平成31年予算特別委員会当初予算審査小委員会 書面審査 建設交通部 – 2019年2月26日〜迫祐仁府議の質疑応答部分  ※北陸新幹線延伸・大深度地下の問題提起あります

○迫祐仁委員  建築基準法の問題でお聞きいたします。
 建築基準法が改正をされたということでしたけれども、なぜ改正がされたのかという点から教えてください。

○和田建築指導課長  建築基準法の改正ですけれども、大きく3本の柱に分かれております。建築物・市街地の安全確保、これは糸魚川等、また埼玉県等で大規模の倉庫の火災とかがございました。それを踏まえまして、維持保全の計画とか既存不適格の建物についての指導、助言といったものが新しく創設されております。
 また、既存建築のストックの活用という面では、これから行われますオリンピックとかラグビーのワールドカップとか、大きな国際的な事業に関しまして、そのストックの活用をしていくといった内容がございます。
 また、木造建築のニーズの対応といたしまして、国内産の木材をもっと使いやすいように整備していこうということで、耐火性能についての基準の見直しがされたところでございます。

○迫祐仁委員  その耐火基準の見直しとかがされたということですけれども、具体的にはどのようなことが見直されてきているんでしょうか。

○和田建築指導課長  今、委員が言われました木造建築物の具体的な見直しにつきましては、これまで耐火構造とすべき構造の対象の見直しといたしまして、これまで高さが13m、軒高が9mを超えたものについて対象になっていたんですけれども、それを高さが16mを超えたもの、また階数が4階以上になるものといった改正が行われております。
 以上でございます。

○迫祐仁委員  そのほかにも空き家を福祉施設とか商業施設に用途変更する際に、大規模な改修工事を不要にするという内容などもありました。戸建ての住宅等で延べ面積が200平米未満、かつ階数が3以下の場合を福祉施設とする場合には、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提にして、耐火の建築物等とすることを不要とするという内容、それから用途変更に伴って建築確認が必要となる基準を見直していくということで、不要の上限を100平米から200平米にも見直されております。
 そもそも建築基準法の建築確認とか防火の耐火規制というのは何を目的としているんでしょうか。

○和田建築指導課長  それは、火災等への延焼防止等が主な理由になっております。

○迫祐仁委員  実際はそういう中身で、人々の生命・身体の安全を確保することが根底にあると思います。それを事前にチェックすることが建築確認の仕組みだったと思っています。安全に関する規制という点が、今回改正される中身では緩められてきているんじゃないかなと思うんですね。そういう点で、不特定多数の人が利用する物販店舗とか飲食店・福祉施設・宿泊施設などについては3階建て以上の場合は耐火建築物とすることが義務づけられていますけれども、それを3階建てで200平米未満の戸建ての住宅、それをホテルとか旅館に転用する場合には、在館者が迅速に避難できる措置を講ずることを前提にということで、耐火建築物等とすることを不要としています。
 また、耐火構造を求めないかわりに、建築主の責任で警報装置を設置するということが技術的基準と定められたんですけれども、所有者任せだということで、安全性が担保できないのではないかなと思うんです。そういう点でこの体制そのものを規制して、府としてこれを厳しく、だめなんじゃないかということを国に言っていかないとあかんのじゃないかと思うんですけれども、それはどうなんでしょうか。

○和田建築指導課長  決して緩和というわけではなくて、今般の火災等を受けまして、延焼防止という意味で広がらないようにその空間を確保したり、そういった面での制度が設けられておりますので、緩和ということで危険になるという意味ではないと思っております。

○迫祐仁委員  私は言いましたように、避難できる措置を講ずるということも建築主任せというか、そういう形になっております。安全性の関係が担保できていないということで、これはだめだと指摘をしておきます。
 それと、次に災害対策についてです。府内における過去これまでの5年間の浸水被害総額全国3位と突出しているという問題、府の管理河川整備率が全国でもワースト6位だったということを日本共産党は指摘しまして、予算の増額とともに氾濫危険水位を超えた河川の整備計画を持つこと、また整備計画の前倒し、日常的な維持管理の実施等への予算の投入を求めてきておりました。
 そういうことで今回平成31年度当初予算案は、土木費も前年比で13%で783億円増えていると。昨年の豪雨や台風・地震などの災害復旧費69億円、そして防災・減災、安心・安全基盤整備に794億円計上されております。これらの事業拡大に見合う現場での執行体制の確保というのが緊急というか、至急に今求められていると思うんですけれども、地域での防災基盤の強化という点で、土木事務所の配置の見直しとか増員について、中丹とか丹後からも要望が出てきていると思うんです。この間の災害の検証結果を踏まえて、検討していくと知事も答弁をされているんですけれども、それでどのような対応を考えていらっしゃるかということを教えていただけますか。

○角田建設交通部副部長(監理課長事務取扱)  ただいまの御質問ですが、丹後土木事務所とか中丹東土木事務所、こういったところについては距離的な課題を考慮して、峰山あるいは舞鶴に駐在を設置して災害対応に当たっているところでございます。
 今般の災害を受けまして、現在災害の検証会議でも、こういった土木事務所の強化が必要ではないかといった議論が行われておりますので、現在これについて検討を進めているところでございます。
 あわせて、職員体制につきましても現在増員を図るべく、なかなか採用困難職種ではあるんですけれども、緊急募集なんかもさせていただきながら、体制強化を図ろうとしているところでございます。
 以上でございます。

○迫祐仁委員  峰山、舞鶴のところに駐在所を置くということであります。これは求められておりますので、至急に実施していってほしいし、またそこでの人員等、これをふやしていってほしいと思います。そういう点で、北陸新幹線の延伸とかリニアの新幹線誘致で大型プロジェクトの推進というか、そういう点でお金をどんどんつぎ込むということを見直していってほしいということは求めておきます。
 実際に今、働いている職員の関係でいきましても、土木事務所が再編されてから職員の関係では112名、技術職員で33名減っております。そういう中で道路パトロールも現業職の退職後、不補充という形で民間委託が進められております。そういう中で現場では通常業務、また災害対応に追われて、やむを得ず超勤になる職員の方もいらっしゃるということで、こういう実態を具体的に改善していくために職員の増員というのは求められておりますので、その辺ではしっかりと対応していってほしいし、また業務の見直し、職員の働く中身、これもしっかりと求められていると思いますので、この点は求めておきます。
 それで、北陸新幹線の関係ですけれども、推進費が600万円計上されていますけれども、この取り組みの内容はどのようなものでしょうか。

○八田交通政策課長  推進費につきましては、600万円を計上させていただいておりますけれども、今後環境アセス等が実施されるに当たりまして、環境アセスのルート等が出された場合に、それについての課題等について検討し、意見等を求めていくための調査費として計上させていただいているところでございます。

○迫祐仁委員  実際に今、事業主体である鉄道・運輸機構が行っています敦賀以西の駅の位置とかルートとか工法の決定の調査が進められております。京都府にはもう報告はされていると思うんですけれども、具体的な中身というのはどのようなものでしょうか。

○八田交通政策課長  環境アセスのルート等の内容のことかと思いますけれども、現在機構で調査が進められているんですけれども、先般の水道等の事故によりまして、現在工事が中断されております。したがいまして、具体的な協議等についてはまだ国から一切ございません。

○迫祐仁委員  それで、具体的にはいつぐらいからまた開始がされるということか。

○八田交通政策課長  今、機構から、3月の上旬から調査を再開したいと聞いているところでございまして、それに向けて地元調整等の準備にかかっていると聞いております。

○迫祐仁委員  この環境アセスの関係で懸念事項がありますよね。騒音とか環境面を考えていきますと、多くが地下トンネルになっていくのではないかということが予想されております。特に、府の中北部、特に丹波高原の国定公園の自然環境の中では、京都府のレッドデータブックの動植物がいるとか、またブナや芦生杉の原生林があると。高山植物なども自生をしているんですけれども、機構は国定公園内での工事説明会の中で、トンネル工事で川の生態系に影響がないとは全く思っていないと言っております。そういう中で自然・動物環境への影響を認識しているんですけれども、そういう場所で工事を進めさせていくのかということがあるんですけれども、その辺についてはどうでしょうか。

○八田交通政策課長  今後、具体的な環境アセスメントを進める中で、そのルート等がどういう影響を与えるかというのは、その都度調査をされると考えております。

○迫祐仁委員  その考えられている中で、特にそういうところで工事が始まっていきますと、大量の土砂をどこに、どの道を走って運ぶのかという問題とか、大型ダンプなど作業車両によって交通渋滞が起きると。南丹市の美山の重要伝統的建造物群保存地区のかやぶきの里なども、観光にも支障が生じると思うんですけれども、そういう点の機構への要望とか中身というのも考えていらっしゃるんでしょうか。

○八田交通政策課長  既に現在自然公園等、多様な生物環境とか原生林がございますので、そういうことに対してこのルートを決める段階から慎重な調査というものを求めているところでございます。そのルート決定に当たりましては、工事をするための仮設道路とか、工事時の公害、騒音等につきましても環境のアセスメント項目となってまいりますので、そういったことについてもされるはずでございますし、我々もきっちりするように求めているところでございます。

○迫祐仁委員  特に、大深度地下工事の関係で、どのような被害が起こるかもはかり知れないものがあるということは、この間委員会とかでも本会議でも質してまいりました。大深度地下を通る工事のシールド工法というのは全国で問題になっておりますが、この地下の建設費がどうなるのかということも大きな問題で、国土交通省が東京都内の大深度地下鉄で、検討した都心直結線だと1km当たりの建設費が360億円を超えているんですよね。これまで2兆1,000億円の建設費が想定されていますけれども、この間、福井県などを見ておりますと、ますます増大していくのではないかと思うんですけれども、この建設費の問題等についてはどうでしょうか。

○八田交通政策課長  今、御指摘がございましたけれども、大深度工法につきましては、おおむね地下鉄工事並み、もしくはそれよりかかるぐらい、都市部の下を抜いていきますので、同等の費用はかかるものと思っております。大体地下鉄で1km当たり300億円前後というのが一般的な金額となっておりますので、そういうところを短くすれば工事費も下がるであろうというのは思っておりますし、できる限りそういう経済的なルートということも含めて要望しているところでございます。

○迫祐仁委員  大変な金額になってくると思うんですよね。だから、2031年から工事がやられていくという話がありますけれども、北陸新幹線の延伸というのは実際に府民に負担だけが与えられることになっていくと思うんですね。そういう点も含めて考えていきますと、この延伸計画はやめていくということを、京都府がしっかりと言っていくということを求めておきます。
 以上です。