委員会活動のまとめ
本来なら5月臨時会において「委員会活動のまとめ」を行っているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として、委員会の場で各委員から御発言いただくのを取りやめ、希望される委員は書面で事務局に提出していただくこととされた。
委員会終了後、別紙「委員会活動のまとめ」のとおり、希望する委員から書面にて委員会活動のまとめが提出された。
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◯原田委員 委員長、副委員長、理事者の皆様にはお世話になりありがとうございました。
特別委員会の活動も、コロナ禍のもと当初の審議や調査に大きな影響下での議論となった点は残念に思うところもあります。
委員会の議論や活動では、DMOとの連携や、地域の在り方、地域の暮らしとの関わりでより積極的に取り組むべき課題があったのではないかと思います。
私の関わった何点かの課題では、京丹後市丹後町の若手刀剣作家の移住工房開設に関わって、振興局や海のDMO、京丹後市等の関与や地元金融機関等の支援などで、今年3月に開設の運びとなりましたが、いくつかの教訓があったと思います。
移住での助成制度が過疎地指定から外れていることで資金繰り問題から、各種助成制度の活用、地域での核となる若者として従来にはない仕事で単なる工房というだけでなく、将来的にも新たな産業や観光にも貢献する物であり、地域経済にも関わってDMO社長には特別な援助をいただきながら移転準備から関わることができたと思います。
このことが発端ではないですが、本来の移住の在り方、地域経済や住み続けられる地域づくりにも関わって、暮らしていける地域経済には不十分さはあると思いますが、移住制度の国の見直しとも軌を一にする取組に関わることができたと思います。
地域の在り方、人が暮らしていける地域経済、古民家活用等々新たな観光拠点の展望も示されましたが、その一方で地域で生業として暮らせる地域経済を新産業やベンチャー等に頼った傾向が行政からは示されてきたように思います。
本来の伝統地場産業、地域に根づいた産業振興、農業、漁業の振興等住民目線での振興策等、魅力ある地域づくりが求められます。同時に地域交通政策等についても求められますが交通体系はコロナ禍を理由に減便等が進められるなど重大な状況にあります。一方、新名神等の開通等を活用した、京都市内や南部での開発圧力が強まり優良農地が潰される事態にあり、新たな災害の危険性や自然環境を生かした地域づくりとは違った、さらなる開発圧力となるような事業計画も行政主導で示されるなどその在り方は十分な議論が求められると思います。
◯島田委員 1年間、お世話になりました。ありがとうございました。
10月4日「地域公共交通の確保について」のテーマに土井勉参考人を招致して議論をしました。
コロナ前から7割の事業者、バス事業者、鉄道事業者は赤字で、さらにコロナ禍で非常に大きなダメージを受けましたが、これをどう支えていくのか、極めて大きな問題になりますが、公共交通政策、京都府の役割は重要です。「地域公共交通活性化再生法」、その前提となる「交通政策基本法」に基づいて白書をつくっていったり、あるいは地域公共交通計画をつくっていく中で、これまでは鉄道事業者、バス事業者任せであったものを行政が、地方公共団体が自ら先頭に立って、地域公共交通をこれからは維持し確保していくという役割があります。その中で、都道府県の役割は、地域公共交通、それから鉄道やバスの活性化と再生を推進するために、広域的な見地から必要な助言、援助を行う、それから主体的に公共交通の活性化と再生に取り組むということでありますが、公共交通の話をすると、すぐに、自動運転、デマンド、コミバスがいいなど、乗り物からスタートすることが多いのですが、きっちりその計画を考えないといけません。移動の仕組みを導入する時、自分たちが困っている人を助けるためにはどういう仕組みがいいのかということを、ぜひ考える。そのために、移動に困っている人の把握から始める、調査をするというとても大事な指摘がありました。府の今後の取組に当たって理事者もぜひ御留意いただきたいと思います。
参考人は、さらに、京都府は、広域的な仕事をされる立場から、できるだけ専門的な知見あるいは現場感覚を持って多くの市町村の皆さんの中に入り、より望ましい仕組みをつくっていくことや、高校生の通学の保障をどうするかという点で高校生のワークショップを開いて声を聞くなどの御自身の取組を紹介されていましたが、重要な示唆です。
地域づくり、という点で一言申し上げておきたいのは、北陸新幹線の延伸計画に関わって在来線が削減される大きな問題が出ています。さらに、この事業そのものが、住民の合意なく進められ、美山の森や里山のよさを、豊かな自然環境を壊しかねず、田歌の住民の方とか、京北の山国とか、Uターンされて若い人たちが頑張っておられる地域を壊す計画は中止、見直しを求めておきます。
地域の資源存続がかかっている時に、イベントとかインバウンド偏重の施策ではなくて、やっぱり地域資源を生かし、地域の人々の英知を集め、人々がその地域で生きられる、そういう生活基盤、農林水産業基盤の整備など第1次産業支援の支援を含めて、持続可能地域づくりへと御努力をいただくことが必要です。魅力あるとは、住んでいる人々も、訪れる人々にとっても魅力あるものにならなければなりません。以上、感想と指摘要望を申し述べ、まとめといたします。
◯馬場委員 正副委員長並びに、各委員の皆様には、1年間大変お世話になりました。また、理事者の皆様におかれては、コロナ禍で府民の命と暮らしを守る最前線で御奮闘いただく中で、特別委員会での議論にお力をお貸しいただいたことに改めて感謝を申し上げます。
1年間の委員会での調査研究や委員間討議を振り返ると、「魅力ある地域をどのように作るのか」という前提として、地域交通の問題や教育の問題など、地域に住む人々が住み続けることが出来ることをどのように保証するのか、この部分に行政として京都府の取組が求められていることを改めて感じさせられました。
その点では、理事者とのやり取りでも指摘をしましたが、かつて府の職員を地域に張り付けて、課題解決に取り組んできた里の仕事人などが廃止をされ、公共員などに置き換えられ、さらにその公共員も費用対効果で継続的にその活動を保証するものになっていないことは、極めて問題があると感じます。
民間の力を借りることを全て否定するものではありませんが、公の責任が薄められることが無いようにすること。どの地域でも、安心して住み続けることが出来る条件を作ることこそ、魅力ある地域づくりにつながるのではないかと考えます。府としてもその点での取組の強化をお願いします。