令和元年6月定例会(第2号)- 2019年6月17日  ※後半に北陸新幹線延伸・大深度地下の問題提起あります

○島田敬子議員  日本共産党の島田敬子です。党議員団を代表し、さきに通告しております数点について質問をいたします。

 質問に入ります前に一言申し上げます。
 さきの府会議員選挙で我が党府会議員団は、引き続き、府議会第2党、12議席を確保することができました。御支援をいただいた皆様に心から感謝を申し上げます。党府議団一丸となって、安倍政権の地方壊し・地域壊しを許さず、真の地方再生へ、暮らしに希望が持てる京都府政実現、新しい政治をつくるために頑張る決意でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、現職警官が特殊詐欺を悪用して逮捕された事件については、真相究明と警察の信頼回復へ全力を挙げるよう求めておきます。
 それでは、質問に入ります。

 まず最初に、暮らし第一で経済を立て直す問題です。
 内閣府は、6月7日、4月の景気動向指数を発表し、2ヶ月連続で景気悪化を認めました。実質賃金、実質消費支出も1年前に比べてマイナスとなりました。1月から3月の第一四半期の国内総生産の改定値でも、全体の6割を占める個人消費が減少をしています。
 ところが、安倍政権は、10月には予定どおり10%への増税を実施するとしています。消費税導入時はバブル経済の真っ最中、そして5%、8%増税の時は政府の景気判断は回復期でしたが、そうした中でも増税が消費不況への引き金を引く結果となりました。政府自身が景気悪化の可能性を認めていながら増税しようとするのは、歴史的にも前例のない無謀なものです。
 府内経済は全国に比べても深刻です。京都商工会議所が3月に発表をした景気経済動向調査では、1月から3月期の国内景気BSI値はマイナス12.6と、前年実績7.4から大幅に落ち込むなど、ほぼ全ての業種でBSI値が下降しています。消費税増税の影響を懸念し、景気の先行きを不安視する声が寄せられております。
 京都で働く世帯の実収入では、2015年には495万3,000円あったものが2017年には432万4,000円と、2年間で約63万円も減少し、全国順位は35位から45位へと急落いたしました。消費支出も282万8,000円から249万7,000円へと33万1,000円の落ち込みで、これも全国順位は24位から43位となりました。
 商店街を歩きますと、
「10%になったら、もう廃業するしかない」
「庶民に2,000万円の資産形成を求めながら消費税増税は許せない」、
この怒りの声が聞かれます。
「ポイント還元のためにクレジットカード用の機械購入やカード会社にも高い手数料。負担が重過ぎる」、
プレミアム商品券に至っては
「商品券を使って買い物をすれば、レジで『私は低所得者です』と言うようなもの。こんな愚策はやめてほしい」
との声も聞かれました。政府の増税対策にも批判の声が上がっているのです。消費税は低所得者ほど負担が重い逆進性の税金で、自動車や住宅の税金を減税しても、多くの国民にはほとんどその恩恵はありません。「こんな経済状況で10%増税をしてもいいのか」、政権与党の中からも動揺が広がっております。自民党の西田参議院議員も、
「完全なデフレ脱却と言えない中で消費税増税を強行すれば、日本経済に悪影響を及ぼす」
と、増税凍結を主張しておられます。

 そこで伺います。
 現在の京都経済と府民の暮らしの実態をどのように認識されておりますか。お聞かせください。京都の府民の暮らしと営業に、地域経済に責任を負うべき知事として「今、消費税を増税すべきではない」と国へ求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 今、求められているのは、家計を応援し、格差と貧困を正し、府民があすの暮らしに希望が持てるようにすることです。そのためには、まず働く人の賃金を大幅に引き上げることです。
 京都で働く労働者の実態はどうなっているでしょうか。平成24年度の就業構造基本調査で全国ワースト3位だった京都の非正規雇用の割合は、平成29年度では沖縄に次いで全国ワースト2位で40%、不本意非正規の割合は30代で全国6位など、厳しい現状が続いております。労働法制の改悪や規制緩和で最低賃金に近い賃金で働く労働者が大幅に増加し、非正規雇用労働者が家計の中心を担う現状が増えているのです。ダブルワーク、トリプルワークで働く母子家庭の皆さんの悲痛な声もお聞きをしております。
 本府の最低賃金は882円。週40時間働いても月額15万円、年額183万円と、まともに暮らせる賃金ではありません。こうした現状を打開するためにも最低賃金の引き上げは待ったなしの課題になっていると考えます。
 先日、京都総評が組合員や家族を対象とした生活実態調査を行い、中間報告を出されました。「25歳・単身・北区在住」で働くモデルで試算をし、月に150時間労働で時給を換算しますと、男性で1,635円、女性で1,618円となったということです。日本共産党としても、こうした労働者の現状を踏まえて、中小企業支援と一体に、最低賃金を速やかに時給1,000円に引き上げ、1,500円を目指すことを重点政策に掲げました。

 そこで伺います。
 労働者の暮らしの現状に照らして、最低賃金を時給1,500円に引き上げる必要性についてどのように考えておられますか。知事の見解を伺います。
 また、中小企業の労働者の賃金引き上げのための業務改善助成金について、最低賃金が時給1,000円未満に対象拡大が行われましたが、申請件数は京都府全体で28件、実績は19件と、ほとんど活用されておりません。設備投資の要件の撤廃など、抜本的な制度改善が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、中小企業にとって税金よりもはるかに重いのが社会保険料の負担です。業種を超えて、人件費のうち3割、あるいはそれ以上が社会保険料となっております。ある若手経営者は、「社会保険料の支援があれば賃金を引き上げることができる」と語られております。社会保険料負担分を直接支援する制度の創設を国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、保育・介護職の給与改善施策については、国のキャリアアップ制度は、保育では分野別のリーダーを新設して処遇改善を行う内容であり、介護職でも技能や経験に重点化した内容であります。多くの労働者の賃金の底上げになっていないのが現状です。全職種平均よりも8万円から9万円低い賃金の底上げのために、職員間に格差をつくるのではなく、職員全体の給与の底上げが必要と考えますが、いかがですか。お答えください。

 次に、安心して学び、子育てができる施策の推進について何点か伺います。
 厚生労働省が6月7日に発表した人口動態統計調査で、合計特殊出生率は1.42、京都府では0.02ポイント下がって1.29となり、いずれも3年連続減少をいたしました。出生率が1.3を下回るのは5年ぶり、全国ワースト3位となりました。これらの背景には、働くルールを壊し、低賃金の非正規雇用をふやしてきたこと、社会保障や福祉制度を切り縮める政策が子どもや若者を直撃し、格差と貧困を広げたことは明らかです。貧困の連鎖を断ち切るためには、労働者の賃金引き上げなどとともに、医療や教育の分野で機会の平等を保障することです。
 まず、子どもの医療費助成制度について、長年の運動とともに我が党も粘り強く取り上げてまいりました。対象が中学校卒業まで広がり、今年9月から通院の自己負担が1,500円へと引き下げられますが、多くのお母さんの声は「完全無料にしてほしい」というものです。国の制度として創設するよう求めるとともに、本府の引き続きの努力を要望いたします。

 次に、所得のない赤ちゃんにかかる、人頭税とも言うべき国民健康保険料の均等割制度の廃止についてです。
 京都市内の4人家族、所得400万円の世帯の国保料は40万円で、本当に高過ぎます。全国知事会・市長会が既に6年前に国に要望しておられる公費1兆円の投入で均等割、平等割を廃止するなら、24万円に引き下げることが可能です。
 そこで伺います。
 2月定例会で知事は、均等割について、「子育て支援の観点から、子どもにかかる負担分の軽減について国に強く求めている」と答弁をされました。均等割の見直しの必要性を知事としても認めておられると理解しますが、取り組みの現状と国の検討状況はどのようになっておりますでしょうか。また、市町村とともに子どもにかかる均等割を廃止するための議論を進め、市町村を応援してはいかがでしょうか。お答えください。

 次に、中学校給食の無償化についてです。
 文部科学省は、昨年7月、全国1,740自治体における学校給食費の無償化及び完全給食の実施状況を発表いたしました。小学校、中学校とも無償化を実施する自治体は76自治体、4.4%、第3子以降の無償化など一部無償化と一部補助は424自治体、24.4%となり、その後も増え続けております。また、昨年5月現在の中学校給食実施率は、食べている生徒の数で、本府は37.9%と、全国ワースト1位という悲しい現状です。家庭の経済状況にかかわらず安心して食事ができることは、子どもの情緒の安定にとっても重要なことです。就学援助を受けている生徒は、中学校給食がないために、これらの施策が届いていません。完全実施へ市町村を支援することを強く求めるものです。
 同時に、憲法26条は「義務教育は、これを無償とする。」と規定し、学校給食法は学校給食が教育の一環であるとしています。学用品や部活動代、制服代なども無償化とすべきものですが、まずは学校給食の無償化へ、国へ要望するとともに、本府においても検討することが必要です。いかがでしょうか。

 次に、大学の学費値下げと奨学金制度の抜本改革も待ったなしです。高い学費、返せない奨学金、進学を諦めるかバイト漬け・借金漬けで進学するかという究極の選択が押しつけられ、教育を受けることが若者の間に貧困と格差を広げるという本末転倒の事態が広がっています。
 共産党府会議員団は、2015年から2016年2月にかけて大学や街頭での対話活動を行いました。奨学金を利用している学生は42%。そのうち30%が300万円以上を借り、67%の学生が有利子奨学金であり、返済への不安を抱えていました。
「奨学金は怖くて借りられないので進学を諦めた」
と言う高校生もいました。
「親からの仕送りはなく、バイトと奨学金で暮らしている。体調が悪くても休めない」
「奨学金を月6万円借りている。アルバイトを2つかけ持ち」、
中には週70時間もバイトをする学生もいました。学生アルバイトは全国で74万人も増えましたが、雇用が増えたのは、アベノミクスの成果でなく、こうして追い込まれた学生たちなのです。
 若い世代の多くが、卒業と同時に背負った「奨学金」という名の借金返済に追われています。少しでも滞納すれば自宅や職場へ督促の電話がかかる、さらには信用情報のブラックリストに登録されることとなります。ブラックリストへの登録件数は、2013年度13,047件から2017年度には25,288件へと急増し、自己破産件数は同時期に1,453件から2,447件へと増加をしていることが日本共産党国会議員の質問の政府答弁で明らかになりました。
 安倍政権は大学無償化などと言いますが、その内容は4人家族、270万円程度の住民税非課税世帯にとどまり、対象となる学生は1割。9割近い学生を対象にしない制度を大学無償化とは、看板に偽りありです。国際人権規約の大学・高校の学費を段階的に無償化する条項の留保撤回を2012年に閣議決定し、国連に通告しております。

 そこで伺います。
 知事はこうした若者が置かれている現状をどのように認識されておられるでしょうか。その上で、学費無償化と奨学金制度の抜本的拡充を国へ求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。そして、沖縄県や長野県などで始まっているように、京都府独自の給付制奨学金制度の創設へ足を踏み出すときです。いかがでしょうか。
 ここまでお答えください。

○西脇隆俊知事  島田議員の御質問にお答えいたします。
 消費税率の引き上げにつきましては、少子高齢化が進む中、全世代型社会保障に必要なものとして法律で本年10月施行となっており、その増収分は幼児教育の無償化や介護人材の処遇改善などに充てられます。京都府としても、増嵩を続ける社会保障関係経費の安定財源として、消費税率10%のうち3.72%に相当する地方消費税及び地方交付税が必要であることを御理解いただきたいと思います。
 そして、国は、リーマンショック級の出来事が起こらない限り、引き上げる予定としており、現時点におきまして見送る判断はしていないと承知しております。
 一方で、足元の経済情勢をきめ細かく点検しながら必要な対策を実施していくことは重要でございます。
 直近の府内の景気に関しましては、このところ、弱さがあるものの、緩やかな拡大基調にあるものと考えており、日本銀行京都支店、京都財務事務所、京都銀行も総じて「緩やかな拡大」あるいは「回復基調」と判断されています。個人消費につきましても、足元の弱い動きはありつつ、持ち直しや緩やかな回復の動きがあるとされています。
 ただし、御指摘がありますように、京都商工会議所調査におきまして、中国経済減速の影響を受けた製造業の一部でBSI値が大幅に低下するなど生産面で弱い動きが出ているとされているほか、国内景気が下降しているとの実感や、人件費・原材料費などの上昇による利益確保の難しさ、さらには消費税率引き上げに対する懸念の声もあるものと承知しております。
 京都府におきましては、40億円規模の金融対策、経営改善支援、地域消費喚起対策を実施いたしますし、国も低所得者や中小小売業者への対策などを講じることとしております。これに加え、地域経済に影響が出ないよう、先日の国への政策提案におきましても改めて実効性のある経済対策や事業者等の負担や混乱が生じないための取り組みの徹底を要望しており、国において適切に対応していただくことを期待しております。

 次に、最低賃金の引き上げについてでございます。
 最低賃金の引き上げは、経済の好循環による地域経済の活性化につながることから重要であり、繰り返し国に対して要望し、京都府では、ここ3年間、毎年24円から26円引き上げられてきたところでありますが、一方で中小企業の経営への影響も十分見極める必要があることから、一歩一歩引き上げていくことが大切でございます。さらなる引き上げには原資となる収益の拡大が求められることから、中小企業の生産性向上が不可欠でございます。
 京都府では、これまでから、中小企業応援隊の伴走支援のもと、エコノミック・ガーデニング事業などによる支援を行ってきたところでございます。加えまして、本議会に補正予算を提案しております京都の未来を拓く次世代産業人材活躍プロジェクト事業におきまして、AI・IoT人材の確保・育成などを通じた企業の生産性向上につながる取り組みを一層推進していくこととしております。

 次に、業務改善助成金についてでございます。
 当該助成金の利用が低調な要因としては、申請にあたり、設備投資による生産性向上の計画に加え、従業員の賃金引き上げ計画の両方を作成する必要があること、補助金の支払いが事後の精算払いのみであることなどが挙げられます。このため、より使いやすい制度となるよう、国に対しても要望しているところでございます。また、京都府におきましても、労働生産性向上推進事業補助金など生産性向上を支援するさまざまな補助金を用意しておりますので、本年度新たに結成をいたしました子育て企業サポートチームが府内企業25,000社を訪問する中で活用を図ってまいりたいと思っております。
 社会保険料につきましては、労働者が安心して就労できる基盤を整備することは労働者を雇用する事業主の責任であり、また労働者の健康の保持及び労働生産性の増進が図られることが事業主の利益に資することから、直接保険給付を受ける労働者と事業主双方で応分の負担を行うことが基本であると考えております。京都府としては、まずは企業の生産性向上を通じた体力づくりを支援してまいりたいと考えております。

 次に、保育士、介護職員の処遇改善についてでございます。
 職員一人一人が仕事に対する意欲を持ち、サービスの質を高めていくためには、給与の底上げはもとより、職責と経験が適正に評価された給与の支給や職場環境の改善を図ることが重要であると認識をしております。このため、京都府におきましては、給与規程の整備や休暇取得、労働時間縮減のための取り組み等を要件とする「きょうと福祉人材育成認証制度」や、保育士の職階に応じて求められる業務や能力等と処遇を連動させた「京都式キャリアパス制度」の普及等を進めているところでございます。
 給与改善は国が責任を持って行うべきものであり、国に対して繰り返し要望してきた結果、介護職員は、平成21年度以降、月額約3.7万円、保育士は、平成25年度以降、月額約3.8万円の引き上げがなされました。加えて、平成29年度には、保育士技能や経験に着目した、最大で月額4万円の処遇改善を図る制度が導入されたところでございます。さらに、今年4月には、公費200億円を投じ、保育士に対する月額3,000円の処遇改善が図られるとともに、10月には、消費税財源を生かして、公費1,000億円を投じ、経験、技能のある介護職員のさらなる処遇改善が図られる予定であり、引き続き保育士や介護職員の職場環境の改善に努めてまいりたいと考えております。

 次に、国民健康保険の均等割についてでございます。
 国保は、国民皆保険制度を守る最後の砦として大きな役割を担っており、安定的に運営できるよう、国の責任において制度設計を行うべきものであります。都道府県単位化にあたっても、地方三団体との協議を踏まえ、国が財政面での責任を持つという前提でスタートしたところであります。これにより、京都府は、財政運営を担う立場から、市町村ごとの納付金を決定し、市町村は保険料の決定を行っております。また、京都府では、240億円を超える予算を確保し、運営の基礎部分を支えているところでございます。
 保険料の均等割につきましては、受益者が負担するという社会保険制度の原則に基づき制度化されているものであり、そのうち子どもに係る部分については、子育て支援の観点から、負担の軽減を全国知事会等を通じて国に強く求めているところでございます。これを受け、国は、子どもの均等割のあり方につきまして、国保財政に与える影響や都道府県単位化による財政支援の効果などを考慮しながら国・地方の協議の場で引き続き議論していくこととしており、現在、調整が進められているところでございます。
 今後とも、国制度として軽減が図られるよう、強く求めてまいりたいと考えております。

 次に、中学校給食費の無償化についてでございます。
 義務教育の無償化の範囲は国において定められているものであり、現在、授業料や教科書代の無償化の措置がなされております。学校給食は、学校給食法によりまして、施設整備や運営は市町村が担い、食材料費であります給食費につきましては保護者負担とされているところでございますけれども、経済的に厳しい状況にある保護者には、就学援助として全額または一部を補助する仕組みが制度化されております。全ての市町村で一律に給食費の無償化を実施することは現在の制度上は想定されておらず、就学援助費としての位置づけや財源負担問題を国において適正に判断すべきであると考えております。
 京都府といたしましては、市町村に対しまして学校給食の意義をしっかりと伝えるとともに、国に対して給食施設に係る補助制度の拡充や栄養教諭の配置の拡充などを強く求めてまいりたいと考えております。

 次に、大学無償化についてでございます。
 大学生の教育費負担軽減につきましては、従来から国が責任を持って奨学金などの各種制度の充実に取り組まれているところであり、京都府としては、これまでから繰り返し、国に対し、制度の充実を要望してまいりました。
 こうした動きもございまして、今年度も国は給付型奨学金の対象人数を22,800人から41,400人にふやすとともに、授業料・入学金の減免や給付型奨学金の支援対象者を年収270万円以下の住民税非課税世帯から年収380万円未満の住民税非課税世帯に準じる世帯にまで拡大する関連法案が本年5月10日に成立し、来年度から実施されます。これによりまして、給付型奨学金の支援対象になる世帯は1.8倍程度に増加するのではないかと思われます。
 また、こうした国の取り組みに対し、過日の政策提案においても、教育費負担が重い多子世帯に対する所得制限の緩和など、授業料・入学金の減免や給付型奨学金制度のさらなる充実を求めたところでございます。
 京都府といたしましては、引き続き国に対しまして支援の拡充を求めるとともに、高校生が経済状態にかかわらず安心して学び、高等教育への進学を目指せるよう、全国トップクラスの授業料減免制度である「あんしん修学支援事業」を維持してまいりたいと思っております。
 今後とも、国と連携をしながら、次世代を担う子どもたちが経済状況に左右されることなく、安心して学べる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

○島田敬子議員  御答弁をいただきました。
 消費税の増税について、景気悪化を認めながら増税する、そして増税で景気悪化を見込んで奇々怪々の増税対策を事実上容認をする知事の姿勢は理解できません。京都の経済実態をしっかり見るならば、「今、増税をするべきではない」とはっきり物を言うべきです。
 この間、「老後の資金は年金だけでは足りず、夫婦で2,000万円が必要」と自助努力を促した金融庁の報告書に国民の批判が沸き上がり、政府が受取拒否の態度をとっていることに国民の怒りが爆発しています。
 日本共産党は、「減らない年金」に改革すること、働く人の賃金の底上げ、お金の心配なく学び働ける、子育ての本気の対策を「消費税に頼らない道」で行う、その提案を行っております。大企業や富裕層向けの優遇を改め、米軍への思いやり予算の廃止をすれば、約7兆5,000億円の財源確保が可能なんですね。知事もぜひ我が党の政策をごらんになっていただきたいというふうに思っております。

 賃金引き上げの問題でございます。
 時給1,500円に引き上げることの必要性について明確な答弁がなかったんですが、よければもう一度お願いしたいと思います。
 中小企業の生産性向上があると賃金が上がるのではなくて、賃金が上がれば生産性も向上すると。これは逆なんですね。
 それで、重要性は一応認められましたので、やはり鍵は中小企業への支援であります。業務改善助成金はほとんど使われなくて、35億円もあった予算が今6億9,000万円にまで減っているんですね。労働局に伺いますと、やっぱり全然周知されていない。こうした問題も含めて、労働局と連携して周知徹底の努力を求めておきたいと思いますが、もう一度お答えください。

 保育士、介護職の今年度の新しい対策も全体の底上げになっていません。だから、一部のリーダーとかじゃなくて、全体の底上げを求めているわけであります。
 国保の子どもにかかわる均等割について、18歳以下の全額免除をした岩手県の宮古市長は
「知事会決議が後押しになったら子育て支援の先駆けとなる」
と言われております。子育て日本一を掲げる知事は全国の先駆けとなっていただきたいと。本気であれば、この子どもにかかる均等割をなくすのに京都府は一体どれくらいのお金が必要か、さらに学校給食費の無償化をすればどれくらいの財源が必要かぐらい調査をしたらいかがでしょうか。再度御答弁をいただけたらうれしいです。

○西脇隆俊知事  島田議員の再質問にお答えいたします。幾つかございましたので、順次お答えさせていただきたいと思います。
 まず最低賃金の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、これを着実に引き上げていくということは非常に重要なことだと思っておりますけれども、一方で、引き上げるためには、それを引き上げます中小企業の方に原資となる利益がどうしても必要でございますので、これは、経営に対する支援とそれによって財源を確保して引き上げていく、この両方をバランスよく進めることが必要であるというふうに考えておりまして、引き続きそうした観点から取り組んでまいりたいと思います。
 もう一つ、御指摘ございました助成金の問題でございます。これはまさに、御指摘にありましたように、活用が図られてないということは件数からでも事実でございます。要因は先ほども答弁しましたけれども、周知の問題も含めて、せっかくある制度でございますから、より活用が図られるように我々も努力をしてまいりたいと思っておりますし、実はこの制度も、過去何回か、こちらの要望に沿って制度自体の改善も行われておりますので、さらに、周知だけではなくて、改善すべき点が見つかれば、それについても果敢に指摘をしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、保育士、介護職員の処遇改善につきましても、全体の底上げという指摘もございましたが、一方で、今のこの方たちのお仕事というのはそれぞれ分野もございます。その分野、職階、職位、職責、それにふさわしい処遇が与えられるというのも働く人にとってみての働きがいなり、働く意欲につながると思いますので、全体の底上げとそうした分野別の処遇改善とを組み合わせてやっていくことがいいというふうに思っております。
 それから、国保の均等割と中学校給食費の無償化について、どれくらいかということは、今、手元に数字は持っておりませんけれども、それよりもまず、均等割につきましては国のほうも非常に問題意識を持って必要性なりを判断したからこそ国・地方の協議の場で検討するということになっておりますので、我々としてはこの協議を促進させるということがまずは必要だと思います。そうしたことによりまして実現してまいりたいと思っておりますし、中学校給食の無償化につきましては、先ほど申し上げましたが、今、全体として義務教育の中で一律に無償化するというふうにはなっておりませんので、これにつきましては引き続き、給食施設の補助制度の拡充等、支援制度の拡充を強く求めてまいりたいというふうに思っております。

○島田敬子議員  御答弁ありがとうございます。
 時給1,500円問題で、労働総研の調査では、最低賃金を時給1,500円に引き上げれば、京都府は年間2,392億円の雇用者報酬が増えて、1,577億円の消費需要が伸びるとしています。雇用も増えて、税収も増えます。フランスやアメリカでも行われているように、中小企業の最低賃金引き上げに結びつく予算を抜本的に引き上げ、府としても、今日は触れませんでしたが、公契約条例の制定や中小企業振興条例の制定などで中小企業全体の底上げ、労働者に資する政策を強化いただくことを求めて次の質問に移ります。

 次に、安心して住み続けることができる京都府へ幾つか質問いたします。
 まず、地域医療体制の充実です。
 私も繰り返し求めてきた周産期医療の充実で、この4月から北部医療機関に府立医科大学や京都大学附属病院から医師派遣が行われたことを歓迎するものです。
 一方、京丹後市立弥栄病院では、ベテランの産婦人科医師が3月に急逝されたことから、医師派遣が延期となり、分娩制限を余儀なくされる事態になりました。5月末に私も病院へ伺い、お話をお聞きしました。幸いに、現場の努力が実り、常勤医師が招聘でき、分娩が再開され、今日から京大病院から1名派遣されるようです。
 年間300件の出産に対応するには、産婦人科学会のガイドラインにもあるように、最低でも3人体制が安定的に継続されなければなりません。また、産婦人科だけでなく、その他の診療科についても、北部医療センターからの日替わり派遣を受けるなど、非常に不安定な診療体制です。引き続き、京都府がリーダーシップを発揮され、現場の要望に応えて医師確保支援等に御努力をいただくよう、要望いたします。

 次に、南丹市の美山診療所の医師確保と地域医療確保についてです。
 昨年12月定例会で私は、京都府がリーダーシップを発揮し、医師確保の支援を初め、美山診療所の医療水準を確保するよう求めました。知事並びに理事者は「南丹市の検討結果を踏まえ、早急に支援に対する検討を進めていく」と答弁されました。その後、3月の南丹市議会では、市長から「直営も視野に検討する」などの答弁がありました。一方、「現行の医療水準を確保することはかなり厳しい」との市長発言もあり、地域住民には不安も広がっておりました。
 こうした中、「診療所のおかげで命を救ってもらった」と、現在の美山診療所の存続と医療水準を守ってほしいと願う運動がさらに広がり、14日には本府にも1,300名を超える陳情署名が寄せられております。
 私は、南丹市議会6月定例会本会議を傍聴いたしました。市長は、「勤務希望があった3人のお医者さんと面会をし、調整を進めている。医師は複数以上で確保したい」、そして「南丹市が設置する診療所とする」「医師の身分をどこに置くか、詳細はこれからだが、中部医療センターとの連携が鍵」などの表明がありました。7月上旬には南丹市医療対策協議会で議論を開始し、一定の方向を出すとのことです。

 そこで伺います。
 現時点で本府と南丹市との協議状況はどのようになっていますか。府として現在の医療水準を後退させない立場で支援すべきと考えますが、御所見を伺います。

 さて、こうした地域医療確保に重要な影響を与える国の医師確保対策についてです。
 政府は、地域間の医師偏在の解消等を通じて地域における医療提供体制を確保するとして、昨年、医療法と医師法を改正しました。今年度、都道府県で新たな医師確保計画を策定すべく議論が進められております。この計画では、医師偏在指標という新たな指標を用い、都道府県ごとや二次医療圏ごとに国が医師多数地域、医師少数地域を指定しますが、計画の基本方針は少数地域の医師確保は多数地域の医師の異動で穴埋めをしようというもので、看板は「医師確保」でも、医師数抑制が狙いであることがはっきりしています。しかも、京都府全域が医師過剰地域とされ、厚生労働省が示す2036年時点における京都府の必要医師数は6,807人と、2016年調査の医師数8,723人と比べて1,916人、22%も下回るもので、現状でも深刻な医師不足をさらに加速をさせ、医療崩壊を招くものと怒りの声が上がっております。
 5月13日開催の京都府医療対策協議会では、府内の二次医療圏の代表の病院の先生方から、
「丹後が医師少数地域でなくなったというのは実感と余りにも違う」
「南丹地域が医師多数地域となったのはおかしい」
「山城地域が突然医師多数地域になった」
「霞が関から見た机上の数字。実態と違う」
など、厳しい意見が出されました。京都府保険医協会からも、
「今回の対策は日本の医療制度の原則の一つである自由開業制を否定し、なおかつ偏在是正にはいささかも役立たない」
「京都府が全国で2番目に医師が多い医師多数三次医療圏とされており、府内の医師少数地域への医師確保に当たって他の三次医療圏からの確保を禁ずるような実態を無視した方針」
として国の方針を撤回するよう求めておられます。

 そこで伺います。
 今後も医療需要の伸びが見込まれるだけでなく、過酷な医師の勤務実態がある現状から、国の医師偏在指標はとても妥当な数字とは考えられません。そして、この指標が医学部の地域枠などの設定の根拠に使われかねません。将来的には医学部定員の減少につながることも危惧をされます。医師偏在指標は府内の医療保障に必要な医師数であるかどうか確証はなく、医師養成数を減らすための政策と言わざるを得ないと考えますが、いかがでしょうか。また、こうした方針は撤回されるよう国へ求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、京都のまち壊しとインバウンド戦略の見直しについてです。
 安倍政権が進める観光立国推進と一体で京都府・京都市が財界と一緒に進めてきた観光政策で、ホテルや民泊建設ラッシュによる地価高騰、許容量を超える観光客の激増、規制緩和による再開発など、応仁の乱以来のまち壊しが広がり、住民の暮らしが脅かされる事態となっています。簡易宿所は4年間で460カ所から2,675カ所へ6倍に膨張し、ホテルは「2020年に40,000室」目標を超過達成。さらに53,000室へと1.3倍へ増やそうとしています。
「路地が丸ごと民泊になった」
「市内に住みたいが、地価が上がり、手が出ない」
「観光客がいっぱいで市バスに乗れない」
など、住民の悲鳴が上がっています。
 こうした中、日本人の日帰り観光客は、2016年から2017年、2年間で741万人も減少するなど、京都離れという事態が進んでいます。
 この間、京都市長は、住民の財産である小学校跡地に海外や東京資本のホテル建設を呼び込んできました。5月市議会で市長は、施設数としては満たされつつあるとしながら、「下京区の元植柳小学校の跡地にタイの高級ホテルを建設する」「住民の不安はあるが、進めていく」と言うのです。災害時に指定避難所になっている同校の講堂を隣接する児童公園の地下に移設整備するという計画には、
「災害時に住民を地下に押し込めるのは非常識」
「地震でエレベーターがとまったら高齢者や障害者の移動はどうなるのか」
など、住民の怒りが沸騰しています。水害時には0.5mから3mの浸水区域に指定されている地域の避難所を地下に整備するなど、どだい非常識との声が上がっているのです。この計画の審議内容は、住民に対してほとんど知らされておりません。

 そこで伺います。
 住民不在、地域置き去りで住民の防災拠点や地域のコミュニティの拠点を奪う計画、住民を犠牲にしてまでホテル誘致で観光客を呼び込む計画について、知事は下京区が御出身ですが、生まれ育った地域のこの現状をどのように見ておられるでしょうか。お聞かせください。
 2月定例会で知事は「課題の一つ一つを丁寧に解決をしながら、訪れる方も住んでいる方も両方が幸せになるような道を探っていく。これが最善の道だ」と答弁されましたが、住んでいる者が幸せに生きていくことができない事態ではないでしょうか。そもそも、市民の財産である番組小学校を資本の儲けのために提供し、京都のまちやコミュニティそのものが壊され、京都が京都でなくなる事態になれば、観光誘致もなし得ないではありませんか。いかがですか。

 次に、北陸新幹線延伸計画についてです。
 鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、5月31日、北陸新幹線敦賀-新大阪間の大まかなルート案を発表するとともに、計画段階環境配慮書の公告・縦覧を該当する自治体や保健所などで開始をいたしました。7月1日にはその結果をまとめるとともに、市町村の意見を踏まえて8月中には機構や国へ意見を上げる予定だと伺いました。
 ルート案は「京都丹波高原国定公園はトンネルで通過し、公園内の芦生の森は避ける」「生活環境や地下水への配慮から、京都市中心市街地、伏見の酒造エリアを回避した区域を選定する」と説明していますが、区域は京都市内域に広がり、現時点で明確ではありません。京都駅、松井山手付近を経由するルート案は、駅間が幅4kmから11km、駅周辺は直径5kmから12kmで示されており、この範囲を本年度から4年かけて行う環境影響評価の対象とするとのことですが、どこを通っても影響を避けることができないことは明らかではないでしょうか。
 知事は、ルート案公表を受けまして、「機構は、引き続き自然環境や生活環境の問題などについて慎重な調査と十分な環境保全対策の検討、丁寧な地元説明を実施しながら環境影響評価を行ってほしい」とコメントされておりますが、知事選挙の際の世論調査でも「中止」「再検討」が45%、知事に投票した方でも3割が再検討を求めておられました。
 そもそも整備費用については、国の詳細計画が固まった段階で事業費や地元負担の考え方が示されるとして、議会にも府民にも説明がなされておりません。3月29日には、金沢―敦賀間の工事実施計画で、工事費の1兆1,858億円からさらに2,263億円、約16%も膨らみ、総額で1兆4,000億円を超えることが明らかになりました。敦賀―京都―大阪間は2兆1,000億円の財源確保が必要となるとしていますが、一体どこまで膨らむのか、定かではありません。それなのに強引に進めるやり方は間違っています。知事の見解を伺います。

 私は、先日、美山と芦生の原生林を訪ねてきました。たくさんの観光客が訪れ、日本の原風景が残る茅葺き民家の集落を楽しんでおられました。そして、関西電力による原発建設と一体で進められた揚水式発電ダム建設計画の危機から森を守り抜き、芦生の森が奇跡的に残されてきた歴史も伺いました。京都御苑が67個も入る総面積4,200ha、そのうち約2,000haが手つかずの天然林であり、貴重な動植物の宝庫です。そして、京都府最長の河川の由良川を育む源流です。そして、この水は日々の人々の暮らしを支え、若狭湾の植物プランクトンを育て、日本海の生態系を支えています。こうしたところにトンネルを開通させ、工事車両が走り回り、人々の平穏な暮らしを破壊する計画を誰が望んでいるのでしょうか。
 また、地下水への影響も必至です。全国的には、博多駅から長崎を結ぶ九州新幹線西九州ルート建設に伴う長崎県内22カ所のトンネル工事のうち、10カ所の周辺で河川の流量が減少し、渇水が起きて、田植え前の水田に水が引けない、飲料水用の井戸が枯れた地域も出ています。京都でもこんな事態が起こらないとは断言できません。これまでも阪急電鉄の延伸工事、京都市営地下鉄東西線の工事により周辺の井戸に影響をもたらした経過があります。琵琶湖に匹敵する211億㎥の天然地下ダムであり、「京都水盆」と呼ばれるところの地下水は京都・乙訓・山城地域の産業を支える重大な資源であり、これへの影響が懸念をされます。
 知事は4月18日のインタビュー記事で
「『京都市域はトンネルを通すのは大変ですよ』と国に言い続けていく。国も認識していただいていると思う」
と答えておられますが、そこで伺います。
 発表されたルート案について、機構は「芦生の原生林や京都市中心街、伏見の酒造エリアは外した」と説明しておられるようですが、知事は影響がないとお考えでしょうか。また、実現可能な計画だとお考えでしょうか。お答えください。

 今、持続可能なまち、安心して住み続けられる地域をつくるために、全国ワースト6位と遅れた河川の整備、5,000ヶ所を超える土砂災害危険箇所の整備、そして確実に予想される大地震への備えなど耐震対策、公共施設の補修など、課題は山積みではないでしょうか。北陸新幹線など大型開発より、防災対策の強化など、住民の暮らし第一に公共事業を転換することを強く指摘、要望しておきます。

 最後に、土木事務所の体制強化について伺います。
 この4月から、各土木事務所職員の人員増が行われるとともに、丹後土木事務所峰山駐在所、中丹東土木事務所舞鶴駐在所をそれぞれ出張所に格上げし、管理職を置き、現場対応力を高めるとのことです。日本共産党としても土木事務所の体制強化を繰り返し求めてきました。各土木事務所に1名増ということですが、他方、道路パトロールでは、退職者不補充方針のもと、地域をよく知っている現場職員を減らし続け、短期契約の民間委託を拡大していることは現場対応力を弱体化していると指摘せざるを得ません。
 さらに、平成29年、平成30年の災害復旧事業総額161億円に対し、この4月末時点での契約額は41億円、25.5%にとどまるなど、事業が遅れている現状の上に、今議会の補正予算でも国土強靭化対策予算も含めて事業費が大幅に増額しております。土木事務所に蔓延する時間外勤務の改善など働き方改革等を見込んでも、さらなる職員の増員など、組織体制の強化が必要であると考えますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。

○西脇隆俊知事  美山診療所の医師確保についてでございます。
 美山診療所につきましては、これまでから南丹市から医師確保等の相談を受けてきたところでございますが、所長である医師の法人運営に係る負担を軽減するため、南丹市は6月市議会で直営化の考えを示されたところであります。
 また、美山診療所の医師確保については、僻地医療に興味を持つ3名の医師から問い合わせが寄せられたところであり、当該医師との面談には府職員も同席したところであります。
 また、運営体制や医療体制のあり方について、保健所長も参画する南丹市医療対策審議会において協議されるところであり、南丹市と連携しながら、地域において必要な医療が提供されるよう支援してまいります。

 次に、医師確保対策についてでございます。
 医師の地域偏在、診療科偏在が喫緊の課題となる中で、昨年7月に医療法、医師法が改正され、今年度は、地域の医療ニーズを踏まえ、地域包括ケア構想などの二次医療圏ごとの医療施策を総合的に実施するため、医師確保計画を策定することとしております。
 その策定に当たっては、これまで医師確保に関する地域偏在の指標として用いられてきた人口10万人当たりの医師数が、医師確保計画策定に向けた国のガイドラインの中で、年齢階層別の人口構成、入院・外来の受療率や患者の流出入、医師の性別・年齢分布などの要素を取り入れた医師偏在指標として今年4月に示されたところでございます。しかしながら、医師偏在指標を導き出すために用いたデータや計算過程が示されていないため、国に対しまして説明を求めているところでございます。
 5月に開催いたしました京都府地域医療対策協議会においても、国の示した医師偏在指標は、「あくまで全国一律の受診率や医師の勤務時間などを用いて機械的に試算している」「都市部と僻地などの地理的要件の違いや医療機関までの所要時間などが考慮されていない」など、地域の実態と乖離しているといった御意見をいただいたところでございます。
 京都府としては、医師偏在指標の妥当性について検証を行うとともに、府立医科大学及び京都大学が多くの医師を他府県へ派遣している実績や、大学院生の医師が多いことなどの特徴を踏まえ、京都府の実情を十分考慮すべきと国に要望しているところでございます。
 医師確保計画の策定に当たりましては、医療の進歩による受療行動の変化、高齢者の増加に伴う疾病構造の変化、京都縦貫自動車道などの道路交通網の充実による生活圏の拡大や南部地域における人の流れの大きな変化など、地域の状況を十分に考慮した上で二次医療圏ごとのデータを分析し、必要な医療人材の確保に努めてまいることとしております。

 次に、京都市内のホテル誘致についてでございます。
 観光振興のためにホテル立地をどう進めるかにつきましては、産業振興面だけではなく、医療・福祉、文化・スポーツ、交通や防災など総合的な視点からまちづくりを担当されておられます京都市におきまして、まずは検討されるものと考えております。先日、京都市では市中心部における宿泊施設について「施設数としては満たされつつあるが、地域的な偏在や質の面で課題」との認識を示されましたが、これはまちづくりという視点を踏まえたお考えであると理解をしております。
 御指摘のホテル誘致につきましては、京都市が元植柳小学校跡地の有効活用に向け、昨年度、公募委員や地元自治連合会役員を含んだ有識者による選定委員会を設置し、プロポーザルにより事業者を選定したもので、計画では自治会活動スペースなどもあわせて整備されると伺っており、今後、事業化に向け、事業者・市・地域住民の三者間で協議が進められるものと考えております。
 観光による地域活性化の御希望も多く寄せられていることから、今後とも観光客、住民双方の満足度が向上される「住んでよし、訪れてよし」の京都づくりに取り組むという考えについてはいささかも変わっておりません。

 次に、北陸新幹線の延伸計画についてでございます。
 北陸新幹線は、日本海国土軸の一部を形成するとともに、大規模災害時において東海道新幹線の代替機能を果たし、京都はもとより、関西全体の発展につながる国家プロジェクトであると認識をしております。
 このうち敦賀―大阪間につきましては、平成29年3月に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームにおいて敦賀駅から小浜市付近、京都駅、京田辺市付近、そして新大阪駅を結ぶルートが選定され、全国新幹線鉄道整備法に基づき、国から建設主体に指名された鉄道建設・運輸施設整備支援機構が同年4月から駅、ルートを検討するための詳細な調査を実施し、先日、環境影響評価法に基づく計画段階環境配慮書の公告を行ったところでございます。
 今後、国や鉄道・運輸機構の詳細計画が固まった段階で事業費や負担の考え方などが示されるものと考えており、京都府としては、引き続き、国や鉄道・運輸機構に対し、受益に応じた地元負担となるよう強く求めてまいりたいと考えております。
 また、計画段階環境配慮書において、事業実施想定区域は幅を持ったルート帯で示されたほか、これまで京都府が指摘してきた地下水を初めとする自然環境や生活環境等の課題については今後のルート検討における主な考慮事項として示されたところでございます。
 今後、国や鉄道・運輸機構が環境影響評価手続において必要な全ての評価項目について慎重かつ正確な調査を行うとともに、駅の位置、ルート、構造、施工方法などの事業計画を十分に環境への影響に配慮して定めることが極めて重要でございます。そのため、京都府としては、環境影響評価の各段階において、関係市町村の御意見もお聞きしながら、しっかりと必要な意見を提示してまいりたいと考えております。

 次に、土木事務所の体制についてであります。
 昨年の災害を踏まえた総合的な検証において、土木事務所の体制強化と状況に応じた待機体制の見直しが課題として挙げられたことを受け、駐在を出張所へ格上げ、増員し、所長を管理職員とするとともに、広域振興局地域総務室の職員を土木事務所の職員として兼務させ、振興局単位での要員確保を行うなど、防災体制の強化を図ったところでございます。また、災害復旧事業を初め、防災・減災、国土強靭化対策などの事業執行体制を整備するため、土木技術職員の定数を昨年度から5名増員し、体制の強化を図ったところであります。
 このような組織体制の強化とともに業務の効率化も重要な課題と認識しており、災害対応においては、災害時応急対応業務マニュアルを策定し、緊急時の行動を標準化するなど、土木事務所の職員の負担軽減を図ることとしております。さらに、災害復旧工事などの発注業務の増大に対応するため、積算業務や入札・契約手続の効率化など、円滑な事業の執行に向けて取り組みを進めているところでございます。
 今後とも、災害対応に万全を期すとともに、効果的で効率的な執行体制の構築に努めてまいりたいと考えております。

○島田敬子議員  美山診療所について、地元住民の声をしっかり受けとめ、府としても医師確保や財政支援をいただきたいと思います。高齢化率が46%を超えた地域で外来診療をバックアップする入院ベッド現在4床は、住民の命綱です。そして、在宅ケアとの連携のかなめとなっています。その水準を後退させないことを重ねて求めるものですが、この医療水準を後退させないと、明確にお答えいただきたいと思います。
 医師確保計画について、医療対策協議会の場で健康福祉部長は「厚労省の指標のままでは京都の地域医療計画はやっていけない」とも発言されたようでございます。「現場と乖離した指標を撤回せよ」と、説明だけではなしに、国に求めていただきたいと。そして「京都府はこれを用いない」と明確に御答弁いただきたいと思いますが、再度お聞かせください。
 下京区の植柳小学校跡地のホテル誘致についてですが、地域の防災やコミュニティの拠点を奪う、住民を犠牲にしてまで観光客を呼び込む必要があるのでしょうか。ここだけの問題ではありません。今まで住んできた人々がつくってきた歴史、暮らしを壊すやり方は住民参加で見直すときではないかと思います。時間がありませんので、指摘をしておきます。
 北陸新幹線の延伸について、自然環境や文化財への影響、地下水への影響、地元自治体の財政負担、並行在来線はどうなるかなど一切関係自治体や住民に知らされず、不安は全く解消されておりません。本当にこの計画が可能だとお考えなのか。公共事業を抜本的に見直し、まずは住民の命や暮らしを守る対策を優先するよう求めておきます。

 再質問は、土木事務所の体制強化です。
 昨年比1.4倍を超える国費を獲得してきたと補正予算が提案されましたが、執行体制の強化なしには進みません。平成15年度の土木事務所再編時と比べて職員定数は122名の減、技術職員は33名の減であると昨年も指摘をいたしました。降雨期に入るというのに災害復旧がなかなか進まない中、早期の復旧、防災対策強化を求める住民の声は切実です。必要な体制整備へさらに努力を求めるものですが、再度明確にお答えください。

○西脇隆俊知事  島田議員の再質問にお答えいたします。
 まず、美山診療所の問題でございます。先ほども答弁いたしましたけれども、今後の運営体制や医療体制のあり方につきましては、保健所長も参画しております南丹市の医療対策審議会において協議されることとなっております。今、議員御指摘もございましたように、この診療所が地元にとって命綱ということについては十分理解しているつもりでございますので、そうした観点も踏まえまして検討に参画してまいりたいというふうに考えております。
 また、医師確保対策につきましては、医師偏在指標を使わないようにという御指摘もございましたけれども、どういう指標で医師確保計画の全体をつくっていくのかというそのガイドラインが地域の実情に合ったものとしてきちっと機能するガイドラインであるかどうかということがまずは重要でございます。どういうものを使うかというよりも、どういう指標でやっていただきたいかということにつきましても国に対しては意見を申し上げたいと思っておりますが、当面、今示されておりますガイドラインの中身がよくわからない状況でございますので、まずはこれのバックデータなり、計算過程を示していただくことが重要だということで求めているところでございます。
 いずれにしても、医師がその地域の医療ニーズにきちっと対応する形で確保されるということが最も重要だと思っておりますし、それが府民の安心・安全につながるという観点で努力をしてまいりたいと思っております。
 もう一つ、土木事務所の体制でございます。過去の数値と比べて人員が減っているというのは事実の数字でございますが、その問題意識のもとで、この間、定員増も含めて努力をしてまいりました。ただ、一方で行財政改革という非常に大きな命題も抱えておりますので、そうした中で限られた人員・財源をどういうふうに充てていくかという観点からもさらに努力してまいりたいと思っておりますけれども、人員増だけじゃなくて、業務のあり方も含めて大きな観点から体制の強化に努めてまいりたいと思っております。

○島田敬子議員  御答弁ありがとうございます。
 医師確保問題、まだよくわからないと。大変危険な内容がありますので、国に必要な意見を上げていただきたいと思います。
 今日も、友人の医師が倒れたと、悲しいお知らせがありました。お医者さんの命、住民の命がかかっている問題です。週労働時間60時間、時間外労働は80時間という過労死水準を想定し、さらに必要病床数を15万床も減らす計画を前提として算出されている計画は本当に深刻な医師不足にさらに拍車をかけるもので、撤回以外にありません。美山診療所などの過疎地域への支援、そして京都府内どこに住んでいても安心して暮らせるよう、国へ言うべきことはしっかり発言し、地域医療充実へとお取り組みを強く要望いたします。
 土木事務所の問題について、体制強化は待ったなしです。土木事務所の再配置など、現場対応力をさらに高めるため、振興局の体制も含めて強化をお願いし、次の質問に移ります。

 次に、今後の自治体のあり方についてです。
 総務省の自治体戦略2040構想研究会の報告を受けて、現在、第32次地方制度調査会が設置され、今後の地方制度について議論が進められております。その内容は、2040年ごろに最大の人口縮減の危機を迎えると書き、その危機に対して備えるための自治体改革の必要性を提起し、職員を現在の半分で対応すべく、AI等を活用したスマート自治体、自治体の役割を住民の暮らしの保障ではなく「公共私のプラットフォームづくり」へと転換し、府と市町村の二層制を弾力化して、フルセット型の自治体ではなく圏域の連携で対応しようとするものです。
 こうした動きと一体に、総務省は「地方行政サービス改革の推進に関する留意事項」とする通知を出し、民間委託、指定管理者制度、ICTを活用した業務改革などを進め、その進捗状況については毎年フォローアップし、自治体を従わせようとしています。
 これらは、これまでの自治体の独自努力と福祉の増進を本旨とする自治体の役割を根本から歪め、業務を産業化して新たな儲けを生み出すという財界の狙いに沿ったものであり、国家戦略ありきの従属した自治体戦略と言うべきものです。このため、日本弁護士連合会は
「圏域を法制化し、行政のスタンダード化を進めることは団体自治の観点から問題がある」
「住民による選挙で直接選ばれた首長及び議員から成る議会もない圏域に対し、国が直接財源措置を行うことは住民の意思を尊重する住民自治の観点からも問題がある」
と指摘しています。また、全国市長会の会長は
「地方創生に頑張ろうとしている努力に水を差す以外の何物でもない」
と述べ、全国町村会長も
「机上の発想ではなく、現場の実態を踏まえて我々の声をしっかり受けとめてほしい。上からの押しつけではなく、自治体が主体性を持ってみずから選択・実行できることが何より重要だ」
と批判が上がっております。

 そこで伺います。
 この自治体戦略2040提言が目指す方向とは、これまで憲法、地方自治法で定められた地方自治を根本から否定し、単に特定の産業の経済成長のために地方自治体を動員していこうという極めて重大な問題をはらんでいると思いますが、知事はいかがお考えでしょうか。地方自治を預かる知事としてどう捉えているのか、まず御所見を伺います。

 2040構想の具体化として既に京都府が進めているのが水道事業の民営化・広域化問題です。京都府参与になられた山田啓二前知事は、新聞紙上で、水道の民営化の次に来るものとして「水道にとどまらず、広域化か民営化、はたまた隣接市町村の代替、新しい官民合同機関の設立など、地方公共団体の新しい形態が議論されるべきときに来ている」と述べておられます。私は、刺激的に地方消滅を訴えた増田寛也氏の主張を大前提として危機をあおり、上から自治体を追い込む姿勢と考えます。
 こうしたもと、京都府は既に水道に係る圏域ごとの会議を開いてきましたが、「広域化はメリットが見出しにくい」「市町村合併を経て行政区域が広域となった現時点では、簡易水道と上水道の統合を優先して行っており、広域化は困難」との意見、また管理の委託化についても「技術の継承に不安が残る」など、本府のまとめでも示されております。

 そこで伺います。
 西脇知事は「水道の広域化のほうが単独で行うより効率がいい」などと述べ、その方向を推進しようとしていますが、市町村の実態と先ほど述べた意見とは大きな乖離があると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 安倍首相は、「2020年には新しい憲法が施行される年にする」と改憲に執念を燃やしております。そもそも、憲法遵守義務がある総理大臣が改憲をあおるなど、まさに憲法違反であり、許されません。安倍9条改憲のどこが問題でしょうか。自民党がまとめた9条改憲の条文案は、その危険をみずから告白するものとなっています。
 第一に、憲法9条2項の後に「前条の規定は自衛の措置をとることを妨げない」として自衛隊の保持を明記しています。「前条の規定は妨げない」となると、9条、特に2項「陸海空軍その他の戦力は保持しない」「国の交戦権は認めない」の制約が自衛隊には及ばなくなります。9条2項が残っていても立ち枯れとなり、死文化してしまいます。海外での無制限の武力行使が可能になってしまうんです。
 第二に、「自衛隊の行動は法律で定める」と書いています。これまで政府は、自衛隊の行動について、憲法との関係で、武力行使を目的にした海外派兵、集団的自衛権の行使、攻撃型空母や戦略爆撃機、ICBMなど相手国の壊滅的破壊のための武器の保有、徴兵制などはできないと説明をしてきました。ところが、ひとたび自衛隊を憲法に明記し、あとは法律で定めるとすれば、時の多数党と政府が法律さえ通せば、自衛隊の行動を無制限に拡大できるようになってしまいます。安倍首相は「9条に自衛隊を明記し、全ての自衛隊員が誇りを持って任務を全うできる環境を整える。それが政治家の責任だ」と発言していますが、首相が9条に書き込もうとしている自衛隊は、戦争法に基づき、海外で武力行使する自衛隊です。この改憲により自衛隊員にもたらされるのは、誇りではなく、海外の戦場で殺し殺される危険です。

 そこで、知事に改めて伺います。
 首相の思いとは裏腹に、どの世論調査でも、安倍政権のもとでの憲法改悪は反対が賛成を上回っております。国民は改憲を望んでいません。この改憲により、戦争放棄、戦力不保持を定めた憲法9条2項が死文化し、自衛隊の無制限の武力行使に道を開くことになってしまいますが、改めて知事の認識を伺います。

 京丹後市・経ヶ岬の米軍専用レーダー基地は、2014年5月から設置のための建設が始まって丸5年が経過しました。米軍基地はアメリカ本国の弾道ミサイル防衛計画(BMD)の一環で、アメリカ本土に飛ぶ弾道ミサイルを探知し、ミサイル防衛の最前線の目となるものであり、迎撃システムと一体となったものです。
 米軍人・軍属の交通事故は75件と多発し、昨年2月以降は事故報告も途絶え、昨年5月には緊急時のドクターヘリの運航に際してレーダーの停波要請に応えず、17分間も救急搬送時間がおくれる事態が発生するなど、住民の平穏な暮らしを脅かし続けております。そして、この5月には、米軍基地の発電機が地元住民に連絡も説明も一切ないまま、早朝、夜間、土日と24時間稼働し、大きな騒音をまき散らし、住民生活を脅かす事態が起こっています。これまで防衛大臣は京都府知事、京丹後市長に「安全・安心に万全を期す」と言っていましたが、これらが踏みにじられているのは明らかです。こうした住民とのたび重なる約束違反の事態を知事はどのように認識しておられますか。また、知事は、府民の命と暮らしを守るための立場で防衛省や米軍に対して抗議を行ったのでしょうか。米軍や防衛省の言いなりではなく、毅然とした態度をとるべきです。知事の明確な答弁を求めます。

 米軍の横暴の背景には、米軍の活動が全てに優先される日米地位協定があります。唯々諾々と言いなりになる政府の姿勢があります。「日本国憲法の上に日米地位協定がある」、故翁長沖縄県知事は最後になった記者会見で声を振り絞り、訴えました。
 今、沖縄県は、県民と米軍辺野古基地建設反対に取り組むとともに、米軍の法的地位を示す各国の地位協定の比較調査を行い、結果を3月に発表されました。そこには日本がいかに異常であるかが示されています。例えば、米軍駐留を受け入れているヨーロッパ4ヶ国の地位協定の内容や運用実態では、これらの国が米軍に自国の法律や規制を適用して自国の主権を確立させていると指摘して、日米地位協定のもとで国内法が原則として適用されない日本とは大きな違いがあると告発しています。日米地位協定の見直しは、何よりも日本の主権についてどう考えるかという極めて国民的な問題であることを浮き彫りにしているのです。
 そこで伺います。
 知事は、米軍の横暴を許さず、府民の命と暮らしを守るためにも地位協定の抜本的見直しが必要と思われませんか。また、そのために府として独自の取り組みと努力が必要ですが、いかがでしょうか。お答えください。

○西脇隆俊知事  今後の自治体のあり方についてでございます。
 総務省の自治体戦略2040構想研究会の報告では、第一に、AI等を使いこなし、効果的・効率的に公共サービスを提供するスマート自治体への転換、第二に地縁組織の弱体化や家族の扶助機能の低下を踏まえた公共私の協力関係の構築による地域の暮らしの維持、第三に、人口減少のもと、個々の市町村によるフルセット主義からの脱却と圏域単位でのガバナンス強化や、都道府県が小規模市町村の補完・支援に本格的に乗り出す都道府県・市町村の二層制の柔軟化などが提案されました。
 また、現在、第32次地方制度調査会において、圏域や公共私の協力関係など、必要な地方行政体制のあり方が議論されているものと承知しております。
 この2040構想研究会の報告書は、人口減少、少子高齢化の中にあっても持続的に質の高い行政サービスを提供していくとの観点から検討されたものと聞いております。一方的に画一的な制度を地方に押しつけることにならないよう、国においては、地方側の意見をよく聞き、十分な理解を得ながら検討を進めていただきたいと考えております。
 なお、京都府としても、府内市町村と情報を共有しながら、その影響等を考えるため、市町村長や有識者も交えた研究会を立ち上げることとしております。

 次に、水道の広域化についてでございます。
 水道事業は、人口減少に伴う給水量の減少や、水道施設の耐震化や老朽化対策による更新需要の増加、技術職員の不足など、その事業環境は厳しさを増しております。
 こうした中、平成27年度から全市町村が参加する連絡会議を開催し、丁寧に意見交換を行い、市町村とともに水道事業を取り巻く厳しい現状や課題の共有を図りながら、昨年11月に京都水道グランドデザインを策定したところでございます。これまでも市町村では事業の基盤強化に向けた取り組みを進めてこられましたが、さらに広域的に取り組むことにより、「将来的に持続可能な給水サービスを確保できる」といった意向が示される中で、京都府がリーダーシップを発揮して広域化を推進するよう要望もいただいております。
 府民生活の重要なライフラインである水道を将来にわたり安定的に供給していくためには事業の基盤強化が不可欠であり、広域連携は有効な方策の一つであることから、京都府が調整・推進役となり、市町村がそれぞれの地域の実情に応じて広域連携や広域化も選択できるよう取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 次に、憲法改正と米軍レーダー基地問題についてでございます。
 憲法改正は、国会が発議し、国民投票において過半数の賛成を必要とするものであり、そのあるべき姿を議論することは憲法において予定されているところであります。憲法の改正を議論するに当たっては、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を維持した上で、それをどのように守っていくかという観点から、国会を中心に、国民の間で真摯に幅広く議論されるものと考えております。憲法9条の議論におきましても、平和主義の理念を尊重するとともに、自衛隊を含め、憲法はどうあるべきか、国民の間で真摯な議論が行われるよう国民に対する丁寧な説明をお願いしたいと思っております。

 次に、米軍経ヶ岬通信所についてであります。
 米軍経ヶ岬通信所については、京都府として、府民の安心・安全を守る立場から、レーダー停波、交通安全対策、騒音対策など、安心・安全に関する事項がしっかりと履行されるよう、従前から問題が生じるような場合には速やかに厳しく対応を求めてきました。
 交通安全対策につきましては、交通事故の情報が一時期提供されなかったことから、事故に関する必要な情報の速やかな提供と交通安全の徹底を重ねて強く申し入れてきました。これを受け、3月の安全・安心対策連絡会で事故情報が提供され、とりわけ交通安全対策が必要な重大事故については個別の報告がなされ、昨年7月の電柱破損事故や人身事故などについても報告されました。また、6月の連絡会で、ことし3月から5月までに発生した事故はガードレールとの接触による軽微な物損事故1件と報告されています。今後とも地域の交通安全の確保に必要な情報が適切に提供されるよう、強く求めてまいります。
 一方では、防衛省の補助事業等によりまして、交通安全確保の抜本対策として、上野平バイパスや宮バイパス、今年度は外村バイパスに着手するなど、道路の新設・改良も順次進めております。今後とも関係者が協力して地域の交通安全対策を講じてまいります。
 また、昨年5月のレーダーの不停波をめぐる問題では、速やかに停波されなかった事案の原因の徹底究明と再発防止を強く申し入れ、消防本部と米軍相互の意思疎通が円滑に行われなかったことが原因と確認されたことを踏まえまして、マニュアルを見直し、米軍及び関係者が一堂に会する訓練等を既に5回実施したほか、飛行制限区域外にある旧宇川中学校へのヘリポートの整備着手などの対策が講じられたところでございます。
 さらに、土日、夜間の発電機の稼働につきましては、そもそも京都府は騒音対策として商用電力の導入を強力に申し入れ、実現に至っているところでございます。今般の事案は、米側の説明によりますと、緊急メンテナンスのためとのことでしたが、京丹後市や地元地区とも連携し、平日の日中に稼働を限るよう申し入れた結果、発電機は停止され、6月の連絡会で、米軍司令官から、今後は週末、夜間の稼働は控えるよう担当者に周知した旨の回答がありました。
 今後とも、府民の安心・安全を守る立場から、問題が生じるような場合には防衛省に速やかに厳しく対応を求めてまいります。
 日米地位協定につきましては、昨年7月、全国知事会が国内法の米軍への原則適用などの抜本的な見直しを提言いたしました。この提言は、大きな基地負担を抱える自治体も含め、全ての都道府県知事が参画する中でまとめられたものであり、京都府としては、引き続き、全国知事会や渉外知事会を通じ、国に働きかけてまいりたいと考えております。

○島田敬子議員  御答弁ありがとうございます。
 2040構想について、この研究会自身に地方自治体の関係者が1人も参加していない、このことに大きな特徴があるともうわかると思うんです。自治体職員の半減化を目的にしてAI化を進め、自治体が実施すべき住民サービスを民間企業などの儲けの道具に差し出し、福祉は住民の自己責任に押しつける、これは住民福祉の向上を目的とする地方自治体を無きものにすることではないかと思います。
 市町村合併から10年、府下自治体では旧町単位の支所で人員削減が進み、災害対応などにも甚大な影響をもたらしています。この上にさらに公共施設や住民サービスを広域な圏域に統合を進めれば、市町村合併のとき以上に地域の衰退を招きかねません。住民の安全・安心、基本的人権が守れなくなります。こうしたやり方は見直すよう、国へ求めるべきと考えております。
 水道事業の広域化・民営化についてですが、「基盤強化」の名で広域化を自治体に迫っている国の言いなりになり、本府も自治体へ頭ごなしに押しつけることは許されません。人員削減など保護・育成を怠ってきたのは国の責任であり、本末転倒です。水道は人の命を支えるものです。水道法が定める市町村経営の原則に反するようなやり方をやめるべきです。指摘をしておきます。
 米軍レーダー基地について、これまでの京都府の及び腰の対応は根本的には日米地位協定に問題がありますが、全国知事会も要望されておりますので、さらに強力に頑張っていただきたいと思います。

 4月8日、統一地方選挙開票日翌日に、京都市は、自衛隊募集について、18歳、22歳の若者の名簿を宛名シールにして防衛省に提供しました。憲法9条への自衛隊明記は集団的自衛権の全面行使につながるもので、自衛隊員がまさに殺し殺されかねない事態になるものです。「自治体が戦争事務に協力せよ」と、かつて来た道への歴史の逆戻りは絶対にさせてはいけません。憲法9条を生かし、朝鮮半島の非核化、北東アジアの平和の体制をつくる平和条約こそ日本は取り組むべきです。

 参議院選挙が目前です。府民の皆さん方の暮らし、あすの暮らしに希望が持てる新しい政治へ全力を挙げることをお約束し、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。