所管事項の調査
下記のテーマについて、理事者及び参考人から説明を聴取した後、質疑及び意見交換が行われた。
・避難所における良好な生活環境の確保について
◯磯野勝委員長 次に、所管事項の調査についてでありますが、本日のテーマは「避難所における良好な生活環境の確保について」としているところであり、参考人として、通知をお送りしました参考人略歴のとおり、京都府立大学生命環境科学研究科准教授の荒木裕子様に御出席いただいております。
本日は、大変お忙しい中にもかかわらず、本委員会のために、快く参考人をお引き受けいただき、誠にありがとうございます。
荒木様におかれましては、京都府立大学生命環境科学研究科の准教授として、自然災害が多発している現状において、災害時でも安全で豊かな暮らしが継続するように、住まいや、住まいを取り巻く地域の安全の確保に向けて、取り組んでおられます。
また、内閣府の多様な主体間における連携・協働による「避難生活支援・防災人材育成エコシステム」構築の具体化に向けた検討会委員や関西広域防災計画策定委員会委員を務められるなど、国や自治体の委員としても防災・減災に向けて御活躍されていると伺っています。
本日は、そういった日頃の御活動を踏まえたお話をお聞かせいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、初めに理事者からテーマに係る説明を聴取いたします。
説明は、簡潔明瞭にお願いいたします。
◯坂根久尚 副危機管理監 それでは、京都府におけます避難所の良好な生活環境の確保に向けた取組につきまして御説明を申し上げます。
ただいま、お手元の端末に通知をお送りいたしました表題に「避難所の良好な生活環境の確保に向けた取組について」と書かれております資料を御覧ください。
京都府では、令和6年能登半島地震の教訓や府内で最大の被害が想定されております花折断層帯地震など、主要な活断層による地震の被害想定の見直し結果等を踏まえ、京都府戦略的地震防災対策指針及び同推進プランの改定を行っているところでありまして、重点的に取り組む事項として、孤立集落対策の強化、備蓄体制の強化、要配慮者対策の強化のほか、避難所の生活環境の確保に向けた取組を推進していくこととしております。
1点目の避難所の環境整備についてでございます。
令和6年能登半島地震においては、避難所の生活環境が整わない中での避難生活が長期化したことによりまして、災害関連死や健康被害などの発生が避難所における課題となったところでございます。そのため本府におきましては、避難所の運営主体であります市町村と連携して、簡易ベッドやパーティションテント、簡易トイレなどの避難所の環境整備を図るための資機材の備蓄を進めますとともに、温かい食事の提供や入浴施設の確保に向けて、民間団体等との災害時応援協定の締結などを進めることとしておりまして、今定例会で必要な予算を御議決いただいたところでございます。
2点目の在宅や車中避難者への支援についてでございます。
近年の災害においては、プライバシーの確保や、自分や家族の健康状態に課題があり自宅から出られないなど、様々な理由により避難所ではなく在宅や車中での避難を選ばれる方もおられるところでございます。このことから今後、在宅避難者や車中避難者の状況を把握する方法の検討を進めますとともに、市町村と連携して食料などの必要な物資の提供等に取り組んでまいります。
3点目の要配慮者や女性等の多様な視点を踏まえた避難所運営についてでございます。
避難所は地域の多様な被災者の方々が集まる生活の場となりますことから、高齢者や障害がある方などの要配慮者のほか、女性の視点を踏まえた運営方法など被災者に寄り添った運営を行うことが必要となります。このことから本府では、多様な視点を踏まえた防災対策を検討するための意見交換会を毎年実施するとともに、避難所の設置運営主体であります市町村と連携して避難所運営に関するマニュアルの整備や訓練等を通じた運営体制の確保に取り組んでいるところでございます。
以上が本府における主な取組内容でございますが、今後とも避難者の良好な生活環境の確保に向けまして、市町村や関係機関と連携の上、取組を進めてまいります。
また、次のページ以降には現在見直しを進めております第3次京都府戦略的地震防災対策指針及び同推進プランの改定に係る最終案の概要を添付しておりますので御覧おき願います。
説明は以上でございます。
◯磯野勝委員長 次に、参考人の御意見を拝聴いたしたいと思いますが、説明の準備が整うまで、しばらくお待ち願います。
それでは、荒木様、よろしくお願いいたします。
◯荒木裕子 参考人 皆さん、こんにちは。京都府立大学の荒木です。どうぞよろしくお願いいたします。
簡単に自己紹介をさせていただきます。もともと建築設計をやっておりまして、その後、防災の研究の世界に入ってきている者です。東日本大震災のときはNGOの職員として現地で活動しておりまして、その後、神戸にあります人と防災未来センターのほうで研究員をしているときに、関東・東北豪雨ですとか熊本地震といったところで行政の支援に入るといったこともしておりました。その後、名古屋大学におりまして、3年前から京都府立大学のほうに来ておりまして、京都のことはまだまだ勉強中でございますので、むしろ今後ともいろいろお教えいただければと思います。
すみません、なかなかこういった場でお話をすることがないので、前提として皆さんにちょっとだけ御質問させてください。今日は避難環境のことをということなんですけれども、避難生活を送ったことがある方はどれぐらいいらっしゃいますか。自分は避難生活を送ったことがあると。ありがとうございます、後ほど話をお伺いさせてください。
私は、気仙沼市でNGOの職員をしているときに、もう滞在場所がなくて被災者ではないんだけれども避難所で生活をしたことがございます。そういったところで、その後の災害でもなかなか避難所の環境は変わらないなというところで、もう13年、14年経つところです。
能登半島地震については、1月5日から輪島市役所のほうに入ったり、その後、京都府庁さんも入られていた七尾市にも入ったりしておりました。現地の状況というのは、皆さん、報道等でもよく御存じかと思います。被害が非常に大きくて、建物被害も大きかったですけれども、道路等が寸断されたりしてアクセス性が非常に悪いというところで支援が届きにくいといったことも起きておりました。
今日、能登半島地震を踏まえて避難所の生活環境はどういう課題があるのか、それから、皆さんが御想像される避難所は指定避難所であるとか、そういったところだと思うんですけれども、実際に避難所以外にもたくさん避難者の方はおられるので、分散する状況のお話、それから、そういうことに対してどういった支援ができるのかといったところの課題を含めてお話しさせていただきたいと思います。
メインのお話、避難所の生活環境というところで、皆さんは避難所というと、まずやっぱり体育館を御想像されると思います。体育館は運動するための場所ですよね。生活するための場所ではないので、そもそもそこがずれている。しかも、体育館は運動するための場所なので、基本的に体が温かくなることを前提としている場所なわけですよね。なので、基本的に冬だと寒いし、夏は暑いし、そして硬い、空間が広いといったところがございます。それに加えて災害が起きると、建物が大丈夫でもライフラインが止まってしまう、あるいは附属の物が落ちてきたりするというところですね。二次部材と言いますけれども、こういったところの損傷が起きます。
それから、避難された多様な方がそこで生活をするということになります。日頃、運動・活動をしている人じゃなくて、全然知らない人たちが集まって、寝泊まりをして、御飯を食べて、当然排泄もすると。しかも、いろんな方が来られるので、なかなかつながりがない方同士の場合、そこでルールとかを決めていくということをやらないといけない。なので、避難所の生活環境というときにもともとの空間の特性と、それから、それに輪をかけて災害が起きて機能が損なわれると、それからいろんな人が利用するというところで、空間の特性、災害の特性、それから、そこで生活される方の特性と、その両方を見る必要があるというところになるかと思います。
これは、能登半島地震の輪島市の避難所ですね。1月6日ですので6日目ということになります。それから、これは輪島高校ですけれども、建物は大丈夫なんですけれども、このように窓が全面的に割れて、この吹きすさぶ中で避難生活を送られると。最初に行って、もう本当に寒いのでどんどんほかの避難所に移動させなければいけない、そういった調整もしなければならないということも起きていました。
さらに、ここからくるっと振り向くと、こういった内部が壊れていると。建物構造本体は大丈夫であっても、こういった損傷が起きて、場合によっては設備とかが被災しているとか、そういったことも起きます。
さらに、これは輪島市の町野町のほうですけれども、この後、孤立の話も出てきますけれども、そこの避難所に最初に入られた方に加えて、やっぱりどんどん避難者の方が来ると。それは周辺から来るだけではなくて、京都府もそうだと思いますけれども、孤立集落から孤立解消させるために運んできた方をじゃあどこに入れるかみたいなところで、もうたくさん人がいるんだけれども、その方たちのスペースをつくらなければならないといったことも起きていました。
見たとおり、やっぱり高齢者の方が多い中で、先ほど言いましたように日頃使えるものが使えなくなると。水が使えない、下水道が使えないという中で代替のものを入れるんですけれども、やっぱりそれは普通の方にとっても使いづらいですけれども、さらに身体的に自由が利きづらい方にとってはさらに使いづらいというか、ほぼほぼ使えないという状態になったりします。
さらに、緊急的な避難、命を確保するための避難というところで行われるわけですけれども、どんどんニーズが変わっていきます。これは、現地から市の災対本部にこういった物資が欲しいんだというのを送られたメモなんですけれども、ちょっと見づらいですけれども、書いてあるのは口腔ケアですね。口腔ケア用品であるとかドライシャンプーであるとか、体拭きのシート、どんどん食べる・飲むというところから、やっぱり衛生環境的なところ。口腔ケアは非常に知られているところですけれども、これはちゃんと口の中をきれいにしとかないと誤嚥性肺炎になって、それで関連死に結びついてしまうというところで、求められるニーズがどんどん変わっていくという状況がございます。
さらに、今回冬場でしたので、インフルエンザですとかコロナですとか、それからノロウイルス、そういったところも発生したりしておりました。そうするとケアもそうなんですけれども、空間的なところの確保、その両方が必要になっていたというところです。
孤立して非常に寒い中、御飯をどうするのかというのは非常に大きい問題だったんですけれども、ある避難所では学校の施設の中でこういったものを使って炊き出しをやっておられました。今回、炊き出しをしている避難所は結構あったと思います。特に汁物はすごく重要で、それはほかのものを食べやすくする、それから温かい、気持ちが落ち着くといったところがあります。ですから、こういったことをできることは非常に重要なんですけれども、その一方で、やっぱり地域性によっては、それは女性の仕事みたいなところにどうしてもなってしまって、それに追われて、その方がおうちの片づけに行けないとか、そういったことも生じると。
そうであると、どうやったらそこを補えるのか、だから炊き出しはやめましょうという話ではなくて、担当される方も含めてみんなでどうやってできるのかというのを考えましょうというのは1つの課題かと思います。
食料が届きにくい中で、プッシュ型の支援物資はやがていっぱい来るようにはなったんですけれども、その中で、それが来るまでは地域の方で炊き出しをされていたといったところがございました。
先ほどの女性がそれに追われて家の片づけができない。今だとむしろ、都市部でも働いている方はいらっしゃいますので、そう考えるとやっぱり避難所運営自体を女性の方も入って一緒にやらないといけないんだろうなというのは思うところです。
今お話ししたこの3つ、空間の特性、機能の喪失、それから利用者・運営者特性といったところで、これは事前にどれぐらい改善できるのかというのが1つあるかと思います。特に、空間の特性に関して言えば、もちろん学校施設のほうは、そもそも温暖化の傾向もあって、日頃から空調設備を入れるとか、そういったところも出てきているかと思います。日頃からやっぱり施設自体が使いやすい、特に高齢者の方を含め、その施設が使いやすいものであるということは非常に重要かと思います。それから、機能の喪失も、やっぱりできるだけ耐震化して備えておくことというところもあります。利用者・運営者特性だと、やっぱり日頃から訓練しておくことが事前に必要かと思います。
ただ、やはりこれは事前にできることばかりではないので、実際に災害が起きたときにどれだけ速やかに改善できるのかといったところも重要になるかと思います。
発災して速やかに生活環境を整えると。今、皆さんが取り組まれるのは、まずやっぱり備蓄をしておいて、すぐ対応できるといったところかと思います。ただ、最初の段階は、特に緊急性の高い避難が行われた場合は土足で体育館のような場所にばっと入ると。しかも、危険な状態ですので、たくさんの方を中に詰め込むと。そういった中で、どういう方が中におられるかというのはなかなか把握しづらいといったことが起きます。
これを徐々に生活環境として良いものに変えていくというところを、緊急避難的なところから生活の場所としての機能をいかに構築していくのか、ここをどれだけ早く、できるだけ速やかにできるかといったところかと思います。その人に即した生活となりますとやっぱり、どういう方が避難されているのか、どういうことにお困りなのかということを把握するというところ、それから、必要な支援を届けるというところ、その両方が必要になります。
できるだけ早く、速やかにしようと思うと、やっぱりこれも事前にどれだけ準備できているか、その場でできるかといったところですね。もちろんどのような支援を行うのかという方針決定の話と、それをやっぱり実行しようとすると、避難者御自身、それから避難所運営に当たる方、その両方が、やっぱり皆さんが協力して行うことが必要になります。そうすると、自主運営ですとか情報集約というのをやっていただく。さらに、医療的な福祉的な支援も含めて、専門的な知識・知見のある方というのが一緒に考えていく。これは、トータルで避難所の支援のマネジメントとして考えておく必要があります。ただ物があればいいというわけではないということかと思います。
今日は避難の環境がメインでございますので、これは能登半島地震ではなくて西日本豪雨のときのある避難所です。ここも緊急避難が行われたのでどろどろだったのが、あまりにも環境が悪いのである時中をやり変えるというところで、このダンボールの仕切りとかダンボールベッドを入れて空間をつくり変えたといったところでございます。こういうパターンが多いかと思います。
一方、今回、七尾市の避難所の事例ですけれども、割と雑然としたような雰囲気もあるんですけれども、よく見るとやっぱり丁寧に場所の検討が行われていて、奥のほうはテントがあって個別性が高い。それに対して前のほうはオープンなんですよね。むしろ、ここにおられる方、例えばやっぱり高齢者の方であるとか自分一人でなかなか行動がしづらい方は周りの人が目にしていて何かあったら手伝うとか、そういった形で空間の構成が行われていました。なので、良い空間というのは別に一律である必要はなくて、やっぱり避難者の方に対応した空間というのを徐々につくっていくといったことが必要かと思います。
これは体育館の空間構成ですね。緑の部分が共用スペースで、皆さん話し合いとか一緒に御飯を食べたりとかできる。黄色の部分が先ほど言いました比較的寝ている方、お手伝いが必要な方がおられるような場所で、それに対してもっと、特に若い女の子とかがいたりしますのでテントとかで個別性があったりとか、その方たちに合ったような空間づくりが行われていると。
でも、これをしようとすると、やっぱり管理者だけでは無理で、避難者御自身、それから、こういうこともできるよねとか、こういうことも必要だよねという専門職の方とかボランティアさんとか、皆さんで協力しながら自主運営の体制をつくっていくといったことが必要かと思います。
今、避難所というと、一般避難所と、それから福祉避難所、それから、さらに条件の厳しい方、医療的な支援ですとか、緊急入所といったところになるかと思いますけれども、今回も非常にたくさんの関連死の認定が進んでいますけれども、やっぱり間の方ですね。やっぱりできるだけ要支援者にならない、その手前ぐらいの方を苦しい生活環境に置いてしまうと、どんどん身体能力ですとか認知能力が低下してしまうので、どうやったらこの方たちが日頃行っている生活の延長線上で避難生活を送れるかといったことが重要かと思います。特に今後高齢化が進む中で、ここもまだまだ手当てしないと、むしろどんどん福祉的なニーズのほうに寄ってしまうというところかと思います。というのが今、集合型の避難所が置かれている状況ということでお話しさせていただきました。
今回、分散する避難者ということでお話しさせていただくのは、本当に今回能登を見て、京都府の皆さん、うちでも来そうといったのは孤立の問題だったかと思います。孤立だけではなくて、これは輪島市ですけれども、非常にたくさんの避難所ができました。もともと指定避難所というのは48か所だったんですけれども、159ヶ所が避難所状態になっていると。人口の約半数の方が、この避難所状態の場所におられたという形になります。
もちろん避難所に入り切れないということもありましたけれども、やっぱりたどり着けないといったことも非常に起きました。それは、孤立だけでなくて、やっぱりちょっと道が悪いと御高齢の方は移動ができない、そういったところも含めて民間施設とか、よく報道にありました軒先とか、そういったところで避難が行われたという状態でした。
それから、孤立のお話ですね。もちろん、これはどうやったら孤立を解消できるのか、道を通すところと、それから孤立している方も運ぶと、その両方で対策しながら徐々に孤立という状態を解消していくといったところが行われておりました。
先ほどの避難所ですね。これは報道でもありました。例えば、ビニールハウスで過ごされる方たちであるとか、これは役場の支所ですね、そういったところで生活を行われるという方もいらっしゃいました。
私もこの避難者支援の研究をしていて、それまでは大きい避難所、要するに指定避難所、小学校ですとかそういう基幹的な避難所に、周辺で避難所状態になった方は物資を取りに来てほしいという形での支援方法かなと思っていたんですけれども、今回はとにかくもうそこからも取りに来ることができないと。なので、むしろやっぱり物資の地域の支援拠点から小さな避難所にも物を送らないと、そこでの生活が継続できないといったことも起きておりました。これは輪島の門前町の物資拠点ですけれども、このように行き先ごとに物資を分けて、そこでニーズに合わせて積んで、自衛隊さんが運ぶといったことも行われていました。
これは、もちろんその土地の条件ですね。普通の車両では通れないので、やっぱり運んでもらうしかないといったところ。それから通れたとしても、やっぱりその地域の方が皆さんもう高齢化していて取りに行くことができないということであれば、そこにどうやったら支援を届けられるのかというのは、日頃からやっぱり考えておく必要があるのかと思います。
それから、輪島市とか珠洲市のほうで被害が甚大でしたのでクローズアップされておりましたけれども、京都府庁さんも支援に入られた七尾市、避難所数31か所、避難者数、これは公開されている資料で、本当はもっと多かったと思いますけれども、このような状態でした。人口比で見ると、この1月10日時点だと2,200人、人口の4.5%の方が避難所状態のところにおられたというところです。これをどう解釈すればいいのかというのは難しくて、むしろ大方は在宅避難しておられたということになります。
先ほど輪島市は半分ぐらいだったわけですけれども、七尾市だと、もうほぼほぼ在宅避難か御親戚宅等に行っておられて、むしろ集合していないので、その方がどういう状況なの分からないですので、そういった方が安全ならいい、御飯を食べられているならいいんだけれども、それが分からないということに陥ります。
これは水害とかでも、被災している場所と被災していない場所というのがはっきり分かれる場合もありますし、今回の地震のように壊滅的にやられていないんだけれども、まだらに被害が出ているような場所ではやっぱり起きるということがございます。
一方、在宅避難の方のお話を聞いてみると、建物はやっぱり被災はしているんですよね。崩落していたり、屋根がずれていたりと、雨漏りがしてかびが発生している中での生活ですとか、ライフラインが止まっている中で断水している、トイレが使えない、飲み水がない、そういった中での生活。さらに、周辺の福祉施設、医療サービスを含め止まっていると。そうなると、日頃デイケアでお風呂に入れていた方とか、御飯を食べていた方が行けないので家族で見ないといけなくて、でもそもそも日頃からできないから預けているのに、じゃあどうやったらいいのかというところで大きな負担になってしまう、そういったことも起きていました。
御親戚宅等へ避難される方もおられましたけれども、なかなかやっぱり日頃の生活環境が変わる中で認知機能が低下するとかいったことも起きていました。
さらに、避難所ですとまだ支援の情報とかが入ってくるんですけれども、おうちにいると、どこにその情報があるのかが分からない。それで避難所に行けばというのもちゅうちょするといった中で、今後どのように支援が受けられるのかなかなか分からない。それから、逆に支援する側も、どういった方が何を必要としているのか分からないといったことが起きたりしておりました。
集合型の避難所の話と、それから分散している避難者のお話をさせていただきました。その支援、あるいは、どういった方がどこにいるのかというのを把握しようとすると、やっぱりある程度の仕組みが必要かと思います。
支援は、なぜ届かないのかという話ですね。このお話もずっとさせていただいているんですけれども、地域の方に「どうして支援は届かないと思いますか」とお話をすると、大体「物がないから、物資がないから」、それから「届ける方法がないから」というのを最近はよく言われます。そもそもやっぱり物がなくなっちゃってない。それから、運ぶ方法がない、運ぶルートがない、それから物というのは分けようとすると、どんどん大きいものを送るわけにいかないですね。さらに、ニーズに合わせて分けると。仮置場の場所が必要なんだけれども、それがないといったところで、実際に物が届けられないということがあります。
でも、その前の段階で、やっぱりどこに何を送ればよいか分からないといったことが起きます。先ほどお話ししたとおり、どこにどれだけ、どのような避難者がいるのか分からないと届けようがないわけですね。さらに、どのような支援を必要としているか分からないと。
案外、情報というのはふわふわと飛んでいるもんだったりします。というのは自衛隊さんが現場を回られたり、それから地域住民の方、あるいは消防団の方が情報を「あそこのうちは何か高齢者2人でいるけれども大丈夫かな」みたいな話とかはあったりするんですね。でも、それを集約して統合する仕組みがないということが起きたりします。さらに、その情報を統合して、こういう方にはこういう支援が必要だよねとか、でも、ここでこういう方がおられるんだったら、ここもそういう方がいるんじゃないかという推定ですね。なかなか、それができないということも起きます。
そういった検討をする枠組みがなかなかできない。それから支援の方法の決断・決定ができない。さらに言えば、物資にしろ医療にしろ福祉的なものにしろ、物を運ぶとするならば、物資の調達と運搬、それからそれの連絡手段であるとか、いろんな方が調整して行わなければならないんですけれども、そこを誰と調整すればいいのかということが事前に分からないといったことも起きたりします。
ですので、支援を届けるためには物だけではなくて、やはりそれを届けるためには何が必要なのかといったところ、対応の仕組み、それから体制といったところ、その両方が必要になります。
一方、やっぱり本当に大きな災害になると、体制づくり自体が非常に難しくなります。まず、膨大な情報と業務量が発生します。これは日頃からやっていることではないことが非常に増える、あるいは日頃やっているんだけれども、量がすごく増えてしまうということがあります。一方で、孤立しているようなところだと、逆に情報が入ってこない。そういった中で情報の集約と不明情報、情報がないというところ、これも情報なんですけれども、そこを統合して対応を考えなければならない。
先ほど言いました、平時とは異なる業務内容、対応・体制です。そうであると、やっぱり災害対応を経験したことがない、これは行政の話になりますけれども、やっぱりやったことがない対応部署にとっては何をやればいいのかが分からない、そういったことが起きます。さらには、皆さん、京都府庁さんも支援に行かれましたけれども、今、大きい災害になると、いろんな自治体さんですとか、あるいは企業さん、そういったところも含めてたくさんの方が支援に入られます。そうしたときに統制が取れないということもありますし、逆に一見すると被害が小さいようなところだと支援者が入ってこないで、もともとそこにいる職員だけで回さなければいけないといったことも起きます。
そのような混乱する状況の中で、情報共有ですとか意思決定というのがなかなかできない。日頃やっていることはできるんだけれども、それが災害時として切り替えることができない中で、何を優先して連携して行っていくのかが決められないといったことが起きます。そういった、もちろん住民の方も支援者の方も行政の方も、なかなか先が見通せない中で疲弊していくというのが現状かと思います。人が足りない、連携が足りない、それから災害対応のノウハウが不足しているといったことがございます。
というところで、今日、能登半島地震を踏まえて避難所の生活環境、それから分散する避難者の状況、それから災害対応体制の課題ということでお話しさせていただきました。
今後に向けて少しお話しさせていただけるとすると、今のお話のまとめにもなりますけれども、やっぱり日頃からどれだけ準備しておけるか。それから、発災後に速やかに改善できるかといったところかと思います。これは何か相反する考えのような感じもするんですけれども、でも平時からの連続性が必要である。それは、先ほど言いました避難環境の話。やっぱり、日頃からいい環境でなければならないし、日頃から人のつながりもなければならない。
その一方で、発災後の転換ですね。やっぱり災害時なんだというところを切り替えることがうまくできるかといったところも、日頃と同じようにやっていてはうまくいかないところもやっぱりあるといったところがあります。そうした中で特に日頃からやっていただくこととしては、やっぱり起こり得ることの想定というのを現実的にやっていただいて、地域の特性、京都府もいろんな地域特性があると思います。それから、起こり得る災害の状況も異なると。それに合わせた訓練、あるいは人材育成、住民の方も一緒にやっていただくといいですし、それから災害対応を本当にするんだということであれば、もう皆さんで取り組んでいただく、地域住民の方、それから支援組織と行政、専門職、それからNPO、NGOなど市民セクターですとか、それから企業さんなど、そういう方たちと日頃からつながって、やっぱり災害時どうなったらどうするかということを一緒に考えていただく。
それから、その想定は必要なんですけれども、実際起きたときに、いかに柔軟に対応できるか、やっぱり何のためにその災害対応をするのかということを共有しながらやることを決めていく、必要な人たちとつながって、応援も受け入れて、あるいは受援もしてというところで体制を準備して対応するということが重要かと考えております。
以上でございます。
◯磯野勝委員長 ありがとうございました。
説明は、お聞き及びのとおりでありますが、元の状態に復するまで、しばらくお待ち願います。
本日の所管事項の調査におきましては、テーマについて、参考人も交えて委員間の活発な意見交換の場となるよう、運営してまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、御意見、御見解等がございましたら、御発言願います。
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◯島田敬子委員 今日はありがとうございます。私の実家のほうは熊本地震で被害に遭いまして、空路で飛べるようになった後、10日間ほど経って現地に入り、体育館で高齢者とか村の人たちは、それこそ毛布を重ねたところで雑魚寝、若い人はトラックで、私もエコノミー症候群にならないように軽トラックで過ごしました。それから、自衛隊が入ってきまして、自衛隊のお風呂に順番に入り、そして親戚の家族は障害がありましたので、近くの温泉が活用できるようになって、また温泉に連れて行って、お風呂を介助してというようなことも経験いたしました。
田舎の人たちは非常にたくましいので、それぞれ野菜とかを持ってきて炊き出しは本当にあったかいものをやっておられました。ところが、そのことによって食中毒なんかが起こるような事態、特に経験したわけじゃないですけれども、やっぱり自主的なそういう炊き出しというのは、そういうことも起こり得るというようなことで、これは喜んでばかりもいられないのかなと後から思ったところです。
私はこの議会で、在宅の人工呼吸器を装着している患者さん、難病、医療的ケアの必要な患者さん方の呼吸器の電源確保ができない現状がまだまだあり、それから福祉避難所にも行けないし病院にも受け入れてもらえないしというようなことで、本当に大きな課題があるということを勉強しました。
熊本地震でも、せっかく助かったのに医療的ケアの必要な人が電源が切れまして亡くなられるというようなことも聞きましたので、こういう医療的ケアの必要な方々の支援というのは、今、個別支援計画をつくるということで総力を挙げて日頃から訓練もしながら、あるいは電源確保もしながらということで取り組まれております。この点、少し何かございましたらお願いします。
◯荒木裕子 参考人 詳細を教えていただいて、ありがとうございます。特に医療的ケア児のお話がありましたけれども、やっぱり日頃からそういった方がおられるというのがなかなか地域で見えないというのが1つあるかと思います。そこも、だから日頃からの繋がりをいかに作っていくのかというのが本当に大きな課題の1つ。そうでないと、やっぱりどういった支援を必要としているのかも分からないといったところで、まさに個別避難計画をつくりながら、地域の方にそういった方がおられる、そういった方がどういう支援を必要としているのかというのを知っていただくと。なので立派な計画ができるというよりも、それも重要なんですけれども、それを一緒に考えていただきながら、そういった方がおられる、どういう支援を必要としているのか皆さんに知っていただくというのは、非常に重要な取組かと思います。
私も七尾市のほうでヒアリングをさせていただいたときに、やっぱり周辺の方に助けていただいたというお話をお伺いしましたので、本当に日頃からそういった方がおられるということを知っていただく、それで専門的なケアがそのときに入れられるという、その両方が必要なんだと考えております。
◯島田敬子委員 電源確保については、様々な取組が今、市町村の日常生活用具給付、障害者の給付の中でやるところがあったり、京都市内はこの新年度予算に独自の電源確保の補助金制度もできたようなので、やっぱり避難所に行けないので、どっちかというとやっぱり在宅で避難、特に高いマンションに住んでいると余計に移動もできないし、最低72時間の電源確保、あるいは発電機等が欲しいというような要望があって、ぜひ本府の取組の強化もお願いしたいです。
もう1つは、何年たっても変わらない雑魚寝という環境、なぜ日本はこんなに遅れているのかということを参考人がおっしゃいましたけれども感じます。ちょうどイタリアとか、あるいは台湾とかで、被災後すぐボランティアも駆けつけて、あったかい食事も食べられるし、ベッドで寝られるしというような避難生活を安心して送れることで報道もあって、余計に日本の対策の遅れを感じているわけなんですけれども。
避難所のスフィア基準に基づいて、避難所環境の最低限の目安となる数字を定めて、居住空間の広さで1人当たりスペースは最低3.5平米とか、トイレの数は男性1に対して女性3人とか、あるいは洗濯施設がどうとか、入浴施設がどうとかという、そういう基準をきちっとつくって、それを国が責任を持って整備をしていく、予算もつけてということなんですが、日本ではなかなかこの基準を法制化出来ていないです。これはイタリアなんかでは守らないと罰則がかかるぐらいに厳しい法律をつくって対応をされているんですよね。この辺り、やっぱりそういう基準も持って必要な支援を行っていかないと、地方自治体によってなかなか格差も出てきている状況があるので、その辺りはいかがでしょうか。
◯荒木裕子 参考人 ありがとうございます。もちろんスフィア基準すら守れていないというところで、日本で結構言われているんですよね。1つには面積的なところの基準、仕様的な基準はある程度各自治体さんでもって整備をされようとするのですが、なかなかやっぱり避難者数がそれを上回ってしまうというところが現実的な状況かと思います。やっぱり、人口密度が高い日本というところだと思います。であると、今現実的な話としては、初動の部分はやっぱり安全確保のためにある程度空間が確保できないのは仕方がない。それをいかにうまく生活環境として切り替えていくかということが重要かと思います。
その中で、その人が必要とする空間整備というのを徐々にやっていくといったところが必要になりますし、それから、やっぱりイタリアの事例で申しますと、それを誰がやるのかといったところとたしかセットの仕組みですよね。それも行政だけではない、やはりそれを運ぶ人、それから調理する人、考えてくれる人が市民の方からおられる、その仕組みも、それが丸々日本に合っているのかといったところもございますし、日本だとどういうふうにできるのかということを、日本全体という話ではなくて、この地域なら、この自治体ならというところで考えて今後はやっていく必要があるのかなと思います。
◯島田敬子委員 今回、広域的にダンボールベッドやパーティションなどを備蓄しておくという予算も通りましたけれども、やっぱり避難所に身を寄せている方々にダンボールベッドが要るかと聞いても、なかなか状況を見て、これは置けないなと思って、ベッドを置くスペースがないので希望しないと、やっぱりベッドを置くことは周りの避難者の同意まで要るので、なかなか簡単ではないんだなと、やっぱりそういう問題も出てきているようです。しかし、地べたで雑魚寝でいますと、やっぱり健康上も非常に良くないというふうに思うので、ベッドを配置することは良かったんですけれども、やっぱり日頃から誰が設置するのかも含めまして環境を整えていくことが必要だと思うんです。
それで、災害関連死のお話がありましたけれども、先ほどの熊本地震でも80%が直接死ではなく災害関連死、中越地震でも77%、西日本豪雨では25%が直接災害から命を守れたのに関連死で亡くなられている。そして、またその7割が女性で、エコノミー症候群とか健康を害する女性が多いという現状なんかも伺いました。
そして、食事の問題、お水の問題がありましたけれども、トイレの環境が悪いとなかなかいけないので我慢をする、水を我慢する、食事も我慢するというようなことで、それも健康を害していくというようなこともありますよね。
それで、やっぱりトイレ、キッチン、ベッドという、48時間以内に取りつけるという、もう大分注目を集めてきていますけれども、やっぱりそういう方向を全ての自治体が目指せるように、国も京都府もしっかりと、財政ももちろん必要ですけれども、きめ細かな計画なり対策が必要ではないかなと思っております。
あと、女性の問題で先ほど言いましたけれども、「防災のカギは女性の参画」が必要で、「女性が関われば避難所が変わる」という報道をNHKがしておりました。それで、プライバシーの問題、それから性被害の問題、本当に困難な現状があると。もちろん育児とかいう問題もそうですし、その点で先ほどの女性の視点からというお話もありましたけれども、参考人からも一言いただきたいのと、京都府の危機管理部の体制を見ておりますと、30人のうち女性が2人しかいないということで、これはやっぱり防災に対して女性の視点から考える計画ができるという点になると、やっぱりそういう部局には女性をもう少し増やさなきゃいけないというような提言もちょっと聞いているんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
◯荒木裕子 参考人 女性の関わりは本当に増えてきてはいると思います。それでもやはりなかなか、日頃からそこでその地域の活動に参画していないとか、そういったところでやっぱりこれも災害時だけではなかなか難しいというところはあるかと思います。
全然やっぱり視点が違うんだなというのは、先ほどの炊き出しの話でもありましたし、そもそもやっぱり性被害のことで言えば全く御理解いただけない方もいらっしゃいます。こんな災害時に、ましてや自分たちの地域でそんなことが起きるわけがないとおっしゃるんですけれども、災害時は地域の方だけでなく、外からもいろんな方が入られますし、そもそもやっぱり日頃から女性は気をつけなければならない状態なのに、さらに混乱している状況で、それでしかも口にすることが難しいとなると、やっぱりその方の状況を理解できる方が仕組みづくりのところ、運営のところにいていただくというのが、まずは重要なことかなと考えております。
◯森田倫明 危機管理総務課長 先ほど島田委員のほうから御紹介がございました、今、危機管理部は職員40名おりまして、女性職員は6名でございます。職員の配置のことでございますので、女性・男性の割合というのは年々変わってくることでございますが、委員御指摘のとおり防災におきまして女性の視点というのは非常に重大事だということは我々認識の上、災害対応等に当たっているところでございます。
以上でございます。
