令和5年6月定例会 文化生活・教育常任委員会及び予算特別委員会文化生活・教育分科会1日目―2023年6月28日〜島田敬子府議の質疑応答部分

報告事項

下記の事項について報告が行われた。
 ・令和4年度魅力ある府立高校づくり懇話会の主な意見まとめについて

◯大路達夫 教育次長  教育委員会から1件、御報告いたします。ただいま通知をお送りしました資料の次のページ、1ページになります。こちらを御覧ください。令和4年度魅力ある府立高校づくり懇話会の主な意見まとめについてでございます。
 まず、魅力ある府立高校づくり懇話会につきましては、昨年3月に策定しました「府立高校の在り方ビジョン」に基づき、社会の変化等に対応した高校教育を推進する望ましい府立高校の在り方について、外部有識者から広く意見を求めるために設置したものであり、昨年11月から計6回の会議を開催したところでございます。
 また、本懇話会では、「(3)開催経過の主な内容」にお示ししているとおり、多様な生徒のニーズに対応する各家庭における役割や、望ましい教育環境についてなどといった個別の論点ごとに多岐にわたる御意見をいただき、次の次のページ以降、3ページから11ページになりますけれども、こちらに整理してお示しております。
 主な意見を御紹介申し上げますと、まず1つには、5ページ辺りになるんですが、多くの子どもたちが入学する全日制普通科におきましては、さらなる特色化の推進やその内容を分かりやすく発信していくことが必要となること、2つには、8ページから9ページ辺りなんですが、地域に果たすべき社会的役割を踏まえた学校づくりや教育の質を確保するためには、一定の規模が必要であること、そして9から10ページにかけまして、北部と南部とでは子どもたちを取り巻く環境が大きく異なることを踏まえる必要があることなどといった観点から御意見等をいただきました。
 ただいま通知をお送りしました資料を御覧願います。最後に、こちらの2の今後の予定ですが、本懇話会での御意見等を踏まえまして、9月議会をめどに、今後の魅力ある府立高校づくりに関する基本計画の中間案を、本委員会に御報告させていただきたいと考えております。その後、中間案につきまして、パブリックコメントや説明会を通してお示しをし、府民の皆様からの御意見をしっかりと伺いながら、今年度中に基本計画を策定してまいりたいと考えております。
 教育委員会からの報告は以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

◯島田敬子委員  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 報告がありました魅力ある府立高校づくり懇話会の件についてでございます。お話がありましたように、令和4年3月に策定した府立高校在り方ビジョンに基づいて、今後の在り方について外部有識者から意見を聞いた懇話会ということであります。
 基本的な考え方について、地域の実情を踏まえる、あるいは公教育の場として教育の機会の保障、選択肢の多様性の確保を第一義的に考えて、幅広く多様な生徒を受け入れ、全ての子どもたちが夢や希望を持って未来に向かっていきたい、生き生きと学んでいける高校をつくると、こういうことを目指すことも位置づけられております。
 改めて、私も所管の委員会も変わりまして、このビジョンを策定するに当たって、高校1年生を対象にしたアンケートが行われ、そこには大変重要な意見があり、またパブリックコメントも55団体164意見の提出があって、この中にも非常に重要な意見があって、これらを含めてビジョンには盛り込まれたということは承知しているんです。
 しかし、このビジョンに照らして懇話会の主な意見の取りまとめが今、簡単に御報告があったけれども、どう反映していくのかなと、その辺が少し疑問でありまして、特にパブリックコメントの意見では、非常に重要な意見があって、入学者数の減少によって、必要以上に学校が再編成されないか心配、あるいは普通科を選んだ生徒が多くて、近くて通いやすいことを選択の理由に上げている、高校生のアンケートのことなんかを紹介しまして、高校を多様化するよりも1つの高校に多様な生徒を受け入れられることのほうが重要ではないかとか、あるいは地域と密接に結びついた学校のほうがよいと、本当にそういう意見があるわけであります。改めて基本的な考え方をもう少しお示しをいただくことと、今回、懇話会の意見を取りまとめた後、9月には中間案ということですが、改めて高校生の声を聴く場というのはないのか、先ほどパブリックコメントと説明を行うということでしたけれども、その点についてお聞かせいただきたいと思います。

◯橋長正樹 高校改革推進室長  失礼いたします。令和3年3月に策定しました第2期教育振興プランに基づきまして、昨年度、このビジョンを作成してまいりました。今後、このパブリックコメント、それから高校生アンケート等でいただいた御意見も参考にしながらプランを作成していくところでございます。
 高校生の意見につきましては、1年生のアンケートを昨年度、一昨年度、そして今年度も9月からまた実施する予定にしておりますので、そちらのほうを参考にさせていただこうと考えております。
 以上でございます。

◯相馬直子 指導部長  少し補足をさせていただきます。先ほど委員からございましたように、今回、懇話会でいただきました意見につきましては、すみません、先ほどビジョンのパブコメの御紹介をいただきましたが、そのパブリックコメントにつきましては、この府立高校の在り方ビジョンを作成するに当たっていただいたパブリックコメントでございまして、それに基づいてこのビジョンのほうを既に作成をさせていただいたというのが、まず第1段階でございます。
 そのうち、このビジョンに示しております第2部の第3章、「教育制度改革」につきまして、改めて懇話会を設け、昨年度開催をさせていただいたという流れになりますので、パブリックコメントの御意見につきましては、ビジョン作成の際に反映をさせていただいているということでございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  高校のアンケートもまた9月に行われるということで、とても重要だというふうに思います。
 当事者の声が反映される計画になるようにお願いしたいんですが、その府立高校の果たすべき役割を踏まえて、専らやっぱり生徒数の減少、学校の小規模化が進む中で、各地域における望ましい学校配置数、学校規模の在り方、生徒の学習ニーズや志願動向等を踏まえて見直していくということになっているので、非常にこれ、心配しているんです。
 懇話会の御意見の中に、適切な規模ですか、6クラスから8クラスと。でも、既に府の南部では、平均4クラスの学校もあるというようなことなので、この規模感、ただただ規模を大きくすればいいということではないと思うので、先ほど地域の事情等も言われましたけれども、その辺りをもう少し、全国平均でこれ大体6クラス規模が全国平均ですよね。京都府の考え方としてはどういうことになっているのかをお聞かせください。

◯橋長正樹 高校改革推進室長  規模感についてですけれども、全日制普通科に関しては、6クラスから8クラス規模というのを理想としております。
 ただ、地域によりましては、委員から今、御紹介があったとおり、それよりもかなり少ない数のクラス数の学校がありますので、その辺りも考えながら、生徒たちの活動の充実というふうなところも視野に入れながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  ビジョンのパブコメにもありますけれども、地域と密接に結びついた公立高校にすることで、小中学校との連携、地域の特別支援学校や福祉施設との連携もしやすくなって、不登校傾向のある生徒や特別な支援の必要な生徒、ヤングケアラーなどの課題についても連携がしやすい、地域を基礎にしたほうが対応しやすいとか、府立高校の30人学級を府立高校の強みにできないかと、学校規模は6学級程度が生徒理解も進み、丁寧に指導ができると思うが、子育て環境日本一を目指す京都府では、公立高校では世界基準の30人程度学級を実施して、主体的で対話的な授業を展開してほしいなどという声もあって、非常に貴重だなと思っております。
 6月の定例教育委員会では、この問題に関わっての議論が行われまして、複数の委員から人口減少をチャンスと捉えて高校でも少人数の手厚い教育がよいのではないか、保護者の中には教育移住の考え方もあり、これが過疎対策にもなる、安易な統廃合は駄目、私学でできないことを進めてほしい旨の発言があったともお聞きをしておりますが、これも非常に重要な意見であるなと感じました。これはまだ会議録に載っていませんでしたので、どんな議論であったか、また、この教育委員さんの意見をどのように受け止めておられますか、お聞かせください。

◯橋長正樹 高校改革推進室長  何よりも、まず高等学校におけます教育内容の充実というところで、魅力化を図っていきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

◯相馬直子 指導部長  前回の教育委員会で、この懇話会での意見を紹介させていただきました。その際、委員御紹介のような意見をいただいたところでございますし、今回、お配りしております資料の9ページにも、それぞれ懇話会の委員の皆様からも、望ましい規模についてはそれぞれの地域の特性を考慮しながら議論していく必要があるということ、あるいは南部地域のように学校が多い地域については、一定の規模をしっかりと担保する必要があるのではないかというような様々な御意見をいただいております。この御意見を受けまして、教育委員の皆様からも先ほど御紹介のような意見があったというふうに認識しております。こうした教育委員会への御議論や懇話会での御意見をしっかりと踏まえて、今後、基本計画を策定していきたいと思っております。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  府立高校の魅力を高めるための視点でも、高校生自身がやっぱり主に普通科に在籍する生徒を中心に、多くの生徒が近くて通いやすいこと、これを理由に府立高校を選択していることも明らかであって、在籍している地域の高校の魅力であり地域の魅力であり、そういうことで日々の教育活動に生かされていくという、高校生もよく考えているなと思いますので、ぜひこうした意見もしっかり踏まえて、計画策定に当たっていただきたいと思います。お隣の大阪では、高校の統廃合がどんどん進められてきて、来年度も府立3校を募集停止する計画で、2014年度以降、9年間で募集停止の高校が府立と大阪市立と合わせて17校になって、全国一マンモス校が多いところになっているそうですが、3年連続定員割れした高校を統廃合の対象にする規定を12年に府立学校の条例に盛り込んで、そして定員割れした高校についてどんどん潰していくと。こういうことが行われれば、多くの子ともたちがその地域で学ぶ道を閉ざされることになるというふうに考えておりますので、こういう身を切る改革は御免だなと私は思っております。
 意見を述べて終わりたいと思います。

 



 

付託議案及び審査依頼議案(質疑終結まで)

下記の議案について審査(質疑終結まで)が行われた。
 ・第1号議案「令和5年度京都府一般会計補正予算(第2号)中、所管事項」
 ・第8号議案「京都府立高等学校等設置条例一部改正の件」

◯益田結花 文化生活部長  よろしくお願いいたします。では、本分科会に審査依頼をされました議案のうち、文化生活部所管の議案につきまして説明をいたします。
 ただいま通知をお送りいたしました資料をお願いいたします。文化生活部関係の議案といたしまして、第1号議案「令和5年度京都府一般会計補正予算(第2号)」中、所管分の1件でございます。
 資料の下にページ番号を振ってございまして、ページ番号の2ページ目をお願いいたします。令和5年度6月補正予算案主要事項説明でございます。
 まずは、医療機関・社会福祉施設等経営改善支援事業費のうち、文化生活部関連分2,200万円でございます。物価高騰の影響が長期化する中、私立幼稚園や公衆浴場が持続的な経営を行えるよう、経営改善等の取組を支援するものでございます。
 次のページ、3ページをお願いいたします。次に、子どもの給食臨時支援事業費のうち、文化生活部関連の1,800万円でございます。
 物価高騰下においても子どもたちの健やかな成長を守るため、私立幼稚園等の給食に係る保護者負担の軽減策を臨時的に実施するものでございます。
 以上が審査依頼議案の概要でございます。御審議賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

◯仲井宣夫 管理部長  それでは、本委員会に付託されております議案のうち、教育委員会分について御説明申し上げます。
 ただいま通知を送りました資料を御覧願います。第8号議案「京都府立高等学校等設置条例の一部を改正する件」についてでございます。
 1枚めくっていただきまして次のページを御覧ください。府立向日が丘支援学校につきましては、教育と福祉の総合的な連携による切れ目のない支援や教育環境の実現に向けて、校舎等を全面改築することとしております。改築工事中の移転先といたしまして、旧済生会病院を借用することとしており、この夏季休業期間中に移転をするため、今年の2学期から改築工事が完了する令和9年度までの間、同校の所在地を変更するため、所要の改正を行うものでございます。
 以上が教育委員会関係の付託議案でございます。
 続きまして、本分科会に審査依頼のありました議案のうち、教育委員会分について御説明を申し上げます。
 ただいま通知をお送りしました資料の次のページ、2ページ目を御覧をお願いいたします。第1号議案「令和5年度京都府一般会計補正予算(第2号)」でございますが、資料にございますとおり、子どもの給食臨時支援事業費及び子どもの読書活動応援事業費の2件、2億1,000万円を計上しております。
 次のページ下部に「資料1」と書かれました資料を御覧ください。
 まず、先ほど文化生活部からも御説明がありました子どもの給食臨時支援事業費について、予算額2億3,000万円のうち、教育委員会所管分として1億5,000万円を計上しております。物価高騰下におきましても子どもたちの健やかな成長を守るため、公立の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の給食の食材費に係る保護者の負担軽減策を臨時的に実施するものでございます。
 次のページ、資料2のほうを御覧ください。子どもの読書活動応援事業費6,000万円でございます。物価高等下においても子どもたちの学習を支え、子どもたちの探求心を満たす豊かな学びの環境を実現するため、各自のタブレット端末等で閲覧可能な電子書籍サービスの活用により、府内全ての小中高校生の読書活動を応援してまいります。
 今回の補正予算では、昨年4月に開始をいたしました府立図書館の電子書籍サービスのコンテンツを充実させることにより、子どもたちの幅広いニーズに応えていきたいというふうに考えております。
 以上が教育委員会関係の審査依頼議案の概要でございます。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

 

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◯島田敬子委員  8号議案「京都府立学校設置条例一部改正の件」についてですが、向日が丘支援学校の仮校舎、旧済生会病院へ一時的に移転することに関する条例改正だと思います。仮校舎とはいえ、令和9年度まで長期にわたって重度の障害がある子も含めて、子どもたちが学ぶ場であり、安全・安心の教育環境を備えておく必要があるというふうに思っております。
 改修費、当初予算で3億140万円程度ですかね。学校の要望を受けてプラス1億5,000万円の増額予定となるそうだと伺いました。学校の要望を踏まえた追加の工事、改修とはどういうことをやられたのか、ちょっとこの際、お聞かせください。

◯壺井康之 管理課長  向日が丘支援学校の仮校舎として使用する旧済生会病院の改修工事についてでございます。
 委員御指摘のとおり、工事を発注して工事に取りかかった後、やはり変更であったり追加の工事が発生しております。内容としましては、委員から指摘のありました学校の御要望にお応えする工事、例えば2階の屋上を活用したいので転落防止の措置をしてほしいであったり、西側の駐車場をスクールバスの乗降場所にしたいので、それに伴う工事であったり、さらにはもともとなかった洗濯機置場を増設したりと、そのようなものが細かなことも言えばたくさんございます。
 その学校の要望にお応えしたというのと、もともと病院だったものを校舎、学校として使用するということで、当初はその病院のものをそのまま使おうとしていた設備機器類がやはり故障していたとか、このままでは使えないというものがたくさんございました。それらをやはり法令に則った形で適正に学校として使っていくためには改修が必要となり、その辺りも踏まえまして1億円を超えるような変更がある見込みでございます。
 まだ変更契約は締結しておりませんので、まだ精査している状況ではございますが、現在としてはそのような状況でございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  安全な教育環境をつくるために御努力をいただいていることは分かりましたが、仮校舎にはプールがないということで、障害のある子が使う体をほぐすような温水プールとか、そういうプールも探すというのは御答弁でございました。グラウンドと体育館については確保できたようでありますが、この後の方向性といいますか、取組と、それから仮校舎は6階建て地下1階で、避難路について、6階から2階までの避難のためのらせん階段に狭く急なスロープがついていて、そのスロープも2階までになっていて、2階から1階にはエレベーター以外では階段でしか降りられない構造、先ほどの屋根の転落防止柵がついたのはいいと思うんですが、その2階から1階に降りる階段にスロープをつけてはどうかなどの提案を我が党の委員も指摘、要望もしてきたところであります。この点についてはどのように取り組まれたのか、お聞かせください。

◯壺井康之 管理課長  まず、仮校舎の旧済生会病院の避難の考え方についてでございます。もともとが病院ですので耐火性能が高く、またバリアフリーにも配慮された建物となっております。万が一ですが、火災が発生した場合においては、防火区画等で火災エリアを最小限に食い止めて、階段に避難する前に安全な部分に水平に避難することが可能ではないかというふうに考えております。
 また、委員御指摘のあった、らせん階段ですが、これはもともと病院のほうで設置されたものでありまして、確かに特別支援学校の児童生徒、様々な生徒が通っておりますので、全ての生徒が使えるかと言いますと、それは難しいかもわかりませんが、十分に使える生徒もたくさんおられるものというふうに認識しております。
 それと、中央階段のスロープですが、これは1階から2階につながる中央部分の階段のスロープのことだというふうに思いますが、こちらは、学校のほうにもこの階段を滑り台のようにスロープ的に使ってはどうかという意見が出されましたというふうなことをお伺いしましたところ、ちょっとやはり急過ぎるのではないかと、スロープとして使うのは、かえって危険ではないかというふうな意見がございましたので、今はそのまま階段として使う予定としております。
 避難の考え方については以上でございます。

◯浅野徹 特別支援教育課長  プールの確保につきましてですけれども、今年度は引っ越し等のこともありまして、教育活動の中に大きなプールを使ってという行事を取り組むことなく予定をしております。
 ただし、小学部のお子さんだとか、あるいは重度の障害のお子さんにつきましては、簡易のプールを使ったりとか近くの池とかで水に親しむというような取組をする中で、そういった活動に取り組む予定をしておりまして、プールにつきましては引き続き、来年度使えるように近隣の施設を調整しながら、探しているというところでございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  避難路の関係ですが、重度の障害の子は1階部分ですか。でも、生活訓練室等が5、6階にあって、そしたらその子たちも移動しなきゃいけないわけで、これはスロープは危険、急だという認識も示されましたけれども、やはりこれ、全ての子どもたちを安全に移動しなきゃいけない、その万全の体制をつくる必要があるというふうに思っております。財政上の問題があるんでしょうけれども、必要な要望については現場の声を踏まえて、この避難経路についてもしっかり確保できるように改善を求めておきたいというふうに思っております。
 以上です。