◯島田幹事 3点伺います。
その前に、1つ要望をいたします。
先ほどもお話がございました民間社会福祉施設サービス向上補助金についてでございます。保育所だけではなく、作業所等も大変な状況でございます。下支えのところをしっかりと応援をする必要があるし、これは何より法人負担が出たということで、これまた法人等の施設経営にも困難を来しております。しかも、まだ要綱もきちんと現場に知らされていないと。重大です。
それから、常任委員会で重ねてやっておりますので言いませんが、医療的ケアの必要な子どもたちの支援、重度障害児(者)在宅生活支援事業について、看護師確保等の加配の予算でございますが、これも現場を調査していただいて検討するという答弁をいただいておりますので、急ぎ検討していただきたいと。
いずれも、「共生社会の実現」という名のもとに府民と施設に新たな負担を迫るもので、こういうやり方そのものを見直していただきたいし、予算の抜本的拡充、国への必要な要望も含めてお願いをしておきたいと思います。
質問に入ります。
僻地診療所支援と医師派遣、医師確保にかかわって質問いたします。
美山診療所では、高齢の医師が1人で従事されておりまして、遠方から交通事故の不安も抱えながら通って、地域医療を支えていただいております。なかなか後継者が見つからないということで、生きている限りはずっと応援するということで頑張っていただいておりますが、限界があります。
この僻地診療所を支援するために、南丹市には京都中部総合医療センターがあり、近く京都市には京北病院があって、拠点病院として僻地診療所を支援する医師派遣ができると思うんですが、なぜこれができないのか、お聞かせをいただきたいと思います。
◯井尻医療課長 まず、制度的に、僻地医療拠点病院の運営費補助金というものがございまして、それにつきましては、今言われたところでございますけれども、僻地拠点病院から美山診療所などの僻地診療所に巡回でありますとか医師派遣とかをされた場合に、かかった費用について一定補助する制度がございます。これにつきましては、各診療所と拠点病院から御申請があれば活用するということでございますので、それについて今現在申請がございませんので、これについては補助の対象にはなっていないところでございます。
以上でございます。
◯島田幹事 いろいろな支援制度があるけれども、現実に医師を派遣していただいていないということについて伺っているんです。制度上は可能であるからそういう制度があるわけですね。制度上可能であるということの確認と、現時点でとにかく応援でもいいから派遣をいただきたいという要望が出ていることについて、京都府は現状どのような支援をしているのか、お聞かせください。端的にお願いします。
◯柴田健康福祉部副部長(健康担当) 今、医療課長が申し上げましたように、診療所へは医療機器等の支援をしているところでございます。また、診療所への医師派遣につきましては、地元の中部総合医療センター等でも南丹市と調整をされているところでございます。
以上でございます。
◯島田幹事 南丹市側の調整もあると伺っておりますが、美山林健センター診療所には中部総合医療センターから応援があるわけですね。近く京北病院からもいただけると思うんですよ。ですので、南丹市、京都市相互にもう少し連携して医師派遣をお願いしたいと。そうしませんと地域医療が守れないということでありますので、その点でリーダーシップを果たしていただきたいということでございます。
それで、保健医療計画では京都府へき地医療支援機構の強化なども上げておられますが、現実にこのような僻地診療所に対する医師派遣や代替派遣ですね、研修とか長期の休暇の場合の医師の派遣を代替して応援するという機能も本来あわせ持つべきだと思うんですが、残念ながら、支援機構並びに地域医療支援センターは、企画調整や研修等のみで、実際に医師派遣を調整する機能を果たしていないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
◯松村健康福祉部長 地域における医師派遣等についてでございますけれども、私ども、地域医療調整会議の中で、病床等も含め在宅支援をどうするかについて、今、各保健所を中心に、地域の市町村あるいは医療機関のお声を聞きながら検討させていただいているところでございます。今御指摘のありました美山診療所の部分につきましては、既に南丹市を初めとした協議会といいますか検討会議が開始されていると私どもは認識しておりますので、その動向を見ながら、どういう形で対応していくかというのを検討してまいりたいと考えております。
また、医師の派遣調整でございますけれども、今現在、新専門医制度であるとかいろんな制度改正が行われる中で、今回、医師法も改正されましたので、私どもも、来年度は、医師派遣計画等を立てていかなければならないとも思っておりますので、その全体を見る中で、しっかり調整をしてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯島田幹事 僻地医療支援にかかわって、もう少し具体的に派遣をできる、そういう調整機能を持つセンターへと機能拡充をしていただきたいという要望ですし、喫緊の課題でありますので、ぜひ南丹市の現場とも調整をいただきながら派遣をお願いしたいと思います。
例えば高知県では、高知県へき地医療支援機構に配置している専任担当官が定期的に現地調査をし、自治体首長との意見交換を行って調査分析をして、そして現実に派遣までやっておられるわけですね。あるいは、青森県等もです。僻地医療への代替医師の確保等、制度的にはあるけれども、京都府は役割を果たしていないという点で、これは指摘もし、もう少し頑張っていただきたいと思います。僻地診療所にかかわらず府内各地で医師不足は深刻でございます。先ほどお話がありました地域医療調整の構想会議、部会が開かれております。特に、中丹などは部会が既に行われております。医療センターでは、総合周産期医療センター、サブセンターの機能を果たす産婦人科の不足。救命センターでは、救命救急医、内科医の常勤医、医師数の減少が大変だと。共済病院、市長が出ておられる病院でも、救急医療の維持が困難。日赤では、毎年医師が減少し、医師確保が緊急課題。綾部市民病院は、平成22年をピークに年々、常勤医師が減少、地域医療の確保、救急医療体制の維持がかなり厳しいと、こもごも出されているわけですね。
そうした点から、これまでから総合医師確保対策事業などもありますが、この現場の声にどう応えるのか、先ほどもお話がありましたが、そのことも含めてあわせてお答えをいただきたいと思います。
◯松村健康福祉部長 私ども、地域医療の課題等については、各市町村、また医療機関からもお伺いをしているところでございます。私どもにあります地域医療支援センター、それよりも先立ちまして、私どもは保健医療対策監という形で、医師バンク担当でありますとか、地域医療の現状と課題、あるいは医師お1人お1人の専門性をどんなふうにしていくかというのをきめ細かにヒアリングを行いながら、今現在、北部に医師を派遣させていただいているところでございます。府立医科大学あるいは自治医大、また府立医科大学の地域枠を活用する中で、現在、二百数十名の医師を北部に派遣させていただいていると認識をしておりますが、まだまだ医師の問題あるいは診療の偏在、そういうものについては課題と認識をしております。その課題に対応するために、先ほど御答弁させていただきました地域医療調整会議の中でよりきめ細かな調整も行いながら、また京都府全体の中でこれから高齢化も進みますし、地域在宅医療というものも見きわめていかないといけない、いろんな課題がある中でいきますと、北部だけではなく京都府全体として医療体制をどうしていくか、どういうところに集約していくかということも検討していかないといけないと認識して、今後も調整してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯島田幹事 北部医療センターを強化して、診療所等にも派遣をしていただいております。地元で育った方がぜひ地域医療に貢献したい、僻地医療に貢献したいということで、北部医療センターから各診療所に行かれて頑張っていただいています。これを支援することは必要ですし、その辺は評価をしておりますが、これも大学病院との教授会の調整とか、個々の病院と診療所との調整にとどまっているので問題だと。もう少し頑張っていただいて、さらに強化をするためには、青森県は無料の職業紹介機能もあるようですが、とにかく拡充をしていただきまして、地域医療の確保のために全力を挙げていただきたいと。また、高校生とか小・中学生、幼少期から、医師の仕事の大事さとか僻地の医療の大事さをもう少し教育の中でも取り入れていただいて、「ここで頑張って、帰って働こう」という子どもたちも育てていただきたいと、これは要望をしておきたいと思います。
2点目です。先ほどもお話がありました高齢者の皆さん方の介護保険返戻地域活性化事業についてです。
私のほうにも、「90歳になる、次は自分だと待っていたけれども、全然通知が来ない」ということで、結構要望が出されております。今年度1億1,000万円の決算で、先ほど3,532名の交付でありました。これはもともと前知事が思い立って始めたような事業でありまして、知事がかわった途端に廃止というのは、これ廃止の検討はどうされたのか。
というのは、これは地元商店街にも協力をいただいてプレミアムをつけていただいて、そして活性化だと、それで始まったんですよ。ところが、肝心の利用者なり地元にも説明なく、予算審議の中でも財政当局の事務事業の見直しの項目にも入っていない。9月になって、もらえる当事者たちが「来ないよ」ということで、私たちが調べたら廃止されていたということで、西脇知事はどのような判断をされたのか、また健康福祉部ではどんな検討が行われたのか、お聞かせください。
◯山口健康福祉部高齢社会対策監 先ほど小鍛治委員にもお答えさせていただきましたとおり、健康福祉部といたしましては、90歳まで健康を維持されたという結果に対する評価といいますか、それまでの御努力に対して報いるという形でさせていただいたんですけれども、結果に対して着目しているということから、一方では、利用控えを助長するのではないかという御批判もいただいていたところです。そうした中で、今回、先ほど高齢者支援課長からもお答えさせていただきましたとおり、その手前のところでいかに健康を維持していただくか、健康寿命を延ばしていただくかという点について着目をして、今年度新たに健康長寿データヘルス推進事業や介護予防地域支え合い事業など、市町村の取り組みを支援してまいりたいと考えているところでございます。
以上であります。
◯島田幹事 この事業が提案されたときは、私どもはもともと、事業の内容としても、これをやれという立場ではございませんでしたけれども、介護予防の観点とか、その前は介護激励事業ということで、京都府は介護者を応援していたわけですよ。その辺の事業も廃止された。介護予防の事業というのはまた別の問題で、要はこれは財政問題ですね。
それで、このように前知事のトップダウンで行ってきた府単費事業、このほかに中止した事業がほかにあれば、これは時間がありませんので資料要求をお願いしたいし、なければないと御答弁いただきたいと思います。
◯山口健康福祉部高齢社会対策監 私ども、事業につきましては、今の時代に合っているのか、あるいは府民ニーズに合致しているのか、このやり方で最大の効果が得られるのかどうか、そうした点から全ての事業について点検をさせていただいております。その中で当然、廃止の事業もありますし、組みかえの事業もありますし、新たに事業を組み立てる場合もございます。
資料につきましては、私が全ての課の分を答えるのが適当かどうかはわかりませんけれども、正副委員長と御相談させていただきたいと思います。
◯島田幹事 問題は、突然、利用者が、敬老のお祝いの日に前後して、「何でなくなったんだ」と言うことなんですよ。説明なく廃止されていることが問題なんですよ。
◯山口健康福祉部高齢社会対策監 そのあたりにつきましても、事業を廃止するに当たっては市町村にも説明をさせていただきまして御理解をいただいているところでございます。
以上でございます。
◯島田幹事 市町村にはいつ説明されましたか。
◯山口健康福祉部高齢社会対策監 正確な日付についてはお答えできませんけれども、3月から6月にかけての間で市町村に対して御説明をさせていただいております。
以上でございます。
◯島田幹事 あわせて、これは地域活性化でもありましたので、商店街等にはどの時期に説明されましたでしょうか。
◯山口健康福祉部高齢社会対策監 私どもは、商工労働観光部が商店街の活性化事業の中でやっておられる事業のうち、90歳の方の分だけのプレミアム商品券、それを商店街からいただきまして配付をしているということになっております。今年度も商工労働観光部ではプレミアム商品券が継続していると聞いているところでございます。
以上でございます。
◯島田幹事 高齢者の分について説明がいつされたのかという点です。
◯山口健康福祉部高齢社会対策監 市町村を通じて説明をしているところでございます。
◯島田幹事 次に移ります。高齢者共生型まちづくりについてです。
いわゆる京都版CCRC[※Continuing Care Retirement Community:高齢者が健康な段階で入居して継続的なケアを受けながら終身で暮らすことができる生活共同体]構想について、不用額が3億円になっております。一方、大原記念病院で、昨年11月、3月と、松村部長もパネリストで参加をされまして、建物ができていませんのに公開講座を開かれております。事業効果はどうですか。そして、事業の進捗、今後の見通しについてお聞かせください。
◯片岡高齢者支援課長 平成28年12月補正予算で3億円を認めていただきまして、事業者を公募、決定し、その後、拠点施設の整備に向けまして事業者との調整を図ってきたわけでございますけれども、開発許可の協議に時間を要しまして、平成29年度中に施設の整備を終えることができないということで、改めまして平成30年度に工事の着手の見込みとなりましたので、現在、京都市の開発許可もおりまして、進めているところでございます。
事業の効果ということでございますけれども、昨年度、施設の整備はおくれておりましたが、今後、京都府としてどういう事業を進めていくかということを府民の方々に対して広く周知するということで、公開講座を実施したということでございます。
以上でございます。
◯島田幹事 府民の方にどれだけ広く周知されましたでしょうか。効果は。
◯片岡高齢者支援課長 11月と3月、2回にわたって開催いたしました。正確な数値は今持ち合わせておりませんが、いずれの回につきましても200名以上の方に御参加いただけたと記憶をしております。
以上でございます。
◯島田幹事 それは広く府民とは言えないと思うんですが、この京都発のCCRCモデル事業を立ち上げる際、去年の予算特別委員会、それから各常任委員会でも審議がありました。どのように京都府域に広げるのか、目標があるのか、内容はどうかと問いただしましても、この事業は、昨年2月の予算特別委員会で高齢者支援課長が、「京都府がハード・ソフトあわせて財政支援しているのは1ヶ所だけ」だと明言をしておられます。そういう使い方は問題だと指摘をしておりますが、この事業は単なる高齢者対策にとどまりません。大原記念病院のホームページを見ておりますと、総力を挙げて取り組んでいる「広域型・京都大原CCRC構想」、単なる高齢者対策でなく地方創生の取り組み、用途地域等で開発制限がある区域でも病院、介護、学校施設は認められると、町を活性化することができると。また求人広告では、医療介護施設を核に、商業施設、レジャー施設など壮大なプロジェクトであり、国、行政でタッグを組んで挑戦と打ち上げておられます。経過を寄せ集めてみると、まさに国・府・市一体で、地方創生の名で、一部の企業や法人グループにお金をばらまくということだと思うんですよ。これはどういうことですか。
◯片岡高齢者支援課長 現在、大原地域で整備をしているのは、あくまでモデルとして1ヶ所ということでございます。高齢化と過疎化が進む地域というのは京都府内にほかにもございますので、まずは大原地域でしっかりとモデルを完成させ、それをほかの府域にも発信できるように進めていきたいと考えております。
以上でございます。
◯島田幹事 発信されるのはあれですけれども、広げるんですか。ハード・ソフト事業はその1ヶ所だけだと昨年は明言されているんですが、今後その方向は違って、もっとやるんですか。
◯山口健康福祉部高齢社会対策監 私どもは、この大原の地でまず1つやって、地域の方がみずから自分たちの町をどのようにつくり上げていくのかということが主目的といいますか大きな目的としてやらせていただいています。そのため、行政あるいは事業者だけではなくて、地域の方々にも入っていただいて、どんな中身にしていこうかと、どんな事業が展開できるんだろうかという議論をこの間進めてまいりました。そうした枠組みを、大原だけではなくて京都府内のさまざまなところにも広げていきたいと考えております。その中で、拠点施設が必要ということであり、またそうした拠点事業を整備しようという事業者があらわれましたら、その時点でまた考えてまいりたいと思っております。
以上でございます。
◯島田幹事 確かに地域が参加されていますね。三千院門跡が会長である「京都・大原創生の会」が、大原地域を再活性化しようという事業提案を京都市にもなさって、これに応えて京都市の地方創生事業として進んでおります。ロープウエーをつくるとか、ホテルをつくるとか、商業施設などを再開発したいと。そこと軌を一にして同時期に京都版CCRCは進んでいると仄聞されるんですよ。
それで、この京都・大原創生の会にもいろいろとニュースが出始めておりますけれども、非常に問題だと思います。また明らかになり次第質問いたしますが、いずれにいたしましても、モデル1ヶ所どまり、その後ははっきり言って明確でないわけで、まだ市街化調整区域で開発が大変難しいところの開発に京都市が許可をおろされたということは、どのような計画かまた調べたいと思いますけれども、事業は一旦立ちどまって見直すべきで、しかも建っていないのに今年度ソフト事業もついておりますので、これはやめるべきだと指摘をして、終わります。