令和5年9月 閉会中 文化生活・教育常任委員会―2023年11月27日〜島田敬子府議の質疑応答部分

所管事項の調査

下記のテーマについて、理事者及び参考人から説明を聴取した後、質疑及び意見交換が行われた。
 ・性的マイノリティと人権について

◯田中健志委員長  まず、所管事項の調査についてでありますが、本日のテーマは、「性的マイノリティと人権について」であり、通知をお送りしました略歴のとおり、参考人として、NPO法人QWRC [https://qwrc.org/]理事の桂木祥子様に御出席いただいております。
 本日は、大変お忙しい中にもかかわらず、本委員会のために、快く参考人をお引き受けいただき、誠にありがとうございます。
 桂木様におかれましては、1999年に京都光華大学文学部を御卒業後、精神科のソーシャルワーカーとして10年間勤務されました。2003年には、LGBTなどの多様な性を生きる人々やその周辺にいる人々と、女性のためのリソースセンターであるQWRCのオープンに携わられました。現在では、同法人の理事として、御活躍されるとともに、大阪人間科学大学社会福祉学科の非常勤講師や堺市国民保護協議会委員など、大学講師や自治体の委員としても幅広く御活動されていると伺っております。
 本日は、そういった日頃の御活動を踏まえたお話をお聞かせいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず初めに、理事者からテーマに係る説明を聴取いたします。説明は、簡潔明瞭にお願いいたします。

◯浅野浩司 人権啓発推進室長  それでは、性的マイノリティと人権について、京都府の取組状況等を説明させていただきます。
 ただいま通知をお送りいたしました、資料「性的少数者に対する理解促進に向けた京都府の取組状況について」を御覧願います。
 「1 性的少数者をめぐる国の動向」といたしまして、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解が必ずしも十分でない現状に鑑み、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の役割等を明らかにするとともに、基本計画の策定その他の必要な事項を定めた「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が令和5年6月23日に施行されたところでございます。この法律では、地方公共団体の役割として、「基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策を策定し、及び実施するよう努める。」と定められております。
 次に、「2 京都府の取組」につきましては、平成17年1月に策定をいたしました、新京都府人権教育・啓発推進計画において、人権問題の1つに性同一性障害を取り上げ、以来、本府の人権教育・啓発の推進に関する基本方針を明らかにした計画の中で、性的少数者に関する人権問題を位置づけ、多様な性に対する府民の理解を深め、性的指向・性自認にかかわらずだれもが安心して暮らしていけるよう、教育・啓発を推進するとともに、性的少数者の当事者やその家族などが抱える様々な悩みへの相談体制の充実に取り組んでいるところでございます。
 主な取組といたしまして、教育・啓発の推進につきましては、平成29年10月に京都人権啓発推進会議を構成する12団体及び学識経験者で構成をする「性的指向と性自認の理解促進等に関する研究会」を設置し、性的少数者を取り巻く現状や可能な取組等について、当事者等から御報告を伺うなどの取組を実施してまいったところでございます。
 研究会の成果といたしましては、令和3年4月に発行いたしました啓発冊子「性の多様性と人権」を府や市町村の窓口等で配布をし、地域や職場、学校での理解促進に役立てていただいているところでございます。
 また、マスメディアやイベント等を通じた取組といたしまして、府民だよりや新聞、ラジオ、テレビなどを活用した広報、京都ヒューマンフェスタや人権フォーラムなどイベントにおける当事者や学識経験者による講演、府や市町村関係団体職員等を対象とした研修会の実施など、性的少数者に対する理解促進に向けて様々な取組を実施しております。
 次に、相談体制の充実につきましては、平成29年7月から実施をしております京都府「人権問題法律相談~京都府リーガルレスキュー隊~」において、性的少数者の当事者やその家族などからの人権問題に関する相談について、弁護士が司法的救済を中心にアドバイスをしているところでございます。
 京都府といたしましては、一人一人の尊厳と人権が尊重され、誰もが能力を発揮し、生涯現役で活躍することのできる共生社会の実現に向けまして、引き続き性的少数者に対する理解促進に取り組んでまいりたいと考えております。
 文化生活部からの説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

◯田中健志委員長  次に、参考人の御意見を拝聴いたしたいと思いますが、説明の準備が整うまで、しばらくお待ち願います。
 それでは、桂木様、よろしくお願いいたします。

◯桂木祥子 参考人  よろしくお願いいたします。今、紹介していただきました、NPO法人QWRC[https://qwrc.org/]の桂木と申します。
 今日は、「性的マイノリティと人権について」ということで、主にQWRCでは相談事業を実施していますので、相談から見えてきた性的マイノリティのお話をさせてもらえたらなと思っています。
 先ほどちょっと紹介していただいたんですけれども、私は、主に相談事業をずっとやっていまして、精神科に勤務していました。基本的にはソーシャルワーカーとして働いており、今現在も働いています。2003年にQWRCを開設しまして、そこからずっとQWRCを続けているということで20周年になりました。なかなかその性的マイノリティの団体でそんなに長く続いているところは、ほとんどないかなといった現状です。
 2022年の9月に、大阪のほうにLGBTの常設のセンターができましたので、そちらのほうで相談員をしているという形です。LGBTの常設センター自体が恐らく全国でも十数か所ぐらいしかないかなというふうに思います。
 QWRCなんですけれども、LGBTに関する研修をさせていただいたりとか、あとは相談事業で自治体さんの相談に協力していまして、11ヶ所ぐらい相談をお受けしております。
 あと、独自でLINE相談をしておりまして、若者が相談するとなると電話相談ってほとんどかけていらっしゃらなくて、電話相談だと大体50代、40代の方が多く、10代の人はもう1%ぐらいに今なっています。LINE相談ですと全然違う形で、もう65%ぐらいが10代、もしくは20代前半までで占めるという形になっています。ですので、うちの団体では、このLINEのSNS相談というのに力を入れています。
 あと、臨床心理士がいますので、カウンセリングを行ったり、あと福祉施設を持っていまして、障害者のケアマネみたいなものがあるんですけれども、そちらの事業を私のほうで実施しています。
 あと、居場所事業をしておりまして、居場所事業というのは、性的マイノリティにとって自分と似たような人たちと日常生活で会うということがほとんどありません。多分、人口比からいえば会っているんですけれども、お互いに言わないので分からないというところで、では、ほかの人たちがどういうふうに生きていっているのかなとか、自分が今後どういうふうに生きていけるのかなということがやっぱりイメージしにくいんですよね。こういった居場所事業で集うことで、ああ、そういう生き方もあるんやなとか、そういうふうにやっていったらうまくやっていけるかもしれへんな、みたいなヒントをもらったりとかして、この居場所事業というのがすごく重要になっているかなと思っています。
 特に相談から見えてくる性的マイノリティの困難なんですけれども、そのLGBTの常設センターをプライドセンター大阪と申しまして、2022年7月から今年の10月までで統計を取っています。そのLGBTのセンターに期待することとなると、安心できる居場所というのが76.0%になっています。これを見た時に、どれだけふだん安心して生活ができていないのかなというふうに思いました。LGBTに関する相談をしたいというのも50%ぐらい。あと、仕事に関する支援を受けたいというのも高い数字で出てきています。
 子どもや教育の中では、ちょっと字が小さいですが、御相談の中では、中学生で不登校やけれどもフリースクールも男女のグループに分かれていて行きにくいというお話があったり、あとは高校をLGBTとかジェンダーに配慮した学校に行きたいけれども、学校の先生に聞いても分からないからどこに相談したらいいのかが分からないという御相談があったりします。
 あと、私にとっては本当につらい話やなと思うんですが、学校入学時に、全生徒にそのトランスジェンダーであるということをカミングアウトしてくださいみたいなことを学校側から言われて、どうしたらいいだろうみたいに親御さんから御相談があるということもあります。
 あと、同性を好きになったけれども、やっぱり気持ち悪く思われるのではないかなというふうな御相談があったりとか、あとネットでトランスジェンダーの人がたたかれていて、怖くて死にたいというふうになったりとかして、それでSNS相談に相談してくるという方もいらっしゃいます。
 最近の特徴かなと思うのが、保護者の方からの相談がすごく増えています。子どもから自分がトランスジェンダーかもしれないと言われて、親子で来所されて相談するというケースがあったり、オンラインの相談も受けていますので、オンラインで親子で御相談されるということが本当にここ3年ぐらいで増えているなというふうに思います。それだけ親御さんにちょっと伝えやすくなったというのはあるのかもしれないんですけれども、親御さんのほうも、うちのセンターに一緒に来るぐらいなので、この子をどうにかしてやりたいなとか、力になってやりたいなと思う親御さんでないと来ないわけですけれども、そういった親御さんらが今、増えていっているかなというふうな印象です。
 ただ、保護者の人が反対に今度は孤立していくという問題があって、今後は保護者会みたいなものも必要なのではないかなというふうには思っています。
 そういった状況で、先ほど死にたいみたいな御相談もあるということでしたけれども、LGBTの若者の自殺念慮が高いというのはずっと前から言われております。全体と比べて、10代のLGBTQの方で、自殺を考えたことがあるよという人が、まあ、3.8倍ぐらい高いと言われていたりしていて、本当に過酷な状況にあるけれども、ふだんからこの自分のセクシュアリティについて話せる場所がないという数字が高くなっています。
 周りの中でLGBTQでないことを前提とした発言があるだけで、ここを自分の居場所ではないなとか、自分が生きていていいんかなという思いになったりして、なかなかこの自殺率の高さにつながっているのかなと思います。
 あと、保育や教育の部分でも、子どもの親が同性パートナーである場合があって、私もバイセクシャルで子どもがいて、この間、9歳になったところなんですけれども、私の友人などは同性パートナーで子育てをしている人たちもいます。そのことを保育園とか学校に伝えるか、伝えないかというのもすごく当事者の葛藤になっています。保育園だとお迎えに行くのに誰ですかとなるので、言うべきなのか、同居人ですということにしておくべきなのかみたいなこととか、では、そう伝えた子どもへの影響はどうなのかとか、すごく考えて生活しています。
 子ども自身も、楽しい出来事もほかの人に言えないという状況になっていまして、私、今はシングルマザーなので、結構、子どもをこのLGBTのイベントに連れて行ったりするんですけれども、めっちゃ楽しいとなるんですけれども、では、それを学校のほかの友達に言っていいかどうかをすごく取捨選択しているという形で、楽しいけれども、これは言っていいのかどうか、どうなんだろうという葛藤を子どもも抱えているかなと思います。
 仕事に関する悩みは、本当、昔からたくさん相談のあるところです。特に地方での就職の悩みとして、LGBTフレンドリーな会社がどこか分からないとか、大きい企業しかLGBTフレンドリー宣言しているかどうかが分からないとか、やはり就職内定とか決まった時にカミングアウトするように言われるという問題もあります。
 例えば、生まれが男性と決められた人で、そこから性別を自分が望む性別の女性に移行していく性別移行を開始していく時に、職場で無視されたり、仕事を与えられないといったことなども御相談の中にはあります。
 人がアウティングしているのを側で聞いていて、今度は自分がアウティングされるんではないかという心配を持つということもあります。
 何かできるだけたくさん伝えようと思って、ちょっと困りごとを多く書いてしまっているのですが、続けていきます。
 企業さん側からの御相談もQWRCのほうにありまして、反対に従業員が相談しやすい体制づくりをしたいということで、社内ではなくて社外の相談機関をつくりたいということで、QWRCにLGBTの相談窓口をしてくれないかというお話もいただいたりします。
 あと、企業さんのほうでは、やっぱり国が保障していない部分を企業内でどこまで保障するのかということが結構大変になっていまして、パートナーの介護休暇とか育児休業とかも特に法律的に同性パートナーに与えられるものではないので、そのお金の部分とかを会社で補填するのかどうかとかいうことがすごく課題にはなっています。
 あと、LGBTQの当事者だけでなく、やはり周りの方からの御相談が上がってきていまして、同僚からの相談とか上司からの、人事の人の相談ということもよくあります。
 アウティングの話なんですけれども、多分、今日見ていただいている皆さんも、アウティングというのは聞いたことがあるかと思うんですけれども、本人の承諾なく、本人が公表していない性的指向や性自認を第三者に公表することをアウティングと言います。この御相談も多くて、うちの団体ではないですけれども、そのアウティングされたことでやっぱりメンタルヘルスを害されて休業されたりとか、あと労災になっているケースもあったりとか、自分がふだん言っていない性的嗜好や性自認を他者に勝手に知られるということの恐怖や、しんどさというか、本当に恐怖かなと思うんですけれども、そういったことの理解がなかなかまだまだ進んでいないかなと思います。結構よかれと思って言っといたよみたいな感じになるんですけれども、ふだんそのように言っていないことを他者に言われることで、なかなか会社の中でもしんどくなっているケースもあります。
 あと結婚、同性婚が今、日本では認められていませんので、本当に様々な場面で不利益があると思います。その1つとして、この医療や福祉に関することなんですけれども、医療場面で誰がこのキーパーソンになるかとか、別に法律で定められているわけではないのですが、多くの病院では自分のところの規程で決めています。御相談の中で上がってくるのが、同性パートナーが緊急入院したけれども、親や兄弟をキーパーソンにしたので、自分には病状が知らされないし、会えないという形で、そのまま会えないままパートナーが亡くなるという事態もあります。こういった状況を変えていきたいなというふうに思っています。
 あと、同じように施設入所の時も、なかなか自分が同性パートナーであるということが伝えられなくて、同性パートナーやというのを言っても安心できる支援者が欲しい、探したいというふうな御相談とかも結構あります。
 あとは、パートナーと一緒に子育てしたいとか、同性パートナーで子どもを授かりたいとか、ゲイの人で子どもを授かりたい、育てたいという御相談もあったりします。
 ただ、医療側としては、まだまだ性的指向や性自認の人のマイノリティに不慣れでして、やっぱり知識不足があるんではないかなというふうには言われています。
 トランスジェンダーの人たちが病気やけがをした時とかに、医療機関の受診をためらったことがあるかどうかのデータがあるんですけれども、ためらったことがあるというのが49.6%もあるんですね。私の友人なんかも、やっぱり多少体調が悪くても病院には行かずに、本当に悪くなってから病院に行くというケースが結構あります。トランスジェンダーの方は、もちろん自分の体を他人に見られるのも嫌というのもあるんですけれども、周りからどのように扱われるか分からない不安というのも高くて、なかなか病院に受診できないということになっています。
 この健康の社会的決定要因というものがあるんですけれども、LGBTにとって医療というのもなかなか使いにくい状況になっています。この健康の社会的決定要因というのは、その健康とか寿命が別に遺伝子だけで決まっているわけではなくて、お金がある、ないとか、家族の状況とか、人とのネットワークとか、そういったことで健康状態というのが決まっていきますよねという考え方です。
 その特定の集団に対する負のイメージをスティグマというんですけれども、例えばLGBTはどういう人か分からへんし嫌やなみたいな、キモいなみたいな話がスティグマやったとして、それがあるとやっぱり自尊心が低下する。自尊心が低下すると、社会資源が活用困難になります。社会資源というのは、例えば病院だったり市役所だったりスーパーだったり、いろいろあると思うんですけれども、社会資源が活用困難になって、そうするとやっぱり孤立していきます。その孤立の後にも実は矢印があるんですけれども、書いていないんですけれども、この孤立の下、何やと思われますか。
 孤立の下は死ぬということなんですね。なので、この連鎖をどこかで止めないといけないなと思っています。ですので、こういった機会をいただけることはすごくありがたいなと、まず知ってもらうことかなと思っています。社会資源がもうちょっとその性的指向や性自認のマイノリティにとって使いやすいものになっていけばよいなというふうに思っています。
 ちょっと時間が多分押しているのでちょっとずつ飛ばしていきます。すみません。
 同性カップルの取扱い、病院の続きですけれども、同性カップルも多くの病院で家族としては扱われていないという現状があります。現場の裁量によっているというところで、先ほど申しましたように、同性パートナーが入院して、そのまま自分には知らされずに亡くなってしまうということもあって、これもぜひ変えていかないといけないなと思っています。自治体などでパートナーシップ制度を敷いているところですと、自分のところの市立とか府立の病院に対して、同性パートナーの取扱いをどうしていますかというのを聞いていて、西宮市さんなんかは病院の対応についてというところで、ホームページで公開をしていたりします。本当だったら、自分の身近な病院でそういった情報があればいいんですけれども、ないよりかはやっぱりこのように掲示というか、見られる状態に、分かる状態にしていただけたらなというふうには思います。
 これは最後から2番目のスライドですけれども、もう御存じのことかとは思いますけれども、トランスジェンダーの話をしている時に、日本では、女性から男性とか、男性から女性とか戸籍が変えられるので、では、法律上の性別を変えたらいいのではないかと言われたりするんですけれども、この戸籍上の性別を変えるのはすごく大変なんです。専門医が2人以上、性同一性障害であるということを診断していることというのが、まずあるのですが、その専門医自体が日本にはほとんどいなくて、京都では多分、他府県のほうにまず診察に行っているかと思います。その後、5つの条件を満たさないといけないのですが、4番目の生殖腺がないことというのは、要は子どもが生まれない状態にすることということですが、これについては先月ですかね、10月の裁判でこれは違憲ではないかなということで判決が出たところです。5番については、自分が望む身体の性器に似たものを備えていることとなっているのですが、この条件は今、そのまま残っています。
 ただ、4番も5番も手術してお金がかかることでして、要はお金がない人は希望しても自分の性別を変えられないという状況になっていますし、体の御病気があって手術できない人ももちろんいるわけで、そんな方は望んでも戸籍上の性別を今、変えられないというふうになっているという現状があります。
 なので、なかなか戸籍の性別だけで一律にいろんなことを決めるというのが現実には、実際には即していないかなというふうには思っていますので、いろんなところで研修させてもらっているんですけれども、戸籍で一律に分けるというよりも、その人その人に応じて対応してほしいなということをいつもお伝えしています。
 というような、性的指向や性自認のマイノリティ、性的マイノリティ、結構過酷な状況に今あります。誰も取り残さない社会というところで、その性的マイノリティについてもぜひ入れてほしいなと思っています。
 以上です。ありがとうございます。

 

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◯島田敬子委員  今日はありがとうございます。
 相談から見た性的マイノリティの現状ということで御報告があって、その中でセンターは全国に十数か所あると、ほとんどが民間団体なのかどうか、自治体が設置している場所はあるのかということと、あと自治体11ヶ所に協力をされていると。どんな協力なのか、ちょっと教えてください。

◯桂木祥子 参考人  LGBTセンターが全国で十数か所とお伝えしたんですけれども、正確に言うと、ほとんどはLGBTセンターというよりHIV関係のセンターになります。多分、一時期、予算が結構ついていた時期があったかと思いますので、その時にできたそのHIVの啓発センターがほとんどですね。
 それを除いたLGBTセンターとなると、ちょっと全部の統計は取っていないんですけれども、本当に多分3つぐらいしかないかと。LGBTセンターの全国連絡会みたいなものもあるんですが、連絡会みたいなものを開いていまして、多分そこに参加していらっしゃるところで、センターを常設で持っているとなると、4つとか3つぐらいしかないかなというふうには思います。ほとんどのところは、その常設で何かセンターや場所を持っているということではなくて、どこかを借りてやっているとか、事務所はなくて家でやっているとか、そういったところのほうが今は多いというのが現状です。
 LGBTセンターは全て民間ですね。自治体のどこかがやっているということはありません。東京と大阪、群馬と姫路のほうに、私が知る限りでは4つぐらいですかね。
 あと、福岡にもあるんですが、福岡はちょっと常設だったか、ごめんなさい、今、記憶が曖昧です。
 QWRCが協力している自治体の11ヶ所という中身ですけれども、相談事業の協力をしています。電話相談とそのオンラインや対面の相談ということで協力しております。

◯島田敬子委員  皆さんの取組に学んで、行政も自治体、国も全国展開に向けて努力が必要だなというふうに思います。
 それで、LINE相談の中で、10代、20代が65%ということで、子ども、若者の居場所づくりが緊急に急がれるかなとも思うんですけれどもその辺りと、あと教育委員会には学校の中での理解促進の取組が重要であるという点から、今の取組を少し教えてください。

◯桂木祥子 参考人  子どもの居場所づくりが今、ぜひ必要かなと思っています。親御さんが協力的だと一緒に連れてきていただけたりもするんですが、本当に地方のほうで親御さんの理解がまだ難しいとかですと、では、子どもが1人でどこかに移動できるかと言ったら決してそうではないと思うんです。車がないと移動できないという形になったりしますので、それこそLINE相談とか、最近は多分、こども庁のほうですかね、バーチャルなんかもほかの居場所事業でやっておられるかなと思うんですが、そういった取組というか、子どもに届くことをしないといけないなというふうには思っています。

◯相馬直子 指導部長  学校における取組といたしましては、基本的には人権教育全般の中での取扱いということで、研修会ですとか授業で理解を深めるということは当然かと思っております。
 それ以外に、やはり生徒たちが相談できる状況というのも大切ですので、まずは中学校であったり高校の場合は、入学する前に性自認のことに限らず何か学校としてやってほしいことがありますかとか、そういう全般的な聞き方にはなるんですけれども、何か配慮してほしいことがありますか、その場合はここに相談してくださいねというような保健部を中心にした窓口を御案内させていただいて、やはり先ほど参考人がおっしゃったように、それぞれの子どもによって言いたいこと、言いたくないこと、あるいはしてほしいこと、してほしくないことというのがありますので、幅広く聞く中で段階を追ってその子がしてほしいと思うことを、学校としては子どもと話合いながら対応しているというのが現状でございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  学校でも先生方がそういう理解を深めるための研修などもして対応できるレベルも上げていかなかきゃいけないかなと思っています。
 最後に、法律が整えられていないために不利益が多数あるということですが、自治体でパートナーシップ条例をつくって、それでいろいろな独自の対策をやり始めているところもあるんですね。そもそも国のところで改善しなければいけない問題でありますが、今、自治体ができること。京都府内にも何か所ですかね、パートナーシップ条例を整えてネットワークをつくって取組も進めていますが、自治体が今できることで何かあれば参考にお願いします。

◯桂木祥子 参考人  自治体ができることはすごくたくさんあるのではないかなと思っています。
 まず、パートナーシップについても国を待っていると、いつなのか、まだちょっとよく分からないなところで、日々日々、本当にパートナーが高齢で、次、あと何年かなみたいなこととかもありますので、国を待つというよりも今、自治体さんでパートナーシップがもしできるのであればつくっていただいて、病院への啓発とか公営住宅、個々にとおっしゃっていましたけれども、公営住宅のこととか本当に自治体さんのサービスの中に同性パートナーの視点を入れるということができていったらいいなというふうに思っています。
 その法的な部分でカバーできない部分も、多分、今までの分野の中、LGBTでなくてもほかの分野の中でその法制度が整備されていない中で、多分自治体さん独自でカバーしようとされていたこともあったかと思うんですけれども、それと同じようにカバーしていってくださったらなというふうに思っています。