令和4年6月定例会 府民環境・厚生常任委員会(3日目)―2022年7月15日〜「女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求める意見書に関する請願」 島田敬子府議と他会派府議の発言部分

付託請願

・第1418号請願「女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求める意見書に関する請願」について審査が行われた。

◯島田委員  「女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求める意見書に関する請願」についてです。
 ジェンダー平等の前進を求める声と運動が日本社会でも劇的に高まっています。これらの願いに応えて、誰もが性別に関わらず、個人の尊厳を大切にされ、自分らしく生きられる、全ての人にとって希望に満ちたジェンダー平等社会をつくることは政治の責任だと考えております。
 世界経済フォーラムが経済、教育、保健、政治の分野ごとに各主要データをウエートづけしてジェンダーギャップ指数を算出しました。7月13日の発表では、日本の順位は146ヶ国中116位と、相変わらず先進国の中では異常な低さが続いています。
 この状況を変えようと、女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める運動に取り組まれ、地方議会の意見書は全国130の地方議会で採択をされております。昨年12月には幅広い女性団体でつくる女性差別撤廃条約実現アクションも取り組まれ、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党、れいわ新選組、公明党、無所属の国会議員が参加をいたしました。府議会各会派の皆さん方も当然御賛同いただけるものと確信をしております。
 女性差別撤廃条約選択議定書は、条約の実効性を強化するために1999年に国連総会で採択をされ、締約国189ヶ国中114ヶ国が既に批准をしております。選択議定書の批准によりまして、女性差別撤廃条約の示す男女平等の実現を促進することが日本の現状打開のために急務となっていることから、女性差別撤廃委員会における日本レポート審議では2003年、2009年、2016年とも選択議定書の批准が奨励をされ、日本が批准を検討するよう繰り返し求めているところであります。
 第5次男女共同参画基本計画は、女子差別撤廃条約を積極的に遵守、女子差別撤廃条約の選択議定書については、諸課題の整理を含め早期締結について真剣な検討を進めるとしておるところであります。政府はこの計画にのっとって、速やかに選択議定書を批准すべきであります。
 同議定書が採択されますと、条約で保障された権利侵害を個人や団体が国連の女性差別撤廃委員会に直接申立てをすることができます。委員会がその内容を審議して、通報者当事国に見解、勧告を通知する制度を定めておりますので、選択議定書に基づく個人通報制度の創設は女性の権利を国際基準へと変えるために不可欠な課題となっております。
 これも、国会でも20年以上検討を続けておりまして時期尚早ではありません。議論は進んでおります。地方から声を上げて政府や国会を動かしたいと考えておりますので、賛同をよろしくお願いをいたします。
 以上です。

◯北原委員(自民党)  条約締約国の個人または集団が、条約で保障された権利の侵害を女性差別撤廃委員会に直接申し立てることができるということなんですけれども、島田委員もおっしゃいましたけれども、それは個人通報制度というところになるのかなと思います。
 我々は日本国にいまして日本人でありますので、日本国の法制度というものがあります。それで、ほかの各国にもそういう独自の事情とか、そういった背景もあるものであって、わが国と単純に比較できるという状態ではないということであったりとか、この女性差別撤廃条約選択議定書というものだけではなく、他のいろんな人権に関する条約というものにも個人通報制度というものは今現在も検討されているというところで、なかなかこういう我が国の法制度の下で、他の国との整合性というところで検討をして課題があるというふうには思います。今この22年間とおっしゃられましたけれども、それでもやはり速やかな批准を求める段階にはないという状況だと思いますので、これには反対します。

◯島田委員  これは、例えばジェンダー等に関して、DVで子どもが殺されたり、夫から暴力を受け続けたり、そういう事例がスペインでもあって、国内法でいろいろあってもそれを国連に持ち込むことで解決につながるという事例がある。
 日本も最高裁で判決が出ても、これがなかなか実行されないというか、そこまでの保障をするのに、各国の政府もいろんな取組をされていますが、それも含めてこの国連の場でしっかりと議論をいただいて、その国にちゃんと勧告をする、駄目ですよと。これは、だから国際基準に基づいて全体の、世界的な国際水準を上げることになって、そして日本の女性の人権も、いろんな性差別とかいろんな暴力についても打開ができるということでの、その水準になっているということなんです。
 なので、そういう意義あるものなんですよ。
 だから、逆に言うと、それだけ遅れているということですよ。なので国連から早く条約に批准しなさいよと言われているわけですよ。
 現にジェンダー指数が116位ですよ。女性の人権保障が、ジェンダー平等が遅れているんですよ。そういうことでありますので御承知おきください。

 

●審査結果…挙手採決の結果、賛成少数により、不採択と決定した。