◯鈴木企画理事兼商工労働観光部長 商工労働観光部の鈴木でございます。
商工労働観光部所管の付託議案につきまして御説明申し上げます。
座って失礼いたします。
本小委員会に付託されております商工労働観光部所管の予算関連議案につきましては、第1号議案、第5号議案、第7号議案、第8号議案及び第64号議案でございます。
令和4年度当初予算額でございますけれども、当部関連で一般会計の歳出総額が1,720億6,141万8,000円でございまして、令和3年度当初予算から比べますと9億4,962万円余、0.6%の増額となっております。
また、特別会計の歳出総額は、3つの会計で4億8,297万8,000円でございます。
さらに、令和3年度一般会計補正予算(第20号)、(第25号)といたしまして、209億6,800万円の歳出予算の補正をお願いいたしております。
今回の当部の予算につきましては、目下の重要課題でございますコロナ対策や安心・安全対策など年度当初から取り組むことが必要な施策を中心に、骨格的予算として計上させていただいております。
また、国の補正予算も積極的に活用いたしまして、令和3年度2月補正予算と一体的に、切れ目のない14ヶ月予算として編成をさせていただきたいと存じております。
まず、主な事業につきまして御説明申し上げます。
最優先課題でございますコロナ対策のうち、雇用対策といたしましては、雇用情勢の悪化を踏まえ、深刻な影響を受けている方々に寄り添い、失業なき労働移動に向けた総合的な取組を推進してまいります。具体的には、地域雇用再生緊急対策事業費といたしまして、企業の成長分野への業種転換や事業の多角化を推進することによりまして、新たな雇用を創出するとともに、キャリアチェンジやキャリアアップに向けたセミナー等によりまして、求職者の人材育成を支援し、双方をマッチングいたします。
あわせまして、学生就職応援事業費といたしまして、府内学生の内定率がコロナ前の水準に戻っていないことや高卒の約4割は卒後3年以内に離職していることを踏まえ、学校・企業・ジョブパークが連携いたしまして、合同企業説明会や高校教諭を対象といたしました企業説明会を開催することによりまして、徹底した就職機会の確保と早期離職の防止、職場への定着支援を図ってまいります。
次に、事業者への支援といたしましては、旅行など消費の抑制や燃料・原材料価格の高騰などが続きまして、非常に厳しい状況にございますことから、経営改善や事業継続に向けた切れ目のない支援を実施してまいります。
まず、金融・経営一体型支援体制強化事業費でございます。
無利子・無担保・無保証料の制度融資の実績が約1兆円を超えておりまして、今後、中小企業の資金繰りの問題が顕在化することが懸念されることを踏まえまして、金融機関と経営支援機関の橋渡しを行います特別経営指導員を増員し、行政・金融機関・経営支援団体が一体となって中小企業の事業継続に向けて伴走型でサポートするとともに、コロナでの経営改善や新規事業展開を支援いたします。
また、きょうと魅力再発見旅全国展開事業費といたしまして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により落ち込んでおります府内旅行業界の需要回復を図るため、感染状況を踏まえながら、府内旅行に対する割引及びクーポン券の発行を支援いたします。
あわせまして、京都舞鶴港コンテナ物流機能確保事業費といたしまして、府北部地域の物流の安定を図るため、京都舞鶴港に寄港する船会社に対しまして、寄港する際に必要となる経費を助成し、既存航路の維持や新規航路の誘致を推し進め、基幹航路でございます韓国航路を核とした戦略的な物流網を構築いたします。
このほかにも、中小企業の経営安定・成長を支援する施策をはじめ、スタートアップの成長支援や伝統産業支援、商店街振興など、京都産業の継続的発展のために必要な経費について計上しているところでございます。
以上、商工労働観光部の主な予算の概要でございます。よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
・・・
◯島田委員 3点伺います。
まず、観光問題です。
先ほどからいろいろ議論がありました。率直に京都市民から、
「京都市財政が大変大変って言うてはる。でも、観光客さんはたくさんいらっしゃるのにどうして税収が増えないんですか?」
って言われるのです。このあたりいかがですか。京都府もそうですけれども、税収増につながっていないと私は思っているんですが、いかがでしょうか。
◯山本観光室長 観光に関する税収の形でございますけれども、消費額のうち、消費されたものというのは税に上がってくるというふうに理解しておりまして、先ほど田島委員のところで答弁もさせていただきましたけれども、最近コロナの影響で、入込客数については20%減ぐらいで収まっているんですけれども、消費額につきましては、宿泊も減って結構減っております。やっぱり宿泊を伴うような観光というのが消費には一番つながるところなんですけれども、コロナの下で日帰りが多くなっておりまして、なかなか消費につながってこないというのは今現状としてございます。
以上でございます。
◯島田委員 確かに、コロナの影響はあります。先ほどの中央会の月次調査でも、京都府・京都市が企画した助成対象の効果がほとんど確認できなくなってしまった、オジャンになってしまったということです。アベノミクスで唯一成功したかのように見えた、観光立国8,000万人構想も、コロナでこけたということではないかと思うし、外国資本や大阪資本、東京資本が来る、スーパーも市場を通さないで、そういう流通にもなっていますので、本当の意味で今落ち着いて考えるべきだと思います。右京区の仁和寺、世界遺産の前に、高級ホテルの計画あるいは温泉まで京都府は認めました。あと、北山エリアや北陸新幹線など、そうした開発で京都の良さを壊すことなく、住んでよし、訪れてよし、落ち着いた観光行政への転換が私は必要だと、この点は指摘をしておきます。
2つ目ですが、昨年6月議会で、府議会の全会派一致で、「コロナ禍で影響を受ける中小企業、個人事業主、働くひとたちへの経済対策・緊急支援対策を求める意見書」を上げました。コロナの影響を受けた全ての人々に対する幅広い対策を求めようということで、働く人たちの経済的困窮を食い止める最低賃金の改善と一体に、中小企業・個人事業主に対する直接的な負担を軽減する方策の推進、実効ある支援が不可欠であるとして、持続化給付金や家賃支援給付金の再度の支給、要件緩和、企業規模に応じた支援額の引上げ、雇用調整助成金などについても言及をしております。雇用情勢の深刻化を踏まえまして、基金を創設し、緊急雇用創出事業に早期に取り組むなど、機動的かつ効果的な雇用対策、最低賃金の引上げのための中小企業・個人事業主に対しての引上げ環境の整備に努めることも明記をしております。これら府議会の意見書を受けまして、本府としてはどのような具体的な取組をされておりますか。また、新年度、何を重点に取り組むのか、端的にお答えください。
◯鈴木企画理事兼商工労働観光部長 私どもはこれまでから、コロナに対する施策につきましては、全国的な影響がございますので、そうした施策につきましては国に要望いたしまして、事業再構築につきましても新たな制度の創設がされているところでございます。
また、私ども京都府といたしましては、それぞれの地域の実情に応じた施策につきまして展開をしてきておりまして、今年度で申し上げますと、例えば令和3年度から始めました金融・経営一体型支援事業につきましては、先ほど御答弁いたしましたとおり、成果も上がってきておりますので、そうした課題を見つけながら、その成果がつながるようにということで、増額の予算を今、提案させていただいております。こうした京都の実情に応じた施策につきましては、今後とも府議会にお諮りをしながら、施策をしっかりつくり上げていきながら、事業者の皆さん方お一人お一人に届けられるように努めてまいりたいと考えております。
◯島田委員 もう本当に多額の臨時交付金も来ておりますが、本当に効果的に使われているのかって、ちょっと検討する必要があるのじゃないかというふうに思っています。
例えば、臨時創生交付金を活用して、与謝野町がつくった住宅改修助成制度は即効性があるんです。通した金額の20倍、30倍というお金が回る。これは結構需要もある。そういうふうにやりますと、緊急に、コロナ対策としての仕事づくりの住宅改修助成制度をつくったらどうか、こんなふうなことも思っておりますし、さらに仕事を確保するという点では、リーマン・ショックのときに実施した緊急雇用創出事業で職を失った労働者に仕事をつくることも行えるのではないかと。国のメニューじゃなくて、もう少し思い切った仕事を行って、雇用対策を本府独自でも進めるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
◯河島商工労働観光部企画調整理事兼副部長(労働担当) 委員御指摘の基金事業に関しましては、リーマン・ショック時に非常に有効だったということで、この間、コロナの中でも基金創設というのを国に再三再四お願いしているところでございます。ただ、現時点でそれが認められておりません。それをただ待っているわけではなくて、京都府独自の取組として、例えば京都府の未来塾事業、これは雇用型訓練という形でしっかりとコロナ離職者に対して対応をさせていただいているところでございます。
以上でございます。
◯島田委員 この臨時交付金を使うことは可能かどうかだけお聞かせください。現行の予算の仕組みの中で、いろいろその範囲内で検討してやっているということでありますが、もう少し思い切った施策を打つべきだと。何十億円もかからないわけですよね。2億円入れると20億円あるいは25億円とかそういう仕事が生まれます。なので、そういうことを求めているんです。だから、臨時交付金、創生交付金ではこれは使えるのかどうかだけ、じゃあ確認させてください。わかりませんか。
◯鈴木企画理事兼商工労働観光部長 臨時交付金につきましては、事業者支援ということでございますので、私どもも、昨年度来、そうした事業者の皆さん方の仕事興しにつながりながら、また雇用にもつながる、あるいは技術の継承につながるといったことで、伝統産業さん向けの事業の発注ができるような事業といったものにつきましては、対応してきております。
また、商店街の事業者支援ということで、商店街におけます改修事業といったことに対しましても支援をしてまいってきております。個別住宅の支援ということにつきますと、それは臨時交付金の対象にはならないのではないかというふうに考えております。
◯島田委員 与謝野町は、同じメニューで市町村で独自にやっていますので、これは研究してください。使えないことではないというふうに思います。政策目的は、コロナ禍で大変な状況を改善するという大きな目標がございます。
労働者の最低賃金引上げについては、中小企業支援と一体でなければ進みません。これは、社会保険料の軽減策が有効ということで、京都府中小企業団体中央会からも提案が出ております。また、意見書では、地方税、各種保険料の減免・猶予などの措置も講じることを掲げております。先ほど融資の関係の質問は原田委員が行いましたが、社会保険料の企業負担分の助成については、何か議論は進めておられますでしょうか。
◯鈴木企画理事兼商工労働観光部長 社会保険料の制度につきましては、事業者、それからまた雇用者の負担によりまして、社会保険の財源となるべく制度設計がされております。したがいまして、そうした全体の中で、税それから社会保障の在り方の中で議論されるべきものと考えております。
◯島田委員 これは、もちろん国に要望していただかなければいけませんが、少し研究もすべきだというふうに思います。そして、本気で賃上げができる環境をつくっていただきたいと思います。
最後に、伝統産業対策です。中小企業団体中央会の1月の月次調査で、丹後白生地生産量がコロナ前の68.6%に減少しているということであります。京都産業21北部支援センターが令和3年10月から11月に行った丹後地域の織物業の景況動向調査でも、景況全般については依然厳しい状況が続いていると、先行きの不安感も続いている。採算状況で赤字とする企業が49%、最近、生糸や原油高、コスト増によって経営圧迫、あるいは織手、撚糸関連工程の事業者において高齢化等の人材不足も大きな課題になっております。
先ほど言いました持続化給付金の活用をされている企業は99%あったのに、これがなくなった。これは、本当に大きな痛手であります。丹後産地の現状について、どのような御見解か、また現在の取組を端的に、あまり長く要らないので、お答えください。
◯岸田染織・工芸課長 丹後産地をはじめ、伝統産業の業界が大変苦しい状況にあることは認識しているところでございます。それに対して、私どもとしましては、1つは、守っていくということと新しい仕事をつくるということの両面から取り組んでいく必要があると考えております。例えば生産設備の整備に対して、設備の補助金等を活用して支援してまいりたいと思っていますし、引き続き来年度は、この間2月補正でもお認めいただきましたとおり、新しい商品開発に対しましては、補助率もかさ上げして、設備投資のほうを支援してまいりたいと思っております。
2つ目は、新たな分野への販路開拓というものがどうしても必要かと考えております。これにつきましては、これまでも商品開発から商談会の開催まで一貫して支援してきた事業もございますけれども、それに加えまして、ほかの販路開拓事業も組み合わせながら、新しい仕事づくりを進めてまいりたいと思っています。
3つ目は、後継者育成が大事だと思っております。若い方が入ってこられないと業界も活性しませんし、後継者も育っていかないということですので、後継者がつくれるように、先日の2月補正のほうでも提案させていただきましたけれども、インターンシップ事業を伝統産業版で実施していくといったことですとか、あと織物の関連工程の研修等も併せて実施していくなどして、後継者育成に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯島田委員 伝統産業危機克服緊急応援事業で48グループ、1億円余が交付決定したということで、若い方々も一部頑張っていらっしゃることは承知しておりますが、守るという点で、今、売上げ、受注の減少、取引機会の減少・中止・延期等々で、出機がどんどんやめていく。その出機織機を全部引き受けて、組み立て直してということで、今、大移動の最中だと伺っております。ところが、京都府の伝統産業生産基盤支援事業費事業補助金は6割の方がちゃんと活用したいと、また拡充も要望されているというふうに思うんです。しかし、これまで利益も上がらないし、借金が積み重なるし、しかし機械はもう売ってもらえないし、組み立て直してどうにかやろうという工夫があるのに、この予算については、10年来使っているけれども、本当に補助の規模が少なくなっている。しかも、事業者負担がありますよね。京都府の補助は3分の1なので、ここは拡充してほしいという要望が出ているんです。このあたりの御意見は聞いておられますでしょうか。
◯岸田染織・工芸課長 今、御指摘にありました出機がなくなっていくという問題でございますけれども、私どももその件は課題として認識しておりまして、これまでの生産設備の補助金につきましては、3分の1を補助させていただいたんですけれども、先日お認めいただきました2月補正の新たな補助金におきまして、設備補助金の中でも、そういった手機の型がなくなっていくものを集約してやっていくことでありますとか、あと外注していたものを自社で内製化していくといった取組に対しては、補助率を4分の3とかなり大幅にかさ上げをして、積極的に支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯島田委員 この事業、10年来、平成30年あたりから作られておりますが、制度的には拡充をされているのでしょうか。それとも、受け入れるほうの企業としては、若干補助金の額も少なくなっているし、本当に心配をされているんですが、このあたりの正確な状況を教えてください。
◯岸田染織・工芸課長 生産基盤の補助金は平成26年度から実施しているところでございますけれども、途中で今後消滅が危惧されるような、例えば友禅であれば蒸し水洗とか、西陣織であれば金銀糸製造といった工程があるんですけれども、そういったところの補助率を途中の段階から上げるなどして変更はしてきたところでございます。ただ、今回のように4分の3という形で大幅に補助率を上げるというのは、今回が初めてでございます。
以上でございます。
◯島田委員 内製化に対する補助の格上げは別にいいですけれども、先ほど申し上げました御苦労されているところの御意見を踏まえて、補助率も、これは産地崩壊という危機に直面しているんではないかと私は思っております。
加えて、もちろん産地支援事業費補助金等では、後継者育成研修などにも使えるようになっている。とにかく織機も集めて組み立て直して、織手さんも研修しないと、どんどん織手さんが辞めていっているという危機的な状況も踏まえて、この制度の拡充なり予算の増額なり、現場の要望に応えて御努力をいただきたいというふうに思っていますが、いかがでしょうか。
◯岸田染織・工芸課長 どのようなものを支援してほしいかということは、丹後のほうにも現場のほうにも聞いておりまして、そういう経験も踏まえて今、制度設計しているところでございますので、皆さんの要望に沿えるような補助金制度にしていきたいと考えております。
以上でございます。
◯井上委員長 4分を切っております。
◯島田委員 地元の京丹後市や与謝野町などでも、京都府と一緒に併給できる、そうした制度も持ちながら頑張っていらっしゃいますが、ここは今、本当に緊急事態だというふうに思います。文化庁が来ても、丹後ちりめん等、白生地の産地が崩壊するようなことでは、これは本当に恥ずかしい事態だというふうに思っています。先ほどの社長さんの声などを伺っておりますと、若手の方も、ネット上で、あるいはいろいろ品物も開発しながら販路を拡大して、世界的にも大変有名になっていらっしゃる、その努力があるのに、経営基盤が本当に大変になっているという、借金もたくさんおありになるということであります。せめて、織機等の組み立て直しとかそういう、今、大移動のときですとおっしゃいますから、これはしっかり現地にも入っていただいて、ぜひ緊急対策としての拡充を求めたいというふうに思っております。
あと、ネットに、令和4年度京ものクオリティ市場創出事業が出ていました。これは、予算が通ったら実行しますということで、プロポーザルの仕様書が出てまいりましたが、この事業はどういう内容でしょうか。
◯岸田染織・工芸課長 京ものクオリティ市場創出事業でございますけれども、商品開発から実際の展示会への出展までを一貫して支援しているものでございます。例えば、首都圏向けの商品をつくるコースでありますとか、あとは海外向けの商品をつくるコースでありますとか、今年度から始めているものでしたら、通販向けの商品を開発するものでありますとか、そういったコースごとに分けまして、事業者を応募しまして、実際にどういった商品をつくっていくかということをアドバイスしながら商談会までつなげていくということを支援している制度でございます。
以上でございます。
◯井上委員長 残り1分少々です。
◯島田委員 これも生産基盤がなくなりますとできなくなるというふうに思います。それで、先ほど、現地・現場主義とおっしゃいましたけれども、これは、またプロポーザルで民間に委託して調査してくれじゃなくて、本当に現場に入っていただいて、丹後企業に悉皆調査でも行って、現場の要望をお聞きいただいて、対策の強化を求めたいというふうに思います。
以上で終わります。