令和3年9月定例会 魅力ある地域づくりに関する特別委員会―2021年10月4日〜島田敬子府議の質疑応答部分

所管事項の調査

下記のテーマについて、理事者から説明を聴取した後、質疑及び意見交換が行われた。
 ・DMOによるまちづくり支援について

◯岡本政策企画部企画調整理事兼副部長  失礼いたします。それでは、私のほうから魅力ある地域づくりに関する特別委員会ということで、DMO[※Destination Management/Marketing Organization:“観光地域づくり法人” 特定地域の食や自然、歴史、文化、風習といった観光資源に精通し、観光地のPRや商品開発、マーケティング等の活動を通じて観光地の魅力を高め、地域経済を活性化するための施策を実施する法人のこと、従来の行動原理が事業者視点である観光協会とはDMOが顧客視点という点で異なる]によるまちづくり支援について、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。本来ならば、参考人さんをお呼びして専門的な知見を踏まえてやるべき事柄なのですけれども、ちょっとコロナの関係もございまして、事務局からの説明になります。事務局の中で今までやってきました経験も踏まえまして、御説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、座って説明のほうをさせていただきます。
 まずは、DMOによるまちづくりの支援についてということなんですけれども、「もうひとつの京都」構想というのを進めてまいりました。それの進展とそれに合わせたDMOによる取組、さらに昨今のDMOをまちづくり支援法人に進化させてきておりますので、その流れの中で進めていきたいというふうに思っております。
 まず、「もうひとつの京都」についてでございます。「もうひとつの京都」というのは、言うまでもなく、京都というのは圧倒的に京都市内を含めた京都の観光というのが世界的に有名でございまして、そこに来ていただく人をいかにこの府域に循環させていくというのが大きな課題でございまして、その中で「もうひとつの京都」構想というのが出てきたわけでございまして、京都府全体への観光誘客のために、それを活用した、地域のブランディングと情報発信を推進していくという取組でございまして、やはりその中でその地域の特徴に応じまして「海の京都」、「森の京都」、「お茶の京都」、「竹の里・乙訓」というような形で設定してきたわけでございます。
 「もうひとつの京都」の基本的な考え方としましては、先ほど言いました統一テーマの下、やはり地域の方々がその地域に誇りを持っていただく。やはり誇りを持っていただかないと、いろんな面での活動に取り組んでいただけないということもございます。それと、やはり持続的な取組をしていこうと思いますと、どうしても地域主導の活動は必要であろうというので、地域主導の持続的な活動、地域づくり。それから、昨今、もう交流人口、関係人口って皆さんよくお聞きになっていると思いますけれども、交流人口拡大による雇用の創出、また若者をはじめとする人口定着というような流れになっておりまして、行動原則につきましては、こういうような流れの中でやってきております。
 その中で、行政として、このような頑張る地域、人を徹底的に応援していこう、また観光産業振興、インフラ整備などの施策を総合的に展開していこうという話になっております。
 少し戻ります。最初、この取組を始めたところでございます。一番最初、「海の京都」というのが丹後観光キャンペーンとして、一番取組もあり、連帯があったところでございまして、一番最初、取組を始めた時、東京圏でプロモーションいたしました。驚くべきことに、京都に海があるのかというような話がありました。いや、天橋立を知っていないんですか、日本三景ですよねと、いや、日本三景は知っているけれども、それが京都なのかと。いや、これ、本当に笑い話でなく、そういうような話もありまして、そういうところから、今となってはかなり浸透してきています。テレビ番組等でも取り上げる機会も増えてきていますし、昨今で言いますと、その「森の京都」エリア、「お茶の京都」エリアについても、こういうのは浸透はしてきておるんですけれども、最初の部分はこんなような入りだったかなというふうに思っております。
 さらに、その「もうひとつの京都」を推進していく中で、おのおののところにDMOを設置していこうという形になっております。DMO自体、観光地域づくり法人として、舵取り役となると法人というふうにはしておりますけれども、やはり方針を決めてやっていこうという形でございまして、ここに挙げておりますように、ターゲティング、または観光コンテンツ、受入環境の整備と書いておりますけれども、昨今、特に重要視しておりますのが、SNSを通じたような情報発信。それと、この活動をいろいろ続けていく中で非常に重要だと思っているのが人材です。地域でこうような活動をしていく時に、やはり中心的に動いていく方というのがもう絶対必要だなというのがありまして、後からこのような活動についても御説明をしていきますけれども、そういうような中の柱で今進めていっております。
 そのような中で、最初に戦略拠点の形成というのを進めさせていただきました。やはり巡回していく時に、それぞれブランドでありますとか、テーマを設定しただけでは駄目なので、やはり地域の中で回っていただくような周遊の拠点をしていこうというのをしていきまして、「海の京都」で言いますと、このような形で、当然、天橋立というのはその当時からあったんですけれども、それに伊根の舟屋でありますとか夕日ヶ浦温泉、さらに新しいところで、昨年度で言いますと、光秀の大河で有名になりました福知山城、それからグンゼのところにつきましてもバラ園等を設置してやっているんですけれども、こういうところをまず周遊拠点として設定をいたしました。
 また、森というのは今、実は宣伝に結構苦労をしておるんです。というのは、オールジャパン、どこにもありますので、そのような中で、やはりこのような形で芦生の森でありますとか、府民の森ひよし、それから保津川下りがありますような保津川のかわまちづくり、こういうような拠点を形成をしてやっていっております。
 次に、「お茶の京都」でございます。「お茶の京都」は言うまでもなく、他の2つと違いまして、生産物であるお茶というものにスポットを当てております。日本遺産等も取っておりますけれども、そのような中でこういうような戦略拠点をやって回るような形。お茶というものをワンワードにして、新たな取組をしております。新しいもので言いますと、昨今では非常にお客さんが増えております、この南山城村の道の駅、マリオット系のホテルもできましたけれども、こういうような3つの拠点を合わせて、周遊する拠点を作る中で、そこにDMOの活動をかぶせていこうという構想になっております。
 それでは、実際に各DMOで取り組んできた取組でございます。全て共通的に言うんですけれども、「海の京都」で言いますと、やはりインバウンドが中心、非常に強くなっておりまして、クルーズ船は今、航路の関係で当然全くもう来ていないですけれども、最盛期には40を超えるクルーズ船が来るような活動がありました。
 また、そういうような形のプロモーション、ファムツアーをやったり、ウェブの情報発信、最近ではSNSの情報発信をやっております。やはり最近力を入れていますのが、従前、一番最初の部分では印刷物とかが中心だったんです。一番分かりやすい例で言いますと、列車の中の吊り革広告等、当初結構あったんですけれども、最近ではスマホの普及とかでなかなか見ていただけないので、そういうような中でWEB等のところに力を入れていっております。
 また、周遊強化の地域連携の新たな部分で言いますと、e-BIKEでありますとかレンタカーのプランを作ったり、やはり海外を意識したようなインバウンドのガイドの育成というのも行わせていただいております。
 また、最近の取組といたしましては、マーケティングの調査で、CRMシステムという、これは顧客の情報システムというのを集めておりまして、ただ単に漠然とPRをしていくんではなくて、こういう中で顧客の情報分析をして、より来ていただきたい人に来ていただきたいようなプランを発信するというような取組をしております。
 次、「森の京都」でございます。森は、昨今の取組の中では地域に眠るような取組、眠っているような資産、遺産というので言いますと、御城印というのを観光コンテンツとして開発いたしました。城と城跡巡りのところに、こういうような御城印というのをセットいたしまして、これが当たりまして販売実績が24,000枚を超えております。1枚300円としても750万円の地域効果が生まれておるとか、インバウンド向けの商品で言いますと、この刀鍛冶、こういうふうな体験ツアー、これも海外の人に非常に受けておるんですけれども、一番高いコースで言うと30万円ぐらいのコースで、きちんと自分が工程から携わって、最後に小刀を作って自分の身近な人にプレゼントするようなコースみたいなのもさせていただいております。またこのエリアの特性で言いますと、サイクリングを意識したようなプログラムを作っております。
 また、人材育成というのでは、このような形のガイドの養成、それからこれも全く海と一緒なんですけれども、こういうようなSNSの発信等をしておりまして、昨今の主な取組といたしましては、「森の京都」のQRトレインというような形で、この車両の外装内装を全部「森の京都」のイメージにしたような車両の部分を発信したり、農山村における教育旅行等の推進等も行っております。
 「お茶の京都」でございます。ここに挙げております、地域で活躍するプレイヤーとの連携・着地型商品づくりなんですけれども、このd:matchaさんとか京都おぶぶ茶苑さんにつきましては、お茶を実際に自分で点ててみたり、そういう体験していただくようなプログラムというのを作っていただいて、これも海外向けが非常に多いんですけれども、ツアー化というのに成功しております。ちょっとコロナの影響で、令和2年度は、ツアーが実質中止になったんですけれども、ピーク時には1,300人を超えるような北欧からのツアーが決まっておったというような状況になっております。
 また、炭山の陶芸村でございます。これも、もともとは地元の小学生がたまに体験に来るようなのを商品化いたしました。これにつきましても、最初はさほど乗り気ではなかったんですけれども、海外等から来た時に、一棚の分を全部売ってくれというようなお客さんもおられまして、そういうことになりますと、こういうような商品として自分たちでPRする、地域に誇りを持つという話があるんですけれども、こういうような取組まで来ております。
 また、人材育成、また各種プロモーション、このような形ではやっておりますけれども、もともとDMO自体、行政だけではなくて旅行会社等から来ていただいています。一番最初、旅行会社から来た人が社員になっていただいているんですけれども、最初はなかなか慣れなくて、なかなかこういう資源がないと、DMOがもうかるような、なかなかそういうような素材はないという話から、いや、地域がもうけていただいたらいいんだという視点で、こういうような活動に取り組んでいただく中で、一定成果を出してきておるという状況でございまして、第1次の取組といたしまして、そういうのが進む中で、観光入込客数が30%、観光消費額が43%、外国人の宿泊数は373%、これ、この「もうひとつの京都」の取組を始めた25年から令和元年までで、これだけの伸びを示しておりまして、その他いろいろな活動しております。
 ちなみに、では、令和2年度、コロナの影響はどうだったのかと言いますと、これは観光室のほうから発表されておりますけれども、観光入込客数は約2割強の減、それから観光消費額は3割ちょっとの減になっておりまして、コロナの影響は出ているんですけれども思ったより健闘しているというのは、この地域に対する関心といいますか、それが高まってきているなというのを肌で感じているような状況でございます。
 次に、DMOによるまちづくり支援についてでございます。先ほどのように一定、観光のほうで成果が出てきたんですけれども、やはり市町のほうから、どうしても観光資源の少ないところについては、観光以外のほうについてもやってくれという声もある中、またやはり観光を入り口にして広げていこうというような形で、DMOの活動をまちづくり支援法人として支援していこうというような形でやっておりまして、これは今度から地方創生推進交付金を内閣府のほうに申請をいたしまして、今後5年間で総額40億の経費、一応交付金を獲得いたしまして、今後、進めるような形になっております。
 具体的な取組といたしましては、観光以外に少し中長期的な滞在に取り組んでいこうということで、このようなDMOの専門人材を配置しております。JRから来ていただいて、MaaSを含めたような地域の交通機関を考えていただける方、また京阪電鉄の不動産から来ていただきまして、空き家の調査とか流動化、こういうのを売っていくような話をしていく方、またバリューマネジメントと言いまして、こういうような文化財とかそういうようなのを活用して商品化していくような方、こういうのを招いて活動をしていこうとしておりまして、今年度からこういうような活動についても力を入れているところでございます。
 それに併せまして、人材だけではなくて、実際にそういうような改修をしていく時に、ハード補助的なものが必要だというので、地域づくり京ファンドというのを設立をいたしました。これも地元の金融機関から融資をいただいて、こういうのをファンドを作って通していこうというのも考えております。
 具体的には、現在のところ、このように古民家をゆったりとした時間を過ごせるような施設に改修していったりとか、この古民家をこういう陶芸ギャラリーにしたり、一棟貸しの宿としてしていったり、こういう活動を進めていこうというふうに考えております。
 さらに、こういうようなDMOを含めた中長期的な活動にもっとしていく意味で、今議会に条例の提案をさせていただいておりますのが、京都府移住の促進及び移住者の活躍の推進に関する条例です。今までの農業施策だけではなくて、多様化するような移住ニーズへ対応するような形の支援を考えております。このような移住促進特別区域を指定して、こういう取組に支援していくとか、市町村さんが農村エリアだけでなくて、移住の取組をやっていくのに対して支援をしていくという仕組みを考えておりまして、先ほど言いましたDMOの取組で言いますと、観光から一定成果が出てきた、さらにこれを長期化し、中長期の滞在に結び付けていく、それを人材の面、ハードの面から支援していこうというふうに考えております。
 こういうようなまちづくりを進めていく上で昨今感じておりますことは、やはり高速道路も含めた道路ネットワークが整備されたことによって、非常にこのエリアのポテンシャルは上がっているというのを感じております。大阪圏からでも1時間半ほどで来られるというのは、今までとは全く違うような段階に入っているのではないかと思っておりますので、まさに今やってきました取組を発展させていって、これからこういうような地域づくりに進めていくのではないかなというふうに思っております。
 時間も短かったので非常に省略した説明になりましたけれども、最後に、先ほど言いましたようなDMOを含めたような地域づくりのソフトの面、それから行政で行っていきますハードづくり、それと一番は先ほど言ったような様々なソフトの事業をやっていく上での地域の人々、そういうところの人材育成、この三位一体でしっかりと進めていくことが、今後のDMOだけではなくて、地域づくりを進めていくような肝となっていくのではないかというふうに考えております。
 大変時間も短かったので申し訳ございませんでした。これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

◯島田委員  1点お聞きしたいのは、このDMOの専門人材派遣の関係です。
 当初予算等の審議におきましては、このDMOの役割、専門人材の役割が地元の産業界、あるいは商工、福祉、文化、農林といろいろあるけれども、そういう方々との接着剤になって、地域経済に波を起こして新たな地域につなげる力をつけていくという御答弁がありました。この「海の京都」に山内さん、「森の京都」に細見さんと書いてあるんですけれども、当初はそういうふうに固定をしなくて、専門的な視点であちこちのDMOに支援をするような、そういうこともおっしゃっていたんですが、どういうお考えなんでしょうかと。
 専門人材4名ぐらいとおっしゃったんですが、もうこの3名の御方ですか。
 あと、「海の京都」DMOで、企業提案型持続可能な地域づくり事業の募集も行っておられますが、その中には事業の一環として調査を行うと、観光振興、人口減少、移住・定住、2次交通の不足など地域課題からテーマを選択して、課題解決に向けた実証実験を行うということで募集要項が出ているんですが、この辺りの関係も含めても少しお聞かせください。

◯岡本政策企画部企画調整理事兼副部長  

◯島田委員  では、前半3年間ほどは、年間500万円から1,000万円ほど投じていろんなことをおやりになって、その後は京都府が手を引いて自立されたと。白川まちづくり会社の設立に関わっては何か補助金はあるんですか。

◯岡本政策企画部企画調整理事兼副部長  まず、1点目のDMOの専門人材についてでございます。ちょっとパワーポイントだけで説明してしまいましたのであれだったんですけれども、基本はこの3つのDMOに配置しておりますけれども、全域で活動しております。例えば、「お茶の京都」だけではなく、「森の京都」だけでもなくて、それぞれの全域で活動するようにしておりまして、例えば「森の京都」の細見さんと「お茶の京都」の二宮さんがチームを組んで課題を一緒に聞いたりもしておりますし、その辺は3人でチームを組んだりしながら、全域を対応するような形にしておりまして、一応こういう配置にはなっておりますけれども、当初想定しておりましたように、全域で活動しておるところでございます。
 それと、次の「海の京都」の企業主導型の研究事業でございます。まさに今から立ち上げていくところでございますので、これから募集をしてやってく段階ではございますが、「海の京都」中心に、やはり地域づくりという形でDMOのほうで位置づけましたので、それでこれから取り組んでまいりたいと思っております。DMOの専門人材につきましても、やはりコロナ禍の中でなかなか活動が制限される部分はあったんですけれども、ようやくこの部分につきましても下半期、頑張ってやっていきたいというふうに考えております。
 以上です。

◯島田委員  この図説ではちょっと。移住・定住問題は全域でも取り組むでしょう。それから、この空き家調査問題とか、あるいはそのほかのマーケティングの問題とかは全域の課題で、こういうふうに分けられるとあれですけれども、具体的に、では、細見さんと二宮さんは今何をやっていらっしゃるんですか。

◯岡本政策企画部企画調整理事兼副部長  まずは、各市町村の担当者さんを集めまして、細見がどのような空き家、そういうような状況があるのかというのを確認をしております。
 また、市町村さんのほうから、こういう空き家を活用して、例えばファンドが使えないかとか、地域活動に使えないかとか、二宮のほうのバリューマネジメントというのはそういうような伝統的な建造物とか、そういうのを活用してホテルに使ったり、それを運用したりするような会社でございますので、ハード面を細見がして、実際にでき上がった後の運営が果たして回るのかというような視点の相談を受けかけているようなところでございます。

◯島田委員  いろいろ地域の特色を生かして、それぞれお取り組みもいただいているし、このDMOだけではなくて地域振興計画によってより細かに計画を立て、調査も必要だということで、位置づけて取り組んでおられて、このDMO専門人材。そうすると、計画とか考えて地域と一緒に取り組むというのは、やっぱり自治体、市町村が主体であって、ここは間接的に応援するという理解でよろしいんですか。

◯岡本政策企画部企画調整理事兼副部長  冒頭でもちょっと御説明させていただいたんですけれども、やっぱり持続的に活動していこうという時に、地域の方々で活動を中心となってされる方がないと継続性がございません。当然、専門人材、DMOも相談には乗ります。一定の方向性はつけていきますけれども、やはりやっていく場合、地元の方々、ひいては地元の市町村さん、そういうところの活動がないとうまくいかないというケースが非常に多うございます。よく私どももどういうようなすみ分けになりますか、府の役割と市町村さんとDMOと民間の個人の方々とどういう役割になりますかというふうに市町村から聞かれることがあるんです。けれども、どちらかというと、こういうような取組をしていきたいので、この部分を助けてもらえませんかというような提案をされる時のほうがうまくいくようなケースが多いので、やはりそういう面で言いますと、DMOの専門人材につきましても、一旦そういう委員おっしゃいましたような形で相談に乗って、それを転がして、あとはやっぱり地元のほうでうまくやっていただけるというような事例をたくさんつくっていくことが、成功させていくポイントかなというふうに思っております。

◯島田委員  先ほど観光地域づくり法人DMOの安定的財政支援について要望されて、5年間に40億円獲得したと。それで、今年度当初予算では、「海の京都」で8,400万円、「お茶の京都」で6,500万円、「森の京都」で5,300万円がそれぞれ計上されて、この中でこのまちづくり支援法人とか今回のDMO専門人材に要する経費というのは、どれくらいになるんでしょうか。
 それから、継続的な支援が必要という点では、この方たちはどういうスパンで働かれるんでしょうか。

◯岡本政策企画部企画調整理事兼副部長  専門人材にかけておる予算につきましては、全部で3,000万の予算をつけていただいております。
 それから、この40億円の部分につきましては、このDMOの負担金だけではなくて、市町で行いますようなDMOに関連したような取組、これも地方創生交付金というのを充てるようにしております。なぜこういうことをいたしましたかと言いますと、ちょうど、DMOが発足して5年間運営費に充てたり、DMOの活動経費に地方創生交付金を充てておったんですけれども、5年間の期限が切れるというような中で、内閣府として通常の継続事業ならなかなかしんどいですよという話があって、それならば、まちづくり支援法人という形で進化もさせると、そういうような形で市町にも一緒に取り組んでいくというような形で内閣のほうに申請いたしまして、それが認められて今後5年間でこれだけの活動経費、全部ひっくるめて1年間で言うと約8億ぐらいなんですけれども獲得して、運営できるようになったというような経過でございます。

◯島田委員  国の予算獲得のために工夫を凝らされたのかと思うんですけれども、あとさっき御答弁いただいていないのは、専門人材の方の任期といいますか、どういうふうなスパンで働かれますか。

◯岡本政策企画部企画調整理事兼副部長  当然、これはまた財政部局とも協議していかないといけないと思っております。当然、今認めていただいているのは単年度の予算なんですけれども、今年度残る期間で結果を出す中で、当然継続してやっていかないといけないと思っております。
 ちょっと先ほど内閣府の部分について、その財源獲得の目的もお話をしたんですけれども、これはそれと併せてうちのニーズというのが観光だけではなくて地域のそういうような移住も含めたような人材の確保とか、そういうような取組もやってほしいというような声も受けて、それがマッチして申請をしてできたというようなことになっております。

◯島田委員  観光に限らず、先ほどの人口減少対策や移住・定住対策、交通の問題、やっぱり地域で住民が住み慣れたところで暮らしていけるという環境を整えてこそ、観光も皆さんに喜んで来ていただけるし、そういう視点でということになりますと、調査とか分析とかというのは、DMOにかかわらず、本府が本来やらなきゃいけないことではないかなというふうにも思います。
 それで、9月15日に「海の京都」DMOが観光庁の重点支援DMOに選定されておりますが、これ、選定されますと、ほかの森やお茶と違って何かよいことがあるのでしょうか。

◯岡本政策企画部企画調整理事兼副部長  重点DMOにつきましては、「海の京都」DMOと「お茶の京都」DMOと2ヶ所選定をしていただきました。全国では30余りの中で、京都市の観光協会等も認定されていますので、そういう面で言うと京都は、かなり認定していただいているという部分でございます。
 絶対というわけではないんですけれども、国のいろんな補助制度、観光庁の補助制度をやる時に、やっぱり重点DMOに認定されますと声をかけていただくとか、そういう形で一定、通りやすいとまでは言いませんけれども、そういうような一定最初の段階で重点DMOとそうでない場合とでは、重点DMOを優先していただくというようなことをお聞きしています。
 ただ、重点DMOだから何でも通るという話ではなくて、重点DMOの取組を評価していただいている中で、そういう取組の延長線上でこういう取組をやってきますような形で、観光庁のいろんな補助事業というのを確保していきたいというふうに考えております。
 以上です。

◯島田委員  この重点支援DMOを見ておりますと、やっぱりインバウンド中心ですよね。インバウンドの誘客を含む観光地域振興に積極的に取り組む先駆的な観光地域づくり法人、意欲とポテンシャルがあって、地域の観光資源の磨き上げと受入れ環境等の着地整備を最優先に取り組むDMOを選定するというのは、いろいろおっしゃっている地域を活性化していくというのでありませんね。この内容を見ておりますとね。いかがですか。

◯岡本政策企画部企画調整理事兼副部長  やはり長期的な形で考えた時にインバウンドは絶対必要だと思っています。なぜかと言いますと、来ていただく方の単価というのが非常に高いという例が多いのと、もう1点、やはり国内需要というのも今回いろんな取組をする中で可能性というのに気づきました。
 ただ、国内需要だけで言いますと、やはり土日の休みに集中する傾向がございます。観光のこの分野とかで継続的に、サステナブルというのか、そういうので考えた場合は、やはりその平日の部分についても来ていただけるインバンドというのは、重要ではないかなというふうに考えております。
 ただ、今インバウンドというのは、すぐに回復するわけでは当然ございません。そういう面で、国内の需要というのも取り込みながらしっかりやっていく。
 特に、このコロナ禍においても、南山城村の道の駅というのはコロナの前よりも伸びているんですね。それから、美山のほうのキャンプ場とかそういうのについても聞いていますと、コロナの前よりも伸びています。
 ただ、グランピングとかそういうような施設の部分についてもいろんなキャンペーンをやった経過を聞いていますと、コロナの前よりも伸びています。自然とかそういうようなものに対する人々の関心というのが集まってきておりますので、そういうのを生かしたような国内の需要、ひいては将来的には、さらにそれにインバウンドを乗せていくというようなことを考えることによって、さらにこういうような観光の地域づくりを進めていきたいなというふうに考えております。
 以上です。

◯島田委員  これも予算審議の時に議論されておりましたが、京都にお見えになるお客さんは、やっぱり6割程度はファンで何度も来られると、そういうことは大事にしなきゃいけないという点で、本当に地域づくりをそういう点では壊すようなことはしてはいけないと思うんです。
 昨日、たまたま美山に行ってまいりましたけれども、緊急事態宣言の時よりもちょっとお客さんが少なかったんです。どういうことかと聞きますと、解除されたので他に行ってしまわはったと。結局、緊急事態宣言とか出されますと密を避けて来られた人が、今度は広がったから、ちょっと落ち着きましたねとかいう話もしていたんですけれども、いろいろありますが、しかしお話があったように、本当に美山の森や里山のよさを、豊かな自然環境を楽しむという意識が高まってお客さんが来ておられて、本当に府民共通の財産として維持・保全をされていかなきゃいけないと思うんですが、この「森の京都」構想にちゃんと書いてありますね。そのために、地域や景観を守る、そういう維持・保全するという大事なことを抜かすと、一生懸命頑張っていらっしゃる地域の資源がなくなっていくということで、その点で最後に言いたいのは、今回の北陸新幹線の延伸計画で、それこそ反対の声を上げている田歌の住民の方とか、京北の山国とか、これ、今お話があったように、非常に人気でUターンされて若い人たちが住んでおられるんですけれども、こういう事業でダンプカーが10年も20年も走り回ってしまうと、これはもう地域を出ていかなきゃいけないというようなことになって、この「森の京都」とか京都府の振興計画等にも逆行する事業が起こっております。これは非常に残念なことで、御立場がおありなので、もう答弁は求めませんけれども、まち壊しをするようなこんな事業は改めるべきだというふうに思っております。
 それで、地域の資源存続がかかっている時に、イベントとかインバウンド偏重の施策ではなくて、やっぱり地域の人たちが生きられる、そういう生活基盤、農林水産業の第1次産業支援も含めまして、御努力をいただきたいなと思っております。
 以上です。