○島田委員 1点だけ伺います。内部統制制度―――※注:2020年4月1日から施行される地方自治法等の一部を改正する法律(平成29年法律第54号)により改正された地方自治法第150条第1項に基づく京都府内部統制基本方針―――の導入についてです。
この基本方針の中の「内部統制の目的・取組の方向性」の
「(3)業務に関わる法令等の遵守」
の項で
「公益通報制度の活用に取り組みます」
というふうにあるんですが、これは具体的にはどのような検討がされているのか、教えていただきたいと思います。
○林田職員総務課長 「業務に関わる法令等の遵守」のところで公益通報制度の中身を書かせていただいておりますけれども、既に公益通報制度は導入されておりまして、ほかの府県でもそうなんですが、なかなか活用実績がないという状況になっております。で、今回は内部統制制度を導入されますので、既にあるこの公益通報制度も活用しながら、例えば法令違反があるようなときには、その制度をもってして具体的にその法令に反しているところを内部統制の仕組みで変えていきたいというふうに考えております。
○島田委員 既にあるけれども活用されていない原因、課題は何かという点をもう1回伺いたい。
○林田職員総務課長 京都府の場合もほかの府県の場合もそうなんですけれども、公益通報で通報した場合になかなか公益通報で通報した職員を守ることが難しいというのが第1点。あとは、その公益通報制度に乗らなかったとしても、他の制度上で十分法令違反等の適正化を図れるというところがありますので、今のところはそれほどは活用されていないというふうに認識しております。
○島田委員 弁護士さんたちの指摘によりますと、内部統制が長自身による不正や複数者の共謀による不正に対してはほとんど機能しないと。これまでもね。そして、このような場合であっても、地方公共団体の事務執行の適法・適正を確保して住民の信頼を確保するためには、内部統制体制の整備と同時に、今おっしゃった公益通報制度が活用されなきゃいけないということであります。また、今出されました具体的な課題の解決を克服するための検討とともに、特に組織的な不正に対応するためには、組織の一員ではない外部の法律事務所とか弁護士さんとか、そういう外部での通報窓口とか法律上の守秘義務を有する弁護士を活用する制度等の構築が急がれるというふうな指摘もあるんですが、そうした点については検討がされておりますでしょうか。
○番場職員長 すみません。今、制度的なことでお話をしているわけですけれども、我々としましては、委員御指摘のような外部の弁護士の方の相談窓口も開いておりまして、そういったことにつきましては、今しっかりと対応ができているかなというふうには考えているところでございます。
制度を導入してから大分年数がたちまして、その存在を知らない職員もいるのではないかというふうに思われますので、今回の内部統制の制度化を機に、こういった内部通報の窓口などの周知も図って、専用電話なんかも設けておりますので、プライバシーの保護とか、そういったこともやらせていただいております。
件数がないのはそういった問題が少ないのかなというふうに我々はよいように捉え得もしているところがあるんですけれども、しっかりと活用が図られるようにこれから職員周知、それとあと法令に基づきまして、職員の保護とかいうようなことはしっかりとやらせていただく中で取組を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解のほう、よろしくお願いします。
○島田委員 あと、内部統制の有効性の確保のために、整備状況とか運用状況について毎年度評価し、公表することになっておりますが、議会への報告というのはどういうふうに位置づけられておりますでしょうか。
○林田職員総務課長 内部統制制度が令和2年度の事務事業の中身から適用されるということになりますので、対象になってきますのが、令和3年度にこの内部統制制度に基づいた評価なり報告書なりを御提出させていただくことになります。
国のガイドラインによりますと、通常であれば決算の審査のときに公表するようなことになる可能性が高いんですけれども、タイミング的には都道府県で決定することができるというふうになっておりますので、今後、御報告のタイミングについては調整をさせていただきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○島田委員 ありがとうございます。
この内部統制の関連では、これはもちろん自主的に市町村においても方針等は作成されるべきであると思いますが、府下市町村での取組の状況等、あるいは援助の中身がもしございましたらお願いします。
○能勢自治振興課長 個別具体の市町村の状況でございますけれども、うちのほうで具体の市町村の状況については今のところ把握しているものではございません。
以上でございます。
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○島田委員 私からも京都府留置施設視察委員会について質問をいたします。
平成30年度の視察委員会の活動概要等が報告されております。28の留置施設と、それから被留置者の7人の面接等が行われて、被留置者が委員会に提出した意見・提案書が2通あります。
それで、
「委員会が留置業務管理者に対して述べた意見及び留置業務管理者が講じた措置」
の中に個別事案として「留置施設・設備に関する事項」がございまして、
「面会室の防音・遮音状況が、適切でない施設があるので対策が望まれる」
としておりますが、具体的にはまだこういう防音・遮音状況が適切でない施設が何か所あるのか。
それから、この講じた措置では
「一部の施設については補修が終了しました。今後も予算を獲得して補修に努めます」
とありますが、取組の現状と課題について教えていただきたいと思います。
○井上警察本部総務部長 留置施設視察委員会からの御意見ということで、今、委員から御質問のあったことについては我々としても承知をしているところでございます。いわゆる声が漏れるというところでありますけれども、ドアの部分にゴム製のパッキン、これは遮音シールというものですけれども、それを整備しまして、外に音漏れ、声漏れがしないようにということで対策を講じました。
それで、御指摘を受けた施設については当時1施設ということで認識をしておりますけれども、我々としてもしっかりそこは確認をして、対処すべき施設は現在9施設ございますので、今後ともしっかり予算を獲得して必要な改善整備に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
以上です。
○島田委員 平成30年度の委員会の結果報告に基づいて改善をしたのが1施設ですか。
○井上警察本部総務部長 1施設を改善して、残りが9施設というところです。
以上です。
○島田委員 某署では隣の部屋の声も聞こえるということで、弁護士の接見等についてはプライバシー等が守られていない環境等があるというようなことを伺っているんですが、そういう事例も含めて9施設ですね。
○井上警察本部総務部長 あくまでも面会室についての御意見ということで承知をしておりますが、いずれにしても、庁舎には古い建物がたくさんあることは多分委員も御存じだと思いますけれども、今後の警察署の建て替えの中でもそういった対策がしっかりと講じられるように施設整備には努めていく必要があるというふうに認識をしております。
以上です。
○島田委員 それと、高齢者対応ではこれまでも指摘をされていたと思うんです。この面会室の防音・遮音等の状況に限らず、これは2007年度に既にスタートしておりますので、これまで、バリアフリー等、介護が必要な方々のための、先ほど入浴施設等も具体にありましたが、その辺の改善状況と残された施設が何か所ぐらいあるのか、お聞かせください。
○井上警察本部総務部長 資料が手元にございませんので、今もってすぐに全ての留置施設の現状をお答えはできませんけれども、例えば今現在建設中の城陽警察署においては、お風呂の「またぎ」と言われる、またいで足を入れる部分が昔のお風呂は非常に深うございますので、またぎの部分を浅くして、浴槽の部分を浅くして、なるべく高齢者の方なり、あるいは普通の被留置者にしても風呂場での転倒防止をしようということでそういう工夫をしております。また、段差の解消に向けてゴムラバーの段差防止のものを設置したりとか、そういう工夫をして留置施設内における事故防止、そして人権に配慮した適正な処遇については日頃から取り組んでいるところでございます。
以上です。
○島田委員 なかなか手狭な警察署が多いですのでいろいろ御苦労があるかと思うんですが、一層改善に努めていただきたいんですが、これは一時期男性と女性の留置者等がありますわね。そういうときの対応というのは具体的にどんなことをされていますでしょうか。
○井上警察本部総務部長 基本的には、男性の被留置者は男性の担当官が対応する、女性の被留置者については基本的に女性の留置担当官が対応するというところですけれども、必ずしも女性警察官が対応できない場合は、状況によっては男性警察官が対応するということもあります。なおかつ、京都府警においては女性専用留置場、あるいは各署の留置場においても少年と女性とはきちっと分画をして接触しないような構造になっておりますので、そういった対応については今の時点では適切に行われているものというふうに認識しております。
以上です。
○島田委員 新設のところはしっかりとやっていただきたいし、既設のところでもいろいろな工夫があって当然だと思いますので、一層改善方お願いをしておきたいと思うんですが、共通項目で「留置担当官の勤務環境等に関する事項」があります。先ほどもお話がありましたが、警察官が介護をしているというのは本当に大変な実態だと思います。これも「留置担当官の業務負担軽減を図り、勤務環境を向上させる配慮が望まれる」ということで、看守さんの休憩室の備品等、先ほども答弁がありましたが、いろいろ対処されていると思うんですが、もう少し、具体的にはどういう課題があるのか。
それから、勤務状況が24時間体制で非常に過酷な状況にあるというふうに思うんですが、今後ワーク・ライフ・バランスも含めてどういう検討というか、改善をされようとされるのか、現状と課題について教えてください。
○井上警察本部総務部長 実は私も若いころ看守勤務員をしておりまして、24時間勤務というのは非常に過酷でありまして、どちらが留置されているのか分からないような状況になるというのもあります。そういった中で、本当に苦労が多いということは認識をしておりますので、やはり看守勤務員からいろんな要望を聞いて、それぞれ多種多様な要望がございますけれども、それに応えながらしっかりと対策を講じていきたいというふうに思いますし、警察において留置場というものは絶対的に必要不可欠な施設でございますので、その中で、先ほど来申し上げているように、人権に配慮しつつ、併せて看守勤務員の負担軽減にも配慮しつつ、適正な運営に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○島田委員 24時間そういう体制を取りながら、勤務期間といいますかね、何年ぐらいそういうところにお勤めになるようなローテーションになっているのか。精神的な負担とかストレスとか、そういうことを考慮しますと、配置の見直しとか勤務時間、あるいは勤務期間、いろいろ改善が必要な点があると思うんですが、もう少し、具体的にどのような改善をされますですか。
○井上警察本部総務部長 看守勤務員を希望する警察官がいるのも事実でありますし、今後いろんな部門で活躍していこうとなると、やっぱり留置業務というものをマスターというか、熟知しておくということは今後の捜査活動を含めて非常に重要な部分であります。それは警察業務の特性を踏まえて、なおかつ組織の全体像を見ながら適正な人員配置をしていくというところが原則でありますので、本人の希望も踏まえつつ、あるいは組織全体の運営を見据えながら適切な人員配置に努めていきたいというふうに考えております。
以上です。
○島田委員 よろしくお願いしたいと思うんですが、先ほどの浜田委員の質問に関連いたしまして、弁護士等の必要性についてですね。法律上、これは2005年5月に成立した「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律」、受刑者処遇法によって初めて、刑事施設の視察などを通してその運営に意見を述べる、そういうことを目的にする第三者機関、ここでは刑事施設視察委員会が設立され、翌2006年6月に留置施設視察委員会が設けられて、警察の留置施設についても人権保障等の観点から設置をされたというふうに思うんですね。
それで、この法律の制度目的に沿って、留置施設視察委員会の誕生に関わっていろいろな、受刑者のアンケートとか取りながら視察委員会も設置されまして、その機能の在り方については、刑事施設視察委員会で決められているように、この留置施設視察委員会についても全ての委員において、例外なく地元医師会からの推薦を受けた医師と地元弁護士会からの推薦を受けた弁護士が必ず選任されることになっていますという規定があるんですよね。必ずですよ。なので、留置場に面会に行ったり、足しげく通って面会をされているのは弁護士さんが多いわけで、その人たちの人権を保障するし、あるいはそういう観点からポイントをちゃんと定めて視察できるのは、やはり弁護士であるということからこういう規定もあるというふうに思うんですよ。その点、認識はいかがでしょうか。
○井上警察本部総務部長 今、委員のおっしゃった刑事施設視察委員会については、地元の医師・弁護士を委員とするようにというのは当然承知をしております。基本的に、その刑事施設視察委員会、そして留置施設視察委員会というものはある程度同趣旨のものでありますけれども、委員の選任というか、任命に関しては、それが必ずしも適用されるというものではなく、あくまでも我々としては警察庁の指示に基づいて、弁護士等法律関係者という中で法律関係者を選んでいるわけでありますので、そこの部分については特段の問題はないというふうに考えております。
以上です。
○島田委員 地元弁護士会から推薦を受けた弁護士が必要ですよと。この考えに基づいて国の刑事施設視察委員会では必ず置きなさいと。これを踏まえて京都府の視察委員会にも、一本釣りでじゃないですよ。弁護士会推薦の弁護士を入れることになっていると、こういう規定であるということを確認をしておきたいと思うんですよ。
それで、刑事施設の留置場と違って、警察署にある施設については、まだ犯人かどうか、まさに捜査をしている段階で、未決拘禁者と言うんですか、法律違反を犯していない、そんなことをまさに調べている最中ですので、より一層その人の人権は確保されるべきというふうに思うわけであります。なので、先ほどより説明されましたが、現下の情勢に対応したではなくて、そもそものこの制度の趣旨を踏まえて対応するべきだというふうに思うんですよ。
それで、繰り返しませんけれども、この制度が発足した当時の委員会の定数は、条例上は一体何人だったんでしょうか。
○井上警察本部総務部長 この制度が始まった当時、府下に全部で29の留置施設がございました。で、6人の委員でおおむね5施設ぐらい視察していただくのがいいだろうという中で、最終的に京都府においては視察委員については6人と。それぞれの方々の通常業務もありますので、そういった負担も含めて1人の委員に5施設を回っていただくのがいいだろうということで6人の定数の制定に至ったという経緯でございます。
○島田委員 最初から6人ということですが、法律制度上は、先ほどの答弁もありますように、必要に応じて定数を増やすということは可能な仕組みとなっているかどうかを確認しておきたいというふうに思います。
○井上警察本部総務部長 それは、当然留置施設が増えれば視察委員の方々に視察に行っていただく施設が増えるわけですから、それぞれお一人お一人の負担軽減ということを考えれば委員を増やすということも考える必要があるでしょうし、場合によっては、留置施設が今後ある程度統合されていって少なくなれば留置施設視察委員の定数を減らすということも考えていく必要があるでしょうし、そこは今後の推移を見極めながら、検討する時期が来たら検討はしてまいりたいというふうに思います。
以上です。
○島田委員 制度本来の趣旨も踏まえた上で必要な、先ほど言った高齢者の問題とか薬剤対応とか、そういう人を増やすということは可能なわけで、あくまで法の趣旨にのっとった点で今後改善の方向も検討、前向きな検討をお願いしたいというふうに思うんです。
それで、これは留置施設の管理者が公安委員会に上申するシステムになっていますよね。この平成29年度の国からの通達でしたか、留置施設管理者について警察の職員以外とかいう規定もあるんですけれども、現在はこの管理者はどういう役職の方がついていらっしゃるんですか。
○井上警察本部総務部長 ちょっと質問の意味がよく分からないんですけれども、留置業務管理者というのは、警察本部でいえば留置管理課長、警察署でいえば警察署長が留置業務管理者ということになります。
○島田委員 留置業務管理者ですね。管理課長から今回の視察委員の名簿を上申されていますよね。管理課長さんですか。
○井上警察本部総務部長 留置管理課長がそれぞれ本部長の承認を得て上申をしていくという手続の流れになっています。
○島田委員 管理課長自身が、警察署の内部あるいは京都府職員内部の人ではなくて、外部でなければいけないというような規定はないんですか。
○井上警察本部総務部長 御質問の意味がちょっと私は理解できないんですけれども、留置業務管理者というのはあくまでも警察本部に勤務する留置管理課長であり、警察署の警察署長が留置業務管理者ということになります。
○島田委員 ちょっと手元に資料を持ってくるのを忘れましたので、また後ほどにしたいというふうに思うんですけれども、問題は、捜査をする者と留置される者と、要は第三者で透明性ある運用ということになりますと、それが一緒だったら、捜査の過程にもいろんな影響を及ぼしますので、そういう観点から、もう少し透明性のある組織を構築すべきだという観点から文書が出ているように私は読んだんですが、その点はどうですか。
○井上警察本部総務部長 それにつきましては、「京都府留置施設視察委員会に係る事務の取扱いについて」という例規通達がございますけれども、「留置管理課長は、人格識見が高く、かつ、留置施設の運営の改善向上に熱意を有する者であって」ということで、次の要件を満たすものを委員会に上申するということで規定がございます。例えば、心身ともに健康で委員としての職務の遂行に支障がないこと、被留置者またはその親族でないこと、都道府県警察の職員またはその親族でないこと、都道府県警察の職員であった者でないこと、あるいは「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」でいうところの暴力団員でない者とか、これに該当する者は選定されないと。委員として任命しないということであります。
○島田委員 了解しました。
○能勢委員長 島田委員に申し上げます。そろそろ質問時刻が迫っておりますので、おまとめいただきたいと思います。
○島田委員 繰り返し述べませんけれども、疑義がないように、そして法律、制度の趣旨にのっとった運用なり、制度改善も求めておきたいと思います。
以上です。