令和3年7月臨時会 府民環境・厚生常任委員会―2021年7月16日〜島田敬子府議の質疑応答部分

所管事項(新型コロナウイルス感染症に関すること)

委員会の所管事項――新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関すること――について質問・答弁が行われた。

 

●●●

 

◯島田委員  私からは1点です。第5波とも言うべき事態になっていると思っておりますが、現状認識ですね。先ほどもお話がありましたが、デルタ株の市中感染が広がって、東京首都圏を中心に新規感染者数も急増して、大阪も増え始めまして、京都も下げ止まりというよりも増え始めております。医療機関からはもう第5波の心配も出ておりますが、府内の感染状況を見ておりますと、7月7日時点の京都市発表で20代以下が48.6%と若者が多い。京都府の発表の7月4日から10日の間の状況でも、同じく30代までの感染者数が6割増加の80人。この週間106人で先々週から28人増、35.9%の増ですが、30代から50代までが全体の71%と、その世代が急増していて、20歳代の新規感染者数でいくと国の分科会モニタリング指標のステージでは3を超えているという状況であります。現状とそれから認識と第5波ともいうべき事態なのかどうか、認識をまずお聞かせいただきたいと思います。

◯片岡健康福祉部副部長(健康担当)  現在の感染状況の現状認識についてでございます。委員御案内のとおり、確かに最近は感染者は増えております。7日間の平均で新規陽性者は昨日現在で28.6まで来ておりますし、あとやはり若い人が増加しているというのは事実でございます。大体、現在30代以下で7割を占めておりまして、逆に高齢者はすごく減っておりまして、60代以上で見ますと、もう1割を切っているというような状況でございます。
 あと、やはり高齢者が減っているということもあって重症者も今は少ないという状況でございますけれども、ただ、やはり若い人が増えるということは、若い人は非常に活動的でございますので、やはり家族で感染するとか、あるいはアルバイト先で感染が広がるとか、もちろん学校もございますけれども、そういった心配もございますので、やはり今後若い人が中心だからということではなく、病床を圧迫していないということではなく、しっかりと感染状況を見て必要な対策を打っていく必要があるかなと考えてございます。
 以上です。

◯島田委員  厚生労働省のアドバイザリーボードも、デルタ株への置き換わりなどが進んで感染拡大の速度がさらに加速をするということで発表されております。その感染拡大の途上での五輪開催で、本当に国民の生命を文字どおりギャンブルにかける無責任の極みだと思うんですが。国民には外出移動の自粛を求める一方で、世界最大規模のお祭りをやるということで、この二重の情報が矛盾を生んで、そして若い人たち、国民の皆さん方に自粛要請を行っても、これは伝わらないという、そういう矛盾も起こってきているのかなと思います。ここは国のほうには私どもはずっと中止を求めてきましたけれども、指摘をしておきたいと思います。
 デルタ株の感染力が従来の2倍と言われておりまして、現在重症者が1人ということですけれども、感染者が増えますと重症者数は増えて、たちまち医療逼迫に達するということの経験をしてきました。その点でこの後の第5波とも言うべき事態に備えて京都府の医療体制の整備の計画はどういう検討がされておるのか。大阪府などでは重症病床を増やす計画を持ったやに報道されておりました。それとて現場から言いますと、そう簡単に増えるものではないということで、人材確保の問題等も含めまして、せんだってからこの委員会でも限界があるようなことも言われておりました。しかし、どう体制を取っていくのかということで、見通しなり検討状況をお聞かせいただきたいと思います。

◯井尻健康福祉部副部長(地域包括担当)  第5波に向けた医療提供体制でございますけれども、今ありましたようにデルタ株につきましては、若者の方々が感染すれば感染力自体が高くなるということの一方で、高齢者につきましては一定のワクチン接種の進行があるという中で、今現在若者を中心に感染が拡大する見込みということでございます。
 従来の状況でございますけれども、30代から50代のいわゆる壮年層ないしは青年層の方々が増えますと、ECMOであるとか人工呼吸器を要するといった高度重症の方々よりも少し手前の重症病床ですね、酸素投与でございますとか交流量酸素といった方々が第4波でも増えました。
 そういうことで、第5波に向けましては、そういった中等症から重症のいわゆる高流量酸素を診ていただける病床を増やすという形で各医療機関のほうに要請をお願いしておりまして、一定各病院と個別の交渉をしているところでございます。
 以上でございます。

◯島田委員  中等症・重症度対応の医療病床を増やしていくということで、計画とか目標とかはもう決めているんですかね。

◯井尻健康福祉部副部長(地域包括担当)  まず個別の病院と第4波の状況を踏まえて、個別にいわゆるヒアリングをして状況を確認をし、できるだけ中等症なり重症を診ていただけるようにお願いをしているところでございます。
 以上でございます。

◯島田委員  東京では30歳代の基礎疾患のない若い人が急変して亡くなられるということもありますし、本当に若いから重症化しないというのは言えない状況でもあると思うんです。
 それで、中等症から重症にならないということでは、早期の専門的な治療が開始される必要がありますが、せんだってから議論してまいりました宿泊療養施設等におきましても、やっぱり適切な医療を施すことによって重症化を防ぐということにもなると思いますので、この辺りの現状で、例えば現在宿泊療養中の方が83名。その方々の年代層とか、それから入所してすぐ重症化して転院された事例とか教えていただきたいと。そもそも基礎疾患のない若い方は原則自宅でというようなことがありますので、どういうことに最近はなっているのか。
 それから、マニュアルを見直して、宿泊療養施設での対応、改善策を取っておられますが、1時間も連絡が取れない方へ直接お部屋に訪問して対面の健康観察をしている件数と、それから急変して病院に転院された件数などは、現状どのようなことになっておりますでしょうか。

◯片岡健康福祉部副部長(健康担当)  宿泊療養施設の状況についてでございますけれども、今、宿泊療養されている方の年齢層で言いますと、アパのほうが若い方が多くなってございまして、大体30代以下が7割、ヴィスキオのほうが4割ぐらいとなってございます。
 それから、6月中の数字ではあるんですが、宿泊療養施設から状態が悪くなって入院された方の数字、総数でございますけれども88名いらっしゃるということになってございます。宿泊療養施設は、基本的には原則入院基準に合致した方については入院をしていただき、その基準に満たない方については宿泊療養を原則とするというルールでやってまいりました。ただ、やはり病状が悪化する方もいらっしゃいますので、お熱が38.5度以上が5日間続くでありますとか、SpO2の値も93%以下の方についてはすぐに入院医療コントロールセンターのほうに情報を共有しまして転院を調整をするという中で対応してきているというような状況でございます。
 以上です。

◯島田委員  早期の医療につなげているということで、マニュアルの改善によってそういうふうな改善が行われているということは良かったと思います。ただ、第5波に備えて、今は病床が空いていますから府独自に見直されて、そのように医療に結びつけるということができておりますが、これは一般病床の転換にも限界があって、人材確保が追いつかないとなると、医療が逼迫した場合は、これはまた施設療養中の医療の在り方についても根本的な改善が必要だと思います。6月30日の常任委員会で、入院から宿泊療養、自宅療養、全て全体の中でどのような医療体制を講じていくか今後検討するとの答弁でありましたが、この検討はその後どのようなことになっておりますでしょうか。

◯片岡健康福祉部副部長(健康担当)  前回もお答えをさせていただきましたけれども、入院、宿泊療養、自宅療養、全て全体を通じてどのような療養体制を取っていくかということで、既に感染者が増えてきておりますけれども、今、本当に検討しているところでございますので、どういうふうに体制を取っていくか、先ほど病床の話もございましたけれども、ちょっとその辺の全体をまとめて、また御報告させていただける機会があるかなというふうに思います。
 以上です。

◯島田委員  急激に医療逼迫に向かっていくということが十分予想されますので、急いで検討をして万全の体制を取っていただきたいというふうに思います。
 若い方でも急激に悪化する原因の1つが、やはり肺炎が一気に進むんではないかと思っております。本会議で森下議員が指摘をしておりましたが、移動式CT車を、例えば横浜市立大学の実証研究などでは、高齢者施設のクラスターが発生した場合に車ごと持っていって、早期発見をして治療につなげるということで効果が上がったということが言われておりました。部長が本会議答弁で、その実証研究のことなんかも答弁いただいておりますが、これはいろいろと産業界も研究やら機械の開発とかやっておりますが、京都府としての導入の検討などはされておりますでしょうか。

◯片岡健康福祉部副部長(健康担当)  京都府におきましては、陽性者外来という形で、これは関係団体とも連携をして調整をしてきているところでございます。宿泊療養につきましても、これまでからも入所した後に陽性者外来の受診をしていただいていたわけですけれども、やはり入所直後に状態が悪くなられる方もいらっしゃいますので、入所時に検査をできるような体制を整えようということで最終の詰めを行っているところでございますので、府としては、これをしっかり進めていきたいなというふうに考えております。
 以上です。

◯島田委員  その陽性者外来とか一般医療機関でコロナ陽性者を受け入れるときに、CTを1回使いますと、もう何時間も消毒して使えないというようなことで非常に非効率になるんですよね。ホテルのそばも狭いかも分かりませんが、それは移動式なのでどこでも置けるわけで、それだけの技術開発も進んでいるわけですね。CTで早期に発見すれば若い方々の治療が即できると。そういうことで、良い知見も出ているのであって、ちょっと前向きに検討いただきたいなと思いますが、いかがでしょうか。

◯中川健康福祉部保健医療対策監(健康・医療政策担当、医師バンク担当)  お答えいたします。早期の発見ということで、まだ試行段階ですけれども、重症のほうのホテルに入られたその翌日に、そのときの体温だとかを見て、陽性者外来が必要だと判断した方をまとめて1台のタクシーに乗せて一番近い病院のほうに同時に行っていただいて、そこで採血と胸部CTを撮っていただいて、その結果をコントロールセンターのほうにいただいて、結果が出次第、採血の結果が出るのはどうしても翌日にはなるんですけれども、結果等を見て、一見症状は軽そうでも入院に持っていくということをやっております。まだ数人しかやっておりませんけれども、実際症状が軽そうでもCTではそれなりの所見があるという方を入院に持っていっておりますので、第4波に比べると早期発見の体制は大分強くなったと理解いただきたいと思います。

◯島田委員  現状、随分とそういう対応を取って、例えば在宅で頑張っていらっしゃる方、あまり症状が出ませんとそのままになって、その陽性者外来に行きなさいと言われても放置というか、行かないという事例があったりするので、先ほど既存の医療機関との連携で解決できるのであれば、それはそれで良いと思いますが、いずれにいたしましても住民の命を守る点で、御努力を引き続きお願いをしたいと思います。
 以上で終わります。