10月4日の本会議において、共産党府議団からは意見書・決議案に関して成宮真理子議員が、知事提出議案に関して島田敬子議員が、それぞれ討論に立ちました。
共産党府議団公式サイトに発言の文字起こしがPDFでアップロードされていますので、ぜひご覧ください。
→意見書・決議案討論|成宮まり子議員
→議案討論|島田けい子議員
○島田敬子議員 日本共産党の島田けい子です。会派を代表し、ただいま議題となっております第二号議案「令和5年度京都府一般会計補正予算(第4号)」をはじめ、全ての議案に賛成の立場で討論を行います。
長引くコロナ禍と原材料費の高騰などで、府内中小企業や農林水産業は、依然、非常に厳しい状況に置かれております。
全国的にも、今年度上半期の企業倒産が前年同期比3割増と3年ぶりに4,000件に上っていますが、倒産の99%が中小企業であり、8月の倒産の増加率はコロナ禍以降最大となっています。ゼロゼロ融資の返済が本格化し、融資を受けた企業の倒産が急増しています。コロナ後の業績回復が思うように進まず、先行きの見通しがたたない事業者は途方に暮れています。この時に岸田内閣が、免税事業者にとって実質増税や取引停止に追い込まれかねないインボイス制度を強行し、消費税減税にも背を向けていることは断じて許されません。
その上に、緊急経済対策を速やかに決定し実施すべき時に、国会を開かず、経済対策のとりまとめは先送りにし、その内容も、“減税”は賃上げする企業を後押しする法人税の優遇などで、物価高騰に苦しむ国民生活の負担軽減には程遠いものです。JNNの世論調査でも63%の人が「期待しない」と回答し、TBS系ニュース番組で、インボイス制度導入に反対が48%と、賛成を大きく上回るなど、インボイス中止撤回を求める声も急速に広がっています。
国言いなりの経済対策ではなく、府民の暮らしの悲鳴に応え、インボイス制度廃止と消費税の減税を国に求めるとともに、労働者の賃金の引き上げや、苦しむすべての中小業者・農林水産業が事業継続できるよう、より本格的に、より実効性のある取り組みを求めるものです。
数点、指摘・要望をさせていただきます。
『中小企業経営改革支援事業費』について、生産性向上と高付加価値化を同時に実現する取組みへの支援でありますが、厳しい状況に置かれている現状を踏まえ、中小零細事業者の事業継続のために、最も大きな負担となっている固定費への本格的支援を求めます。また、事業の目的に中小企業の賃金引上げの環境整備が必要とされていることは重要であり、ダイレクトに賃上げに結びつくよう求めるものです。
『産業創造リーディングゾーン加速化事業費』については、財源として新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充てていますが、同交付金は新型コロナウイルス対応、その後のコロナ禍における原油価格・物価高高騰対応分として適用されているものであります。提案されている事業は産業の革新や新産業創出を進める趣旨であり、本来の交付金の趣旨である物価・資材高騰への緊急対策として活用されるべきと考えます。
また、『フードテック推進事業』についてですが、ゲノム編集トラフグをはじめとする新たな価値づけの商品について、消費者が安全と判断できる環境も整備をされておらず、食の安全・安心や食糧システムへの悪影響について検証もなく推進するのは問題です。
『農林水産業経営改善支援事業費』についてです。生産コストの削減や高付加価値化に繋がるような省エネ機器の導入を支援するもので、6億円規模の追加補正を行うものですが、小規模農家の需要も多いと聞きます。不足する場合は更なる追加補正を含め、農家の皆さんが営農を諦めることのないように支援を求めておきます。
異常気象により、コメは高温障害で今年は一等米が少なく、米価も下がり、コメ農家では赤字が拡大し、これから出荷の時期を迎える秋ナスも枝がすでに枯れてしまって収穫できなくなっている野菜農家など、府内各地の農家の収入減少、甚大な影響が広がっています。
丹波町の酪農家では、飼料の高騰で、この1年間、毎月赤字続きで、年金をつぎ込んでも足らず、娘に借金をしている有様だという方をはじめ、地域の酪農家のほとんどが同様の状況とのことです。
飼料・肥料・資材、燃油をはじめ価格高騰を支援する緊急対策を国へ求めるとともに、本府でも何等かの緊急対策を急ぐ必要があります。食と農業を守るために根本的政策転換がいよいよ必要であることも申し添えます。
物価高騰で府民の暮らしの悲鳴が上がっています。『きょうとこどもの城等特別支援事業費』では、イベント開催支援のための補正ですが、子育て世帯の大きな負担である学校給食の無償化、子どもの医療費助成制度の更なる拡充、学費無償化を国の制度として実施するための財源確保を求めるとともに、本府としても、市町村とともに本格的に取り組むことを求めます。
以上で、討論をおわります。ご清聴、誠にありがとうございました。