付託議案及び審査依頼議案
下記の議案について審査が行われた。
・第1号議案「令和4年度京都府一般会計補正予算(第6号)中、所管事項」
・第14号議案「損害賠償の額を定める件」
◯長谷川健康福祉部長 ただいまより通知をお送りいたします。今お送りいたしました通知でございますが、「府議会定例会 府民環境・厚生常任委員会提出資料(付託議案)」と記載されております資料により、健康福祉部から1件御説明申し上げます。
御覧いただいている資料の次のページご覧ください。第14号議案損害賠償の額を定める件についてでございます。
令和4年5月1日から5月19日までの間、京都府立桃山学園敷地内の倒木の発生により、応急対応や安全管理に要した経費といたしまして、西日本旅客鉄道株式会社が受けた損害に対し京都府の損害賠償の額を定めるものでございます。
以上が付託議案の概要でございます。どうぞ御審議のほど、よろしくお願いいたします。
引き続きまして、健康福祉部関係の審査依頼議案についても御説明申し上げます。
ただいまお手元の端末に通知をお送りしております。表題に「第1号議案 令和4年度京都府一般会計補正予算(第6号)健康福祉部」と記載されている資料を御覧ください。
第1号議案令和4年度京都府一般会計補正予算(第6号)のうち健康福祉部所管についてでございます。
今回の補正予算では、新型コロナウイルス感染症に対する対策及び原油価格・物価高騰により厳しい運営状況にある子ども食堂や社会福祉施設等への緊急支援として326億3,800万円の増額補正を行おうとするものでございます。
まず、新型コロナウイルス感染症対策費として316億7,900万円を計上しております。これは、現行の医療提供体制の確保と感染症対策への支援を9月末から12月末まで3ヶ月間延長するために必要な経費等を計上しております。
なお、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、国において見直しの検討が進められておりますので、それらの動向を踏まえながら予算を執行することとしております。
次に、地域医療介護総合確保基金積立金として6億5,100万円を計上しております。
これは、介護サービス事業所における新型コロナウイルス感染症対策に活用するため京都府地域医療介護総合確保基金への積立てを実施するものでございます。
次に、原油価格・物価高騰対策緊急生活支援事業費3億800万円を計上しております。
これは、今般の原油価格・物価高騰の影響を踏まえ、子ども食堂等を対象に育ち盛りの子どもたちが適切な食事をとり、健やかに成長できるよう、食材費の高騰分に対して支援を行うとともに、社会福祉施設等を対象に送迎等のサービス提供が維持できるよう、必要な車両の燃料費の高騰分に対して支援を実施しようとするものでございます。
以上が審議依頼議案の概要でございます。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
◯島田委員 新型コロナ感染症(COVID-19)対策費、医療提供体制の確保に関連して、ちょっと議案に関して質問いたします。
病床確保支援事業が今年度当初予算及び6月補正で総額383億円、追加補正が204億円ということであります。随時、必要病床を確保、支援する病床を増やしてきたということでありますが、それにいたしましても今なお感染者が減少傾向にあるものの、死亡者が続いております。特に高齢者です。
それで、本会議でも森下議員が質問しましたが、施設留置で急変で亡くなる方とか、今日も伺ったんですが医療従事者が1人もいないグループホームで感染者が出たけれども入院させてもらえないという事態が継続をしていることは大問題だと思うんです。本当に必要な人が必要な医療を受けられる体制をつくるという点で、これまでの本府の取組、予算も随分使いましたけれども、これをどう評価されておるのか。
それから、これは病床を回転していくために継続療養者転院受入等支援事業費も盛り込まれておりますが、後方病院に病床をつくって回転させていくという努力もされたと思うんですが、現実にはそのような状況で、必要な医療が提供されないまま亡くなられる方が続いているということで、この辺りをどのように認識し、今後の施策展開は、特に今回は継続案件ばっかりで新たな施策はないんですが、たくさんの施設の団体とかから要望が相次いでいると思うんですが、こういう声をどう受け止めて、どのように対策を講じようとしているのか。お答えいただきたいと思います。
◯井尻健康福祉部副部長(地域包括担当) 今回お願いをしております病床確保の支援事業でございますけれども、これにつきましては、この年度当初からの分も合わせということで、今回は3ヶ月分の延長でございます。今ありましたように、入院と申しますか医療提供体制につきましては、まず病床の必要な部分をできるだけ確保していくということと、あとは一般医療との兼ね合いで適切な医療体制を整えるということで、この夏の場合ですと救急のほうの逼迫もあったんで、一般医療を提供しつつ、コロナの受入れができる形にさせていただくということで、その中で、国のほうからも一般医療との兼ね合いの中で、感染者が拡大していく中で必要な方について入院ができるようにということと併せまして、医師が入院の必要がないと認めるものについては施設のほうで静養していただくという形の中で、施設における医療体制の提供も図りつつ病床の確保を図ってきたところでございます。
施設のほうからの入院の希望というのはございますけれども、京都府におきましてはコントロールセンターのほうで必要な方々を含めて判断をして、入院が必要な方については入院ができる体制を整えてきたところでございます。
以上でございます。
◯島田委員 いや、入院が必要な方が入院できていない現状について現場から声を出されておりますよね。京都新聞の報道にも、るるあります。9月14日付の取材ノートで「高齢者のコロナ感染 入院できる体制の構築を」と題して、北部の高齢者施設でクラスターが発生して、留め置かれた90歳代の女性が1ヶ月後亡くなられた事例を紹介されています。
保険医協会の第6波における調査での15人の施設留置による死亡について、本委員会でも取り上げました。改善を求めましたが結局改善がされずに、今回は京都市老人福祉施設協議会の緊急調査で52の施設の回答結果が紹介されておりましたので、施設から取り寄せて見ました。回答した施設の31施設のうち6割が、やっぱり入院施設をきちっと確保してほしいという声が圧倒的で、施設内療養での死亡者が6人、救急車で来てもらえなかった人が1人、救急車が来たが搬送してもらえなかった人が7人、救急車が来てくれて搬送したが入院できなかったが3人、合計13人の方が救急車を呼ばなきゃいけないほど状態が悪化したのに手遅れで亡くなったというふうなことであります。
この事実を何度紹介しましても、適切にやっているんだという答弁ではやっぱり住民の命を抱えて守っていただいている介護施設なり医療施設の従事者にしたら本当に悔しい思いであります。
右京のほうでは医師会のチームを派遣してもらって、いろいろやってもらって感謝している部分はありますが、状態が悪化をして、もがき苦しむ方が入院できなかったことが悔やまれると、助けてくれと懇願される方を前に入院を断られた、コントロールセンターとのやり取りで延命を希望するか、往診医はどうなったか、そのような状態では無理と断られて、利用者に死ぬしかないと言っているような状況で、施設側もなすすべがなく非常に心が痛んだ、結局基礎疾患が悪化して19日後に亡くなられた。
他方、クラスターで陽性となったショートステイの方は在宅から救急車でちゃんと運んでいただいて入院できたということで、本当に介護施設は生活施設でありますので、クラスターが発生すると介護職員も看護職も減って、夜間介護職員が1人で陽性者を何十人も見なければならないと。せめて状態の悪い方は入院できるようにしてほしい。これが痛切な施設の要望でありまして、その点からすると、これまで国の交付金を活用して、いろいろ対策を打っていただいたんだけれども、こうした状況にあることを踏まえて課題は何かと、やっぱり検証しないと6波、7波、8波と続いているわけですよ。そこら辺りは、もう少しリアルにといいますか、真摯にこれを検証もしていただきたいと思うんです。
私どもは、厚生労働省に直接行きました。やっぱり見直しは言われておりますが、今、原則は入院なんです。それで、もちろんこれは無責任だと思うんですが、あとは現場の判断だと。そして、国も府も現場の判断だと言われて、留め置かれて医療を受けられずに亡くなる事態が続いていることについて何の痛みも感じないのかと、私は率直にそういうふうに思うわけです。
この点、再度ちょっと、どういうふうな検証を行って、これから冬季のインフルエンザと同時に感染が爆発する可能性もある第8波ですか、次に向けてどういう体制を構築しているのかということが今回の補正予算にやっぱりないと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
◯井尻健康福祉部副部長(地域包括担当) 今回のほうが第7波と言われる部分でございますけれども、今おっしゃられたように第8波というのがあるとすれば、この冬かというようなところかと思います。国のほうでも8波に向けての対策ということも含めてですけれども、8波は冬に向けては新型コロナウイルス感染症と合わせてインフルエンザの同時並行も危惧されるというところでございますので、やっぱり府としては、今おっしゃられたように7波から6波の部分もですけれども、状態をもう一度見直す中で8波に向けての対策は取っていきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
◯島田委員 いえいえ、対策を取っていきたいと、具体的に中身の改善点が見られませんよね。部長、京都市の老人福祉施設の協議会のアンケート調査の要望書は見ておられますか、あるいは知事にお届けになったでしょうか。
◯長谷川健康福祉部長 まずは、今回のコロナ感染症に関しまして、お亡くなりなった方に関しまして御冥福をお祈りしたいと思っております。
御指摘の、特に今回の第7波における入院コントロール調整でございます。
患者数が相当数増加いたしまして、また同時に通常の医療も逼迫したと。通常の救急医療も含めて逼迫をし、さらに各医療機関においてはそれぞれ院内クラスターや職員の方々の感染が拡大したということもありまして、現場としては非常に逼迫した状況の中で調整をさせていただいたというところでございます。
それぞれ高齢者施設等々の施設からの御要望につきましては、私もいただいておりますし、真摯に内容は読ませていただいていますし、当然施策の方向性につきましては知事とも十分御相談しながら進めさせていただいております。
先ほど副部長からも答弁させていただきましたが、次の第8波に向けて、これからまた国の方針も出てくると思いますが、私どものほうでもきちんと検証して対応策を練っていきたいと考えております。
◯島田委員 国のほうはどうも緩和策ばっかりで、しっかり命を守ろうということにはなっておりません。
令和3年決算の概要をお聞きしておると137億円の包括支援金を国に返還される。これは、ほとんどが病床確保。どうしてこのお金をもう少し活用できないのか。
それから、今後また方針が出てきますが、そこにやっぱり本当に現場の実態を反映して、検証していただいて改善しないといけないというふうに思うんです。
加えて臨時医療施設運営事業費4,300万円、サナトリウムに移設された入院待機ステーションの運営に係る経費であります。これも資料をあらかじめいただきましたけれども、当初と補正と合わせて、当初で5億5,000万円、6月補正で2億4,000万円、今回4,300万円と、実績に応じて利用者が少ないんで施設の借上げ費とその他の経費にまた充当していくんだということです。
この入院調整期間に早期に酸素療法なり中和抗体療法なり、必要な医療を提供するための臨時施設をなぜこのようにうまく100%活用できていないのかという問題があるというふうに思うんですね。
2〜3週間前に利用延べ人数を聞きましたら144人で、今日聞きましたら145人ということで、お1人しかないということは、今ほとんど使われてない。だけれども、現実に先ほど申し上げましたようにグループホームでお医者さんも看護師さんもいないので、入院させてほしいと、病院にも行っていらっしゃらない、待機ステーションも活用できてないということで、これはどうしてこんなことになるんでしょうか。この入院待機ステーションの運営経費に関わる予算について、もう少し御説明をいただきたいと。
それから、新聞では24時間が原則だと、入院日数が長くなる傾向のある高齢者は滞在させにくいと報道されておりますが、ここはやっぱりせっかく予算もつけて確保しているわけで、なぜ運用できるように改善しないのか。この辺りの御見解を伺います。
◯十倉健康福祉総務課長 入院待機ステーションの状況でございますけれども、入院待機ステーションは、入院が必要な患者さんが病院の許容量を超えて搬送先が見つからないときに、救急車に乗せたままとならないよう一時的に待機いただくための機能と、待機期間内において応急的な医療を提供することで患者さんの保護を図ること、そういう機能がございますが、いずれにいたしましても、速やかにコロナ病床のある病院に入院していただくことを前提とした施設でございます。
今回、第7波におきましては、7月29日から医師・看護師を常駐させまして動かしたところでございますけれども、今、委員がおっしゃいましたとおり、27日の零時時点で延べ人数は145名、おっしゃられたとおりの数字となっているところでございます。
活用につきまして、臨時の医療施設ということもございますので、常備している医薬品の種類が限られていることですとか、CTやレントゲンがないなどの設備面での不足部分もございまして、結果的に少なくなったのかもしれませんけれども、今第7波が収まってきつつございますので、第8波に向けまして、現場の意見もよく聞いて、さらに活用していただけるように検討してまいりたいと考えております。
◯島田委員 入院待機ステーションという位置づけが、そもそも入院調整のための機関で短期間ということになっていますが、これでは現状に合いませんよね。障害がある方とか高齢の方とかがしっかり入院できる施設を、既存のコロナの現在の登録の病院で足らなかったら、やっぱりきちっと整備をする必要があるというふうに思うんですよ。
新規感染者は減少傾向でありますが、先ほども申し上げましたように連日高齢者を中心に亡くなられております。言葉は悪いんですけれども、もう高齢者は死ねと言っているようなもので、これはもうまさに棄民政策だと。
経済の再生だと規制緩和の方向ばっかり言って、観光にはたくさんのポイントをあげて、お金のある方は観光旅行にいそしみ、片や医療・介護の現場は本当に悲壮な苦労をしているにもかかわらず、ちゃんと命を守ってあげたい方々が亡くなられているという現状は、どう見てもおかしいですよ。
なので、この現場の悲痛な声に応えるために、医療提供体制の確保の在り方、そして今の臨時的医療施設の問題については、本当にきちっと運用ができるような改善を求めておきたいというふうに思います。
以上です。