令和4年2月定例会 予算特別委員会当初予算審査小委員会 書面審査 政策企画部―2022年2月24日〜島田敬子府議の質疑応答部分

◯平井政策企画部長  政策企画部長の平井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 座って説明させていただきます。
 本日御審議をお願いいたします議案のほうは、第1号議案令和4年度京都府一般会計予算のうち政策企画部所管分、第64号議案令和3年度京都府一般会計補正予算(第24号)のうち政策企画部関係分の2件となっております。それでは、政策企画部の主な事業につきまして説明させていただきます。
 まず、当初予算のほうの関係でございますが、お手元に配付させていただいております資料、令和4年度歳入歳出予算説明書のほうを御覧いただけますでしょうか。2ページのほうを御覧ください。
 まず、歳入でございますが、15億1,600万円余の歳入予算を計上しております。
 主なものといたしましては、1ページに記載しております新型コロナウイルス感染症対応地方創生事業費国庫補助金でございますとか、統計調査事務費委託金となっております。
 次に、歳出でございますが、政策企画部の一般会計歳出予算総額は65億2,600万円余となっておりまして、前年度との比較においては約5億8,600万円、約10%の増となっております。
 それでは、事業についてでございますが、3ページをお開き願います。
 上のほうから3つ目の丸印を御覧ください。京都地域創生府民会議が実施いたします府民交流フェスタの開催支援等に係る経費といたしまして、京都地域創生活動推進事業費1,000万円を計上させていただいているところでございます。
 次に、下から2つ目の丸印でございますが、広域振興局ごとの地域振興計画を踏まえた地域の特性と課題に応じました独自施策でありますとか、総合計画を踏まえた全庁で取り組むべき重点施策について、本庁と振興局が連携し、着実に地域づくりを推進していく経費といたしまして、地域振興計画推進費1億3,000万円を計上しているところでございます。
 1枚おめくりいただけますでしょうか。4ページでございます。
 上から3つ目の丸印でございますが、広域的な防災・医療・観光・文化・産業、また大阪・関西万博への関西パビリオンの設置など、関西広域連合の運営に係る分担金といたしまして、関西広域連合分担金1億5,200万円余を計上しているところでございます。
 次に、5ページでございます。
 一番上の丸印でございますが、子どもや親子が交流できる広場の整備など、市町村が実施する子育てに優しいまちづくりに向けた取組への助成に要する経費といたしまして、子育てにやさしいまちづくり事業費1億5,000万円を計上しているところでございます。
 次に、上から2つ目、1つ飛びまして4つ目と5つ目の丸印でございますが、「海」「森」「お茶」それぞれの地域資源を生かした魅力ある地域づくりに取り組んでいくとともに、空き家や移住・定住などの地域課題に対応いたします専門人材の配置等によりまして、DMO[※Destination Management/Marketing Organization:“観光地域づくり法人” 特定地域の食や自然、歴史、文化、風習といった観光資源に精通し、観光地のPRや商品開発、マーケティング等の活動を通じて観光地の魅力を高め、地域経済を活性化するための施策を実施する法人のこと、従来の行動原理が事業者視点である観光協会とはDMOが顧客視点という点で異なる]が地域づくりを支えるまちづくり支援法人として、市町村の地域づくり等の支援に取り組んでまいる経費といたしまして、「海の京都」DMO推進事業費8,400万円余、「お茶の京都」DMO推進事業費6,500万円余、「森の京都」DMO推進事業費5,300万円余をそれぞれ計上しております。
 次に、3つ目の丸印でございますが、令和4年4月に施行予定の京都府移住の促進及び移住者等の活躍の推進に関する条例に基づきまして、移住・定住に至るまでの各段階に応じたきめ細かな支援をオール京都で実施する経費といたしまして、「移住するなら京都」推進事業費7,500万円余を計上しているところでございます。
 次に、下から1つ目の丸でございますが、京都府総合計画及び京都府地域創生戦略の評価等を行います有識者会議でありますとか、重要課題の分析・検討などに要します経費といたしまして、京都夢実現プラン・地域創生戦略推進費1,200万円余を計上しております。
 1枚おめくりいただき、6ページでございます。
 下から4つ目の丸印でございますが、地域に存在する伝統的な建造物や古民家等の歴史的資源を活用し、多様な宿泊施設創出によります観光地域づくりを推進するための経費といたしまして、伝統的建造物活用宿泊施設等整備推進事業費200万円余を計上しております。
 次に、7ページでございます。
 上から2つ目になりますが、地域の課題に対しまして府や市町村等と連携協働して対応するNPOなどの地域活動団体を支援するための経費として、地域交響プロジェクト推進費2億8,300万円余を計上しているところでございます。
 以上が令和4年度の当初予算案の概要でございます。
 続きまして、別途お配りしております補正予算分の付託議案の説明資料1ページを御覧いただけますでしょうか。
 令和3年度京都府一般会計補正予算(第24号)でございますが、国の補正予算を活用いたしまして、当初予算と一体的に実施するものでございます。
 まず、アート&テクノロジー・ヴィレッジ整備事業費でございますが、京都府の文化芸術力を生かしまして、アートとテクノロジーを融合した新たな産業を創造して起業を促すとともに、次世代を担う起業家や企業の中核を担う人材育成を行いますオープンイノベーション拠点の整備に要する経費といたしまして、4億円を計上しております。
 最後になりますが、スタジアムを核とした地域周遊促進事業費でございますが、新型コロナウイルス感染症の状況を見ながらにはなりますが、京都サンガF.C.のJ1昇格に伴いまして、全国各地のほうから京都スタジアムに訪れるサポーターを対象に、試合観戦と地域周遊をセットにいたしましたツアーを造成・販売することで、府中北部への周遊の促進に要する経費といたしまして、1,200万円を計上しているところでございます。
 なお、これらの補正予算につきましては、繰越明許費を併せてお願いしているところでございます。
 以上が議案の概要でございます。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。

 



 

◯島田委員  大きく2点伺います。
 子育て環境日本一について伺います。
 昨年、子育て日本一推進会議を立ち上げられ、知事が会長に就任をされまして行動宣言も発表されました。京都で学び、京都で働き、京都で子育てする府民を社会全体で応援する、京都が若者を引きつける魅力ある都市として成長していくと挨拶され、府民には行動変容を呼びかけられました。
 今回の目玉が「WEラブ赤ちゃん」の「泣いてもかましまへん!」ステッカーだそうで、私は逆に言うと赤ちゃんの泣き声さえうるさいというような本当に大変な事態になったな、それほど社会がぎくしゃくして寛容性がない社会になったことが本当に悲しいというふうに思いました。
 お話がありましたように、児童虐待、介護疲れの果ての無理心中、2月22日の京都新聞には府内自殺者2年連続、コロナ禍最多が40代とありました。昨年は女性、小・中・高校生が増加をいたしました。本当に大変な事態にある中で、この健康・出産・子育て・教育・就労、切れ目のない施策を推進して日本一を目指すとおっしゃっていますが、先ほど申しました現状についての認識と、そして端的にこの日本一とは何を目指すのか教えていただきたいと思います。

◯平井政策企画部長  2点今御質問いただきましたけれども、まず1点目、現状ですけれども、先ほど御紹介いただきましたように、子育て環境日本一推進サミットをやらせていただいて、今ありましたような「WEラブ赤ちゃん」プロジェクトを中心に、コロナ禍でいろんな弱い立場の方々にしわ寄せが行っているといった認識を持っている中で、そういった子どもや子育て世代を温かく見守るような風土づくりが必要だということで、そのプロジェクトについてはこれから展開していくということでやらせていただいております。
 あと今おっしゃいますような、いろんなひずみとかそういった弱いところに支援を差し伸べるという意味では、端的に言いますと妊産婦さんの妊娠届が減ったという状況もございましたけれども、そういったことを踏まえて、妊産婦のPCR検査を公的負担にしたのも、京都府の国への働きかけというのが大きいところでございましたし、また妊娠後の産後鬱へのサポートも強化する中で、あの手この手で健康福祉部とか府民環境部あるいは商工労働観光部と、分野で言いますと先ほど言いましたような風土づくり・まちづくり・職場づくりと大きなカテゴリーの柱立ての中で施策をやらせていただいておりますけれども、まだまだコロナ禍を踏まえて反省するべき点もございますし、そこをしっかりと今後やらせていただきたいと思っております。
 あと子育て環境日本一とはという問いに対しては、これは別に何か指標の数値を設けてナンバーワンになろうとかというものよりも、ちょっと概念的な話になりますけれども、我々が目指す社会というのが、子どもが世の宝として社会で温かく見守られてすくすく育つと、そうした中で子どもの生き生きとした姿とか明るい声が町中に響き渡るような社会の実現、そしてそうした社会の実現が全ての人にとって住みやすい社会づくりにもつながるといったところを、子育て環境日本一という表現に託しているというふうな理解でお願いいたします。
 以上でございます。

◯島田委員  そういうふうな弱い立場の人がなぜ増え続けているのか、京都の非正規雇用率はワースト4位、4割が非正規雇用、そしてこうした不安定雇用を増やしたのは労働法制の規制緩和で、雇用破壊を進めたのは自然現象ではなく、政治の責任であると私どもは思っていますし、また社会保障という点でいけば、そうした人たちを救うネットがどんどん粗くなって救えていない、本来格差是正のために機能しなきゃいけない社会保障制度が、現政権も自然増の予算を削るという方向になっていることは問題であると指摘をしております。子どもの医療費なんか、全く国の制度としてもならなくて、地方が苦労していると、この現状ですからね。根本的に改めなきゃいけないと思うんです。
 日本一はそういうことだとおっしゃいましたが、京都府の子育てプランの目標に2040年度に合計特殊出生率を全国平均に上げる、また京都府も1つの企業として上げるとありました。平成28年12月に制定した京都府少子化対策条例と平成29年3月に策定した基本計画を踏まえて、現在、子育て支援新計画、また京都府地域創生戦略等とも連携を図りながら取組を推進されています。
 令和2年度の出生数が5年連続で減少して16,440人で、前年度より533人の減少、出生率、人口千対は6.5で、前年に比べて0.2ポイント低下、合計特殊出生率は1.22のワースト4位、これも全国平均より下回っております。京都府内の出生数が平成27年には20,000人を割り込んで、平成30年は17,909人、令和2年度は16,440人です。なかなか上回らないという現状にあります。
 加えて、地方創生戦略の資料を見ておりましたら、北部地域は合計特殊出生率が全国平均を上回っているけれども、15歳から19歳人口の転出が大きく、全体として社会減、中部地域は合計特殊出生率はおおむね全国平均だが、20歳から24歳人口の転出が大きく全体として社会減、南部はおおむね全国平均前後だが、相楽東部は大きく下回るなどなど分析をしております。
 この点、これまでの何年も取組を積み重ねてきた結果がなかなか目標に行かない、逆に後退しているという現状はどこに問題があるのか、課題は何か教えてください。

◯平井政策企画部長  今おっしゃいますように、国のほうでエンゼルプランをつくられて、もう20年にわたってこういった少子化対策を中心に取り組まれてきて、京都府も全国トップレベルと言えるような内容の様々な取組を展開しております。
 ただ、今おっしゃいますような合計特殊出生率の話でありますとか、もろもろの数値につきましては、やはりいろんな要因があると思いますけれども、一例で言いますと25歳から39歳までの女性の未婚率の状況が京都府は他府県に対して高いといった状況とか、例えば昨年統計データを分析する中で、もしかすると京都府から滋賀県とか、そういった第1子を産まれる直前の方々が流出しているんじゃないかといった状況も、これは確たる証拠はないんですけれども、そうした雰囲気も分かってきております。ただ、これは子育て環境日本一への道のり、今はまさに我々いろいろ展開はしているんですけれども、今はそれが完成なのかというと、まだまだ道半ばというふうに思っておりまして、様々な施策を併せながら、政策企画部のほうで政策調整機能を発揮しながら、各部局と連携を深める中で、実効性ある取組を、これはやってみないと分からない部分もございますけれども、できるだけエビデンスに沿った形で施策を実行していくように努めてまいりたいというふうに考えております。

◯島田委員  丹後のほうは横這いでよく頑張っていらっしゃると。もちろん1つの理由じゃありませんけれども、中丹地域も高校卒業まで医療費無料だとか結構頑張っていらっしゃるんですね。京都市域ですけれども、合計特殊出生率は全国平均を大きく下回っております。それで、出生数が京都市内、2010年次、年間11,616人が2020年次は9,548人で、とうとう1万人を切ってしまいました。
 先ほどもお話がありましたが、子育て世帯が流出しています。これは東洋経済か何かにありましたけれども、インバウンド偏重の観光政策でどんどん外国資本、東京資本、大阪資本のホテルが呼び込まれて、地価が高騰して、いずれも家賃が払えないから、そして子どもの医療費なんかももっと充実したところに流出しているという実態ではないかというふうに思います。
 ところが、その子どもの医療費の拡充について、あるいは中学校給食の件についてもやらないと、京都市長も知事も日本一とどうして言えるのかという声が子育て世代から聞かれるわけです。子育て世代の願いは経済的な負担の解消です。これは子育て支援計画策定のときに分析をされておりますよね。ですので、こうした方向で行っていただきたいし、施策を検証するという点でいきますと、やはり府民の声をお聞きすることがベターではないかと思うんです。
 今、民主府政の会の右京連絡会でネットアンケートをやっております。ネットだと若い世代がたくさんアクセスしてこられまして、働き盛りが8割、その中でも73%が経済的な不安など、あるいは子育て、家庭の両立、健康の不安、若い方に健康の不安もあって、そして不安であるという方が73%もあるということです。それで、求める施策としては、子どもの医療費の助成制度の拡充、中学校給食の実現、返さなくてもいい奨学金、家賃補助などなどが出ているんですね。ぜひこれ京都府としてもこれまでの施策をしっかりと評価をするためにも、こうしたアンケートにも取り組んでいただけたらどうかなというふうに思います。これは指摘、要望しておきたいと思います。
 もう1点、子どもの貧困対策も計画がつくられました。生活保護世帯、ひとり親家庭は10年で1.3倍から1.4倍に増加し、母子家庭の半数以上で就労収入が200万円未満、そして母子家庭の子どもの5人に1人が子どもだけで食事、母子家庭の小・中学生の約40人に1人が夕食を独りで食べる孤食ということです。子ども食堂を応援しているということなんですが、先ほども申し上げましたように、子ども食堂にも来れない人たち、もともとおなかがすいたって中学生がそんなふうに言うてくる、学校給食とか、そういうふうな環境をぜひつくらなきゃいけないというふうに思います。
 子ども食堂でおにぎりを頬張ることが珍しかった方が、自分たちはぜいたくな生活をしているのかなとおっしゃっていましたけれども、本当にこうした状態にある子どもたちに寄り添って、子どもの権利を守る政治の役割、京都府の役割を果たしていただきたいと思います。たくさん言いましたが、いかがですか。一言今後の取組の方向をお願いします。

◯平井政策企画部長  子育て環境日本一の実現を目指して取り組む、これは漠とした話になろうかと思いますけれども、ただ我々といたしましては、やはりコロナ禍で先ほど申しましたような弱い立場の人へのいろんな課題が顕在化しているわけで、そうした方々に今、委員御指摘のように寄り添った形でやっていくことはもちろんのこと、ただ未来を見据えた取組というものもやっていかなければいけないということで、先ほども申しましたような「WEラブ赤ちゃん」プロジェクトのさらなる進化系になろうかと思いますけれども、子育てが苦しいものじゃなくて楽しいよと感じていただけるような環境づくりを進めるための産学公のプラットフォームづくりとか、こういったことも今検討途上ではございますが、考えておりますので、そういった方向で引き続き頑張っていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

◯島田委員  子どもは社会の宝とおっしゃいます。育ち盛りの中学生にまともな給食がないなんていうことは、全く時代遅れでありまして、市町村の仕事だとか国の仕事だとか言わないで、市町村と一体で推進をしていただきたいと思います。
 もう1点は、地域振興です。
 2月19日に美山エコツーリズム大会が開催されました。美山町は昨年12月に国連世界観光機関によってベスト・ツーリズム・ビレッジに世界75か国、174地域から選ばれた44ヶ所のうちの1つに北海道ニセコとともに上がりました。国連世界観光機関の駐日事務所長が講演されました。選定の理由は、豊かな自然環境を住民が誇りを持って生かし、守っていることが最大の観光資源であるという趣旨のことを述べられたそうであります。これは副知事も出席をされたようですが、どんなことだったか、美山のよさもお感じになっていただいて、今後の地域振興の在り方等についてお考えをお聞かせください。

◯鈴木副知事  私も日曜日に現地に参加をしてまいりました。国連世界観光機関(UNWTO)の日本駐日事務所代表の本保さんという方が講演ということで来られたわけですが、それは私の先輩でもありまして、国土交通省の元職員、元観光庁長官の方が来ておられました。
 講演の内容といたしましては、経済と環境と地域社会、この三方よしになるようなバランスのよい観光振興が大事ですよというような、こんな趣旨のお話がありまして、その後質疑応答なんかもございましたけれども、地域の方々も納得されて、そういった方向でぜひこれからも取り組んでいかれたいというような御発言をされておられました。
 以上です。

◯島田委員  国連世界観光機関は、持続可能な開発目標に沿って観光事業を実施する地域、持続可能な観光の定義は、訪問客・業界・環境及び訪問客を受け入れているコミュニティーが訪問客のニーズに対応して、現在及び将来の経済・社会・環境への影響に十分考慮する観光だということだと私も勉強させていただきました。
 この世界が注目する持続可能な観光に取り組む環境を壊すのが北陸新幹線延伸計画であって、かやぶきの里の保存会などが計画の白紙撤回を求めておられます。美山町田歌自治会も環境アセスも拒否をされております。呼び込み型でなく、またこういうふうに地域を持続不可能にするような開発はやめていただきたいと、これは要望して終わります。