令和7年9月定例会 危機管理・健康福祉常任委員会2日目―2025年9月26日〜島田敬子府議の質疑応答部分

◯島田敬子委員  2点伺います。
 加齢性難聴者の補聴器購入助成制度の補助制度創設について伺います。令和4年12月定例会で、本府議会では、加齢性難聴者に対する補聴器購入に係る公的支援制度の創設を求める国への意見書を全会一致で可決をし、意見書を国へ送付しております。その中で、加齢に伴う難聴は日常生活を不便にし、症状の進行により人とのコミュニケーションが難しくなることで、高齢者の社会的孤立や鬱病、認知症につながるのではないかと考えられていること、また平成27年1月に策定をされた認知症施策推進総合戦略において難聴は認知症の危険因子とされていることなども踏まえて、聴覚障害の補正による認知機能低下の予防効果を検証するための研究結果を早期に取りまとめること、加齢性難聴者に対する補聴器購入について、補装具費支給制度の対象を見直し、新たな公的支援制度を創設するよう強く要望いたしました。
 そこで伺いますが、議会としてはこのような意見書、要望を上げましたけれども、本府としてはどのような取組を行われたのでしょうか。
 また、国の動きはどのようか教えてください。

◯松尾治樹 高齢者支援課長  加齢性難聴に対する京都府の対応でございます。聴覚障害で障害者手帳をお持ちの高齢者の方が補聴器を購入される際は、国の補装具費支給制度の中で購入費用の一部が支給されておりますけれども、加齢性難聴の多くは基準に満たないことから交付対象となっていない状況にございます。これらの方への助成についても、国の補装具費支給制度により対応されるべきものと考えておりまして、これまでから身体障害者の認定基準が適切なものとなるよう国へ要望するとともに、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度、中等度難聴者に対する補聴器の購入補助等の支援策を講じることについて、国に要望しているところでございます。
 また、関係団体のほうからは、加齢性難聴に関する早期診断や早期発見も非常に重要であるとお聞きをしております。京都府では、国のほうが作成された早期介入の手引きというのがございまして、それを市町村に周知するなど普及啓発に努めているところでございます。
 また、国のほうでも、委員から御指摘のとおり、認知症の要因の一つというような研究も出ておりまして、加齢性難聴に対する対応というのは非常に大事であるということで、国においても関係課横断的な検討部会を立ち上げて議論を進めておられるところでございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  関係課の議論というのはもう少し具体的にどのような検討でしょうか。

◯松尾治樹 高齢者支援課長  難聴に係りますので高齢者や障害者課とか福祉の課で難聴に対する対応というのを検討されているということになります。先ほどガイドラインについても、その検討会を通じて周知されているということと理解しております。

◯島田敬子委員  現在の補装具費支給制度で、先ほどお話がありました身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者のうち、障害手帳を所持する両耳平均聴力レベルが70dB(デシベル)以上の高度、中等度に対象が限られていて、40dB以上の中等度以下の難聴者については、購入後の医療費控除を受けられるもののその対象はわずかで、購入者の9割は自費で購入しているという現状ですよね。やっぱりこの40dB以上、中等度の難聴者への対策を本当に早期に取らなきゃいけないというふうに思うんです。
 国立長寿医療研究センター老化疫学研究部などの調査では、高齢者の知的な能力と難聴との関係を取り上げて研究をされていますが、日常生活で支障が出始める40dBを超える高齢者が70歳代男性で5人に1人、女性で12人に1人に上っていて、難聴の有無が60歳以上の方々の知的な能力の変化に及ぼす影響について、約12年間の縦断データを用いて検討されておりますが、知的な能力である知識力と情報処理のスピードに難聴がマイナスの影響を及ぼしているということが分かっております。
 府立医科大学のほうでも、病院のほうでも研究されておりますが、年を重ねても維持されやすい知的な能力である知識力が、難聴がある場合には低下する傾向があると、また、一般的に50歳中頃以降に低下を示します情報処理スピードが、難聴がある場合にはより急速に低下をすることも分かっております。難聴によって外界から入ってくる情報が少なくなることで知的な能力を使う機会が減って、そのために知的な能力がどんどん低下する可能性が推測されるとともに、聴力については補聴器などを活用すれば知的な能力の衰えを緩やかにすることができるという研究報告も出されております。いろいろ研究途上であると思いますが、このような結果についてはどのように認識されておりますでしょうか。

◯松尾治樹 高齢者支援課長  難聴者の方が補聴器を導入することで音が聞こえるようになることにとどまらず、生活の質、QOLや社会参加、心理的な健康だけではなく、仕事とか外に出やすいといった、そういった環境の継続のためには非常に有効であると考えております。
 以上です。

◯島田敬子委員  認知症対策でとても有効であるという研究報告もありますよね。京都府の第3次認知症総合対策推進計画では、将来推計で認知症及び軽度認知障害の高齢者数は年々増加が見込まれておりますが、2040年(令和22年)には京都府高齢者の81万5,000人のうち30万3,000人、約37%が認知機能に何らかの問題を有することになると予測をされております。残念ながらこの計画の中には、研究がずっと進んできて補聴器をつけると認知症を予防する効果なんていうのは全然触れていないんです。認知症になっても個人の尊厳が尊重され、安心して暮らし続けられる社会を実現したいと、その願いに応えるとしております。それは当然なんですけれども、先ほど申し上げましたように、認知症と難聴の研究も進んでおりますので、難聴を早期に発見をして適切に補聴器をつけることによって認知症の発症を予防ができると、これは家族、患者さんにとっても非常に負担の軽減になりますし、こういう言い方は嫌なんですけれども、やっぱり将来の医療費とか介護費用とかそういう点でも影響が大きいというふうに思うんですよね。なので、こうした点でやっぱり京都府としてもさらに研究も進めていただいて、国に意見を上げていただいておりますけれども、努力をいただきたいと思うんです。
 今日、補聴器の公的補助を求める会が聞こえのアンケートを実施されまして、483人の声が集められておりますが、耳が遠いと自覚のある人の6割が補聴器未使用、その方々の4割近くは補聴器が高いことが買えない理由となっています。片耳だけで20万、30万円以上もかかるので、補聴器購入に踏み切れない実情も見えてきておりますが、全国で473の自治体が補聴器の公費助成を行って、京都府下でも京丹後市、京田辺市、大山崎町、精華町で実施されておりますが、この市町村の努力にもお応えいただきたいと思うんです。特に大山崎町などでは、細かに聴覚障害による身体障害者手帳の交付対象にならない方で、先ほど言いました4分法で片側の耳が40dB以上、かつ他の耳が30dB以上に該当する方を対象とし、非常に研究されてこの制度をつくっておられるように思います。府下自治体の補助の金額はいろいろありますけれども、このような市町村の取組についてはどのような支援をされておりますでしょうか。

◯松尾治樹 高齢者支援課長  先ほど御紹介がありました、市町村における補聴器の購入助成についてでございます。市町村においては、人との交流や社会参加を促して孤立防止や介護予防のための聞こえに関する取組として、市町村の地域の実情に応じて実施をされているものと考えております。
 京都府のほうとしましては、先ほど申し上げたような認知症の早期発見ガイドライン等の普及、啓発等を行いまして、市町村と連携しながら進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  国への保険適用も求めていただきたいし、やっぱり府県が音頭を取って実施することで市町村の制度がぐっと前進しますので、御検討いただきたいと、これは要望をしておきたいと思います。
 2点目は在留外国人の国民健康保険について伺います。厚生労働省が、外国人が世帯主となっている国保世帯の保険料納付状況について全国150自治体を調査した結果、全世帯の納付率が93%で、外国人の納付率は63%であったということでございます。
 そこで伺いますが、150自治体のうち京都府下の自治体は何か所あるのでしょうか。お聞かせください。

◯東原勲 医療保険政策課長  今、委員御紹介の国の調査ですけれども、外国人が世帯主となっている国保世帯の令和6年4月から12月の保険料の納付状況につきまして、システムでありますとか手作業で簡易に集計することができる市区町村を対象に調査をされたところでございます。
 京都府内では、5つの自治体が回答をしているという状況でございます。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  5つの自治体というのは、差し支えなければどこの自治体かお教えいただきたいと思いますが。

◯東原勲 医療保険政策課長  5つの自治体でございますが、この調査は国が行った調査ですけれども、国からこの調査結果の内訳が示されておりませんで、市区町村名等の公表がなされていないということですので、ここでは答弁を控えさせていただけたらと思います。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  手作業とかいろいろやっている小さい市町村の実情なんかは、京都府は独自に聞かれていないんでしょうか。京都府自身が把握されている府内自治体の実態では、この外国人が世帯主の国保加入者の納付率はどのようで、どんな特徴があるのか、分かれば教えてください。

◯東原勲 医療保険政策課長  府内の状況でございます。先ほども申し上げましたとおり、国保のシステムで、その滞納の状況を集計できるというのは一部の市町村になります。ですので、滞納額ですとかというのは把握できない状況にあります。
 ただ、国のほうは令和8年度中にその滞納の関係も集計できるようにシステム改修を検討しているというところでございます。
 あと、滞納の要因というか特徴でございます。幾つかの市町村のほうに確認したところ、滞納となる要因は個々様々であるとは伺っておりますけれども、幾つかの市町村からは、そもそも出身のお国というか、出身国に日本のような公的医療保険制度がない国の方は、制度を御理解いただくのになかなか苦労するというようなケースも伺っておりまして、こうしたことから市町村において外国語のパンフレットなどを作成して理解いただけるように取り組んでいるというふうに伺っております。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  聞き取りをもっと詳細に教えてほしいんですけれども、そもそも今お話があったように、現在、国保加入者が外国人であるか否か確認しようがないのではないかと。京都市のホームページでは、プログラム上、被保険者の国籍別に徴収率を算出する機能を有していないため把握できないと書いてありました。全国の多くの市町村の国保システムは、外国人の納付状況を簡易に把握する仕様になっていないようでありますしね。現状、府内でこの把握するシステムをお持ちの自治体は何ヶ所ぐらいあるのでしょうか。

◯東原勲 医療保険政策課長  府内で外国人の収納率をシステムで把握できる市町村でございますが、4自治体になります。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  この間、国会の質問とか質問主意書等のやり取りを見てみますと、この150自治体の調査というのは、厚生労働省が自民党の外国人材等に関する特別委員会在留外国人に係る医療ワーキング会議に提示した資料であって、外国人の納付率を把握している150市区町村に厚生労働省が聞き取り、昨年12月末での調査結果だということでありました。厚労大臣が記者会見で「あれは集計しただけで統計ではない」という趣旨の発言もあったやに聞きますが、この辺の事実はいかがでしょうか。

◯東原勲 医療保険政策課長  この調査について、先ほども御答弁させていただきましたが、国のほうから調査結果の内訳というのがこちらのほうに来ておりません。
 ですので、どのような内訳というのは分からないところですけれども、京都府といたしましては、国のほうが来年度、令和8年度にシステムを改修して集計できるように検討しているところと伺っておりますので、改修され次第、府内の納付の状況を把握するように努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯十倉孝之 健康福祉部副部長(健康担当)  統計調査と言いますと、通常は悉皆で全件調査するか、標本をピックアップしますサンプル調査、このどちらかの方法でやるんですけれども、今回の調査はいずれの方法でもなく、滞納の実態が把握できているところのみを集計したものというふうに承知しております。
 以上でございます。

◯島田敬子委員  令和6年4月現在の自治体数が1,724、そのうち今、把握できている、あるいは今時点でシステムがあって簡易に調査できるのが150自治体程度と。多くの自治体が把握できていないのは現状で、4月4日の参議院厚生労働委員会の参考人質疑で政府参考人が「外国人の滞納状況を把握している自治体としていない自治体がある」とも答弁されておりまして、その限られた一部自治体のデータの結果をもって在留外国人の国保料納付率が約63%であると、これはマスコミも大々的に書きましたけれども、これはいかがなものかと思います。
 あと、国の調査で令和6年度の未収総額のうち外国人が1.5%であるということですが、少し詳細に教えていただきたい。令和6年度の直近会計年度の未収総額は幾らで、そのうち外国人は幾らになっていますでしょうか。

◯古川浩気 医療課長  委員がおっしゃっておられますのは、厚生労働省が実施しております医療機関における外国人患者の受入れに係る実態調査でございます。
 令和6年度ということで未収金の金額は、日本人を含め約881億円。これは直近会計年度の年間の未収金の総額でございます。うち外国人、在留外国人、訪日外国人両方の合計でございますが、13.3億円ということで、13.3億円割る881円で1.5%ということでございます。

◯島田敬子委員  分かりました。外国人による国民健康保険の未納が年間4,000億円という投稿がSNSで拡散されて問題になっていますが、これも令和7年7月15日、厚生労働大臣が会見で、令和4年度の国民健康保険料の未納額について、外国人に限らず全体で1,457億円であって、外国人の未納額が年間4,000億円という情報は当方の認識とは異なっていると述べられました。ここまでのうそとデマが広がっていることを知って驚きました。
 それで、事実として国民健康保険における外国人被保険者数が約97万人ですか。全被保険者の4%。総医療費に占める外国人の割合が1.39%で、つまり国保加入者の外国人比率4%よりも、医療費総額における外国人の医療費は低い。外国人の加入者は若い人が多くて医療費も低い。保険料の納付によって外国人が日本の医療保険制度を支える側であることが実態と指摘する方もございました。
 高額療養費についてもいろいろ言われておりますけれども、該当件数に占める外国人の割合が1.04%、支給額に占める割合は1.21%。これも厚労大臣が、医療費や高額療養費制度においては外国人の割合が高いということはないと認識しておりますとも答弁をいたしました。一部政党が、外国人が医療を過剰に利用していると問題視する中での厚労省の見解であり、これは重要だと思いますが、何か見解があればお答えください。

◯古川浩気 医療課長  委員から御紹介いただきましたのは、医療費の未収金の額などに関するデータでございます。未収金の額につきましては御紹介のとおりではありますが、御指摘のとおり、日本人を含む全体の年齢構成というのは外国人のほうが若くて、生産年齢人口の比率が外国人ですと86%ぐらい、それから全人口のほうが60%ぐらいと違うということで、医療費が全体のほうが高齢者も多いということでかかるということで、結果的に外国人の比率が低くなっているという側面もあろうかと考えております。
 外国人のほうがその未払いが多いとか少ないとかいうのは、その額だけの比較では一概には言えないかなというふうに考えておりまして、例えば、これは既存のデータでは分かりませんけれども、病院を受診した受診者のうち、その全体の未払いの発生率がナンボで、それから外国人はそのうちナンボやとか、そういうふうな考えも今後必要かなというふうに考えております。
 いずれにせよ、その医療費の未払いというのは医療機関の経営に大きな影響を及ぼしますので、こうした国の調査結果を踏まえまして、私どもも、外国人患者受入調整会議などを通じまして、医療機関からの聞き取りなど状況の把握に努めたいと考えております。
 以上でございます。

◯十倉孝之 健康福祉部副部長(健康担当)  先ほどの国保医療費に占める外国人の割合の関係でございますけれども、京都府におきましても被保険者が48万人に対しまして外国人の被保険者は約3万人でございまして、それを占める割合が大体6.2%、全国平均よりも少し高いという状況でございます。
 医療費の関係につきましては、全国と同じように、この人数が占める割合よりもいずれも低いという状況でございまして、データから見ますと、国と同じように医療費や高額療養費制度におきまして外国人の医療の割合が高いということはないというふうに考えております。

◯島田敬子委員  ありがとうございます。

◯家元優委員長  会派持ち時間、残り2分です。

◯島田敬子委員  いろいろと調査をされまして、私は医療現場の出身でありますけれども、費用というよりも、外国の方であれ旅行者であれ在留の方々であれ、やっぱり必要な医療を提供するということで、医療の現場でちゃんとコミュニケーションができるような体制になっているのかとか、この調査結果にはそういうことも含めてあって、京都府の会議でも議論もされているというふうに思っております。
 そして、やっぱり医療は保障されるべきで、そのときに自治体、病院等の負担、欠損が増えていくようなことはいけませんので、これは何らかの対策なりが必要ですし、もっと総合的に必要だと思っておりますが、実態はよく分かりました。
 今日の京都新聞の社説では、外国人政策について総裁選で分断をあおるなと、自民党総裁選の5人の候補者が外国人政策を論点に掲げているのが際立っている。自民党が大敗した参議院選挙での争点を念頭に置くが、外国人に対する根拠のない差別をあおる、この危うさを禁じ得ないと。根拠のない曖昧な虚偽論に乗っかって外国人管理を強調して分断をあおるのは政権与党のリーダーにふさわしいとは言えないとしています。地域住民としての受入施策の充実こそ急がれるとしておりますし、全国知事会も地域の産業、福祉に不可欠な外国人との共生と環境整備を呼びかける青森宣言を発表したところと紹介をしております。重要な指摘でありますので、こういう立場に立ってしっかりと体制も取って現場への支援をお願いしたいというふうに思います。
 指摘をして終わります。