○島田委員 よろしくお願いいたします。
1点目は、美山診療所についてです。
南丹市議会9月定例会で、美山診療所に関する質問に答える形で、市長から、「入院ベッドを休止し、平日の外来診療のみにする」ことや、「老人保健施設は法人に委託するが、受入れ法人がなければ廃止し、利用者の近隣施設への転床を検討する。中核となる医師は、中部医療センターに籍を置いて派遣することとするが、10月中にめどをつけたい。12月議会には条例を通し、職員募集に着手し、業務引継ぎを進める」などの方針が示されております。新聞にも報道され、またテレビでも報道されまして、住民の知るところとなり、大きな不安の声が寄せられております。
そこで、伺います。
南丹市直営の診療所における入院病床の廃止、受け手がない場合は老人保健施設も廃止するという方向について、京都府はどのように考えておられるのか、まず伺います。
また、南丹市からはどのような報告を受けておられるのか、お聞かせください。
○丸毛医療課長 南丹市の診療所の件でございますけれども、令和3年4月1日から南丹市立の国保診療所として運用されていくということをお伺いしておるところでございます。したがいまして、南丹市の診療所の機能をどのようにされていくかという点につきましては、ただいま南丹市で御検討されているということでございまして、私どもも、協力要請等がございました際には、きっちりと協力をさせていただくということでこれまでから取り組んできているところでございます。
以上でございます。
○島田委員 いや、具体的に聞いているんです。京都府地域包括ケア構想(地域医療ビジョン)では、「京都府は、住み慣れた地域で高齢者が安心して暮らし続けることができるよう、質の高い医療、地域包括ケアシステムを推進し、地域における医療と介護の総合的な確保を図る」とあるわけです。「現行許可病床数を維持する」ともしていますが、それらのビジョンとも反するのではないかと。過疎・高齢化が進む地域で、入院ベッドも老健施設も廃止するということはどういうことになるかと、京都府はどう思っているのかということを聞いているわけです。いかがですか。
○丸毛医療課長 それにつきましても、病床をどうするか、あるいは老人保健施設をどうするかということは、繰り返しになって申し訳ございませんけれども、ただいま南丹市で御検討されているところでございます。私どもとしましても、中丹圏域のベッドをもちろん守っていく、それから地域の医療を守っていくという点では、これは非常に重要なことだと考えておりますので、今後ともそれにつきまして具体的な御相談等があった際には、こちらとしても精いっぱいの御協力をさせていただくということでございます。
○島田委員 ずっと同じことの繰り返しで、京都府のビジョン・計画とは相反する現状でしょう。これは机上の計画なんですか。
地域包括ケアの拡充という点で、厚労省は、在宅医療を支える身近な入院ベッドは地域包括ケアに位置づけていまして、現に着任された中村先生は、在宅医療をバックアップする入院病床は絶対必要だと、4月からの診療を通してまさにそれを実感されております。体調を壊してちょっと入院して様子を見ると、本人も家族も非常に安心です。遠方の病院に入院することになると、患者と家族の不安も大きなものになります。負担になります。週に1回は、山で作業中の林業労働者がけがをして、縫合治療などもあるようであります。わざわざ遠くの病院に行かなくても、子どもも診ていただける体制になっていて、非常に喜ばれているんです。
なので、この入院ベッドも含めて現在の機能を残してほしいというのが声でありまして、これを無くすということを現に市長が進めていることについて、それはいけませんよと言うことが必要ではないかと思うんですが、健康福祉部長、お答えください。
○松村健康福祉部長 以前から御答弁させていただいておりますように、私ども、地域の医療そのものは、各医療のその地域を支えていただいている医療団体等にも御参加いただく中で、地域医療構想調整会議というのを開催させていただいて協議をしてきているところでございます。今御質問の美山診療所につきましては、南丹市としてどういうふうにされるのか、その上で、私どもは地域の医療を守るという観点から、医療連携ということも見据えながら対応してまいりたいと考えております。
島田委員が御紹介の例えば老健施設でございますけれども、老健施設そのものは医療病床数としては入っておりませんし、介護保険施設としての機能を持っているところでございます。そういう意味から考えますと、南丹市自身がどういう形でそこの医療・介護・地域包括ケアを展開されるのかということについて、まずもって考えられるべきものと考えているところでございます。
以上でございます。
○島田委員 では、京都府は全部南丹市任せで、何もしないということですか。医療連携は当然ですよ。美山の医療資源は非常に乏しくて、近隣9町には病院・拠点病院がそれぞれあり、老健のベッドもあります。美山地区ほどの人口と面積で入院・入所施設がない地域は、京都府下にはほかにありません。美山地域の近隣の9町の医療資源を比較すると、非常に体制は弱い。美山地域の人口1,000人当たりの病床数が現在でも1床、平均で10分の1以下になっているではありませんか。
地域包括ケアの要は、入院ベッドのバックアップ体制があってこそできるわけですよね。安心してどの地域でも住み続けられるための計画を立てたとおっしゃっているじゃないですか。これと違いますでしょう。
現に、どうしようかと、地域の皆さんは非常に大きな不安の中にあるんですよ。僻地人口が減ったこととはいえ、住民の命と健康を、医師がいないということでそんなふうに、併せて、あるいは財政上の問題で効率化だといって、縮小するということはあってはならないと思うわけです。
同じ答弁を繰り返されるようですので、次に行きたいと思うんですけれども、医師確保計画もつくって、南丹地域医師少数スポットも策定をされまして支援をするという計画であります。着任された中村先生は、骨を埋める覚悟で住所も移し、居住も構えて、24時間の診療体制に当たっておられます。この中村先生に引き続き新しい直営診療所で働いていただくということも明言がありません。
中部医療センターからの医師派遣を南丹市から要請されていると思います。中核となる医師1名の派遣、加えて応援のための複数名も要望にあると思います。9月28日の常任委員会では具体的な内容が示されませんでしたけれども、もうすぐですよね。10月中にめどをつけたいとおっしゃっているわけですが、この間、南丹市からは具体の日で具体内容で要望があったと思いますが、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○丸毛医療課長 南丹市長様からは、何月何日までというのは、今、手元にございませんけれども、10月、9月、いずれも御相談には来られておりまして、先ほど部長からも答弁がございましたとおり、中部医療センターからの派遣ということも考えたいという御要望が出ておりまして、私どもとしても南丹市の御要望にお応えできるようにということで、今それについてそれぞれの手を尽くしているといいますか、南丹市は南丹市で頑張っておりますし、私どもは私どもでできることはさせていただいている状況でございます。
○島田委員 ちょっと聞き取れなかったんですけれども、中部総合医療センターからの派遣について。
○松村健康福祉部長 医療課長から御答弁させていただいたとおり、南丹市からいろんなお話を聞かせていただく中で、今、私どもとして、医師確保をどういう形で対応していくのか。南丹圏域には中部医療センターが中核としておりますので、その辺も含めまして、私どもとして今できる限りのことは何なのかというのを検討させていただいているところでございます。
以上でございます。
○島田委員 中部医療センターからの派遣となりますと、大本の大学等の調整も必要かと思うんですね。それで、医師派遣と言われても、中部医療センターそのものが医師不足であると。1人や2人増やしたぐらいでは要請に応えられない、こんな声も聞いたことがあります。中部総合医療センターの医者の必要数は100名と言われておりますが、現在78名程度しかいらっしゃらないということをお聞きしておるんですが、この点は正確にいかがですか。派遣できる状況にあるかどうか、お聞かせください。
○松村健康福祉部長 私が御答弁させていただいたのは、派遣すると言っているのではなくて、中部医療センターも含めて今、検討を進めておりますという御答弁をさせていただいたところでございます。
それから、中部医療センターの必要医師数100名という根拠については、私どもとしては掌握しているところではございません。
以上でございます。
○島田委員 それぞれの病院で、地域医療構想調整会議等の中で、今後どんな医療機能を持っていくのかという議論とか、それから医師の確保の現状についても議論がされているということだと思うんですよ。私が言った情報が不正確であれば、これは資料要求をしたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
○酒井委員長 恐れ入ります、もう一度、どの資料を要求するか、明確にお伝えください。
○島田委員 中部総合医療センターの必要な医師を確保するという計画、目標に対して、現在、数が足りないという現状を聞いているけれども、医療構想調整会議等で議論もあるし、医師確保計画もつくっておられるんだから、計画と現状と、中部総合医療センターの現状についての資料要求をお願いしています。
○酒井委員長 理事者側、今の内容について、御答弁は可能でしょうか。
○井尻健康福祉部副部長(地域包括担当) 地域調整会議に出されている病院からのことでございますけれども、それにつきましては、中部医療センターが何名の医師が必要といったことについての提出はございません。
以上でございます。
○島田委員 しかし、府内各地域で過疎地域、僻地医療の支援も含めて、そして医師少数スポットだと認定して支援をすると書いてあるんですから、具体策がなきゃおかしいでしょう。机上の空論になってしまうじゃないですか。
○井尻健康福祉部副部長(地域包括担当) 個別の病院の各医師の必要数といったものを算定したものはございません。
以上でございます。
○島田委員 それはそれで大問題だと思うんですが、しかし現状、ずっと歩いておられて感ずるところはありますよね。先ほど言ったように、医師を派遣する体制が整っているのかどうかですよ。では、数は求めませんが、その点は部長どうですか。
○松村健康福祉部長 私どもとして、その地域医療圏単位でございますけれども、その地域の医療をどういう形で確保していくのか、そのために必要な診療所はどこなのか、どういう機能連携をしていくのかということを含めて、医師確保計画でありますとか地域医療調整会議の中で議論しているところでございます。私どもとして、地域医療、身近なところで適切な医療を行っていただく、そのための計画を着実に執行してまいりたいと思っているところでございます。
以上でございます。
○島田委員 では、深刻な医師不足の現状はもう繰り返しませんが、そんなに潤沢にないわけですよね。それで、先ほど言いましたように、中村先生が骨を埋める覚悟で現在24時間対応に当たっておられて、医師不足の現状の中で、なぜ現に頑張っている先生を切らなきゃいけないのかと思うわけですよ。
いろいろと市の考え方というのはありますけれども、これまでも私はずっとこの医師確保問題については井尻副部長にも部長にも求めてきました。本当に大変御苦労もいただいたけれども、結果的に見つからなかった。そして、診療所がいろいろ頑張って医師を確保して、せっかく尾嵜先生と複数体制で在宅医療も拡充をし、住民の安心が確保できているわけで、その点をもう1回お聞かせください。医師不足の中で、現実に働いている医師を切るという問題についてです。
○井尻健康福祉部副部長(地域包括担当) まず、直営診療所に移行されるということでございますので、その体制につきましては南丹市から十分お聞かせをさせていただく中で対応させていただいたというふうにございますし、今まだ具体のところについてまでは御相談はないということでございますので、それはまたお話がございましたら対応をさせていただきたいと考えております。
以上でございます。
○島田委員 土日祝日、夜間、診療なしとなりますと、観光客をお呼びしても、急病に対応できません。在宅の看取りにも対応できませんよ。
診療所を現在利用されている年代別の状況を見ますと、70歳代では47.5%、80歳代では69%、90歳代では97%の住民が診療所を利用されております。診療所が外来だけになったら、美山の火が消えたようになる。
お年寄りの皆さんが元気がないと集落を守れない。
「過疎の集落を見捨てる気か」
という声が出ているんですよ。もう少し誠実な答弁をお願いしておきたいと思います。
時間がなくなりましたので、もう1点は要望します。
もう差し迫っておりますので、無謀な計画を強行するなと住民の声が上がっております。住民への説明もされておりません。もう少し府民に寄り添って支援をいただきたいと。府内のどの地域でも安心して暮らせるようにするというなら、その約束を、計画をちゃんと果たせるような体制をつくっていただきたいと思います。
最後に、子育て支援医療助成制度について決算がされております。拡充をさらに広げて頑張っておられる自治体があります。向日市が中学校卒業まで通院も200円負担にすると、制度拡充が行われております。その他の市町村はどう把握されておられますか、お聞かせください。
○安原医療保険政策課長 子育ての支援医療助成制度の市町村の状況でございます。先ほど委員が御紹介いただきました向日市のほかに、大山崎町では向日市と同じように中学校卒業まで1医療機関月200円ということで制度拡充をされております。それから、今年の8月から京丹後市で、こちらは対象者を大学生に拡充されて、入・通院とも制度を拡充されたとお聞きしているところでございます。
以上でございます。
○島田委員 コロナ禍で、現役世代、親世代の収入減少等、暮らしの困難が広がっております。安心して医療が受けられるように、市町村と連携をして、さらなる京都府の拡充を求めておきたいと思います。
子どもの貧困の関係では、「内閣府子供の貧困対策に関する有識者会議」が開催されておりまして、松村部長も参加されていると聞いております。京都府の計画も見直しましたけれども、このコロナ禍、経済の低迷が長期化する中で、子どもと若者、親世代の貧困が非常に深刻になると考えております。
この計画の中では、今後の施策推進のための実態調査を取り組むと、また国は、直接子どもたちや若者たちの声を聞くアンケートにも取り組んでおられますが、今後、そのようなコロナ禍の問題も含めまして、実態調査の計画は検討されておりますでしょうか、最後にお聞かせください。
○野木家庭支援課長 子どもの貧困実態調査でございますが、現在、国で全国調査について御準備をされているということですので、それを参考にしながら調査を国と一緒にやっていけたらなと思っております。
以上です。
○島田委員 ぜひ、子どもや当事者の声も聞くようなリアルな調査も行っていただいて施策に反映をしていただきたい、引き続き子育て支援を大いに頑張っていただきたいと思います。
終わります。