○迫祐仁委員 北陸新幹線の延伸の問題でちょっとお聞きします。自民党のPTが3月2日に、京都府と大阪府、関西経済連合会の幹部と意見交換を開催したということで、2兆1,000億円とされる建設費の財源確保などに協力を求めたということで京都新聞に掲載をされていました。そこで、京都府は財源についてどう述べられたのかという点を教えていただけますか。
○八田交通政策課長 3月2日に大阪で開催されました自民党政務調査会の北陸新幹線整備プロジェクトチームにおきまして、京都府のほうも招致されまして意見を述べさせていただいたところでございます。その中で財源の問題につきましては、京都府としてはあくまで受益に応じた負担を求めたというところでございまして、それに当たりましてコストの縮減だとか、貸付料の見直しだか、財政支援措置の拡充とか、そういったことを強く求めたところでございます。
○迫祐仁委員 営業主体のJR西日本に、建設費の負担ルールを見直してJRの負担を増やすことを容認する可能性を示唆しているということも書かれていたと思うんですけれども、貸付料の問題としては、そういう形で動いているのでしょうか。
○八田交通政策課長 そちらについては基本的に国のほうで検討されるということになっておりまして、現在、貸付料につきましては30年間ということで算定された貸付料を取っているわけですけれども、これの期間の延長とか、貸付料を決めるときの需要予測の精度を高めるとか、そういったことで貸付料の算定について今、検討が行われているというふうに考えております。
○迫祐仁委員 わかりました。実際、お金にかかわってくる問題なので、今、府民の思いというのは、北陸新幹線よりも災害の復旧対策とか交通とか河川の整備のライフライン中心の防災対策へ回すべきという声が広がっています。それに応えていくことのほうが先ではないかなと思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
○角田建設交通部副部長(監理課長事務取扱) 委員から御質問のありました河川とか防災の関係ですけれども、我々、北陸新幹線のような国家プロジェクトと、急速に老朽化が進展するインフラの保全でありますとか、河川整備、土砂災害対策の両輪、両面から着実に進めていくことが重要と考えております。このため、インフラの計画的な保全については、今年度から府民協働型インフラ保全事業を創設しているほか、河川事業につきましても大幅に予算を伸ばしまして今回、防災・減災、国土強靱化のための3ヶ年緊急対策の予算なんかも活用させていただきながら大幅に事業費を伸ばしているところでございます。両面しっかりと進めていきたいと思っております。
以上でございます。
○迫祐仁委員 わかりました。あと、PTの中で、参加されていて、京都府が工事で地下水などに影響が出ないように環境影響評価アセスメントを丁寧に行うよう要請したと、大きな見出しでも書かれていましたけれども、これはこの間、ずっと同じことをおっしゃっているのでしょうか。それとも、影響がどこにあるんだということも想定して具体的な意見を述べていらっしゃるのでしょうか。
○八田交通政策課長 環境等への配慮についてのことでございますけれども、具体的なルート等がまだ示されておりませんので、我々としてはその具体的なルートを決める過程において、現在においては、そういった問題について慎重な調査と丁寧な説明等を求めている段階でございます。
以上でございます。
○迫祐仁委員 具体的なものは未定だということなんですけれども、その中で特に言われている京都丹波高原国定公園の問題とか京都市内の問題とかは、具体的には述べてはいらっしゃらないのでしょうか。
○八田交通政策課長 それぞれ、京都丹波高原国定公園の原生林の話とか、京都市の総括的な地下水の問題については、京都市の地下には琵琶湖と同じだけの地下水のダムがあるとか、または名水といいますか、地下水の利用状況といったものについては、こういう大きな問題があるということを国に対して伝えているところでございます。
○迫祐仁委員 はい、わかりました。それで、九州新幹線の西九州ルートですけれども、長崎県の諫早市井樋ノ尾地区というところで、昨年実際に、水枯れが起こって田植えができなくなっているということで、農家の方たちはもともと新幹線には反対していなかったんだけれども、自然を壊してもらったら困るということで大変怒っているということなんです。ちょうど博多駅と長崎駅を、レール幅が狭い、在来線も走れるということで、新幹線車両のフリーゲージトレインで結ぶはずだったんですけれども、開発が頓挫してしまったということで、県が事業費として1兆円を投入して新幹線のレール幅に統一する全線フル規格を導入して工事を強行に進めている中で、トンネル掘削によって水枯れが起こる被害が起きたということなんですけれども、このことは御承知でしょうか。
○八田交通政策課長 すみません。詳しくは承知しておりませんけれども、長崎新幹線につきましては、まだ全線フル規格でするというふうに決まったわけではございませんので、それに伴うものではなく、いわゆる一連の整備の中でそういうことが起きているのだというふうに考えております。
○迫祐仁委員 長崎県の状況を見ていましたら、鉄道運輸機構による県内の工事中のトンネルで22ヶ所のうち10ヶ所の周辺で井戸の水位が低下していると。久山トンネルというところでは4水系の流量が減少しているということで報告があるようです。実際にそこでトンネル工事などによって水が枯渇した場合の補償というのは、どんな感じになるのでしょうか。
○八田交通政策課長 トンネルの工事により水が枯渇した場合、いくつかの現象が考えられますけれども、トンネルを掘ることによって地下水といいますか、山からの伏流水や遮断されている河川の水位が下がり、その河川の水を利用している水利権者に対して影響が及ぶ場合。あと一般に、山が枯れることによって、周辺で農業用水等にされている水が枯れる場合等、いろいろとあるかと思うんですけれども、そういうことに対しては、その因果関係が明らかであれば、当然、事業損失の補償というものがされるものだというふうに考えております。そういうことが起こらないように、やる前にそういう調査をしっかりやってくれということで、我々は現時点で国に働きかけているところでございます。
○迫祐仁委員 紹介しておきますと、ここでの農業の関係でいきますと、水が枯渇したということで、鉄道運輸機構が補償として貯水タンクの設置をすることになっているそうです。30年間の補償ということなんですけれども、これは最大で30年ということらしいです。実際に、ここは江戸時代からずっとこういう農業をやって、流量の大変豊かなところだということなんですね。そういう意味でいくと、わずか30年かと。「これからも水が営々と流れるはずだったのに」ということで、すごく怒っていると。だから、そういう点で生活を守るということで、超党派でこういう問題を解決していこうというふうに変わってきているというふうな状況だそうです。そういう意味でいきますと、そこで、一度立ちどまって計画を見直すべきだという声が広がっているということを聞いております。そういうことも含めて、今後、京都府も考慮していってほしいということであります。
もう1つ、今、府議会の議長宛てに、一般社団法人京都府建設業協会から「公共事業に関する要望書」というのが提出されていたと思います。「社会資本整備の着実な推進と地域建設業がその社会的使命をこれからも果たしていくために」という副題がついていたと思うんですけれども、そこでは頻繁する大規模災害から府民の命、財産を守るために大幅な公共事業費の増額を求めていらっしゃいました。また、昨年の災害被災箇所の早期復旧を図って、インフラの緊急点検を踏まえつつ、防災・減災対策としての社会資本整備を加速する公共事業費の予算も求められています。そして、あと災害被災者、被災箇所の地域の安心・安全の守り手である地域建設企業が災害復旧や除雪作業等に必要な人員、機材を維持して常に稼働体制を整えておくために必要となる事業費の確保等の環境整備に努めてほしいなど、12項目の要望が出されていたと思いますけれども、京都府として、この要望にどのように応えていらっしゃるのでしょうか。
○藤森建設交通部長 府内の地元の業者の皆様には、昨年は特に顕著でございましたけれども、災害の対応、また冬期には北部を中心に除雪もやっていただいているということで、府内の建設業の皆様を育成して確保していくことは非常に重要な課題と思ってございます。そうした中で、先ほど御紹介がありましたような要望も頂戴しております。特に平成31年度予算につきましては、国のほうでも減災・防災、国土強靱化のための予算等の補正もあり、また議会でも認めていただきまして、今回全て御議決いただきますと、昨年の当初予算に比べると2割程度、全体の事業費が増加してくるものと思います。そういったことも踏まえて、一方で建設業のほうでは労働者の不足というような課題も出てきてございますので、この予算の執行に当たりましては、例えば平準化とか、業者様もいろいろ規模に差がございますので、それぞれのランクに応じた発注をするとか、あるいは、今できるだけ余裕のある工期をとれというような御要望もございまして、そういった工期の面、そういった発注にも十分注意して予算を有効に効率よく執行をしてまいりたいと考えております。
○迫祐仁委員 実際に工事をされる業者の方が大分減少してきているということで、一昨年の災害もなかなか対応できないという話も昨年聞いたりしたところなんです。そういう点でしっかりと育成をしていくということで、京都府が努力というか、援助というものをしていってほしいと。これは要望しておきます。
あと、技能者が不足しているという関係です。この間、何回も言っていますけれども、国策でも処遇改善、入職者をふやしていこうということで大分とられているんですけれども、公共事業の設計労務単価は6年連続して3割アップで、ちょっとまだその情報は掴んでいないんですけれども、7年連続してまたアップしていくのではないかなと思うんです。そういう中で現場の技能労働者の賃金が数%しかアップしていないという話でして、国が設計労務単価に含むと強調しています法定福利費の相当額の本人負担分は、賃金の約15%さえも確保されていないということで、これは京建労が調べたアンケート調査とか国土交通省の実態調査でも明らかになっています。技能労働者の適正な賃金水準の確保ということで、国交省が自治体に対して、発注者として受注者に法定福利費の適正な支払いの指導や支払い状況の確認、それと新労務単価の上昇を踏まえた適切な水準の賃金の支払いの指導を要請していますけれども、府として実態調査をされないのかということでは、どうでしょうか。
○大石建設交通部技監(土木担当)(指導検査課長事務取扱) まず、先ほどございました設計労務単価の関係でございます。今年度も3月1日をもって国において設計労務単価を引き上げるという通知がございまして、京都府でも平均2.8%上昇するということで、3月15日入札公告分から引き上げるということにしております。去年と同様に、それまでに発注しているものにつきましても特例措置を適用して引き上げるということにさせていただいております。
今ありました、労務単価が現場に行き渡っていない、社会保険加入のための法定福利費が十分に支払われていない、また、現にそれが回っていないという問題につきましては、今もございましたように国交省においても、調査の結果、そういうことも指摘されておりますし、私どももそういうふうに理解しております。ただ、もともとありましたような独自の調査につきましては、今回もそうですが、毎年こういうお答えをさせていただいて申しわけないのですが、やはりきちんと調べるためにはそれなりの資料をそろえていただく必要があるということで、今年も8月から工事を選定し始めて10月に具体的なヒアリングをして、国や京都府、それから京都府域でいきますと京都市もありますし、NEXCOなどの法人もありますけれども、そういったものを全部合わせた結果として整理したものがやっとこの3月に出たということで、調査した結果が反映されるまでにかなり時間がかかることもありますので、独自の調査はやはりなかなか負担も大きいものがありますので難しいかと考えております。
ただ、今も御指摘にございましたように、私どもも京建労のアンケートの結果を見せていただいておりますけれども、実際はなかなか上がっていないという声があることも承知しております。その点は、先ほどの3月1日からの上昇を踏まえまして、業界のほうには改めて、しっかり支払うように、また、下請業者が法定福利費を請求すると、次に仕事がもらえないんじゃないかなんていう声もあると聞いていますので、そういうことのないようにということで、これも国交省からの通知文にそういう条文も入っておりますので、その辺も踏まえて業界のほうにしっかりお願いしていっているところでございます。引き続き、こういった取り組みを続けてまいりたいというふうに考えております。
○迫祐仁委員 全建総連の関西地協が在阪の大手企業と交渉した際の記録を読ませていただいたんですけれども、1次からの見積もりに法定福利費が明示されて、支払っているところもあるということなんです。逆に、2次以降について、1次業者を通じた指導で、2次以降の把握にまで至っていないと回答されている大手もあると。その中で、1次に対しては2次以下との契約書の中にも別枠で法定福利費を入れた契約書のコピーを入れるように指導しているところもあるということで、まちまちなんですよね。一方で、下請契約は民民の契約であって、元請としてはそこまで言うことはできない状況だというふうに聞いているんです。だから、そういう点で、府が発注する大きな公共事業の関係でいきますと、設計労務単価の上昇を実際の賃金に反映していくということでいくと、賃金の下限額を決めた公契約条例を制定していくことが必要ではないかなと思うんですけれども、それはどうですかね。
○大石建設交通部技監(土木担当)(指導検査課長事務取扱) 今もございました下請の法定福利なんかが支払われる形につきましては、しっかりそうしていくべきだというふうに考えております。ただ、今もありましたが、特に京都府の場合は中小の企業が多いこともあって、そういった実行の部分の中でどのぐらいの法定福利費が含まれているかの分析だったり、きちんと経営の部分で出していくところが非常に難しいこともありまして、私どもとしては順を追ってということで、まず私どもが発注している元請から1次の下請に対しては、社会保険に未加入のところは契約してはいけないということを、今年度から契約書にしっかり入れましたので、そういった意味では少しずつ改善していっているところでございます。
ただ、最後におっしゃいました部分につきましては、正直に申し上げてなかなか対応が難しいかなというふうに考えておりまして、現在私どもが進めているものを、京都府の中小企業が多いという状況を踏まえた特徴をしっかり見ながら、順次対応を進めていきたいなというふうに考えております。
○迫祐仁委員 中小企業が多いということなので、そういう点を考慮していくためには、やっぱり公契約条例は必要ではないかなと思います。そこで具体的に賃金が上がったりというところが他の地域でありますので、そういう点は一度検討も含めてやっていってほしいなと思います。
あともう1つ、土曜日が閉所ということで週休2日制が広がっておりまして、若い人が入職するには当然の課題だというふうに言うところもあります。実際、僕も会った現場の労働者は、「日給月給なんで、そういうふうになると収入が減るんだ」と。「だから困っている」というふうな話がありまして、何とかならないかという話になるんですけれども、自治体が発注していくということで、週休2日制とあわせて賃金の補填の実施ということも考えていくことが必要かなと思うんですけれども、その辺はどうでしょうか。
○大石建設交通部技監(土木担当)(指導検査課長事務取扱) 週休2日制の問題につきましては、今も御指摘にありましたように、担い手確保の中でも非常に大きな問題となっておりまして、京都府としても取り組んでいかなければならない課題だというふうに考えております。ただ、今おっしゃいましたような日給の方々については、休みが増える分だけどうしても収入が減るということもありまして、国土交通省のほうでその辺の実態調査も踏まえた上で、例えば週休2日制を導入した場合には、労務費についても補正係数を掛けて一定引き上げるといいますか、増やせるような形の積算体系も出てきております。残念ながら京都府においてはシステム上すぐに対応できないわけなんですが、国交省のほうでそういう方向で進めるという指導も来ておりますので、いろいろシステムなんかも整備しながら、また、その金額が皆さんがおっしゃっているような日数と合っているわけではございませんし、これは実態調査に基づいて実施されているものでございますので、その辺の国の動向なりも見ながら、私どもも対応を考えていきたいというふうに考えております。
○迫祐仁委員 大手建設業者の中でも、こういう賃金補填策を示すところもあったというお話を聞いています。あと、発注者の理解を得られたらとか、検討を始めたところというのが多いみたいなんですけれども、その辺ではこの体制をしっかりととっていけるように府としても検討していってほしいということを要望して終わります。
●
●
●
○迫祐仁委員 四方委員長、中村、園崎両副委員長を初め、全ての委員の皆さん、また理事者の皆さん、本当に1年間お世話になりましてありがとうございました。
この1年のまとめということなんですけれども、まず最初に、今ありました災害の要因の1つと言われています地球温暖化対策のことであります。パリ協定が2016年に発効され、日本でも脱炭素社会実現に向けた対策を早急にとることが必要となっております。国連の気候変動に関する政府間パネルの特別報告書原案が、先月の2日に発表されておりましたけれども、地球温暖化による海面上昇が従来の予測を大きく上回っていると。20世紀末ごろと比べて21世紀末に、これまでの予測の0.8mから最大で1.3m上がるおそれがあるというふうに言われています。各国政府が一刻も早く温室効果ガスを1990年比で大幅な削減を進めていると。脱炭素社会を実現することが求められております。世界の動きを見ていましたら、脱原発、脱石炭で温室効果ガスを減らす、再生エネルギーへの転換がどんどん進んできています。ところが、日本政府は原発と石炭火力をベースロード電源と位置づけて再生可能エネルギー、自然エネルギーへの転換が本当に遅れているという中で、削減目標も2030年が2013年比26%削減、90年比で18%削減にしかならないと。京都府はその中でも京都議定書誕生の地としてCO2削減目標を2030年に1990年比で40%削減と、国よりも高い目標を持っておられます。ところが、CO2削減に大きな影響を与えています関西電力の舞鶴火力発電所1・2号基のCO2総排出量は、2012年度では1,072億1,000万tを排出しているということで、日本の企業の中でワースト18位ということでした。びっくりしました。これで京都府のCO2削減の努力が台なしになってしまうのではないかなと思います。関西電力に脱原発と再生エネルギーへの転換をしっかりと求めていくことが必要だなと思います。
また、2020年に地球温暖化対策条例の改正がされていくということですけれども、日本の政府のベースロード電源の立場に立つのではなくて、脱原発、脱石炭で温室効果ガスを減らして再生エネルギーへの転換へ向かう目標を持つように、これは要望しておきたいと思います。
次に、地域での地産地消の再生エネルギーを普及していくということですけれども、現在、自然環境を破壊していく数多くのメガソーラー建設が府内で進んでいます。南山城村の約72haのメガソーラーの計画というのは、地元に全く無縁の外資参入の会社が住民の声を無視してもうけ本位の計画で進められていると。2015年末に事業計画が府に出されてから、住民は環境、防災、事業者の信頼性などの問題点を掲げて計画の中止を求めてきました。しかし事業者は住民説明会を打ち切って、昨年秋に森林法、砂防法に基づく開発申請の手続を強行しました。本年1月25日に本府が開発を許可しました。地元の自然を守る会など住民の方たちは直ちに、「断じて容認できない」ということで抗議声明を出して、計画の凍結と中止を今、求めておられます。
京都府は、京都府の林地開発行為の手続に関する条例を全国に先駆けて定め、総合的に対応していると。森林地域で1haを超える開発の場合には、森林法の許可申請前に事業者に対して地元の説明会開催を義務づけて、自治会との間で生活環境の保全協定の締結を求めるなど地域住民との合意形成の手続を定めていると。さらに、事業面積50ha以上の太陽光発電事業を含む大規模事業は、京都府の環境影響評価条例を対象とした国基準よりも厳しく対処していると、このように述べていらっしゃいますけれども、実際はこの条例をすり抜けるかのような50ha未満のメガソーラー建設が各地で進んでいるということです。太陽光発電そのものを本府アセス条例の対象に位置づけることや面積要件も思い切って引き下げることなどの改正をすべきだと、これは要望しておきたいと思います。
地域の生活環境の確保、また景観、防災、安全面、そうしたものを何よりも優先して再生可能エネルギーの建設は地域と共生できるようにすべきだとの立場で規制を強化する自治体が広がっています。これまでも紹介しましたけれども、兵庫県では太陽光発電に関する条例を施行して、事業区域1,000㎡以上の届出を義務づける。景観、環境、防災、反射光、近隣住民への説明などを規定して事業区域50ha以上は森林の保護を60%とするなど、規制を求めています。亀岡市でも災害の防止や景観保全などを目的にして、事業禁止区域の設定、また禁止区域外でも届出制や許可制などを盛り込んだ条例を提案されています。このように地域の実情を踏まえて、自然と環境を壊すメガソーラー計画について条例等による規制強化をしっかりとやっていくということが京都府に求められていると思います。
一方で、地域の消費電力の100%発電を達成した南丹市園部町の大河内地域ですけれども、自分たちの近くには再生エネルギーが豊富に存在しているということで、地域にあるエネルギーを見つけて活用する。原発や化石燃料に頼らない持続可能な日本を次世代に残していく、地域を活性化する鍵がここにあるように思います。地域単位で、地域の将来を考える。地域に存在するエネルギーで循環の地域社会をつくっていく。そのためにも今、各地域での取り組みの広がりが求められているとして、南丹地域での自然エネルギー普及促進の会を立ち上げるということで、元気に取り組んでいらっしゃいます。本府もやっぱりこの取り組みを学んで、府内に広げていくべきだと思います。地産地消のエネルギー政策をしっかりとやっていくということが求められていると思います。
最後になりますけれども、北陸新幹線の延伸計画です。計画で、大規模災害時に東海道新幹線の代替機能になるとか、経済効果があるとか、またインバウンドを呼び込むというけれども、ほとんど地下を通ります。京都市内は大深度地下工事が想定されています。他県では、地下水が枯れて地盤沈下も起きているということであります。京都丹波高原国定公園や芦生の原生林などの自然や文化財、地下水などの生活環境の破壊を心配して、京都府も国や鉄道運輸機構に要請をされております。停まる駅は京都駅と松井山手駅です。京都駅は大深度地下工事が想定されていますので、それによると地下10階という状況になります。東海道新幹線との乗り降りには大変不便が生じると。そして、あと松井山手駅には速達列車かがやきが何本停まるのか、心配されています。富山県の新高岡駅では、高岡市を挙げてPRしましたけれども、北陸新幹線の速達列車かがやきは、1日に1往復の臨時便が週末限定でしか停車していません。また、松井山手駅は地上駅が想定されて、建設費の安くつく高架線での敷設が想定されますけれども、周辺は住宅地でもありまして、騒音問題などが予想されます。新幹線の延伸というのは莫大な財政負担を府民に与えます。観光客が駅に着いて乗りかえの不便さを感じるでしょうし、観光客の目的である自然や文化財の建物が破壊されると。地下水の影響は食品や生産する産業にも影響を与えていきます。大深度地下工事はどのような被害が起こるか不明であって、地価評価も下がっていっているというのが実態です。地域に住民が住めないようなまち壊しに通じるのではないかと思いますので、そういう点では北陸新幹線の延伸というのは一旦立ちどまって中止をしていくことが必要だと思います。
以上、私が述べたことなども、またいろいろと考慮していただきまして施策にも生かしていただけたら幸いかなと思っています。本当に1年間お世話になりました。ありがとうございました。