◯益田府民環境部長 府民環境部の益田でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、失礼いたしまして座って説明をいたします。
府民環境部関係の議案でございますが、第1号議案令和4年度京都府一般会計予算のうち府民環境部所管分、第12号議案令和4年度京都府電気事業会計予算、第13号議案令和4年度京都府水道事業会計予算、第15号議案令和4年度京都府工業用水道事業会計予算の4件でございます。
まず、第1号議案の令和4年度京都府一般会計予算でございますが、府民環境部の歳出予算総額は66億4,000万円余でございまして、府全体の歳出予算に占める割合は約0.6%となっております。
歳出予算の主な内容について、府民環境部版の令和4年度歳入歳出予算説明書のうち一般会計歳出予算説明書に基づき御説明をいたします。
まず、部の予算書4ページでございます。
人権が尊重される共生社会の実現に向けた予算といたしまして、人権啓発費では、近年のSNSの普及などによるインターネット上での人権侵害に対応するためのモニタリングや市町村が実施する人権啓発事業への助成などに取り組むこととしております。
次に、男女共同参画社会の推進に向けた予算といたしまして、予算書5ページでございます。
女性活躍総合支援事業費では、これまで女性活躍に向け各方面から支援施策を展開してきました京都ウィメンズベース・マザーズジョブカフェ・京都府男女共同参画センターらら京都の3つの拠点を令和4年度より京都テルサに集結させ、女性活躍のための支援機能を一元化することにより、女性へのワンストップ支援の強化を図るとともに、コロナ禍で様々な困難や課題を抱える女性に対する相談体制の強化等にも引き続き取り組むこととしております。
また、女性活躍応援塾事業費では、女性の地域活動を総合的に支援し、新たな人材の地域活動への参画促進及び地域で活躍する女性リーダーの育成に取り組むこととしております。
次に、6ページでございますが、循環型社会の形成に向けた予算といたしまして、資源循環京都モデル推進事業費では、民間事業者等が実施する産業廃棄物のリサイクルへのAIやIoT技術の導入等を支援するなど、府内における産業廃棄物の3R推進に取り組むほか、7ページでございますが、食品ロス削減事業費では、府内の事業系食品ロスの約5割を占める外食産業を対象とした食品ロス削減に向けたセミナーを開催するとともに、府民向けの研修会の開催など各種啓発に取り組むこととしております。
次に、2050年度温室効果ガス排出量実質ゼロに向けた予算といたしまして、予算書7ページからでございますが、地球温暖化対策総合戦略事業費では、太陽光等の再生可能エネルギーの導入・利用の拡大や温室効果ガスの排出削減に向けた省エネ対策のさらなる推進など、地球温暖化対策に係る施策に総合的に取り組みますほか、8ページでございますけれども、気候変動適応推進事業費では、昨年7月に京都市及び総合地球環境学研究所とともに設置いたしました京都気候変動適応センターにおきまして、気候変動影響に関する情報収集・発信及び将来予測を実施するとともに、熱中症を予防するための取組を実施することとしております。
自然環境の保全に向けた予算といたしまして、自然公園等の整備と併せまして、同じく予算書8ページでございますが、生物多様性未来継承事業費では、生物多様性センター機能の整備や府内に生息・生育する生物の分布状況や生息地の環境等の情報を収集するとともに、レッドリストの改定や特定外来生物の防除対策等に取り組むこととしております。
また、消費者行政の推進に向けた予算といたしまして、9ページでございますが、消費者あんしんサポート事業費では、高齢者の被害防止対策や成年年齢引下げに伴う消費者教育の推進及び市町村消費生活相談窓口の運営支援等を行うこととしております。
このほか、水道関係予算といたしまして、きょうと上下水道未来づくり総合対策事業費では、将来にわたる安心・安全な水道サービスの供給体制構築のため、本年度までに実施してきました広域化のシミュレーション結果等を整理・統合し、水道広域化推進プランの策定に取り組むこととしております。
続きまして、公営企業予算でございますが、電気事業につきましては、大野発電所の運営に係る事業費といたしまして7億6,900万円余を計上しております。
水道事業については、京都府南部地域の受水10市町に対する水道用水供給に係る事業費として90億8,900万円余を計上しております。
工業用水事業については、長田野及び綾部工業団地の立地企業への工業用水道供給に係る事業費として5億9,300万円余を計上しております。
以上が府民環境部所管の令和4年度当初予算の概要でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
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◯島田委員 私のほうからも、環境問題で質問します。
世界各地で異常な豪雨や台風、猛暑、森林火災などが起こり、我が国でもその脅威と被害は年々甚大となる中、気候危機とも言うべき事態にあります。
日本共産党といたしましても、気候危機打開のための2030戦略を発表させていただいております。二酸化炭素を大量排出する石炭火力発電からの脱却とともに、京都府庁から60km圏内にある若狭の原発について、廃炉を国に対し求めていただくよう、まず求めておきたいというふうに思います。
質問点は、丹後半島に計画されている大規模風力発電所問題であります。
1つ目の太鼓山ウインドファーム計画について、丹後縦貫林道を使用する輸送路について、巨大なブレードを運搬する道路拡幅のための切土、盛土などの広範囲の林道周辺を含めて林地改変が行われることについて、地質や地形的に不安定な地域で近年土砂災害が相次いでおり、1年間に大小10ヶ所壊れたところもあるなど、こうした災害の問題への危惧、そして水道水源、農業用水への影響などが心配され、地元区は反対をされております。
市民電力ウインドファーム側が、道路ができないなら撤退するとしていると言われておりますが、現実どのようなことになっておりますか。
それから、これは道路拡幅などの事業は現時点でどのような見通しなのか、お聞かせください。
◯曽和府民環境部公営企業管理監兼副部長 太鼓山ウインドファームの関係でございます。
こちらは、御承知のとおり、我々公営企業として行っておりました太鼓山風力発電所の跡地を、今民間企業がそこの場所を使って新たな事業を計画しているという問題でございます。
したがいまして、これは民間企業が行っております開発事業でございますので、そちらの先ほどおっしゃった丹後縦貫林道等々のお話につきましては、我々は詳細を関知する立場にございませんので、詳細のほうは把握しておりません。
以上です。
◯島田委員 11月2日頃まではずっと地元に入っていろいろやられています。それで、条件整備として道路ができないとこれは搬入できませんから、簡単に答えてください。道路整備のめどが立っているのかどうかです。
◯曽和府民環境部公営企業管理監兼副部長 失礼いたしました。先ほどお答えいたしましたとおり、詳細については関知しておりません。
◯島田委員 関知してもらわなきゃ困るんです。11月2日に現地入りした井上区の集会で、管理監は、
「環境保全・環境負荷ということで、条件としては開発の範囲は広げない、もともとのコンセプトが今ある状態から変えないというものである」
と。事業そのものは、これまでのところを活用するということですが、そのための事業のための道路改変がある。カドノコブ、これは丹後町の平の地域の改変問題ですが、改変後の水、資源問題、土が流れたりしないとも限らない、今後の管理については事業者と相談させていただくと説明をされているんです。
なので、どのような説明をして今進捗度、状況はどうか、また環境に負荷をかける計画はやらないという立場を持っておられるのかどうか、明確にお答えください。
◯曽和府民環境部公営企業管理監兼副部長 繰り返しになりますけれども、我々は地元のほうに、おっしゃったように、地元のほうには、この事業そのものが我々の太鼓山発電事業の後継事業であるという点、それと事業者選定は地元と一緒になって京都府も事業者を選定して、その事業内容も存知しているという点がございまして、地元のほうからは、民間事業者のそういう計画が持ち上がっているけれども、京都府のほうの意見書としてはどうかというようなことで、京丹後市さんから、通じて説明を聞きたいというお話がございましたので、我々も出向きまして、太鼓山風力発電事業の経過、今計画されている市民風力の公募時点での事業計画の内容等々を御説明させていただきました。
ただ、林道の拡幅につきましては、あくまで林道そのものは京丹後市の所管でございますし、工事そのものは民間事業者が行われることであろうと思われますので、その詳細については関知していないということでございます。
◯島田委員 到底納得できる説明ではありません。
11月2日に管理監は、「府は早期に結論を出さないと採算が取れない」と住民に懇願をされ、地元区は機材搬入に伴う林地伐採、水源を含む形状変更に対し反対し、推進するなら環境保全のルールをつくるか、府が行政として責任を持つよう要求されました。それで、府は持ち帰ると、そして検討すると答えられたんです。
その後、11月2日以降、何の回答もないというのが現状で、これは住民合意が全く得られないし、今の答弁も承服できかねます。
時間がありませんので次に進みますが、大手ゼネコン前田建設工業が作成した配慮書を検討してきた京丹後市美しいふるさとづくり審議会が、健康・生活・自然環境・生物多様性・景観、災害など、重大な影響を回避できず、府民の懸念が払拭されない場合、事業の中止を含む見直しを市長に答申をされ、21日には京丹後市から、本府へ意見書が提出されております。
2月2日の京丹後市の審議会では、自然電力が計画している新たな磯砂山ですか、風力発電所についても、出席した地元区長から、土石流や一気水などの災害への不安が相次いで、専門家から調査が不十分、態度が真面目でないなどの批判の声が上がっております。
事業者が提出した配慮書には、事前の文献調査、専門家へのヒアリングなどの不足など、態度が不真面目であったり不十分、いずれの配慮書においても科学的根拠を示さないまま重大な影響を回避または低減する可能性が高いと評価することにしていることについても、審議会の奥谷会長は不誠実だと批判をされています。そもそもこうした態度では開発の資格さえないということだと思います。
開発に伴う災害や環境破壊への懸念にまともに答えていないのも特徴でありますが、本府もこの意見書を熟読され、既に京都府環境審議専門家委員会でも議論をされておりますが、この指摘・御意見をどのように受け止められるか、簡潔にお願いします。
◯笠原環境管理課長 今現在、京都府のアセス専門委員会におきまして、第1回の委員会が先日行われたところでございます。
また、こちらの委員会におきましては、あくまで環境配慮の観点から専門家の御意見をいただき、これを取りまとめて、それを知事意見として取りまとめてまいりたい、このように考えております。
◯島田委員 意見書を踏まえた議論、31日の専門委員会では、前田建設の配慮書について、委員からは情報が集め切れておらず不十分、希少動物にかなりのインパクトを与える、ここに設置することがベストなのかなど、異例の厳しい意見が上がっております。
1月13日には、日本野鳥の会京都府支部が前田建設工業に対して、生物多様性の消失や希少猛禽類への影響、バードストライクなどの鳥類保存等の関係からも、本事業は中止すべきとする意見書が送付されております。
2月7日には、京都府に対しても事業計画の見直しを含めた厳しい行政勧告を行っていただきたいとする要望書も提出されておりますが、これらの厳しい現場の意見、京丹後市市長や審議会からの意見書、そして現地の意見を踏まえて、京都府はこれは駄目だとメッセージを発するべきではないでしょうか。
野鳥の会が言われるように、計画の見直しを含めた厳しい行政勧告を行うべきと考えますがいかがでしょうか。
◯益田府民環境部長 今の丹後の風力発電問題でございますけれども、今段階といたしましては、まだアセスの一番取っかかりの部分というふうに我々は思っておりまして、先ほど委員から御質問もございましたように、今いろいろ御懸念のことがあって、それをどうやって払拭をしていくのか、どういった点で住民の方の御心配があるのか、そこを1つずつチェックしていく段階というふうに思っております。
今、島田委員がおっしゃいましたようなこと、恐らく地元の方がそのように心配をしてらっしゃると。これはそのとおりだと思います。
ですので、我々はアセスの中で委員の方々から、有識者の方の科学的な見地、そういったものをしっかり頂戴して、そういう疑問なり心配をいかに払拭していただくかと、そういう観点の、今まだそういう段階であるというふうに思っておりまして、直ちに今の段階でこの事業そのものが正しい、適切なのかどうかというところまで申し上げる段階ではないのではないかというふうに私どもは考えております。
◯島田委員 京丹後の審議会の方々は、現地現場に行かれまして、ここは駄目だと、そして専門家をメンバーに入れて本当に綿密な審議をされて、その結果を報告されております。
京都府の専門委員会の中でも、そうしたことを受けまして、従来の専門家会議にない異例な議論もされているようでありますが、京都府としては、現地現場、そして住民の声に寄り添っていただかないと、クールに答弁される時点ではないと思うんです。
民間業者と小規模の自治体の府の皆さん方がどういう立場で議論されるかと、いろいろなこれまでの大型開発の経過を見ましても、住民は言えるところがないんです。京都府は住民の声を代弁して政治決断をすべきだというふうに思います。
2021年3月改定の京都府再生可能エネルギーの導入等促進プラン第2期計画では、先ほどもお話がありましたように、生活環境・自然環境・景観保全への配慮、地域共生、環境調和を重んじ、地域活性化にも資する再エネ設備の導入とあります。
再エネをめぐる地域の問題が一部で顕在化する中、地域から信頼され再エネを活用した地域共生の前提となる安全性の確保など、地域にとって安心・安全な長期安定的な事業運営に資する取組を推進しますと、京都府が明記しているんです。
その立場から言いますと、今回の計画はどの方面から考えても、この方針にも背く計画であるというふうに思います。導入そのものに問題があり、一旦立ち止まって計画を見直す立場で知事には行動いただきたいと思いますが、お立場があるかも分かりませんが、もう1度お答えください。
◯益田府民環境部長 先ほど森口委員からの御質問でお答えしたとおりだと思います。島田委員からもおっしゃいましたとおり、地域共生型の再生可能エネルギーの普及促進、我々府民環境部といたしましては、再生可能エネルギーの導入も大きな使命でございますし、自然環境を守るということも大きな課題で、これをいかに両立していくかというところで今苦労しているというふうに思っております。
先ほど副知事も申し上げましたとおり、再エネを導入するという点で、例えば地域の活性化であったりとか災害時に活用ができると、そういう利点というのもありますし、反面、今おっしゃいましたような環境保全の観点とをいかに両立していくかということだと思っております。
環境保全の観点ということで、我々この環境アセスというのは手続をしっかり踏んでいくことだというふうに思っておりますので、そこは法の趣旨あるいは条例の趣旨にのっとって今の段階でするべきことというのをしっかりやっていきたいというふうに思っております。
◯島田委員 手続上はそうなると思いますけれども、現地の現場の声に耳を傾けていただいて、特に水資源、水道用水の確保では縦貫林道の建設当時から非常にお悩みで、これは切土、盛土されて谷を埋められて災害も起こるし、水環境も変わるということで、これは命の水に関わるということで地元は合意をされておりませんので、その意見を踏まえていただきたいというふうに思います。
宮津市やそのほかいろいろなところで意見交換会が行われておりますが、京丹後市のブナ林から流れた水は山あいを通って宮津湾に注ぎ込む、ミネラルを豊富に含んでおり海藻を育てる、丹後の山々と海はつながっており、事業で山を壊したら宮津の海は致命的な打撃を受ける、ナマコをはじめ宮津の食が駄目になり、観光客は来なくなる。
「海の京都」「森の京都」と言っておられるのであれば、こういう地域経済活動にも重大な影響を与える計画ですので、一旦立ち止まって計画を見直される、そういう立場で頑張っていきたいと思います。
以上で終わります。