所管事項(新型コロナウイルス感染症に関すること)
委員会の所管事項――新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に関すること――について質問・答弁が行われた。
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◯島田委員 さきに、5月6日に自宅療養中だった20歳の男性が亡くなるという痛ましい事態も起こっておりました。御本人が入院を希望したにもかかわらず、京都府入院医療コントロールセンターによって入院基準に該当しないということで、宿泊療養施設にも入所へ繋がらず在宅での死亡でありました。その後の経緯の解明、あるいは京都府と市の情報共有の問題等、どのような検証がなされたのか、課題は何かお知らせください。
この間、京都府の入院医療コントロールセンターの入院基準についても教えていただきたいと思います。
令和2年度の3月1日、国の対策本部の事務連絡で、病床が逼迫しておるから軽症者は自宅での安静・療養が原則と、この原則のままいっているんではないかと思うんですね。症状から入院が必要でない軽症者は、高齢化等で重症化する家族がいたらリスクが高いので入院措置等々の基準があるんですが、京都府の基準はこういう基準なのか。
併せて、先ほどもお話がありましたが、感染力が高く、基礎疾患のない方もすぐ重症化する、あるいは子どもたちも感染しやすくなっているという、この状況下によって入院基準の見直し等が国においてなされているのかどうかも含めてお聞かせください。
◯片岡健康福祉部副部長(健康担当) まず1つ目が、自宅療養中の方でお亡くなりになった方のことについてでございます。
こちらにつきましては、京都市の案件ということでございまして、京都市との情報共有をし、今後どうしていったらいいかなというようなお話もさせていただいております。基本的に、この方は基礎疾患のない若い方であったということでございます。御自宅で療養をされていたということで聞いております。やはり今回の宿泊療養のこともございましたけれども、今回のウイルスが変異をしていって病状が急変するというようなことが最近わかってきております。
やはり、入院該当でなければ基本的には宿泊療養をしていただくということで、京都市の保健所とも話をしております。その後、宿泊療養のほうも、かなり利用していただいている数も増えてきております。京都市の保健所のほうにもできるだけ、自宅療養を希望される方も多いんですが、やはり病状急変の可能性があるので、できれば宿泊療養をしてくださいと言っていただいておりますので、そういった対応をしっかり京都府としても宿泊療養に入っていただけるように体制を整えていきたいと考えてございます。
自宅療養者の死亡については、以上でございます。
◯島田委員 いや、質問の内容で、国の基準は見直しがないのか、あるいは京都府の基準がそもそもどんな基準で、変更があるのかないのか。
京都市が5月19日に入所基準に該当しない感染者について、やむを得ない事情で在宅を希望する場合を除いては宿泊療養施設への入所を原則というふうに変更と私は見るんですけれども。それで、やむを得ず自宅を希望される場合は、訪問診療チームによる訪問診療、陽性者外来等、発熱外来への支援を行うということになっていると思うんですよね。この辺りで、やはりマニュアルの基準の変更をされたんですか。
◯井尻健康福祉部副部長(地域包括担当) まず、現在の入院基準でございますけれども、高齢であること、透析であること、もしくは妊産婦さんであること、それから肺炎像であるか高熱があること、それから呼吸器の症状があること、基礎疾患があるということ、これが入院の基準ということで、これらに該当しない若い方々については宿泊療養を原則とするという形で運用をさせていただいているところでございます。
あと、国のほうにつきましても、京都府と国は基本的には同じような取扱いをさせていただいていますし、国のほうの見直しというのは、今のところ特には聞いていないところでございます。
以上でございます。
◯島田委員 事態の変化に伴って変わっていないわけですよね。それで、原則在宅だという、この頭がやっぱりあって、これは感染症法上もそういうふうになったので、現場だけの責任じゃないんですけれども。やっぱり変異株等がどんどん広がるという事態になっておりますので、これは見直しをちゃんと上でしませんと絶対に下が動きませんよね。マニュアルで動いていらっしゃると思うので。しかも、訪問診療チームによる訪問診療と、これはもう既に予算化もされていると思うんですが、現時点ではどういう運用状況になっているのか、ちょっとこの辺を伺っておきたいと思います。
◯東原健康対策課長 訪問診療についてでございますけれども、京都市内につきましては1チーム、先行して実施させていただいております。そこの中身、内容を踏まえまして、このたび京都府内にも積極的に広げていこうということで、今、各圏域のほうで実施できるよう調整を進めているところでございます。
以上でございます。
◯島田委員 急いでやらなければいけないと思います。
それで、自宅療養者、病床が空いている、ホテルも空いているのに、今日の報告でも四百何十人いらっしゃって、やっぱり病床の基本的な理解とか、いろいろ条件があると思うんですけれども、やっぱりそこに寄り添って支援をしていかないといけないと思うんです。その訪問診療チームについても、早急に取り組んでいただきたいし、そもそも感染症法上、やはり日頃かかっているお医者さんから引き離されて、保健所対応になって、その保健所が濃厚接触者の追跡等も含めまして、これは支援が追いついていないという現状が京都市を中心にあるということであります。この辺の公衆衛生上の課題もあるかというふうに思いますので、これは急いで府も市も体制を強化していただきたいと思います。
先ほどの5月26日の京都府の宿泊療養施設においての60歳の方の死亡の件であります。5月17日の発症から8日間、毎日39度の発熱と、酸素飽和濃度が時に92%に落ち込んでいるような患者さんに解熱剤しか投与されずに、お医者さんの対面診療がその間3回だけ、看護師の健康観察はスマートフォンによるLINE電話のみで、しかも応答がない状態で15時間にわたって直接容体を確認することをしていないという経過が明らかになっております。私は看護師もしておりましたけれれども、やっぱり目で見て容態観察をしなきゃいけませんし、そもそも医療が必要な状態で何で解熱剤の使用なのかということの疑問ですとか考えているわけです。
これも宿泊療養者の支援のマニュアルは基本電話で結構と、レッドゾーンにはなかなか基本的には入らないで直接観察を要しないというマニュアルになっていますよね。この辺はどのような、検証中でありますし、私も個人の責任にしてはいけないと思うので、これはシステム上というか構造上、あるいは体制上の大きな問題があるというふうに思っておりますが、その辺りはどの段階まで検証されておりますか。検証がまだということであっても、緊急に改善をしないと新たな犠牲者が生まれたら困りますので、この点もお聞かせください。
◯片岡健康福祉部副部長(健康担当) 宿泊療養施設への健康観察の在り方につきましても、今現在検証を進めているところでございますので、最終的な結論について今の段階で申し上げることはなかなか難しいのですが、ただ、今回のことの反省を踏まえますと、やはり熱が何日間か続くと、あるいはSpO2の値がどうということがありましたら、すぐに入院コントロールセンターのほうにも情報を入れまして、必要な方には転院、あるいは外来受診をしていただく等、そういったことを素早くつなげていくということを今検証作業を進めているというところでございます。既に今入所されている方で、そういった方々がいらっしゃいますので、そういった調整をしているというのが現状でございます。
以上です。
◯島田委員 先ほど施設療養を決めた療養の基準、それから施設療養中に転院の基準、この辺りも、もう少しきちっとリアルな検証が必要だと思うんですけれども、ホテル療養者が転院された病院側のほうに伺いますと、やはり、なんでもうちょっと早く転院してくれないんだろうかと、救える命が救えない現状になって、本当に重症になって入ってきはるということも聞いているわけですよ。その辺りは、本当にリアルに検証いただきたいというふうに思うんです。これは、先ほど言いましたようにレッドゾーンで、連絡があっても一々防護服を着なきゃいけないからと、そうじゃないでしょうと。やはり重症化しているんですから、行かなきゃ駄目ですよ。この辺りはどうなんですか。健康観察は電話が基本という、こういうマニュアルも見直さないといけない。それをやるために必要な体制は整えなきゃいけないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
◯長谷川健康福祉部長 このたびは、本当にお亡くなりになりました方に御冥福をお祈り申し上げますとともに、府民の皆様に御説明をきちんとしていきたいと考えているところでございます。
現在、検証につきましては、第三者の方々を交えての検証に向けた準備を今進めているところでございますが、とはいえ庁内におきましても課題、また問題解決方法についても今議論を進めているところでございます。
やはり、今回第3波と第4波の違いが、ウイルスの性状が大きく異なったなということの実感を今改めて感じております。改めて、もう1回、特に宿泊療養に入られた方で、その後入院された方がいらっしゃいますので、その方々を一例一例見させていただきますと、状態は最初は非常に安定しているのですが、急激に増悪をして、本当に短時間、数時間の間に悪化して、それで入院をしていただくのですが、入院医療機関においてはぎりぎりの状態で、そのまま気管内挿管に至った例というのが複数あるということを確認しております。そういう意味では、第3波の従来株のものと今回は随分異なっているということについて改めて確認できたところでございます。そういう意味ではウイルスの性状が異なっておりますので、それにふさわしい対応を宿泊療養についても取っていかざるを得ないと考えてございます。
また、宿泊療養は確かに第3波までにつきましては、あくまで家庭内感染を防ぐために入院いただくというところで、それほど健康観察を、一応私どもは1日2回の健康観察をさせていただいておりますが、それで第3波の際は大きな事案が発生しなかったものですから、それで良いものと一時期思っていたのですが、今回のこの事案を踏まえまして、今後見直しかけていきたいと思っています。まだ具体的な対応策、一応私ども事務方でいろいろ考えているのですが、なかなか申し上げられないところではあるんですが、今回言えるのはとにかくウイルスの性状が変わってきていますので、いつ、何どき、それまで正常だった方が急変する可能性があるということを秘めたウイルスだということを理解した上で、人力だけだけではなかなか難しいところがありますので、今後ちょっとICT機器、現在皆さんもおつけになっているかもしれませんが、スマートウォッチ等々もございますので、その辺りは国内でまだ確立したものはないのですが、今幾つかの業者ともちょっとコミュニケーションを取らせていただいて、新たな機器の導入等々ができないものか、今相談をしているところでございます。
そういう意味では、まだ全国的にどこも取り上げられていないような取組をちょっとさせていただく可能性がありますので、その点についても、また皆様にきちっと御説明しながら進めていきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
◯島田委員 変異株が猛威を振るい始めた第4波で、本来、軽症者しか入らないという前提がもう壊れてきておりますよね。それで、そういう急変事例が増えたことから酸素吸入設備を整え、夜間はお医者さんを入れたということなので、やっぱりそういう認識はあるわけですよね。それだったら、それにふさわしい体制を強化していただきたいと思います。今回のホテルは270人の入所が可能ですが、現在何名の方が入所をされて、看護体制は、日中夜間はどのような体制で組んでおられるのでしょうか。
◯東原健康対策課長 現在の入所状況ですけれども、270室中100室程度になっております。
あと、看護体制ですけれども、日中が看護師7名、夜勤が3名の状況で対応させていただいております。
以上でございます。
◯島田委員 病院のようにパッとドアを開ければ患者さんが確認されるような環境じゃなくて、まさに隔離されたお部屋がずらっと並んでいて、それも何階もこの大きな建物の中で点在して100人の方がいらっしゃって、夜間は3人しか看護師さんがいなくて、基本、電話でいいですよなんていう体制で、これは見られるわけがないと私は思うんですよ。
基本、医療をきちっと整えるというのが基本なので、ホテルの施設を強化せいというのは本筋ではありませんが、しかし現状ではそういうことになっておりますので、これは医療看護体制も先ほど見直しを検討されるとおっしゃいましたので、ぜひ行っていただきたいというふうに思うんです。
それでこれ常駐の責任者というか、患者さんのケースを交代するたびに申し送っていったりする、やっぱりそういうスキルもなきゃいけないし、これは責任者は事実上あまりいらっしゃいませんよね。事務方の府職員の方も大変御努力いただいているんですが、しかし全体を掌握して見渡せて、コントロールできるような方がいらっしゃらないという現状は、これはあきませんよね。お医者さんも看護師もころころと変わっていくという、そのあたりのスキルの問題も非常にあると思いますし、改めて体制も拡充も含めて要望しておきたいと思います。
24時間いつでも必要な医療を、宿泊施設をやむなく提供しているわけですけれども、必要な看護は提供しないといけません。これはデータだけではなく、非常な不安と恐怖の下で個室で隔離されているわけですよ。そういう中で孤独に亡くなられるという大変な状況でありますので、その辺りも含めまして入所者に対して本当に寄り添ったケアをできるだけの体制をお願いしたいと思いますし、容態に応じて検査へのアクセスとか、急変時の往診、あるいは入院への切り替え等の必要な対応ができるよう見直しを要望しておきたいと思います。以上、何か最後にありますか、部長。
◯長谷川健康福祉部長 御指摘どうもいろいろありがとうございました。今いただいた御指摘も含めまして、私どもも複数ございますが、今後、第三者の専門家の方々からも御意見をいただきますと思いますので、取り組めるものから早急に取り組むとともに、ちょっとお時間のかかるものについても、極力前例にとらわれず、あらゆる機会を捉まえて取組をいろいろ進めていきたいと考えておりますので、今後とも御指導のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
◯島田委員 府民の命がかかっておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
以上です。