◯島田幹事 中学校給食と食育に関して伺います。
学校における食育、学校給食は子どもたちに食に関する正しい知識を身につけさせ、望ましい食習慣を身につけることと同時に、栄養バランス等も配慮いたしまして、子どもの健康保持・増進あるいは先ほどの食文化、そして地場産業の活性化等いろいろな課題を持ってとても大事な取り組みだと思いますが、中学校の完全給食について、さきの教育委員会の常任委員会審査でも、喫食率で35.7%と全国ワースト2位ということをみずから発言されました。平成29年度、平成30年度と4校で実施されるなど、前進したことを喜んでおりますが、府内各地で全員制の温かい中学校給食を望むお母さん方の運動なり市民運動が取り組まれたことも一因だったと思います。
八幡市では、不登校の子どもが学校に来るようになったなど、とてもうれしい子どもの変化も報告されておりますが、これらについて府教育委員会としての認識なり評価を伺いたいと思います。
◯小笹保健体育課スポーツ・健康安全担当課長 中学校給食でございますが、中学校給食の実施につきましては、各市町村におきまして保護者や生徒のニーズ、そして財政状況や学校の状況等、一番よく御存じのところの市町村において検討し、さまざまな課題を勘案して総合的に判断されているかと考えております。
京都府といたしましては、親子方式の導入などを含めて学校給食施設の改修に係る補助制度の創設なども含めまして、財政措置の拡充を国に対して求めているという状況でございます。
以上でございます。
◯島田幹事 聞いておりますのは、中学校給食の喫食率も全国ワースト2位という状況の中で、食育の推進のためにも子どもたちの健全な発達のためにも、さらなる努力が必要だし、実施されたところで子どものうれしい変化もあることについての認識評価を伺ったんです。
もう時間がありませんので、次に行きますけれども、八幡市自身もアンケートなども取り組んで、これから成果も検証していくと聞いております。向日市が今年度3学期から、大山崎町では平成32年度から実施が決まり、残るは亀岡市、宇治市、京田辺市、精華町などとなっておりますが、これらの市町における課題は何があり、府としてはどのような支援をしていくのか。今少しお話がありましたが、それに含めまして、森下議員が6月定例会で京田辺市の子どもたちのアンケートを紹介いたしました。朝食を食べていない子どもが1,253人中52人、1週間に1度も弁当を持ってこない子が11人、昼食を食べない子どもが複数という現状が明らかになったということで、私は1人の母親としても非常に胸が痛む、こんな事態だと、住んでいるところで違うという現状について、とても心が痛むんです。そのあたりについて教育委員会の認識ですね。そして先ほど申し上げました残る地域での早急な中学校の完全給食実施に向けての評価点ですね。どういうふうに京都府として応援するのか、もう一度伺います。
◯小笹保健体育課スポーツ・健康安全担当課長 まず、評価ですけれども、先ほど具体的な事例を御紹介いただいたところでございますけれども、そういうことも含めまして、各市町村で中学校給食につきまして実施に当たり、またどのような方法で実施をするか、それぞれのところで御検討いただいているところと考えております。
また、支援につきましては、先ほど申しましたように、国に対する財政支援等を中心に取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
◯島田幹事 京都府としての第3次食育推進計画もしながら進めておられて、全国的にもこれは課題になっているわけですが、それは市町村だという話ではなくて、もう少しリーダーシップをとるべきと思うんです。
伊根町の小・中学校では、地元でとれたお魚を漁協から仕入れて、地元でとれたお米を学校の炊飯器で炊いて、みんなで食べている。先生方もとても喜んでいるそうです。しかも、給食費は無償で行われております。京丹後市も自校方式で頑張っておられまして、京都市内から京丹後市に転校した中学生が、とてもおいしい給食だと感動したそうでありますが、いずれも自校調理方式で地元産を使ったおいしい給食が提供されておりますと。ところが、京都市内、私どもの地域では選択制ということで、京田辺市のお話ではありませんけれども、給食の時間に御飯を食べないで教室を出ていく子とか、そういう子どもが残されていると思うんです。この地域間格差が大変大きく、住んでいる自治体でこれだけ子どもたちの環境が違うのかと胸が痛むわけですよ。このあたりの認識をもう少し持っていただかないと済まないと思うんですけれども、この際教育長に見解を伺いたいと思います。
◯橋本教育長 給食についてでありますけれども、先ほど答弁がありましたように、確かに給食を実施するかどうかの判断というのは、これはあくまでも市町の判断になります。これについてもいろんな考え方がございますんで、そこはそうだと。ただ、特にこの間、先ほどお話がございましたけれども、子どもの貧困問題が深刻化するといった中で、私どもの貧困の計画の中にも少し入れたかと思いますけれども、給食の意義であるとか、あるいは食育を指導していく意義というのは、これは間違いなく認められるところもありますので、最終的な判断は別としまして、府教委としてもそうした意義についてはしっかり未実施のところを含めて指導はしてまいりたいと思います。
ただ、その上で、いろいろ財政的な支援のこともよくおっしゃいますけれども、またそこはそこで別の問題かなと思っております。でき得る役割をしっかり果たしたいと思います。
◯島田幹事 貧困問題のお話がありました。八幡市では中学校給食が始まったことで、就学援助の利用が広がっております。給食費無償化に関して知事は、経済的に厳しい状況にある保護者については、就学援助として全額または一部を補助する仕組みが制度化されていると答弁をされておりました。生活保護等の中でも給付があるわけですが、学校給食が現物としてないと就学援助による支援ができないということです。とても困難な御家庭の子どもたちの食事といいますか、そのあたりが保障できていないということなんですよね。それで、貧困の格差が広がる中で、せめて学校給食で充実したものを提供するということは、とても大事な今日的緊急課題だと思っております。
給食の質の問題も大きな格差がございます。先ほど申し上げました平成32年度までの第3次京都府食育推進計画の中で、学校給食の地元産農林水産物の供給目標30%に対して、平成21年度22.7%が現在18%に低下をしていると。このことについては一体課題は何なのかと思うんです。自校調理方式からセンター化や民間委託が進んで、例えば京丹後市は合併後メニューが統一化されて、結局規格の食材を一括購入になって、そこの学校の近くのおばあちゃんの大根が食べられなくなったとか、結局こういうことになっていて、効率化が逆に地元の産材を利用するということには阻害要因になっているのではないかと思うんです。
それから、丹後は特別栽培米、おいしいお米があるのに、月1回しか提供できないなどとなっておりますが、これは学校給食会等の関与、取り組み等の関連ではどのような現状か、あわせてお聞かせください。
◯小笹保健体育課スポーツ・健康安全担当課長 学校給食の食材の調達につきましては、まずは安心・安全なもの、そしてできるだけ安価なもの、その上でできるだけ地元産ということで、各市町村等で工夫して取り組みをされているところと認識をしております。
以上でございます。
◯島田幹事 答弁になっていませんよ。みずから立てた目標に対して進まないのはなぜかということを聞いているんです。
◯小笹保健体育課スポーツ・健康安全担当課長 さまざまな要因はあるかと思いますが、天候不順等に伴う野菜の高騰ですとか、それから漁獲高の減少によって数量が調達できない、また最低賃金等の上昇によって、そもそも加工の価格が上がっていると、そういうさまざまな要素が影響しているものと思っております。
以上でございます。
◯島田幹事 もう少しデータ、実態も踏まえて、科学的な根拠も踏まえて到達状況をしっかりとリアルに確認し、課題は何かということを明らかにしていただきたいと思います。
私は、先日同僚議員とともに長野県の小諸市、群馬県の高崎市の学校給食を調査いたしました。とっくの昔に中学校給食があって、訪ねて恥ずかしい思いもしたわけですが、この全ての小・中学校に栄養士を1名ずつ配置するということで、その栄養士が中心になって地元の農産物を活用すると。小諸市では何と自給率80%、おいしい給食で年間の食べ残しは660gと、全国平均では7.1kgの食品ロスが問題になっておりますが、そういう状況の中で、おいしい給食があって、自然と郷土料理に親しみ、そして食物も残さない、つくっていただく方、そして調理員に感謝をするという食育ができているということを思っているわけです。
しかも、ネックは栄養教諭の配置、これが推進力になっておりますので、こうしたあたりも含めまして、もっと京都府は努力をすべきだと思っております。
先ほどの貧困問題でもなかったので、答弁をもう一回いただいて、中学校給食をやらないと貧困家庭に対する援助も届かないということも含めまして、今後の取り組みの状況と、そして栄養士の配置問題をさらに御努力をいただくこと、これは求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
◯小笹保健体育課スポーツ・健康安全担当課長 中学校給食と就学援助の関係につきましても、それも含めて各市町村で御検討されているところと考えておりますし、また栄養教諭の配置等につきましても、引き続き国への要望等続けてまいりたいと考えておるところでございます。
以上でございます。
◯島田幹事 時間も来ましたので、全く京都府が積極的にこの食育を推進し、府内のどこに住んでいても子どもたちの成長発達を保障する、特に中学校給食などというのは思春期、とても大事な時期でありますので、学力・体力の発達を保障するものでありますので、もう少し積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
そして、無償化の問題についても群馬県では23%ぐらい行っております。子育てしやすい環境、あるいは定住しやすい環境、そして地産地消等で地域経済活性化などなど、重要な課題を含む学校給食の充実について、さらなる御努力を求めておきたいと思います。
終わります。