令和6年12月定例会 安心・安全な暮らしに関する特別委員会―2024年12月17日〜島田敬子府議の質疑応答部分

所管事項の調査

下記のテーマについて、理事者及び参考人から説明を聴取した後、質疑及び意見交換が行われた。
 ・デジタル社会に対応した防犯対策及び教育の推進について

◯磯野勝委員長  まず、所管事項の調査についてでありますが、本日のテーマは、「デジタル社会に対応した防犯対策及び教育の推進について」としているところであり、通知をお送りしました参考人略歴のとおり、参考人として、京都ノートルダム女子大学現代人間学部こども教育学科教授の神月紀輔様に御出席いただいております。
 本日は、大変お忙しい中にもかかわらず、本委員会のために、快く参考人をお引き受けいただき、誠にありがとうございます。
 神月様におかれましては、2003年に滋賀大学大学院教育学研究科学校教育専攻情報教育専修を修了後、神戸市立中学校教諭、滋賀大学教育学部特任准教授などを経て、現在は、京都ノートルダム女子大学社会情報課程教授として御活躍されていると伺っております。
 また、京都府警ネット安心アドバイザーや、京都府消費生活安全センター子ども向け啓発プロジェクトチームアドバイザーとしてもお世話になっているほか、大津市教育センター情報教育研究委員会の指導助言をはじめ、地方自治体のいじめ調査委員を務められるなど、デジタル社会における防犯対策や情報モラル教育の推進に御尽力いただいております。
 本日は、そういった日頃の御活動を踏まえたお話をお聞かせいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、初めに理事者からテーマに係る説明を聴取いたします。
 説明は、簡潔明瞭にお願いいたします。

◯塩野亜由美 警察本部サイバー対策本部副本部長(サイバー企画課長事務取扱)  府警察が推進するデジタル社会に対応した防犯対策及び教育について御説明いたします。ただいまお手元の端末に通知をお送りいたしましたので御確認ください。
 初めに、全国のフィッシングやクレジットカード不正利用被害の発生状況から御説明いたします。
 資料の1、現状を御覧ください。令和5年中のフィッシング報告件数は119万6,390件と、令和元年から4年間で約20倍に急増しており、本年上半期も前年同期より増加している状況にございます。
 次に、クレジットカード不正利用被害の発生状況につきましては、令和5年中、被害額が約540億円と、フィッシング報告件数と同様に右肩上がりに推移し、本年上半期においても前年同期より増加しており、依然として深刻な情勢となっております。
 また、府内におけるインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況は、本年10月末時点、認知件数、被害額ともに前年同期より増加しております。そのほかにもランサムウェアによる被害の発生、いわゆる闇バイトと呼ばれる犯罪実行者募集情報の流布などが連日メディアにおいて取り上げられております。
 こうしたインターネットやSNSアプリが関わる犯罪については、現状全てのインターネット利用者が被害者、犯行の加担者、どちらにもなり得る危険性が潜んでおります。府警察といたしましては、関係部門や関係機関とより強固に連携し、多角的な防犯対策を推進していくことが重要だと考えております。
 そこで本日は、サイバー対策本部が取り組む防犯対策について説明いたします。
 資料の2、防犯対策を御覧ください。
 まず、ネット安心アドバイザーによる体験型ネットトラブル対策講座についてであります。
 平成31年から運用している本講座では、専用タブレット等を利用し、偽サイト・詐欺サイト被害等、多種多様なネットトラブルに関する疑似体験ができます。デジタルコンテンツは、社会情勢の変化に合わせ日々改良を進めており、本年3月からはこれまでの中高生から高齢者までを対象とした不審メッセージや偽サイトといったコンテンツに加えて、新たに小学校低学年向けなどのコンテンツを追加いたしました。受講者からは、体験することで危険性を実感することができたという御意見を多数頂戴しております。
 また、本講座を行うネット安心アドバイザーは、情報モラルについて高い知見を有する大学の研究者等21名の有識者で構成されております。ネット安心アドバイザーの活動により本年度11月末時点、暫定値ではありますが、講演回数241回、受講者数が1万6,065人と、多くの方々に各講座を受講いただいているところであります。
 次に紹介する取組は、SNS等あらゆる媒体を活用した情報発信についてであります。サイバー対策本部では、大学生のボランティアが作成したフィッシング詐欺などの啓発動画を京都府警察公式YouTubeチャンネルに公開したほか、サイバー対策本部のSNSアカウント等を活用し、最新の犯行手口をタイムリーに発信しています。
 また、府警察と連携してサイバー犯罪の被害防止に貢献している学生ボランティアにつきましては、学生によるボランティア活動の機運を高め、活動のさらなる拡充を図るため、本年11月から京都府警察CYCOTとして発足させ、活動しております。今後は、小学生に対する情報モラル教室などの啓発活動を府警察とともに進めてまいる所存です。
 府警察といたしましては、引き続き様々な取組を関係機関等と緊密に連携を図りながら、デジタル社会に対応した防犯対策を戦略的に推進してまいります。
 以上です。

◯磯野勝委員長  次に、参考人の御意見を拝聴いたしたいと思いますが、準備が整うまで、しばらくお待ち願います。
 それでは、神月様、よろしくお願いいたします。

◯神月紀輔 参考人  京都ノートルダム女子大学の神月と申します。
 今日は、お時間をいただきましてありがとうございます。先ほど御紹介いただいたような経歴でございますので、教育畑の人間でございます。
 基本的に、防犯対策は先ほどの府警さんのほうにお任せするというか、一緒にやるという感じなんですけれども、それに至るまでのその教育、それから、これから実際何をせなあかんのかというところを中心にお話をさせていただければなと思います。
 資料をむちゃくちゃたくさん入れましたけれども、ちょっと全部しゃべれないと思っております。かいつまんでお話しさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 日頃より、京都府のために皆さんにいろいろ御尽力いただきまして、本当にありがとうございます。何とか頑張りたいところではあるんですが、先ほども御報告がありましたように、本当に被害はどんどん増えておりまして、非常に早急にいろいろとやらなければいけないことがあろうかと思います。
 内閣府が毎年、青少年のインターネット利用環境実態調査というのを出しておりまして、そちらのほうは、ここは資料なのでざざっと行きますけれども、かいつまんで申し上げますと、低年齢化が進んでいるということ、それから使用時間がすごく増えているということ、これはもう完全に間違いない状況です。
 この青がスマートフォンなんですけれども、スマートフォンの割合というのは、ここは高校生のところなんですけれども、もう高校生はべたっと100%にほぼ近い状態でみんな使っておりますし、赤が実は今配られていますGIGA端末、いわゆる学校で使っているGIGA端末なんですけれども、それよりも家庭で使うのは明らかにスマートフォンのほうが多いという現状にあります。
 GIGA端末でしたら、実は学校のほうで使っている状況とかも何とか見られるんですけれども、おうちに帰ってしまったら何をやっているかちょっと分からないと、そういうような状況にあります。
 それから、今、非常に大きな問題だと僕が思っているのは、就学前の子どもたちが非常にたくさんインターネットを、特にスマートフォンを使うようになっているところです。このデータはちょっと驚かれるかもしれませんが、これは0歳からずっと順番になっており、これは0歳なんですけれども、0歳でも十何%が使っているというふうに保護者が言っています。0歳が何を使うんだという話なんですけれども、たぶん見せているだけだと思います。ただ、2歳ぐらいになってくると認知能力がガーンと上がりますので、0歳、1歳だとたぶん茶色い丸と見えているのが、2歳になってくるとアンパンマンとはっきり分かるという状況に変わっていきます。そうなってくるとゴーンと上がってきまして、もうほとんど小学生と変わらないような状況になってきています。
 お分かりだと思いますが、こういう時期というのは訳も分からんとやっています。何でも次の画面にどんどん進んでいってしまいますし、何でもできてしまうので、その肌感だけを覚えていくという感じで育ってきています。ですから、触ったら何とかなるということだけで進んでいってしまっています。そこの裏に何があるとか、それはどうなのかということを考える力を持たないまま、これからの子どもたちが育っていく可能性があります。ですから、小学校、中学校辺りの教育というのは相当重要になるんじゃないかなというふうに考えています。
 あと、それに伴う利用状況ですね。利用の実態は1日に平均で6時間から7時間です。大体高校生の平日の平均がそれぐらい、中学生でも4時間、5時間となっています。通学の間とか、それから本当にちょっとの隙間でずっとやっている。それから睡眠時間を削ります。ですから、学校の授業に集中できない、学校で話を聞けないという状況も起こってきています。この辺りがやっぱり少し怖いところかなというふうに思っています。
 今日お話ししたいことを先にまとめておいたんですけれども、どうしても我々はやはり、「じゃあ、もう使うのをやめろや」という禁止や規制をしたくなるんですけれども、これまでもいろんな状況がありますが、禁止や規制をしたときに、確かに一時的には効果があります。できたかのように見えるんですが、絶対後でそれがうまくいかないケースが出てきます。
 例えばですけれども、出会い系サイト規制法というのができました。出会い系サイトについては、確かになくなったように見えています。でも、御存じのとおりで、普通のSNSとかいろいろなところにどんどん潜入してしまいました。逆に、何がどれなのか分からなくなって、捕まえようにも捕まえられなくなると、そういうことになり得ます。ですから、やっぱり根本的に何とかしないといけない。
 そこで、今、文部科学省も言っていますけれども、デジタル・シティズンシップというものを養うことが大事だというふうに言われています。いわゆる、情報モラルを教育するんではなくて、市民憲章的にこうしていきましょう、ああしていきましょうという気持ちを高めていくということをやらないと、多分本当に駄目な感じになるんじゃないかなという感じがいたします。この辺りを少し分かっていただければありがたいなと思っております。これは、後でもうちょっとお話をさせてもらいます。
 これは難しいのが、どうしても子どもの教育は学校に任せようとしてしまう。僕も自分の子どもがいるんですけれども、よく考えたら自分の子どものことは学校に任せてしまっているなというところがあるんです。やっぱり、いろんな大人が本当にみんなで協力しないといけない。そのためには、大人が子どもをどう育てていくのか、ネットがどうなのかということをちょっと理解する必要があると。そういう協力体制を取ることによって子どもたちを守っていく。それをやっぱりしっかりやっていかないと、先ほどちょっとあったような闇バイトとか、本当に困ったようなサイトとかが出てきます。
 今、アメリカとかヨーロッパはテロに対して非常に警戒をしています。やっぱりSNSから広まるテロというのが非常に多くて、そこで人を集めたりとかしているというようなことがすごくあって、その辺りをやはり見極める、見てしまうと思います。「見るな」はちょっと無理だと思います。見てしまうと思うんですけれども、そこの中に入り込んでいくのか、これを見て、その後続きまで見ていいのかどうかとか、それを判断できる大人を育てないといけない。それがやっぱり我々に課された課題じゃないかなと思っています。
 ただ、残念ながらそこにはたくさんの問題がありまして、特にネット依存というのは、いわゆる1つの疾病です。ですから「やめなさい」と言ってやめられるものじゃなくなってきています。これはもう皆さんよく御存じだと思います。この辺りについての正しい理解。やっぱり、いまだに精神科とかに行くとなったら、何かちょっとちゃうんかなみたいなことを思うような保護者がいたりとか、実際に教育現場で言ったらすごく保護者に怒られたりとか、「うちの子をそんなふうに思ってんのか」とかと怒られたりするようなケースがまだあります。こういったところをやっぱり考えないといけませんし、ネット依存、後で申し上げますけれども、ネット依存の基本線はやっぱりストレスなので、いろんなストレスが本当に多い世の中に今なってきてしまっている。その世の中自体もどうにかする必要がやっぱりあります。
 子どもたちに言えば、そのストレスのうちの1つはやっぱり入試とか、1つ上のランクに上がるための入学試験とかそういったものですね。これで、やっぱり覚えるだけで済んでしまっていて、それが終わったら何か全部終わりみたいな。ということは、それはただのストレスでしかないんです。それは勉強するということではなくて、そういうような状況になってしまっている。それから、格差によって受けられる教育が違う。その辺も大きな問題じゃないかなというふうに考えています。
 ちょっとこの辺のところで細かくお話しできるところは少ししたいなと思っています。
 この辺りはよく御存じやと思うんで、ちょっと飛ばさせてもらいます。日本の情報教育というのは、実は歴史が浅くて、今の体制になったのは平成8年7月の中央教育審議会の答申がスタートだというふうに言われています。この辺りからようやく体系的にやらないと駄目だねという話になって、それまではそれぞれが思いついたところでやっときゃいいじゃないという感じでした。それでも、この頃は十分日本はやっていけたんです。でも、今はそれはやっぱり無理だとことはよく御存じのとおりです。
 今、情報活用能力というのを育成しましょうということになっていて、この3つの力をバランスよくしっかり取ってほしいと。情報活用の実践力については、多分ほぼ、もう大丈夫です。子どもたちはスマートフォンとかを本当にすごく上手に使えますし、パソコンだって上手に使えるようになっています。うちは娘が小3ですけれども、本当にこんな簡単にできるのかと思うぐらい何でも簡単にやってくれます。そういうようなことは多分大丈夫です。
 ただ、問題はこの下の2つでして、今日中心にお話しするのは、この社会に参画する態度、いわゆる情報モラルの部分なんです。でも、大きな問題はここにもありまして、例えばAIのこととか、そういうことをちゃんと理解できているかどうかという、少し心配なところがあります。この3つがバランスよくできていない。これは、ほかの国と比べてもちょっと日本が遅れていると僕が思っているところです。この辺はちょっとまた別の機会があったら、ぜひお話しできればなと思います。
 今日は、この情報モラルということについてお話をするんですが、僕は情報モラルに対して一番重要なのは、実は情報に対する責任の部分だと思っています。この情報モラルを教えることは授業でもやっていますし、それから特別な教科、道徳というので小学校・中学校はちゃんと読み物教材も入っていて、必ず確実にやっています。でも、それをちゃんとやらなあかんという責任、それから自分が発信した情報に対してどう責任を取るのか、あるいは受け取った情報についてどう責任を取るのかという辺りがちょっと欠けているような気がします。
 やはりこれを分からんまま、大人も「分からへんからあんたの好きなようにしいや」という感じで子どもに任せてしまうので、大変な問題になっているのかなというふうに思っています。
 今、学生にも責任ということはずっと言うんですけれども、学生はその言葉を非常に嫌がります。やはり自分では責任を取らない、人のせいにしといてという感じがちょっとあるので、この辺りの根本的な教育も非常に重要かなと思っています。
 心配している問題として、まずネット依存について正確に知っていただければなと思っております。
 これは、追加の資料になりますが、日経が出したもので、WHOが、ゲーム障害を依存症として疾病の1つというふうにしています。ですから、本来であれば日本でも保険適用をしなければいけないところなんですが、残念ながらまだそこまで行っていません。今は個人的に心療内科もしくは精神科を受診するというようなことになるんですが、はっきりとした疾病だというふうに言っているということですね。
 これまで、ゲーム依存というのは、だらしないからそうなっているとか、あるいはやる気がないからそっちをやっているとか、言ったら変わるやろうみたいな、そういう感覚だったと思うんですけれども、そうではないというところの認識がまず必要と。これは、大人の認識がまず必要かなというふうに思います。しっかりと治療しなければいけないところまで来ているということです。これを失敗して、それこそゲーム依存の子どもたちに「そんなんやめなさい、駄目でしょう」「やめなさい」と言ったら、これはどんどん悪くなっていくということが、これもデータで分かっていますので、その辺りをちょっとお考えいただければと思います。
 これも追加の資料で、日本では神奈川県にあります久里浜医療センターというところが、中心的に非常にいろんなデータを出してくれています。こちらでいろんなことを見ているんですけれども、とにかく外来が全然予約を取れないというぐらい人がいっぱいいるそうです。
 これに似たようなことができる施設というのは、いわゆる私立のところではできてはきているんですけれども、まだ体系的な形にはちょっとなっていないのかなと思います。
 これも文部科学省のYouTubeチャンネルというのがあって、「身近にひそむネットの使い過ぎ」というチャンネルがあるんですけれども、そこを見ていただいたら出てくるんですが、ネット依存により引き起こされる問題というのを、さっきの久里浜医療センターがやっています。身体面、精神面、学業面なんていうのは何となく理解できると思うんですけれども、やっぱり経済面になりますとゲームなんかをやって依存症になってくると、自分のお金と人のお金の区別がつかなくなるんです。人のお金でも勝手に使ってしまう。それは、自分のゲームの正義のためだから当たり前だとなっちゃうんですね。でも、何かふと冷めたときに、しまったとなる、そういうような状況が普通にあります。
 それから、友達のお金とかを盗むというのも普通に、ゲームのためだったらいいだろうという感じになってくるんですね。これは依存症の怖いところです。そういうのを周りで見ていますから、当然、家族関係とか対人関係が悪くなってきて、家族は注意しますけれども、腹が立つので、嘘をついたりとか、暴力をしたりとか、暴言を吐いたりとか、そういうようなことで家族的な問題にもなっていっている。
 こういうのが出てくると、家族のほうもそこに手を出すのが怖くなってなかなかできない。もう放置するしかなくなってきて、またどんどんひどくなっていくという悪循環に今なっているように思われます。
 あと、スマホによる障害というのもたくさんあって、この睡眠障害は多分結構でかい問題だと思うんですが、ブルーライトが脳に起きなさいよという指令を与えてしまうんですね。そういう状況で寝るところ、例えばベッドとかで、割と暗い状況でスマホとかゲームとかをしますとどうなるかというと、そこは起きる場所だよということがインプットされてくるんですね。子どもたちはどうなるかというと、ベッドに入ると寝られなくなるということになっています。
 我々は割と脳ができてきているので、ちょっとぐらいやっても大丈夫なんですけれども、子どもの場合にはそっちにすごく簡単に反応してしまうので、結局寝たいときに寝られないという状況になって、判断力とかもおかしくなってくると。これは依存から来るまた大きな問題なんだろうなと思われます。
 歩きスマホ、ながらスマホもよく御存じのとおりですが、これも完全に依存症から来る問題だと思われます。
 これは、久里浜医療センターも言っていることなんですが、依存症はまだたくさんの症例があるわけではないので、実際にどうなって、なぜそうなるのかというのが分かりにくいんですけれども、ただ、患者さんの状況を見ていますと、薬物依存とかアルコール依存とかとほぼ一緒。何が一緒かというと、結局、依存症になりやすいタイプはこういう方で、アルコールが好きとか薬物が好きとかいうわけではないんですよね。さっきも言いましたように、ストレスから来ることが非常に多いということです。
 ストレスを解消するために何か別のことをする、別のところに依存するんですけれども、そこでまたストレスができるという現状が今あります。だから非常に大きなストレスを何とか解放してやらないと駄目なんですが、これがなかなかうまくいっていない。
 子どもの場合には、割とその辺は簡単だと思うんですけれども、学校での勉強の仕方がやっぱりストレスになってしまっていると。これはやっぱり大きく変える必要があると思います。
 社会のストレスはなかなか難しいと思いますが、でも結構たくさんのことがあって、ちょっとでもなくなればこれも大分変わってくるんだろうなと思います。
 京都にも院がある、ゆうメンタルクリニックというところが「依存症治療ネット」という、ネット上でカウンセリングを受けられる場所をつくっています。そこで、依存から抜け出すためにはどうしたらいいかということですけれども、先ほど言ったようにストレスとか、その解消のための依存というのは、依存を逆に大きくするだけなんですね。
 僕も働いていたらいろいろストレスがございますので、たくさんのストレスを持っております。結構でかいです。あるんですけれども、よしと思って、じゃあスマホで今日はゲームをして忘れるぞと。忘れているんです。ところが、ゲームでちょっとうまくいかないときが出てきますよね。そしたら、ちっちゃいストレスがぽこっとできるんです。このストレスができた瞬間に、こっちを思い出すんです、ドーンと。これが人間なんですね。
 ですから、結局どこかに行って何かうまいこといっているかと思っていても、元のストレスがあったら結局一緒、もっと言ったら増えていくだけ。どんどん自分を追い詰めていくということなんですよね。だから、依存から抜けないと駄目なんですわ。やっぱり、気合でやめてやるという方もよくいらっしゃいますけれども、これは大体同じことを繰り返すのでうまくいきません。大変失礼ですけれども、女性のダイエットとかでよくあるやつですね。もうやめると言ってやめるんですけれども、大体どこかで終わって、バーンとまたリバウンドが来るというのが普通のパターンですよね。
 それからスマホを処分する、先ほどの禁止とかそういうのをするのも一時的には効果がありますけれども、結局何か別のものが出てきて、そこに行くんです。スマホがなくなったら今度はSwitchへ行っちゃえとか、なんかいろいろそうなっちゃうので、結局そんなに変わらない。
 今言ったみたいに、この「依存していい」という錯覚から抜けるということをしっかり持っておかないといけない。「依存していいやろう」というのは、言うたら錯覚なんですよね。この理解を大人ができるかがポイントだと思います。どうしてもこのことは起こります。絶対無理です。ストレスのない社会は多分ない。だから、それは無理です。
 でも、ストレスができたら「何かに依存したらそれで済むやん」というふうに考えるところで、「いやいや待てよ」と言える人がいるかどうかということですね。そこのところだと思うんですね。これがやっぱり大事かなと思います。
 やっぱり心療内科とか精神科の正しい理解も必要だと思います。実際にこういうところで助かっている子どもたちとか、それから若い方、これで助かった、良かったという方は結構たくさんいらっしゃいますので、ぜひこういったところも見ていただきたいと思います。
 この依存症治療ネットは、依存で消費しているのは時間、結局無駄に使っているのは時間なので、もったいないよねということを言っています。その時間があればできることはほかにもあるよねということを言っているので、この辺のところでうまく何とか皆さんに分かってもらえないかなといつも思っています。
 学生にはあまりこれはよくないんですけれども、「バイトを1時間やったら1,000円ぐらいもらえるやん」とか言うんです。その1時間をバイトに使えばいいじゃないっていうふうに一応言っています。
 こんなような状況なので、なかなか難しいんです。さらに、ネットいじめとか、いわゆるネットの中でいろいろ行われるコミュニケーションというのが非常に苦しい状況にありまして、部屋にスマホやパソコンを持って入ってしまうと、もう何が起きているか分からない。しかも、さっき言ったネット依存が加速化しているので、ストレスを解消しようと思ってネットに入り、当然のことながらそこで攻撃的なことばっかりやってしまうというようなことになります。
 最近すごく強い態度に出ます。もう皆さんも御存じだと思いますけれども、僕なんかもこの仕事なので、やっぱりいろんなところから誹謗中傷とか結構あるんですよ。皆さんは結構そういうのにさらされているかと思いますけれども、あるんですよね。そういうときに何か物すごく強い態度で言われますよね。ああいうのは、やっぱりストレスがあるんだろうと思います。
 ふだんの人付き合いが非常に希薄化していること、人に向かってそう言ったら相手が傷つく姿を見ていない。これは、幼児教育だと実は思っています。幼児教育でどれぐらいできるか、幼稚園でまだまだこれからというときに、実際けんかとかしてもらって、やっぱり傷つくなという経験がどれぐらいあるかだと思いますが、なかなか最近そういうのをやらないんですよね。だから、その場で、その場でという感じになってしまう、こういう感じだと思います。
 それから、どうも最近、マウントを取るということを若い人は言いますけれども、自分が上に立つということに対してすごく優越感を覚えて、それによってストレスを解消しようとする人がちょっといます。ここも少し考えないといけない部分かなというふうに思っています。
 いずれにせよ本当に満たされないストレスがあって、集団で居場所がないという人が本当に増えてきていて、ここら辺のところがもう少し円滑に進められればいいのになというふうに考えています。
 これがたくさん出てくると、もう本当にストレスがいっぱい、いっぱいになってくると、何かおもしろいことないかなとなって結局こっちへ行っちゃうんですよね。やっぱり若い人、特に大学生ぐらいから上の人たちで、あるいは大学を卒業したぐらいの年齢で、仕事がうまくいかない人は、ちょっとでもお金入らんかなというところに入ってきます。訳分からんままに行ってしまうんですよね。そんなんちょっと見たら、それはおかしいと分かるやろうという話なんです。だから、闇バイトとかに引っかかっている人たちといったら、そんなにたくさんいるわけではない。でも、でも一定層いるんですね。その人たちは、やっぱりこういうのが判断ができない状況です。
 僕のところの学生さんを見ていても、引っかかる人を見て「おかしいやろう」って言っていますので、そこはある程度分かっている人は分かっているんですね。だから、そこら辺のところがちょっと心配です。
 今、自分のところの学生を見ていてもそうなんですけれども、本当に何でも短絡的で、簡単かつ刹那的な判断をしようとします。とにかく丸かバツかということをすぐ決めようとします。簡単に終わらせてくれ、簡単にやってくれということを言います。授業でも難しい、難しいとすぐに言います。そこについて、もう一押し、二押し考えれば多分答えが出てくるのに、その蓋を閉めよう、先生が言ってくれというふうに大体言ってくる、そういう子どもたちが本当に増えてきています。
 日常でもそういうことが多くて、リクルートの『カレッジマネジメント』というのを書いている編集長の小林さんという方とこの間話したんですけれども、その方が「今の学生は傾聴力に優れています」と言いはって、うまいこと言うなと思いました。傾聴力、確かによく聞くんです。「でも、考えない」ということを皮肉で言うてはるんですけれども、そういうところがちょっと気になっているところです。
 ふだんからもうちょっと考える力が欲しいなと。これは、やっぱり本当に大人がみんなで取りかからないと良くないなと。割と簡単に何でも物事を判断したがってしまう。そういう方向にすぐに行ってしまうというところがあろうかと思います。
 議員の皆さんは、本当にこの辺をすごく感じているんじゃないかなと思います。そういう意味で言うと、なかなか世論の形成とかがすごく難しいですよね。本当の大事なところというのをちゃんと見てもらえないところがあると思うんですよ。でもやっぱり教育で何とかしないといけないところだと思います。
 あと、京都府警さんと滋賀県警さんとかとちょっとお話をする機会が私は結構あるんですけれども、やっぱり中学生辺りはどうしても個人情報をすぐにネットで公開してしまって、誘われたときに自分は大丈夫と思うんですよね。それで、電話番号とかを教えてしまって、悪いところに入ってしまうというケースをたくさん見ます。断るタイミングは何回もあるんです。ちょっと考えたら分かるんです。でも、それができないようなストレスであったりとか、さっきも言ったみたいに「まあええか」というところであったりとか、何か困ったら白馬の王子様が助けに来てくれるとでも思っているのか、「本当に大丈夫、私は大丈夫」とどこかで思っているところが何かあります。
 大丈夫じゃないという辺りのネットの中での危機感というのを、ネットだと確かに直接的に刺されるとかいうことがないからかもしれないですけれども、なかなかどうしてもそこに行かないという現状があります。
 画像とか動画とかも簡単に出すので、様々なトラブルが本当にたくさんありまして、そこからやっぱり見つかってしまって、「あいつ、いけるな」となって、いろんな連絡を取られたりとかというようなことが結構増えているように思います。リベンジポルノについては、ちょっとまた話が別になると思うのであれなんですけれども、でもこれがなくなれば大分、警察の仕事は減ると言うてはりました。これは生活安全のほうですけれども、言うてはりました。
 あと、本当に短絡的な例ですけれども、出会ったこともないのにネット上のコミュニケーションだけで彼氏や彼女になっていると思っている子どもたちは結構多いです。中学生ぐらいに結構多いです。特に今、クリスマス前にどうしても彼氏や彼女がいてほしいらしいです。これは、もうネットとかの扇動が、ネットというかテレビとかマスコミの扇動もあると思います。何かクリスマスは彼氏と過ごさなきゃみたいな感じがあると思います。でも、結局ここら辺に落とし込まれてしまったりとかして、結局犯罪に加担するということになっていってしまっています。
 警察は小・中学生の女子中心と言っていますが、実はLINEが2016年に大々的に自分のとこのコミュニケーションを調査しました。そしたら、20%ぐらいがこういう付き合いをしているんじゃないかと。20は多くないですか、5人に1人ですよ。すごいですよね。こういうのが2016年の時点でもあるというふうに言われていました。ちょっとこの辺のところは、また見といていただければなと思います。
 インターネットの仕組みは御存じのとおりこんな感じですので、中身はすぐに分かるということを知っておいていただければと思います。
 ネット上のトラブルというのも結構たくさんあるんですけれども、フェイクニュースとか本当にたくさんあって、こんなんはもう何も考えずにすぐ投稿してしまう、その辺が怖いなと思っています。
 誰でもできるんですが、この情報が正しいかどうかということを判断する力が最近の子どもたちに非常に少なくなってきているというのを、非常に危惧しているところです。
 あと、メラビアンの法則[※コミュニケーションにおいて言語情報(話の内容)7%・聴覚情報(声のトーンや話し方)38%・視覚情報(表情や態度)55%の割合で影響を与えるという心理学上の法則]というのは聞いたことがあるかもしれませんが、視覚と聴覚では大分違うと。だから、学生にメモを取りなさいということはよく言うんですけれども、メモさえ取れば目で見た情報が入ってくるので、耳で聞いた情報とか目から直接入ってくる情報と、耳で聞いただけの情報は大分違う。それから、自分の話のいろんな内容とかを目で見た情報だと55%ぐらい残るんですけれども、話の内容だけだったら7%ぐらいしか残らない。実際のことを言うと、LINEなんかのやりとりはここだけなんですよね。目で見ていますけれども、直接相手の顔とか表情とかを見ていないので、実際どういうことか分かっていない。でも、それを短絡的に判断して、すぐに次へ行ってしまうと、そういうようなことがあって、この辺りも、やはり正確にこういうことを知った上で、どういうときにLINEを使えばいいのかとか、どういうときはチャットでいいのかということを考える時間は持たせるべきだというふうに思っています。
 お時間のほうがありますので、生成AIについてはいろいろお話ししたいこともあるんですけれども、ちょっとパスさせていただきます。すみません。
 ただ、生成AIの中で間違ってはいけないことだけ少しお話ししとかなあかんのですが、AIは別に悪いものではないので使えるところでは使えばいいと思うんです。ただ、AIというのは人間の代わりはできないし、基本的には人が蓄積したデータからポッポポッポ出してきているので我々がつくった内容なんですよね。そこから出してきているということ。一番怖いのは、AIで何でもできるじゃんと言っている人がプログラミングとかをしてしまうと、これは当然変なプログラミングになってくるので、しっかりとAIそのものを知っておく必要があります。
 実際には、手順的な自動処理を行うというのがこのAIの基本線です。手順的に自動処理を行っていくということをやっているわけなので、そこのところの理解をしっかりしておいてほしいなというふうに思います。
 デジタル・シティズンシップ、さっきも言ったように規制や禁止では本当に根本的な解決になりません。さっきもちょっと言いました。出会い系サイトは撲滅しましたけれども、SNSとかに隠れているので、結局あれは駄目これは駄目と言ったら目の前からは消えていきますけれども、違うところで出てくる。これは本当に意味のないことですね。根本的に解決できていないので、やはり根本的な解決というのが大事なので、そこをちょっと考える必要があると思います。
 ただ、うちの妻と絶対けんかになるんですが、うちの妻はもうSwitchとかがあったらすぐ隠すタイプなんですね。使わさないようにするんです。僕は、そうじゃなくて目の前に置いても使わないという教育をしたいんですけれども、これでいつも喧嘩になります。なかなか、1つの家庭でもこの調子ですし、本来、私は大学教授なので妻ぐらいは何とか説得しないといけないんですが、全然できていない状況でございます。そういうような状況なので、ここら辺でもやっていかないといけない。
 デジタル・シティズンシップというのを、1つ言ってもらったらどうかなと思っています。これは、アメリカで1998年ぐらいに情報教育を出すときに、情報モラルと同じような考え方で、やっぱりみんなで一緒に考えていきましょうという考え方から出てきたものです。
 九つの要素があり、この九つの要素というのはこんな感じなんですけれども、ネットを使うときに必要だなというような要素がざーっと並べられています。これを、なぜここに出してきたかというと、令和3年12月に出ました総合科学技術イノベーション会議の中間まとめの中に、デジタル・シティズンシップが必要ですよということが出てきています。
 この感覚じゃないとあかんと。結局、情報モラルだと、やっぱりちょっと禁止とか、モラルなんでそっちのほうにどうしても行ってしまうので、そうじゃなくてうまく使っていくためにどうしようというふうにしないといけないよねということです。これが必要ですよということを言っています。
 ちなみに、サイトに全文が残っていますので、またよろしければ御覧いただければなと思います。
 すみません、駆け足でお話をしてきましたけれども、いずれにせよ情報モラルのための指導をしている嫌いがちょっと学校にはありまして、そうではないと。人間形成のためであると。それから、学校の先生自身もやっぱり目の前で成果を出させたいので、どうしても短期間で成果を出さすことばっかり教えてしまっています。そうじゃなくて、この子が10年後、20年後にどうなるかということを考えなければいけない。そういうふだんの人間形成ということを考えないといけない。
 例えば、LINEで言うと、LINEをなくしても何かでトラブルは起こるので一緒です。結局、いろんなことに無知であるということでトラブルは広がっていくので、やはりみんなで考えていく必要があると思います。こういうのは普通の授業とか、あるいはそういうのが起こった家での指導が効果的で、やっぱりおうちでしっかりとそれをやるということが本当は大事です。ただ、おうちの指導というのはどうしてもばらつきが出てくるので、やっぱり学校であったりとか、そういったところである程度の指導をしていくということが必要になろうかと思います。先生が背中で語れれば最高なんですけれども、なかなかそうはいかないかもしれません。
 保護者には、僕はいつも「ネットは包丁と一緒だよ」というふうに言います。どういうことかというと、包丁はうまく使えば私たちの生活をちゃんと役に立ててくれます。でも、下手したら自分を切れるし、下手したら人を刺すこともできます。ネットも一緒で、うまく使えば自分たちの生活に絶対役に立つんですけれども、下手に使うと自分が傷つくし、人を傷つけることもあるかもしれないですよね。
 だからやっぱり、何事もふだんの生活と全然変わっていないんだよということ、そこだけ別の世界じゃないよということをぜひ分かってくれればいいなと思っています。
 学校での対策はこんな感じだということで、学校の先生の研修のときにいつもこれを使うんですけれども、こういったことを挙げています。やっぱりふだんからしっかりやることが大事だというふうに思っています。
 視点として、やはり僕は人権と、人のことを大事にするということを、まずしっかり持っていくことが大事だと思っています。やっぱり差別とかのいろんな原因を見ていると、誤解とか知識のなさがほとんどです。ちゃんと考えれば何もおかしなことはないということがほとんどだと思うので、今やっぱり怖いのは情報の誤解ですね。情報の中身の誤解をすることによって、うまく使えなくなるということのほうが怖いです。正直言うと「あんなんあかんやん」という先生はやっぱりいてはるんです。「情報とか使わなくていいじゃん」と言う人もいてはります。そうではないですよね。やっぱりこの辺のところの知識をしっかり持つことが大事になろうかなというふうに思います。
 そういった意味で、やっぱり義務教育をまずしっかり行う必要があって、さらに大人への啓発というのも非常に重要かなと思います。やっぱりそれぞれが自分から学んでいけるような姿勢にならないといけなくて、そういうものは小学校の低学年ぐらいである程度つけていく必要があって、それはかなりやっているとは思います。ただ、保護者はそれでは何か勉強している気にならないので、それが気持ち悪く、どうしても塾へ行かせたりとかしてしまいますけれども、やっぱりこういったことをしっかりやる必要があると思います。
 最後にいつも僕は言うんですけれども、情報には絶対送り手と受け手があるんです。片方だけの情報というのは基本的に存在しません。電車の駅とかでずっとしゃべっているだけの人もいますけれども、一応あれも誰かに向けて言っているんですよね。聞いている、聞いていないは別としても、そういうのがあるわけです。ですから、やっぱりこの情報をこれからうまく扱えるようにするためには、相手の立場というのを考えられるようにならないといけない。それをやっぱりいろんなところでやっていく必要があると。それを積み重ねることによって情報をうまく使えるようになり、かつそういう闇バイトとかそんなんが少なくなってくれればいいなというふうに思っております。
 ちょっときれいに収め過ぎましたけれども、そういう感じで今考えております。また、いろいろ御質問とかいただければと思います。
 どうもありがとうございました。

◯磯野勝委員長  ありがとうございました。
 説明は、お聞き及びのとおりでありますが、元の状態に復するまで、しばらくお待ち願います。
 本日の所管事項の調査におきましては、テーマについて、参考人も交えて委員間の活発な意見交換の場となるよう、運営してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、御意見、御見解等がございましたら、御発言願います。

 

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◯島田敬子委員  本日はありがとうございます。前半の防犯対策等々の部分と、そして教育の問題と2つ柱があったかと思います。
 アメリカ全土では、SNSの有害性批判が沸き上がっているという報道を見ました。1月末には、アメリカ連邦議会上院がSNSの有害性をめぐって、SNS大手5社の最高経営者を招いて公聴会を開催し、SNSは危険な製品だと経営者責任を問いただし、昨年は全米41州の議会で公衆衛生上の危険をもたらすものとして勧告とかSNS大手社を提訴する行動も広がっております。
 また、フロリダ州では16歳未満の子どもたちに対して、通信アプリを除くソーシャルメディアの利用を禁止する法案を賛成多数で可決したということで、当初はSNSを通じた若者の自殺、あるいは性的搾取、フェイクなどが問題の核心だったけれども、現在はこの電子メディアの中毒性、これを指摘した勧告や提訴が続いていると伺っておりますが、この辺りは参考人、現状いかがでしょうか。

◯神月紀輔 参考人  これは記憶に新しいところですけれども、オーストラリアが子どもに向けての法律として、それも4つのメディアだけを挙げて、「4つか」と思いまして、ちょっとびっくりしました。4つのメディアだけを挙げて禁止する法案というのをつくりまして、一応可決はされているんですけれども、施行までにちょっと1年間の準備期間をということにはなっています。
 先ほどおっしゃっていただきましたように、SNSがあることによって本当に起こる何かということにこれまで注目があったんですけれども、SNS自体の依存性であり中毒性ということに対して注目するように、本当にやっとなってきたかなという感じかと思います。
 ただ、やはりSNSで情報をもらうことによって助かっている人たちというのも、ここにはまたいるわけで、そのあたりの線引きは非常に難しいなというふうに思います。
 ただ、子どもの脳というのは本当に柔らかすぎるぐらい柔らかいので、やはり子どもに対してはある程度の線引きというのは、本当は必要じゃないかなと思っています。僕も自分の息子には絶対に高校生まではSNSというか、スマホを渡さんとこうと思って、毎日これも喧嘩ですけれども、今は中2なんでかなり喧嘩になっています。でも、それはやはり義務教育をせめて修めろというふうに僕は思っていまして、そこの部分というのはやっぱり大事なのかなというふうに思います。
 ですから、中毒性の問題はこれからかなりクローズアップされてくると思いまして、もっともっと多くなってくると思います。日本は、やはり入ってきてから若干時間がかかりますので、そういったケースというのが顕在化してくるのに若干時間がかかると思うし、これからたくさんの医療的なデータとかが多分出てくると思いますんで、その辺をよく見てまた考えなければいけないのかなというふうに思います。
 ありがとうございました。

◯島田敬子委員  禁止や規制だけでは駄目ということで、個人個人が判断する能力をつけなきゃいけないというようなことが、やっぱりそこが非常に問われるのではないかというふうに思っています。
 今、子どもの脳のこともありますけれども、仙台市教育委員会と東北大学の川島先生のグループが、スマホを長時間使用している子どもの脳の中はどうなっているのかということで、子ども224名の脳画像を比較して3年後に変化を分析しましたら、ネット習慣の強い子どもほど言語性知能の低下が見られ、過剰使用の子どもは前頭前野、賢く生きる部分の6領域で灰白質や白質の体積が増えていかないと。3年間、大体この年代の子どもたちは40gから50g増えなきゃいけないのに増えないということで、脳そのものに影響を与えていて、実行機能や注意に関わる領域や情報処理に関わる領域、言語処理に関わる領域、喜びに関わる領域、社会的認知機能に関わる領域等、その領域と小脳、海馬、扁桃体、視床なども指摘をされているんですね。
 学力も低下をしている原因になるという、この研究が少し発信されて、なかなかこれはダーッとニュースに広がらないんですけれども、これは本当に非常に問題で、私は孫がずっとスマホをいじっているので。
 それから、この頃はお母さん、妊産婦さんも子どもを抱いて授乳をしながらスマートフォンを使って、ここから直接的に耳の穴から電磁波の障害なんかも言われていて非常に心配していて、やはりICTの活用の仕方、やみくもにしたらいかんということで、その分野での研究が急がれるというふうに思っているんですね。
 この仙台市教育委員会の取組でいくと、長時間勉強をしていても、4時間も5時間もスマートフォンをしたりテレビゲームをやっていると、どんどんと学力が下がっている。日本のGIGAスクール構想以降の全国学力調査でも負の相関関係が明らかになっていて、ICT機器を勉強のために使っている時間が3時間以上の生徒は、30分未満の生徒よりも全国平均正答率が小学校で11%、中学校で12%も低下をしているということで、日本は周回遅れでこれが始まっていますけれども、ヨーロッパでは、スウェーデンとかフィンランドですとか世界一の学力を競った人たちが、まず紙の教科書に戻そうということで動き出しているということで、その辺りの科学的な調査とか分析とか非常に重要であるし、脳が萎縮したまま大きくなっていかないということを取り戻すためには大変なことになるので、やっぱりこの辺りを正確に伝えるということが大事かというふうに思うんですが、その辺りはいかがでしょうか。

◯神月紀輔 参考人  川島先生の調査は、私も見ました。かなり軽くなっていると、脳の体積自体は少なくなったりとか、重さが軽くなっているということを見てかなりショックを受けたところであります。
 ただ、結局その1つ手前のとこではないかなと僕は思っていまして、何でそんな長い時間やってしまうのかというところをやはり何とかしないといけない。それはちょっとたしか前の調査だったと思うんですけれども、そのときには確かにかなり衝撃的にいろんなところに出ましたし、ニュースもかなりたくさん出たと思います。
 ただ、その後、やはり委員会なり教育委員会なりが何を考えたかというと、やっぱり勉強に自分から取り組む姿勢ですね。ゲーム、あるいはそういうネットの時間というのに依存で行ってしまうんじゃなくて、使わなければいけないところだけ使うというその姿勢。それをやるための教育というのをしっかりやらなければということはやっていると思います。
 ただ、皆さんよく御存じやと思うんでぶっちゃけ言いますけれども、やっぱり教員にばらつきがあると思います。それをちゃんと理解できている教員と、なかなかそうでない教員がやっぱりいると思いますし、その差というのはクラス間の格差になってしまったりとか様々出てきていると思うので、この辺りは教育委員会等を含めて、これから対策をしなければいけないんですけれども。授業が楽しい、学校が楽しい、勉強が楽しい、そこをまずしっかりやることではないのかなと。できるだけ違うことでできたことによってSNSとか、そういう時間をちょっと減らしていく対策というのは打つべきだなというふうに思っております。

◯島田敬子委員  仙台市教育委員会は、この結果を受けて中学生向けのニュースなんかも出していまして、いっぱい勉強してもスマホやテレビをずっとやっていると、あなたは学力が下がりますよと。4時間以上使っていませんかという、そういうことをやって、あなたの頑張りが打ち消されるんだというところまで書かれて。そうすると子どもたちが、勉強ができなくなるんだ、成績が落ちるんだというところに反応して、子どもたちが自分たちで話し合って、夏休み明けの全校集会でスマホとゲームが学力や脳に与える影響を勉強し合って、自ら自己をコントロールして、じゃあスマートフォンは寝る前はやめようとか、2時間以内にしようとかいうことが始まって、その結果また学習能力、点数が上がるので、経験上、やっぱりこうなんだということで、自分たちでルールを決めて、子どもたちが押しつけられないで主体的にコントロールしていくという、そういうことを通じてネット依存を解消しつつあるというようなこともあります。これは非常に上から言っても分かりませんので、これは私も衝撃的な取組があるんだなと思っておりまして、その点ではやはりICT教育が目的化するのではなく、それを上手に活用して、賢く活用しながら教育現場でもやる必要があるなと思います。そういう能力で学習力も上がりますと自己肯定感も高まって、変な情報に惑わされない子どもたちになっていくと思いますので、そういうことが重要かなというふうに思っています。
 ありがとうございました。