平成26年9月定例会 決算特別委員会 書面審査 健康福祉部―2014年10月9日〜島田敬子府議の質疑応答部分

健康福祉部 書面審査

 健康福祉部の書面審査が行われた。

◯島田幹事  おはようございます。よろしくお願いいたします。重症心身障害児(者)支援と地域医療課題について質問いたします。
 重度心身障害児(者)のショートステイ受け入れ態勢について、8月1日から北部医療センターで空床利用型の医療型ショートステイ受け入れが可能となりましたが、現在の利用状況はどうでしょうか。また、実施主体である市町村での取り組みはどうでしょうか、伺います。

◯佐藤障害者支援課長  現在の状況でございますけれども、まず市町村との関係でございますけれども、府が2分の1補助、それから市町村が2分の1補助という形で予算を計上しておりますので、今9月議会で市町村議会で御提案していただいている市町村もございます。例えば京丹後市さんですとか宮津市さん、そのあたりは9月議会で予算計上していただいているということを聞いております。その他の市町村さん、必ずしも十分フォローできてない部分もあるんですけれども、できる限り早目にということで私どももお願いをしておりますし、できる限り速やかに計上したいということをおっしゃっております。
 実績についてでございますけれども、今、申し上げましたように、議会で予算を御承認いただかなければいけないものですから、この予算事業という形では、今のところは実績は上がってきていないと聞いておりますけれども、実際に障害者の方が御利用になりたいという形で、北部医療センターと調整をしているという事例はあると聞いております。
 以上でございます。

◯島田幹事  ありがとうございます。当初の予算の説明のときには、弥栄ですとか久美浜等の病院が受け入れをする際にも補助が入るというようなことでしたが、この検討状況はいかがでしょうか。

◯佐藤障害者支援課長  これは、各病院さんで障害者総合支援法に基づきまして、ショートステイの指定の事業所として指定を受けていただかなければいけない仕組みになっております。その指定を受けるかどうかについて、それぞれの各病院さんで御検討いただいているのではないかと承知をしております。
 以上でございます。

◯島田幹事  丹後圏域ではなかなか受け入れる体制が不十分ということだと思います。北部医療センターの場合も、あいている場合には、その確保分は1床ということで心もとないわけですけれども、綾部以北が対象となっておりますが、丹後、中丹圏域で医療的ケアが必要な利用者のニーズ、あるいは利用を希望する方、実数は把握しておられるのか、教えてください。

◯佐藤障害者支援課長  これは保健所で把握している範囲でございますけれども、京都府内全域では、たしか医療的ケアが必要な方というのは障害児の方で144名であったかと思っております。綾部以北といいますか、中丹以北でたしか数十名であったかと承知をしておりますけれども、いずれにしましても、これは障害者の場合にはこれからのサービスの利用計画、これの作成が来年の4月から義務化をされますので、その中できちんと正確な数字というものが把握されることになるのではないかと思っております。
 以上でございます。

◯島田幹事  これからということでありますが、北部医療センターの受け入れに当たっても、必ずしも人工呼吸器を装着した重症ということではなくて、多動なお子さんですとか行動障害の方も受け入れてほしいというようなことで要望も出されているかと思いますので、対処もしていただきたいと思っております。
 平成28年度にスタートする舞鶴こども療育センターにおけるショートステイベッドは5床確保となっておりますが、これでニーズに応えることができるでしょうか。いかがですか。

◯佐藤障害者支援課長  舞鶴こども療育センターのショートステイの利用状況でございますけれども、現在、今でもやっておるんですけれども、大体平日と土日で状況は違っておりまして、多くて土日、1名から2名利用されるケースが非常に多いと聞いております。例えば夏休みの期間ですとか、場合によっては3名、4名御利用いただくケースもあると聞いておりますけれども、現段階では最大5名という形で利用されておられるケースはないと聞いております。そういう意味では現在のニーズ等々踏まえると、十分対応できるのではないかと考えております。
 以上でございます。

◯島田幹事  現在のこども療育センターは、受け入れ態勢が陣容としても整っていませんので、医療的ケアの必要な子どものニーズに全て対応できるかという場合ではないので、そこらあたりはまだ現状より増える可能性があるということだと思います。
 知事は記者会見で、全ての圏域で受け入れ態勢が整ったと言われましたけれども、花ノ木学園のお話を伺いますと、ショートステイは現在5床に対して登録人員が90名、1回の利用日数を短縮したりして調整をしている現状なので、利用者の希望に応えることができない、これは京都市内が不足しているので、この分も受け入れていただいているわけですが、5床では足りないということで、2倍の10床の整備計画を持っておられます。把握しておられますでしょうか。
 さらに、府南部地域についても、南京都病院が4床ありますが、128名の登録者があって、9月は毎日埋まっていて、お断りする状況であると。介護者である親御さんが高齢化して入院をされる、あるいは若い方が次の子どもの出産のために利用ということで、ニーズは増え続けているのに応えることができないということであります。病院機構の場合は経営問題等もあって、これ以上ショートステイのベッドをつくるというのはなかなか難しい、さらに施設入所の待機者が38名もあるということで、結局利用したくても絶対数が足りないという状況が全域で起こっていると思っているんですが、そのあたりは把握されているでしょうか。

◯佐藤障害者支援課長  ショートステイを利用されたいけれども、なかなか利用できないという状況でございますけれども、これは医療機関でショートステイの指定を受けていただくんですけれども、確かに一定そういう傾向があるとは聞いております。そういう意味で我々としては、医療機関に積極的なショートステイ受け入れ、働きかけをやっていかなければいけないと思っておりますし、あと一番大きいのは報酬の問題でありまして、ショートステイを受け入れてもなかなか報酬が低いということであります。ですので、我々といたしましては、国にこういう場合のショートステイの受け入れについて、きちんと評価をしてほしいという形でこれまでも要望してまいりましたし、今後ともそういう働きかけ、呼びかけをしていきたいと思っております。
 以上でございます。

◯島田幹事  京都府としてもぜひ実態をつかんでいただくことが必要であると思っています。
 第3期障害者福祉計画も今年度終了で、御案内のように第4期計画に向けて、今年度内に計画策定ということなのですが、重症心身障害児(者)の入所施設、さらにショートステイ問題も含めて、整備の拡充が抜本的に求められていると思っております。その点で、広域的な観点から京都府が主体的にその実態を調査する必要があると思うわけですが、いかがでしょうか。

◯佐藤障害者支援課長  ただいまお話しがございました障害福祉計画の関係でございますけれども、これは来年の4月から新しく策定をしなければいけないということでございまして、現在の実態調査といいますか、障害者手帳をお持ちの方、抽出調査でございますけれども、調査を行っているところでございます。今、その調査結果を集計中でございまして、その調査結果も踏まえながら、これからどうしていけばいいのか、これは審議会での御議論あるいは市町村とも御意見を十分承りながら、検討していかなければいけない部分であろうかと思っております。
 以上でございます。

◯島田幹事  国の第4期障害者福祉計画に係る基本方針では、平成25年度末時点での施設入所者の12%を地域生活へ移行させなさいという方針があって、施設は抑制、施設から地域へということで、在宅基盤が整わない中でこういう方向は本当に困ると親御さん、関係者からも危惧の声が上がっております。京都府が市町村と連携をして、各市町村の福祉計画を策定し、あるいは広域的な計画も行うわけですが、今回のこの国の方針というのを押しつけることがあってはならない、あくまでも現状、実態に応じた計画になるべきだと思いますが、お考えいかがでしょうか。

◯佐藤障害者支援課長  大きくは国の基本方針というものがあるわけでありますけれども、それはそれで、一定我々としては参酌をしなければいけない部分でありますけれども、私どもとしては、まずは実態をきちんと把握し、その上でどういう形でやっていけばいいのか、いずれにせよ在宅と施設、これをバランスよく整備をしていくということが大事なことだろうと思っておりますので、そういったことも踏まえながら、これから審議会での議論等々を行っていきたいと思っております。
 以上でございます。

◯島田幹事  1点確認なのですが、国の示した方針は参酌水準であって、それを押しつけられるものではないということは確認できますか。

◯佐藤障害者支援課長  これは、計画をつくる主体は都道府県でありますので、京都府の計画として策定をしていくことになります。そういう意味では京都府として実態把握をした上で、審議会で御議論いただいた上で最終的に策定をしていくという形になるものと考えております。
 以上でございます。

◯島田幹事  ぜひとも実態に応じて、計画策定には当事者も踏まえて丁寧な議論もして、皆さんの要望に応える計画になるよう要望しておきたいと思います。
 中丹医療再生計画と北部医師確保にかかわって伺います。
 舞鶴の救急医療体制については、市民病院の外来が閉鎖されて以降、初期救急医療体制あるいは2次救急にも混乱が生じているという指摘が自民党の議員からもございました。特別委員会でも指摘をいたしましたけれども、分担と連携、選択と集中、こうしたやり方ですね。まず、舞鶴が初期救急から撤退をしてしまったということで、これは大変大問題だと思っています。細かくは言いませんが、私の問題認識としては、知事が医療構想ビジョンの先進事例と言われたので、これは敢えて指摘をさせていただきたいと思います。
 医師数は増えておらず、診療科偏在、1人診療科も解決されていないということで、これは京都府全体の医療再生計画ともかかわるわけですが、この点で現状認識と今後の方向についてお聞かせいただきたいと思います。

◯宮地健康福祉部副部長(健康担当)  この舞鶴地域につきましては、舞鶴医療センター、舞鶴共済病院、舞鶴赤十字病院、それから舞鶴市民病院、それぞれがそれぞれの機能を分化して、選択と集中という形で地域の再編をしているところでありまして、また公的4病院をはじめ市内の医療機関の連携を図るために、舞鶴地域医療連携機構を平成25年4月に立ち上げて、現在4病院が連携をしながら医療を進めていると承知しているところでございます。
 以上です。

◯島田幹事  実態はそうではないんですよ。混乱が生じていると言われるほどですから、私も現地に伺いましたけれども、舞鶴の夜間・休日急病診療所の開設が待たれるわけですけれども、この計画では確かにハード整備は着々と行われておりますが、お医者さんの確保がままならないという現状の中で、現地は本当に大変苦しんでおられると思います。
 府立医大から舞鶴の公的病院への常勤医師派遣数が、平成23年度は56人から平成26年度は58人と増えておりませんし、舞鶴全体の医師数も横ばいであって改善されていないと思います。北部医療センターからの支援等も、臨時の派遣は、それは回数は増えているでしょうけれども、今後医療機構と北部医療センターと連携をして医師確保に当たっていくという計画でありますが、さらに強力に進めていただきませんと、これ地域医療が崩壊しかねないと思いますが、いかがでしょうか。

◯宮地健康福祉部副部長(健康担当)  医師の確保につきましては、現在まだ舞鶴医療センターが整備中ということもございまして、そこのあたりを差し引いて考えなければいけないところはあろうかと思いますけれども、常勤医師数、それから非常勤の医師数については、この間、北部医療センターからの派遣人数はふやしているところでございます。
 また、休日・夜間の診療につきましては、現在、舞鶴市で計画をされていて、これから整備にかかるということを伺っているところでございまして、その人員体制についても現在、要望いただいているところであり、これについては府立医大とも連携を図りながら対応していきたいと考えております。
 以上です。

◯島田幹事  ぜひよろしくお願いしたいと思います。北部医療センターに脳外科のお医者さんを確保して、救急医療を充実してほしいということが今でも住民からの強い要望ですし、京都府の市長会からも毎年要望がされております。現段階では、それは脳外科の手術の段階でいろいろありますから難しい話はおいときますが、現に2次医療圏の圏域内で完結されていないという場合にドクターヘリですとか、そういうことで京都市内ですとか、あるいは兵庫県とか、そんなふうに搬送されている脳外科の患者さんの実態、あるいは周産期医療の患者さんの実態というのはどんなことになっておりますか。平成23年度あたりからお教えいただきたいと思います。

◯木下医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱)  ドクターヘリによる搬送件数でございますけれども、公立豊岡病院に対して出ておりまして、少しだけお待ちください。

◯宮地健康福祉部副部長(健康担当)  北部医療センターから救急で脳疾患でヘリコプターで搬送されている数が豊岡病院にたしか2件、今年の2月と3月でございますけれども、ございまして、この平成25年度はこの2件ということでございます。
 以上です。

◯島田幹事  周産期の関係だけお願いします。

◯木下医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱)  周産期の関係でドクターヘリで搬送した実績はございません。

◯島田幹事  ありがとうございます。中丹圏域における医療センターでの周産期医療体制の点についても、産婦人科医の確保の問題が大きな課題になっておりますし、北部医療センターでも救急、脳外科医の確保による救急体制の拡充等、住民の願いは本当に切実でありますので、地域医療支援センター等の取り組みでは総合医等の養成が中心で、肝心の診療科偏在を解決するための確保対策というのはまだまだ不十分ではないかと思っております。時間がありませんので、指摘をしておきたいと思っております。
 丹後地域における精神疾患の現状と課題の問題で、これも北部医療センターに精神科医療の入院ベッドの確保をしてほしいという要望が市長会からも出されております。保健医療計画では丹後地域の精神疾患が増加しておって、北部医療センターには常勤医が2人いるのみで精神科病床がない、医療資源が不足をしているために夜間・休日緊急時の不安なときの相談、受診できるシステムが不十分、カンファレンス等のための時間的負担があるということで、精神科病床確保の検討が必要とされておりました。丹後地域の現状を考えますと、北部医療センターが対応すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

◯佐藤障害者支援課長  北部における精神疾患の確保でございますけれども、これは去年からの事業でありますけれども、舞鶴医療センターともみじヶ丘病院、それから東舞鶴医誠会病院、この3病院が一緒になって、きちんとベッドを確保して急患の受け入れができるようにしようという事業を行っております。これをもって中丹以北全体をカバーできるようにしていこうという形で行っております。その中でも舞鶴医療センターに頑張ってやっていただいているんですけれども、そういう連携体制を構築しながら、また北部医療センターとも十分連携をしながら、きちんとした体制整備を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。

◯島田幹事  地域の医療機関を核として在宅ケアもずっと張りめぐらせているわけで、わざわざ舞鶴まで患者さんを運ぶと、またそこに一々訪問看護ステーションの看護師なり保健所のスタッフなりが御苦労されるわけですね。2次医療圏での完結ということを目指して、ぜひ早期に検討いただきたいと思います。いかがでしょうか。

◯佐藤障害者支援課長  この保健医療計画、5年間の計画でございますけれども、当然それぞれの地域で十分な医療体制の確保を図れるようにしていくということは大事なことでありますので、関係者の皆様とも御意見を十分賜りながら、体制確保に努めていきたいと考えております。
 以上でございます。