令和3年5月臨時会 危機管理・建設交通常任委員会―2021年5月17日〜島田敬子府議の質疑応答部分

◯島田委員  連日御苦労さまでございます。
 私からも在宅療養中の支援等について伺いたいと思いますが、在宅死亡で、報道ベースでは4人目の事例、京都市発表の20代男性のことが報道されておりますが、5人目というのは、差し支えなければ、どのような症例だったのか、ちょっとお聞かせください。

◯番場危機管理監  ちょっと今データを持ち合わせておりませんので、また改めて御報告をさせていただきます。

◯島田委員  人一人の命がなくなるということで非常に重要なことだと思うんです。
 それで、その4例目の、京都市の12日発表の分は、市内在住の20代の男性が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の肺炎と見られる症状で自宅で死亡したことを発表されておりますが、4月29日に発熱、咳、痰の症状。5月2日になってやっとPCR検査陽性確認。3日から京都市から入院医療コントロールセンターに入院希望を伝えられて調整中で、自宅療養中は毎日保健所の医師、保健師が健康確認の電話によって観察をしていたということでありますが、4日、症状は継続し、全身の倦怠感は少しましになったと答えたと。5日の午前中、健康観察を委託している医師から電話をしたが、つながらない。午後は、京都市の医療衛生推進室から何度か電話をしたが、つながらない。そして、夜中に知人男性の119番通報で警察と消防が死亡確認をしたと。この間、8日間であります。基礎疾患がなし、若いということで、本当に判断が甘かったのではないかというようなことも私は考えます。
 4月30日の臨時会で可決いたしましたゴールデンウイーク中の体制確保として、自宅療養者への健康支援のために5月26日から5月15日まで自宅療養支援チームを設置をしたことなどがありました。私からも重ねて、変異株が重症化しやすく、基礎疾患がない若い人でも急変するということを述べて、電話確認ではなくて、しっかり医師が健康観察に入る、あるいは早期の治療介入が必要であるということも指摘をしてまいりました。
 今回の事態について、報道は見ておりますが、事実関係はどのように把握をしておりますか。今後の教訓ともすべきですし、その辺りを危機管理部としてはどのように把握されておりますか。お聞かせください。

◯番場危機管理監  先ほどの死亡の事案ですけれども、状況につきましては、プライベートのことでございまして、報道につきましては一定制限をした形で、詳しいことは申し上げられない状況でございますけれども、今回の方は5人目ということで、我々のほうとしては、死亡の日付につきましてはそれで確認をしておるところでございます。
 それで、この方の状況につきましては、当初の状況を入院医療コントロールセンターでお聞きをする中で御自宅のほうで療養だということで判断をされたということでございまして、早急に入院をということではなかったというふうに聞いております。
 それで、京都市の保健所のほうとの聞き取りによりますと、委員御紹介のように、毎日連絡を取る中で健康状況の確認をしておったということでございます。それと、陽性者外来の受診もしてもらえるような調整を京都市のほうには依頼をしたというふうに入院医療コントロールセンターからは聞いておるところでございます。
 今後の話でございますけれども、やはり自宅療養が最近増加してございます。それから、第3波のときと違いまして比較的若い年代の方もということでございますし、病状が急変する事例もあるというところでございますので、しっかりとそれに対応できる医療提供体制のほうを取っていくことがこれから重要だという認識でございます。今回、5月補正予算で、健康福祉部のほうから、自宅療養者の方が安心して療養いただけるような訪問チームをつくってもらうところにつきましては協力金を増強して体制を支援していきたいということでございまして、必要な予算をお願いしておるところでございます。
 そういった形で、引き続き我々としましては自宅療養の方につきましての健康管理をしっかりとやる中で対応のほうを図ってまいりたいと考えておるところでございます。
 以上です。

◯島田委員  基本、感染症はやはり入院・隔離・保護が原則。これが外れてしまって、今や自宅療養が当然かのような、そういう流れがある中での判断も非常に甘いと思うんです。
 友人の看護師たちに聞いておりますと、これは紹介したかもわかりませんけれども、病院で治療中の人も、酸素濃度が90%を切っても苦痛を訴えないと。結局、「ハッピー・ハイポキシア」と言うんですか、肺炎によって体は酸素欠乏状態であるのに、脳に影響があるのか、症状として現れなくて幸せな気分になるという、そんな症例等も。もうこれは1年近く言われていますが、これは独特なんですよね。そういう点も含めまして、在宅療養の人たちにはとてもそういう点からの観察なりが必要だと。パルスオキシメーターを装着して観察、機械でというよりも、私は看護師の経験もありますけれども、やっぱり脈を取って、顔色を見てというふうな、本当にそういう観察が第一義的に必要だというふうに思います。
 その点でいくと、自宅療養支援チームをつくったとしながら、形はできているけれども、一体どういうふうに動いているのか。まあ、症例数も在宅数が多いので言えませんけれども、しかし、いま一度、こういう観点で入院医療コントロールセンター、それから保健所等の連携が必要であるし、1つ1つの事例については教訓化していく必要があるというふうに思うんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。

◯番場危機管理監  尊い命が失われるということにつきましては、非常に我々としても重く受け止めております。そういった事例なども踏まえて必要な対応のほうを検討してまいるという姿勢でこれからも続けてまいりたいというふうに考えてございます。
 それと、訪問チームのほうにつきましては、現時点では京都市域だけということでございましたので、それを府域全体に展開できるような形を今回の補正予算で提案させていただきまして、御議決いただきましたら展開してまいりたいというふうに考えておるところでございまして、そういった形の自宅療養者に対する支援体制をこれからもつくってまいりたいと考えてございます。
 以上です。

◯島田委員  健康福祉部のほうで補正予算については今まさに審議中でありますのでしっかりやっていただきたいんですが、やはり形をつくっても現実に稼働しているのかどうかということと、このチームは1チームだけでしたよね。それで、今回、8保健所に3チームずつつくって24、京都市を入れたら25つくる目標だそうですけれども、具体的に各保健医療圏域でどこが担うか。本当にこれは緊急に体制をつくらなきゃいけない事態だというふうに思うんですよ。ここは答えられるところまで。ちょうど今、予算上のことと概要をおっしゃったから、じゃあ、どういう検討が進んでいるんでしょうか。

◯番場危機管理監  訪問治療等に前向きな医療機関のほうに働きかけるというようなことを聞いておりますけれども、具体的に詳細を今のところ承知しておりませんけれども、今後そういった形の仕組みを早急につくりまして取組のほうを進めていくというふうに聞いてございますので、それを支援してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上です。

◯島田委員  自宅療養者が821人、調整中25人、本当に大変心配していますし、入院できない場合はホテルを中心に療養していただくということもお示しいただいておりますが、3施設とも皆京都市内であります。府下でもどんどんと自宅療養者が増え続けていると思うんですが、その辺りの現状はどのようになっていますか。圏域ごとの症例の時系列の発表はありましても、圏域ごとに一体自宅療養者がどうなっているのか。ホテルといっても、郡部、北部や南部の方が京都市内のホテルに来ていらっしゃるのかどうか。その辺りはどのようにつかんでいらっしゃるんでしょうか。

◯番場危機管理監  自宅療養の方につきましては圏域ごとにかなり数字にばらつきがございますので、少ないところにつきましては支障が出る可能性もございますので、京都府全域でという形を今取ってございます。
 それで、今のところ、京都市内にございます宿泊療養施設のほうで対応は可能だということでございますので、宿泊療養施設に行っていただく方、必要な方につきましては、搬送する中で京都市内のほうに来ていただいているという状況でございます。

◯島田委員  現状をしっかりと的確に把握して的確な支援体制をつくるという意味では、本来、市町村ごととか圏域ごととか、しっかり数字も示して、そして、そういう環境であることを住民や医療関係者とも情報共有しながら対策を先に先に打っていくということが必要ではないかというふうに思っているところであります。
 それで、なかなか京都市内のホテルまで行くようなことにはならないと。自宅におられて早期の治療の介入等が遅れると、本当に助かる命が助からないという現状を非常に心配しておりますし、以前から指摘をしておりますように、自宅療養が増え続けている中で家庭内感染がどんどん増える。変異株についてはその傾向がさらに強まっているので、その辺りは所管部局と緊密に連携を取りながら危機管理部としてもしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それで、4月30日に補正予算がつきました。施設療養者に対する酸素吸入、酸素・薬剤投与スポットを整備するということで既に通っておりますが、5月14日時点の施設療養者236人のうち、酸素吸入が必要な人たち、酸素療法や投薬を行っている患者さん方の現状はどのようになっているんでしょうか。

◯松村危機管理監付理事  4月から健康福祉部のほうでやっております施設療養の酸素吸入でありますとか薬剤投与でありますけれども、申し訳ございません。ここで、今現状で、今日までの状況で実績等はこちらのほうでは把握しておりません。
 ただ、もともと宿泊施設療養に関しましては、基本、療養される患者さんというのは軽症もしくは無症状ということを前提で入っていただいているという状況でございます。その中で、例えばですけれども、この間、もう1年以上やっておりますけれども、ホテルに宿泊中に、例えば発熱が続くとかいう容体の急変の対応に関して、いわゆる上り搬送するようなときに酸素を投与するようなこと、救急隊含めて酸素投与するようなことは何回かあったと思っております。それ以外で、もともとホテルの中で急変されて、その場で酸素投与しているというのは、私の知る限りは、今のところ、ございません。
 以上でございます。

◯島田委員  なければそれでいいんですけれども、夜間も医師を常駐して観察しよう、治療しようということでありますので、そこまで来ているというふうに思うわけですね。
 その際、これは間接的な情報ですけれども、パルスオキシメーターがまだ当たっていない方だとか、あるいは味覚・嗅覚がなくなって食欲もない方にワンパックのお弁当でとか、本当に恐怖と不安をお持ちで施設療養されているというふうに思うんです。本来、そういう人たちには精神的なケアも含めまして看護の手が必要だと思うんですが、インターホン越しとか、ただ単に機械による観察とか、そうなってはいないかと非常に危惧をするわけです。なので、そうした点も含めまして、これも所管外だと言われればそうですけれども、しかし、きちっとした入院施設で専門の治療や看護ができるというところがない方々、そういう療養者の人たちにも思いをはせて療養環境を整えていっていただく必要があるというふうに思います。
 それで、施設療養、ホテル療養を希望されていない方が中にはいるんだという話で、それはやはり、コロナの感染症の怖さも含めまして、パンフレットなりを整備してきちっと了解を得ていくというようなことを何回か前の当委員会で要望していたんですが、その辺りは改善されましたでしょうか。

◯松村危機管理監付理事  宿泊施設療養は、在宅も含めてですけれども、先ほど危機管理監が申し上げましたように、今回の5月の補正予算のほうで宿泊施設に関するもの、それから自宅療養に関するもの、医師の常駐でありますとかモニタリングでありますとか、一定そういうふうな支援というのはしっかりしていきたいというふうに考えてございますし、宿泊療養施設に関しましても24時間看護師が常駐しております。それで、患者のほうから常に、24時間いつでも、困ったことがあったら、もしくは気持ち悪いことがあったら何でも対応できるようにということでケアをずっとさせていただいておりますし、職員、スタッフ含めて、ずっと張りついているという状況でございます。
 京都府といたしましては、京都市さんも含めて、できるだけ自宅療養をするよりも宿泊療養施設を勧めさせていただいております。それはもう間違いなく今回新たに医師も24時間、夜間も常駐するということで、医療施設の役目を全て果たすことはできないかもしれませんけれども、最大限、医療施設に近い形でスタッフ、それから資機材を投入しておりますので、できるだけ宿泊施設療養に来ていただきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

◯島田委員  府職員の皆さんも含めまして現場では大変な御苦労が続いているというふうに思うんですけれども、本当に1人1人の命を守り抜かなければいけませんので、御苦労でございますが、全力を挙げていただきたいというふうに思っております。
 ワクチン接種が始まっておりますが、住民の皆さん方の不安とか医療機関の大変な状況をお聞きしております。ワクチン接種と一体で医療も充実をしなきゃいけないということで大変なことになっております。特に大阪のような、高齢者施設で感染が爆発して、入院できずに本当に多数の方々が亡くなられているような事態とか、京都でそのようなことがないように万全を期していただきたいというふうに思うんですが、それに関しては、施設に関しては、定期的なというか、頻回検査が言われてきましたが、訪問系の方々にはPCR検査もワクチンも優先接種でないという現状があって、これは非常に大きな問題だというふうに思っております。担当部局と連携いただきましてこの辺りの改善をしていただきたいし、変異株等のモニタリング・検査体制の大幅な拡充も併せて求めておきたいというふうに思います。
 以上です。