ数年下がっておりまして、様々な要因があるかと思っています。主に大きいのは、コロナ(COVID-19)によって出会いの機会が減少したりですとか、将来の不安というのが高まってきているというのもあると思いますし、そもそも結婚を前提としないライフプランの多様化であるとか、あと仕事と子育ての両立の難しさ、またあと社会で子どもや子育て世代を支えるような仕組みが不足しているのではないかといったような課題があるかと考えております。
 今後の取組の方向性でございますが、そうした課題を踏まえまして、現在、総合計画改定作業中でございますが、そうした中にも、そうした課題の解消に向けて一歩でも半歩でも前進できるような新たな取組を盛り込めないかということで、今、検討しているところでございます。
 以上です。

◯島田委員  少子化実態調査も、当時希望する子どもの数が男性で2.0人、女性で2.1人と、条件や環境等があればもっと子どもを持ちたいという考えの方があって、希望を実現できないと、結局そういうことだと思うんです。報告書に記載をされた府民意識調査でも、住んでいる地域が子どもが育つにはよい環境だと思う人の割合、そして子育てに喜びや楽しみを感じる親の割合、子どもが将来に夢を持っているという親の割合が軒並み減少をしているということになっています。いろいろあって特効薬はないと知事は言われますけれども、安心して子どもを産み、育てる環境の整備を本気でやることが必要ではないかと思うんです。いろいろあるではなくて、PDCAサイクル[※品質管理など業務管理において Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(確認)→ Act(改善)の4段階を繰り返して業務を継続的に改善する方法]を回していただくということであれば、現状をもう少ししっかりと分析する必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。

◯坂野総合政策室長  委員が御指摘のとおりでございまして、しっかりと課題を把握しまして、その課題を解消すべく、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

◯島田委員  少子化実態調査では、子どもを持つ条件に、教育にお金がかからないこと、健康上の管理、雇用の安定、保育にお金がかからないこと、経済的な負担、これが上位5つとなっておりますので、もう明白だと思います。
 明石市では、高校まで医療費、中学校給食、第2子以降の保育料無料化など、子育ての5つの対策、5つの無料化に取り組んで、10年連続人口が増加、出生率も上がっております。子育て世代が流入すると、経済が回って、この世代が外食とか買物をしたりとか、町が活性化をして、税収が30億円以上アップと。税収の上がった分を高齢者のコミュニティーバスの無料化などに使う、こういうふうに好循環になっていくと思うので、現在京都市なんかも真逆のことをやっているわけですけれども、今後の取組としては、こうしたプラスの方向に回していかなきゃいけないと思うんですけれども、この辺いかがでしょうか。

◯坂野総合政策室長  おっしゃるとおりでございまして、子育て世代になるべく京都府内にとどまっていただくように、子育てしやすいようなまちづくりというのをしっかりとつくってまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

◯島田委員  そうおっしゃるんですけれども、実際には、子どもの医療費無料化等の要望についても、二言目には財政だと、法律化だと、そういうふうに言って、これでは未来永劫進まないと思うんです。しかも、財政が大変なのに、さらに借金を増やす北陸新幹線等の大型開発は継続すると、これは優先順位が間違っていると思うんです。京都府の知事と市町村長会議の場で、府内全体で子どもの医療費18歳までの無償化などが提案されたと報道されておりますし、中学校給食を求める声も広がっています。市町村では、努力をして順次改善をしております。これは、全体の底上げができるように、京都府の役割を果たしていただきたいと思うんですけれども。先日、地域の子ども食堂に伺いました。子育て世代の人たちがたくさん来ていて、当日用意されたお弁当は130食しかなくて、たくさん並んでこられたんですけれども、帰られて、本当に悲しい思いをしました。子ども食堂に対する応援なんかはいいんですけれども、健康も子どもの発達も保障する学校給食などのほうがよっぽど、両方充実しなきゃいけないんじゃないかなと思っておりまして、ぜひこうした点の本当の取組をお願いしたいと思うんです。この辺でもう少し具体的に取組の強化方向をおっしゃってください。

◯岡本政策企画部長  今、総合政策室長が御答弁いたしましたように、今までから子育ても含めた環境等でありますとか少子化対策については、あらゆる手法を用いてやってきております。例えば、今回の総合計画にも、委員がおっしゃいましたような、子育て支援医療費のさらなる拡充とか、幼児教育・保育料の無償化とか、あと高校生のあんしん修学支援制度であるとか、そういう面でいいますと、その段階に応じて切れ目なくやるような形についても検討するような方向を取っております。
 さらに、経済の負担というのもあるんですけれども、御意見の中には、相談する相手が欲しいとか、企業の中で働きやすいような環境も欲しいというような形で、多方面から取り組まないといけないと思っておりますので、そういう面で、今までやっております風土づくりとか、地域・まちづくりとか職場づくりというのを、今まで取り組んできたのをさらに進めるような中で、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

◯島田委員  いろいろおっしゃいました問題については、府民請願もたくさんあり、私どももずっと要望し続けてきて、順次改善をしてきました。もう緊急事態になっておりますので、先ほども紹介いたしましたように、課題は明確でありまして、もちろん風土づくりとか企業の協力とかは大事ですけれども、これは早急に効果のある対策を行っていただきたいと思います。
 2つ目は、個人情報保護、マイナンバーに関して伺います。
 今朝の報道で、「政府が紙の保険証を2024年に廃止」と大きく報道しました。報道ベースなので詳細はまだ届いていないと思うんですが、既に骨太方針で、オンライン資格確認について、医療機関等で2023年4月より導入を原則義務づける一方、保険証の廃止を目指すとしておられました。そもそも法律で義務化されていないのに、なぜ医療について取得が強制できるのかと思うんですけれども、そしてまた医療の現場からも反対の声が上がっていると思うんですけれども、府の見解を伺います。

◯丸山デジタル政策推進課長  委員が御指摘のとおり、私も報道ベースでそちらのほうを把握したところです。
 デジタル庁の重点計画にも、マイナンバーカードの普及促進というのが方針として示されていて、それに基づいていろんな施策が展開されていくものと承知しております。我々のほうとしても、実際マイナンバーの取得促進には、個人情報管理の心理的な不安の払拭が不可欠だと考えております。そういったこともありまして、例えばホームページへのセキュリティー等の提供とか、市町村に対しても、国と連携したリーフレットの資材提供等、様々な取組を行っているところです。今後とも、そういったことを配慮・考慮しながら、普及促進に努めていきたいと考えているところです。

◯島田委員  警察の審議もありましたけれども、個人情報の漏えいとか、いろいろ不安材料がいっぱいで、こんなん必要ないと、要らないという立場の方もいっぱいいらっしゃいます。お答えがなかったんですけれども、そもそも法律で義務づけ、義務化されていませんよね。マイナンバーカードの取得は任意であることを確認しておきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

◯丸山デジタル政策推進課長  委員が御指摘のとおり、報道ベースでも、事実上、全員にというようなことも報道でありましたけれども、マイナンバーカードの取得については任意でございますので、そこは申し添えておきます。

◯島田委員  あの手この手で取得向上に取り組んでこられましたが、現在の交付件数はどれほどか。また、2021年からマイナ保険証が始まっておりますが、今日の報道でも使える医療機関が3割ということでありましたけれども、府内の現状はどうかということと、マイナンバーカードの取得者のうち保険証として登録している人が約4割と報道されておりましたが、これも京都府の現状はどうか、お聞かせください。

◯丸山デジタル政策推進課長  まず、京都府内の保険証云々の登録数というのは、承知しておりませんでして、オンライン資格が確認できる医療機関の数については、カードリーダーを申し込んでいる医療機関、薬局等につきましては75.4%に上っているところです。ただ、今、準備完了とか、そういった段階を追って運用が開始できている施設については29.1%ということで、まだまだ3分の1以下となっているところです。
 京都府内におきましても、例えば病院であれば、カードリーダーの申込件数が95.1%で高かったりしておりますが、実際、導入・運用については55.5%というところもあり、ここも2分の1で高い数値ではございますが、そういったところになっております。
 あと、マイナンバーカードの交付数については、京都府のほうにつきましては、9月末現在で48.7%となっております。
 以上です。

◯島田委員  マイナンバーカードの取得は任意であることを確認しました。国は、公務員に対して、採用不可否とか人事考課をちらつかせて、家族ぐるみのマイナカードを取得するように求めるとか、やっておられますが、京都府はどんな対応をされておりますか。職員のみならず、住民へのカード取得の事実上の強制をするようなことになってはいけないと、またカードの有無で行政サービスに不公平・不公正があってはならないと思うんですけれども、本府の認識と現状を伺います。

◯丸山デジタル政策推進課長  委員が御指摘のとおり、あくまで任意というところもありますので、ただ普及はデジタルインフラの基盤ということで、普及を進めるに当たっては、そういった御理解を賜りながら進めていくというのも大事なところですし、ポイント付与、だから取得というような流れではなく、実際に利活用、そういったシーンを我々がしっかり提供して、そういった用途開発をしながら、実際に使ってよかったというようなところにして選んでいただける、そういった形が大切だと考えております。
 以上です。

◯島田委員  マイナカードを保険証として使うかどうか、これも個々の患者の任意に委ねられるべきだと思いますし、日弁連が、国民皆保険制度を採用している我が国で、保険証を廃止して、マイナカードに一本化する施策は、実質的に全国民にマイナカードの取得を強制するのと同じであると、このような厳しい批判もあります。命と健康に関わる医療を人質に取って、プライバシー権の侵害の疑いも濃いマイナカードの強制は許されませんので、ぜひ国へも意見を上げていただきたいと思います。
 そもそも、マイナンバー制度そのものが、国民の所得・資産・社会保障給付費を把握して、国民の徴税強化あるいは給付削減が押しつけられるというものでありまして、そもそも私どもは廃止すべきだと考えておりますし、加えて情報漏えい問題等、こうした課題も本当にまだまだ解決できておりません。しっかりと府民の声も、そういう意見もありますし、声を上げていただきたいと、これは要望して終わります。
 以上です。