◯島田委員 日本共産党の島田敬子でございます。よろしくお願いをいたします。
私からも一言申し上げたいと思います。
西日本を中心にした記録的豪雨災害が各地に甚大な被害をもたらしました。懸命な救出作業にもかかわらず、子どもたちや高齢者、逃げおくれた方々が発見され、犠牲者の数をふやし続けております。
さらに、6月18日発生の大阪北部大地震、これに続く豪雨が追い打ちをかけております。地震・豪雨災害で犠牲となられました方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。また、猛烈な暑さの中で救助・捜索活動、災害復旧に尽力をいただいております関係者の皆さん、そして、手弁当で避難所運営等にも当たって尽力をいただいている府民の皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。
「たび重なる被害で心が折れそうだ」と被災者の悲痛な声が届いております。住民の不安も一気に広がっているのではないでしょうか。このたびの災害については、全容の把握、そして検証はまだこれからです。知事も昨日現場に入られたと伺っておりますが、同日、日本共産党府議会議員団も調査に入らせていただきまして、きょうも宮津市等に調査に入らせていただいております。連続する台風、豪雨災害、地震等、住民の命や安全が脅かされる中で、早期の復旧、復興と被災者の生活再建へ、関係者の皆さん方と手を携えて私どもも尽力をしてまいりたいと思います。よろしくお願いをいたします。
きょうは、豪雨災害前に通告をさせていただいておりました大阪北部地震に関して伺います。
6月18日の地震発生から3週間余が経過をいたしました。7月5日現在、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県と、近畿2府2県で被害家屋が27,000棟を超え、京都府内では2,400棟を超えたと伺っております。そして、この被災家屋を無情にも豪雨が襲いました。被害認定調査が続く中、さらにその数は増える見通しでございます。
また、災害時の指定避難場所となっている市民体育館などの公共施設、小学校の体育館や天井構造物の一部崩壊・崩落など、非構造部材の損壊被害、通学路沿いの民家や学校のブロック塀の損壊等も今回大きな課題の1つになっております。
そこで伺います。大阪府では、いち早く災害救助法並びに被災者生活再建支援法が適用されましたが、本府は要件に当たらないとのことで適用されませんでした。しかし隣接する本府の被害も甚大でありまして、大阪府域の被害と一体のものでございます。国への要件緩和を求めるとともに、京都府の地域再建被災者住宅等支援事業を適用するよう求めますが、いかがでしょうか。
また、このたび住宅の屋根等の損壊補修に関して、府の住宅耐震改修助成制度の要件緩和が行われたことは歓迎をしております。人命に重大な危機となった民間のブロック壁等の改修についても、この制度の助成対象にすべきと考えますがいかがでしょうか。お答えをお願いいたします。
◯西脇知事 島田委員の御質問にお答えをいたします。
大阪府北部を震源といたします地震で被災した住宅の再建支援についてでございます。
京都府では被災者生活再建支援法の適用を前提に、府独自に要件を緩和した地域再建被災者住宅等支援事業を設けておりますけれども、今回の地震では大阪府においても現時点で法の適用要件に該当しないということで京都府の制度も適用はされておりません。このために京都府では、今回の災害の実情を踏まえまして、迅速な対応を図りたいとの思いから、これまで設けております京都府木造住宅耐震改修等事業を活用いたしまして、今回の地震で罹災証明書が交付されました木造住宅につきましては、補助要件を緩和し、対象を拡大することとしたところでございます。
7月4日には、実施主体となります市町村への説明会を開催し、本事業とともに低利の住宅改良資金融資制度として設けております21世紀住宅リフォーム資金融資の活用について、被災者への周知を要請したところでございます。引き続き、京都府及び市町村のホームページや広報紙も活用し、市町村とともに府民への周知に努めてまいりたいと思っております。
さらに、大阪府を中心に広域的に多くの住宅被害が発生していることを踏まえまして、7月6日には関西広域連合から、昨日は全国知事会から国の制度拡充について要望書を提出しているところでございます。京都府におきましても、従来から被災者住宅再建支援の強化に関する政策提案をしておりますけれども、今回の被災を踏まえまして改めて強く国に要請することとしております。
また、ブロック塀の安全対策についてでございますけれども、京都市や宇治市とも連携をいたしまして、6月23日から各土木事務所に相談窓口を設置いたしまして、これまで500件以上の相談に対応いたしますとともに、京都府ホームページへの安全点検のチェック項目等の掲載や、あと建設・不動産関係団体への協力依頼等に取り組んでいるところでございます。ブロック塀の除去等に係ります助成制度は、現在、京都府内5つの市で設けられておりますけれども、今回の地震を受けまして、他の市町村におきましても検討が進められているところでございます。また、既存の京都府住宅改良資金融資制度は、住宅のブロック塀の改修にも活用可能でございまして、こうしたことも含め、引き続き、市町村とも連携いたしましてブロック塀の安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。
◯島田委員 甚大な被害、そして今後も起こり得る災害に対応して、関西広域連合等々も連携をいたしまして、国の被災者の生活再建のための制度拡充をさらに強力に要請をいただきたいと思います。
同時に、京都府の地域再建被災者住宅等支援事業について、これまでの台風・豪雨災害等ですね、南部豪雨以来、京都府の制度を横出し・上乗せするということで御努力をいただきました。支援法が適用されなかった災害にも再建経費、あるいは関連経費補助を創設する等の事業も進めてこられましたので、そういう考え方から今回は広域的な一体の災害としてとの認識、その立場に立って、ぜひ前向きに検討をいただきますようお願いをしたいし、また住宅耐震改修についても府下の市町村の努力も始まっておりますので、これを応援しながら、さらなる要件緩和へ検討をお願いしたいというふうに思います。
八幡市では、罹災証明書発行数が1,700件を超えました。そのほとんどが、屋根瓦が落ちた、壁に亀裂が入った等の損壊でございます。
「ブルーシートを張ったものの雨漏りがして大変。壁も屋根も直せば100万円を超える。せめて屋根だけでも早く改修したいが、京都府が拡充した耐震改修助成制度を利用したいけれども、八幡市ではまだ窓口が開設されていない」
「手続に時間がかからないように制度が柔軟に利用できるようにしてほしい」
等の声も寄せられておりますので、現場の要望にぜひ応えていただきまして、必要な支援をお願いをしたいと、これは要望しておきたいと思います。
今後30年以内の発生確率が70%と言われます南海トラフ地震、及びこれに前後する府下各地に走る各断層における直下型地震、これを想定いたしまして京都府では第二次戦略的地震防災対策推進プランを策定し、鋭意、事業を進めていると存じております。
事業の進捗率を見ますと、府内の医療機関の耐震化率は全国平均72.9%に対し60.4%、社会福祉施設の耐震化は目標94.5%に対し83.8%、市町村管理の上水道施設耐震化でも大変遅れています。木造住宅の耐震化率については、平成36年までに95%に近づける目標ですが、平成27年推計では83%になっております。これらの現状や耐震化促進の課題について、どのように認識をされておられますか。また、今後の対応策についてお聞かせください。
◯西脇知事 耐震の促進について御質問をいただきました。
今、委員の御指摘もございましたように、京都府では住宅や重要施設の耐震化など、約300の事業を掲げた第二次戦略的地震防災対策推進プランを策定いたしまして、地震防災対策の計画的な推進に取り組んでいるところでございます。
幾つかの現状を申し上げます。まず、住宅の耐震化につきましては、平成37年度に95%という目標に対しまして、高齢世帯が建てかえ・耐震改修に消極的であることなどによりまして、平成27年度では83%にとどまっているものの、これはちょっと古いのですが、平成25年度で全国平均の82%とはほぼ同水準で推移をしております。耐震化率のさらなる向上に向けまして、今年度から国の新しい補助制度を活用し、木造住宅の耐震改修等の補助限度額を引き上げますとともに、寝室等の安全性を確保する耐震シェルター設置に係る府独自の補助制度において、高齢者等の居住要件を撤廃して対象を拡大したところでございます。
また、水道施設について申し上げますと、上水施設の府営水道の耐震化率は100%完了しておりますけれども、市町村水道を含めた全体では、平成28年度末で50.8%と、全国平均の27.9%を上回っています。ただ、31%の基幹の管路とか40.7%の配水池につきましては、それぞれ全国平均を下回っている状況でございます。このため、府営水道ビジョンや京都水道グランドデザインにおきましても、耐震化を最重要項目と位置づけまして計画的な取り組みを進めているところでございます。
このほか、社会福祉施設については平成27年度末で87.7%と、全国平均とおおむね同水準でございます。病院につきましては、昨年9月時点で60.4%と、全国平均の72.9%を下回っております。特に、京都市内で狭隘な土地での建てかえが困難なことから、耐震化が進んでいないというのが実情でございますけれども、災害拠点病院、また救命救急センターにつきましては平成31年度末に何とか90%を超える見込みでございます。
今後とも地震から府民の命と生活を守るということを第一にいたしまして、耐震化についての理解を得るための広報・啓発に努めますとともに、工事費に対する各種補助制度の積極的な活用を呼びかけてまいりたいと考えております。
◯島田委員 いろいろな数字をお示しいただきました。シェルターなどは新しい制度ですが、1桁にしかなっていないんですね。それで、わかりやすい数字が出されて、平均がどうとかこうとか数字の見方はありますが、いずれにいたしましても本当に災害が連続するという今の現状のもとで、これまでの施策をやはり検証するということが大事ですし、それぞれの施策ごとに課題があるかと思います。きょうは、そこには触れませんけれども鋭意取り組んでいただきたいと思うんです。
災害のたびに対策が見直されましたものの、点検したはずのブロックが倒れて小学生が亡くなるという、あってはならない事態もありました。課題と教訓を明らかにし、これまでの本府の施策についても、さらに検証をし、必要な見直しを行うことも含めまして要望をしておきたいと思います。
あと、今回の豪雨災害にかかわっては、応急対応の改修等が進められておりますが、そもそも本府の河川整備等治水対策、土砂災害危険個所の整備促進については、予算の増額も含めまして取り組む必要があるのではないかと考えております。防災対策、そして被災者の生活再建のための復興対策、両面で従来の延長線上ではない抜本的な対策の強化が求められていると思います。ハード・ソフト両面で、その教訓と課題を明らかにされ取り組むことを強く要望したいと思います。
知事は本会議で、大規模プロジェクトも生活密着の事業も両輪でやると答弁をされましたが、財政も非常に逼迫する中、今を生きる府民の暮らし、命と安全を最優先に、税金の使い方についても見直す、転換が必要であることを指摘しておきたいというふうに思っております。
次の質問に入ります。まず、要望を1点行います。周産期医療体制の整備拡充についてです。
補正予算を計上されまして、京都第一日赤、京都府立医科大学附属病院、京都大学医学部附属病院の間で協定書も交わされました。3病院の連携と知事のリーダーシップのもとで、北部のサブセンターである舞鶴医療センターの周産期医療センター、この機能の再建のために、ぜひ医師確保へ強力に支援をお願いしたい、全力を挙げていただくことを、まず要望をしておきたいと思います。
質問に入りますが、医療的ケアが必要な重度障害児(者)の命を守る、命を支える重度障碍児(者)在宅生活支援事業についてです。
先ほど、周産期医療等の整備、技術の進歩で500グラムの赤ちゃんでも助かる時代になりましたが、一方で人工呼吸器等を使用して、あるいは、痰の吸引等を行う医療的なケアが必要な子どもたちが増加をしております。その子どもたちが地域で安心して医療や保育や教育を受けられるような体制整備が必要ですし、そのための予算が計上されたことも承知をしております。
一方、本府は今年度から医療的ケア児(者)を受け入れる生活介護施設の看護師配置加算等に対する補助金を現場への説明も合意もなしに突然打ち切られました。これに対して3月中旬に、宇治市障害児者父母の会や社会福祉法人から制度廃止は撤回するよう、知事への緊急要望も出されております。そして、宇治市議会では全会一致で意見書が採択をされております。
府内支援学校には、医療的ケアの必要な子どもたちが、現在80余名が在籍をされております。平成29年度は8名の生徒が卒業し、こうした生活介護施設等へ通所されております。この4月から来年3月卒業予定の生徒への進路指導が始まっておりますが、
「来年度以降は医療的ケア児の受け入れは断らざるを得ない状況だ。国制度の活用でも670万円も赤字になって法人の努力では限界がある」
との声が現場から上がっております。
そこで伺いたいと思いますが、このような医療的ケアが必要な支援学校の卒業生が地元の施設で受け入れられない事態が見込まれている問題について把握をされておりますでしょうか。これまで常任委員会で指摘をしましたが、国の制度が拡充をされたことを理由に、京都府の制度を現場の意見を聞かずに廃止したことは問題があり、現場の実態把握を要望してまいりました。調査は実施されましたでしょうか。そして、実施されたのであれば、その結果を踏まえ、どのように対応されようとしておられますか。お聞かせをください。
また、同事業は平成21年度当時に看護師を加配していた事業所とする限定的な制度設計でございましたので、現場からはその制度拡充を要望する声が毎年上がっておりました。国の報酬、さらに加配措置等の加算でも、常勤看護師の人件費を保障できる額にはなっておりません。要件も厳しいとの声が現場から上がっておりますので、国に対して補助単価の引き上げと要件緩和を求めるとともに、現場の実態に応える水準の支援制度にした上で府制度の復活を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
◯西脇知事 重度障碍児(者)在宅生活支援事業についてでございます。
医療的ケアが必要な障害児(者)につきましては、在宅生活を継続していくため日中支援を行うデイサービス事業所に対しまして、平成22年度から国に先駆けまして府独自に看護職員の加配等の経費に対し補助を行ってきたところでございます。この事業につきましては、本会議でも答弁いたしましたとおり、国の平成30年度の障害福祉サービス報酬改定におきまして、看護職員の配置加算の拡充がされたことを踏まえ、事業を見直し、新たにコーディネーター養成など、医療的ケアが必要な障碍児(者)への支援拡充を図ったところでございます。
加えまして医療・保育・教育機関等、連携加算の創設や、送迎加算の拡充など、医療的ケアが必要な障碍児(者)を支えるデイサービス事業所への報酬の充実が図られたところでございます。
実態調査についての御質問をいただきました。こうした報酬改定の影響につきましては、少なくとも数ヶ月の実績を把握することが必要であると考えております。この6月に改定後初めての事業者への支払いがされますことから、今後、関係団体と連携をいたしまして事業者の声を聞いてまいりたいと考えております。
また、障碍児(者)の支援を行う看護職員の配置に要する費用につきましては、本来、障害者総合支援法の枠組みの中で対応されるべきものであることから、これまでも国に対しまして制度の充実を強く要望してきたところでございます。この結果、国の制度の充実が図られてきたと認識しております。これを踏まえまして、京都府といたしましては事業を見直し、新たな医療的ケア児への支援拡充を図ったところでありまして、御理解を賜りたいと思っております。今後とも、医療的ケアが必要な重度障碍児(者)の在宅生活が安定的になされるよう、引き続き、制度の充実に向けた要望等も行ってまいりたいと考えております。
◯島田委員 実態調査をぜひお願いしたいんですが、平成22年度に先駆けて補助を行って、国の制度ができたからすぱっと切ると。しかし、実態は減額になっている。ここのところを3月中旬に各事業所から山田前知事宛てに要望が出されているんですね。知事はごらんになりましたでしょうか。3月に打ち切って、もう4月から事業が始まっているわけですね。看護師も確保しておりますし、子どもたちを切るわけにもいかないので今年度は頑張るけれども、来年度からはもう限界だというのが施設、現場の実態でございます。宇治市のその緊急要望書に書かれている内容でも、宇治市の施設連絡協議会加入の4法人6事業所だけでも、実質これまでの補助金が半額になっているわけです。法のもとでの報酬等の改定も行われましたが、現実には、やはり十分現場の実態に即していないということでありまして、必要な調査とともに国に対しても要件緩和を求めていただきたいと思いますし、現場の声を聞いていただく必要があると思うんです。
知事の答弁にございました、新たなコーディネーターの養成等の事業は、どちらかといいますとNICU等に長期入院している子どもたちの受け皿整備が重点のような気がいたします。もちろん、それは重要で強化をしてほしいわけですが、これまでも現場の努力で看護師を確保し、そして支援学校卒業生の生徒たちを受け入れてきた事業所に対して、もう少し思いやりを持って支援もいただきたいと。これは緊急の課題だと思うんです。
それで、調査をされるということでしたが、答弁がありませんでしたけれども、支援学校自身に来年度の見通しとか、事業所の対応等は調査をされなかったんでしょうか。決算の教育委員会の書面審査でも、これは同僚議員が質問をしたわけですが、この点、もう一度お聞かせをいただきたいというふうに思います。
◯西脇知事 支援学校の件につきましては、教育委員会から私は直接報告を受けておりませんけれども、この制度につきまして6月の支払いがあったということも受けて、これから実態については把握に努めることとしておりますので、その実態把握の一環として、そういうことも含めて実態把握が行われればと考えております。
◯島田委員 先ほども紹介いたしましたが、教育委員会の書面審査で平成29年度も8名、来年も毎年毎年、卒業生が出てまいります。その子どもたちの卒業後の受け皿となる重要な施設でありますので、これは本来は計画的に整備をする必要があると思うんです。国の制度が足らない場合は、やはり、それこそ国に先駆けて京都府の制度を現状に合うように見直して、継続をし、そして支援学校卒業生の進路保障という観点からも計画的にお願いをしたいというふうに思います。
今回の事業廃止は、京都府の障碍児(者)の施策を後退させかねない事態。現場の実態を調査して、声を聞いていただきたいと思うんですが、この事業とともに廃止をしたのが民間社会福祉施設サービス向上補助金でございます。知事の答弁のように、削減についてしっかり議論をした結果ではありませんし、事業がもう4月に執行する前になって突然廃止された。しかも、国の報酬改定で、これも引き下げられてトリプルパンチという状況でございます。府民の切なる願いをしっかり受けとめる、現場主義の徹底と先ほども知事は表明されております。ならば、これまでの経過も含めて検証し、現場の願いに応えて検討すべきと申し上げておきたいと思います。
4年間の府政運営に当たって、ぜひ府民の、特に弱い立場の人々の立場に立って御努力いただきますことを重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。