所管事項
委員会の所管事項について質問・答弁が行われた。
◯島田委員 2点伺います。
医療施設の防災対策について伺いたいと思います。
京都私立病院協会のアンケート調査で、自家発電機の稼働時間や建物の耐震化で、府内の民間病院、診療所が全国の災害拠点病院と比べて大きな差があることが明らかになったと報じられております。
非常用電源として自家発電機の稼働可能時間が3時間以内が5割、6時間までが31.8%、合わせて8割ということで、万が一停電が発生した場合に自家発電機を稼働したとしても、通常どおりの病院運営は半日もできないことが明らかになっておりますが、人工透析などは多量の水も必要になりますし、人工透析・人工呼吸器が必要な患者に影響が出ることが懸念をされています。
一方、厚生労働省が全国の災害拠点病院について集計した同様の調査結果では、二、三日というのが47.4%ということですけれども、改めて京都の現状をお聞かせをいただきたいと思います。民間の医療機関の自家発電の整備状況、それから府内災害拠点病院7つ、二次救急医療機関71施設、自家発電設備の設置状況について、現状を伺います。
また、東日本大震災を踏まえて、補正予算、あるいは国の施策についてもいろいろと議論が進められておりますけれども、どういう動きになっておりますか、お教えください。
◯余田医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱) まず、府内の災害拠点病院の自家発電等の状況でございます。おおむね最大で72時間、最小で8時間といった形で整備をしていただいているところでございます。
それと、あと災害拠点病院以外の民間病院につきましては、私立病院協会のほうから情報をいただいたもので、先ほど委員がおっしゃったような形で整備されていると承知しております。
以上でございます。
◯島田委員 国のほうでも、災害拠点病院に加えて救命救急センターとかに、自家発電装置の整備費の一部が補助されるようになっておりますが、この辺の進捗状況、国の予算を活用してどれほどの整備がこの間進んでいるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
また、救命センター以外でも、先ほど申し上げましたように、民間医療機関で人工透析や人工呼吸器により生命を維持している患者さんが多数入院をされております。せんだっては、予算も今回提案されまして、在宅の400人の患者さん等については、相談体制とか窓口の登録体制とかとおっしゃっていますが、そもそも病院に入院されている方の生命維持について、今のような事態では心もとないと思います。
自家発電設備を要しない医療機関で停電を繰り返したり、長期に及ぶ場合は、自家発電のある医療機関への患者の転院なんかも余儀なくされますが、そういう想定も踏まえて、東日本大震災の教訓も踏まえて、今後、本府の取り組みはどのようにされていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。
◯余田医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱) 自家発電装置につきましては、それぞれの病院のキャパシティー(キャパ)等によりましていろいろな自家発電装置をそろえていただいていますけれども、まず災害拠点病院につきましては、すべて整備していただいております。
あと、民間等につきましても、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、どうしても病院等の主な燃料が重油もしくは軽油になっております。これらにつきましては、病院の備蓄等のキャパもございますので、私ども京都府のほうでは、災害時における流通業者等との提携を結んでおりまして、災害時に優先的にそういったところに供給するといった対応も講じているところでございます。
以上でございます。
◯島田委員 民間全体は、京都私立病院協会(私病協)で調査されましたが、これは京都府の計画、救急医療体制図にもきちっと明記をされている二次救急医療機関についての自家発電の設置状況等はどうですか。
◯余田医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱) 災害拠点病院以外の二次救急医療機関につきましては、自家発電装置がゼロというところはなしと聞いております。
以上でございます。
◯島田委員 でも、稼働時間が半日もたないということで、先ほどの重油等の備蓄等も強化をする必要があると思いますが、医療機関における自己資金だけでは調達限界もあり、行政支援が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
◯余田医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱) 耐震の補助金につきましては、今、基金で整備しております。これにつきましては、現在10施設でやっておりますけれども、そのうち7施設につきましては、民間施設でやっております。その中では、当然、そういったものについても対応していただくことが可能と思っております。
それと、基金以外の通常の耐震整備の中で、そういったものにつきましても対応していっていただきたいと思っております。
以上でございます。
◯島田委員 耐震化事業の中で自家発電装置もできるということですか。
◯余田医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱) 自家発電能力の状況等につきましては、先ほど御審議いただきました基金等、そういったものの活用も含めた検討をしていきたいと考えております。
以上でございます。
◯島田委員 今回の基金も活用できるということですが、民間医療機関についても活用できるのでしょうか。
◯浅田健康福祉部長 京都府内の病院の耐震、あるいは非常電源の問題については、委員から御指摘がありましたように、私病協の要望も含めまして、私どもも実態を十分承知をしております。
いろいろ経過がある中で、こういう実態でございまして、私どもといたしましては、一つは、国の補助制度の充実を従来から要望しているところでございます。それから個々の病院にそれぞれ事情がございまして、例えば改築をするにしても、土地の問題があるとか、周辺の環境の問題があるとか、さまざまな事情がございますので、個々の病院に丁寧に対応させていただいて、できるだけ早く、今の非常電源の問題も含めて、できるようにしていきたいと思っております。
それから、医療課長の申しました基金につきましても、全般的に申しまして、そのような補助対象も想定はされておりますので、そんなことも含めた検討もあろうかと思いますが、そこら辺につきましては、今後、予算議論の中で我々としても十分検討していきたいと思っております。
◯島田委員 東京都では、都内すべての病院を対象に、この7月から自家発電設備整備事業補助を実施することとなっておりますが、本府としても急ぎ調査を行って、国へ要望をしていただきたいと。現時点では概算要求にも入っていませんし、なかなか制度改善の方向も示されておりませんので、強力に国へ要望していただきたいと思います。
私病協からも要望が出ているということですので、ぜひいろいろな事情も含めて、改善をお願いしたいと思います。
時間がなかったとか、お金がなかったとか、いろいろ言っているうちに、東日本大震災では、本当に大きな被害を受けて、災害拠点病院もつぶれて受け入れられない、救急医療機関もつぶれてしまうというようなこともございましたので、改めて要望しておきたいと思います。
現状ではそういうことですので、在宅の人工呼吸器患者にとどまらず、そういう入院中、施設にいらっしゃる人工透析や人工呼吸器装着が必要な人たちについて災害時はどうするのかというマニュアルなりガイドライン等が必要だと思うのですが、この点で京都府の検討状況はいかがでしょうか。
◯余田医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱) 透析患者の受け入れ等でございます。今回の東日本大震災におきましても、私立病院協会のほうで専用窓口等をつくっていただきまして、相談体制を整えていただいたところでございます。京都府といたしましても、私病協等の協力のもと、そういった受け入れ態勢をつくっていきたいと思っております。
以上でございます。
◯島田委員 それは受け入れでありまして、ここで震災が起こった場合にどうするのかという対策をちゃんと講じることが必要ではないかと申し上げているのです。
加えて、飲料水と食料備蓄について、これも例えば宇治市の第二岡本総合病院では3日分の食料を備蓄しているけれども、飲料水は1日分と。保管するスペースがないというようなことが理由のようですけれども、このあたりはどういうことになっておりますでしょうか。
◯余田医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱) 水・食料品・医薬品等の備蓄等につきましては、民間病院等では、おおむね医療機能評価のチェック項目で3日間という参考の表示がございますので、一定、これを目安にして、多くの病院で3日間を定めていただいているところでございます。
先ほど申しましたように、これらにつきましても、京都府が流通業者等との連携でいろいろな支援等の優先配布等を結んでおりますので、そういったものも活用していただきたいと考えております。
以上でございます。
◯島田委員 民間医療機関の飲料水の3日分所有は63.3%、食料が75.9%、医薬品は66.7%という状況等で、これも保管場所等の問題がございますが、診療報酬の引き下げ等で民間病院の経営が本当に厳しくなっていて、防災対策が思うように進まないということもあると思いますので、ぜひ先ほどの問題も含めて、行政としての支援を強化をしていただきたいと思います。
人工透析、難病患者等への支援のマニュアル、ガイドライン等の策定についても、急ぎ検討をいただきたいと思います。
次に、周産期医療にかかわって、NICU[※Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室]に入院中の子どもたちや退院した子どもたち、そして親御さんが、いろいろと障害もあり、あるいは感染症にかかりやすい等もあって、なかなか社会生活の中に出ていくことができないということで、社会から孤立しかねない子育て環境になっているということが言われております。京都府立医科大学附属病院(府立医大)のこども病院も改築されましたけれども、こういう人たちへの支援対策についてはどのような現状でしょうか、教えてください。
◯余田医療課長(救急医療情報センター所長事務取扱) まず、周産期医療につきましては、京都第一赤十字病院(第一日赤)を総合周産期母子医療センターといたしまして、二次の周産期医療機関を16医療機関定めているところでございます。
そういったところで、治療を終えられた方々につきましては、小児科医との連携によりまして、それぞれの地域の病院につないでいただくといった部分につきましても、第一日赤のほうでいろいろなコーディネーター等にもお世話になっているところでございます。
以上でございます。
◯島田委員 発足してから5ヶ月ぐらいだそうですけれども、「NICU親の会」という組織があることを私は知りまして、そのほかの子育てネットワークの皆さん方といろいろと出会いをなさって、親同士の情報交換等で随分と心が和らぐ、そういうネットワークの重要性を痛感をいたしました。特にこのNICUに入院中の子ども、退院後の子どもの支援、特に親御さんへの支援というのがとても大事だと思いました。
京都府にかかわる周産期医療センターからでも、そういう組織といいますか、交流をする場所なども提供していただいて、交流することで随分と心強く思われるのではないかと思っておりますので、ぜひ検討をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
◯浅田健康福祉部長 周産期医療体制につきましては、先ほど医療課長が申し上げたように、それなりに京都府としてはきちっとやっているつもりでございますが、そこから出られた子どもさん、例えば障害をお持ちの場合もありますでしょうし、そうした場合に、例えば私どもの舞鶴こども療育センターのような施設で一定の間リハビリをするような仕組みも含めまして、障害のある子どもさん、特に乳幼児の対策ということにつきましては、現在、児童福祉法、障害者自立支援法の関係で、さまざまな施設体系の見直しなどもございますので、そうした中で当然考えていかなければならないと思っております。
また、親御さんの件につきましても、今の時点で特段私どものほうでそこら辺の声を十分把握できておりませんので、今後、医療機関、あるいは関係機関を通じてお声を聞かせていただきたいと思っております。
以上です。
◯島田委員 ぜひ声を十分聞いていただきまして、できるところから支援をお願いしたいし、府立病院等での場所の提供等、お金がなくてもやれるところがたくさんあると思いますので、支援方、お願いをして、要望いたします。
以上です。