委員会活動のまとめ
1. 今期1年間の本委員会の活動を終えての総括的な所感や意見、要望等について、各委員からの発言を、本委員会の活動のまとめとすることが了承された。
また、各委員の意見については、記録として取りまとめの上、次期委員会の初回委員会において、理事者席を初め各席へ配付することが、了承された。
2. 委員会活動のまとめについての協議が行われた。
●
●
●
◯馬場委員 正副委員長、委員の皆さん、また理事者の皆さん、事務局の皆さん、本当に1年間ありがとうございます、お世話になりました。
1年を振り返ってということで所感を述べさせていただきたいなと思います。先ほど他の委員の方から商業ベースでのエネルギーのあり方という話があったと思うんですけれども、私はエネルギー政策というのは、この間の社会の情勢の流れを見てもそうですが、持続可能な社会をどうつくり上げていくのか、非常に大きな意味合いを持った位置づけになってきているなと思いますので、そういった意味ではこの特別委員会の中で特出しをしてやっていくという意味でも大きな勉強をさせていただいたのではないかなというふうに思っています。
さまざまな方に参考人として来ていただき、お話を聞かせていただいて勉強をさせていただいたと思うんですけれども、その中で私が特に印象に残っているのは、「再生可能エネルギーの利用評価について」ということでお話を伺った際に、参考人の方とやりとりをしている中で「行政のスタンスをどういうふうに考えたらいいのか」という質問をさせていただいた際に、「行政の施策の方向性をぜひどんどんアピールしていってほしい」と。住民と同じ方向を少しでも向けるようになれば、それが大きな力になるんだというようなお話がありました。
そういった意味で話を聞きながら、同時にこの間、先日国のほうでエネルギーの基本計画(骨子案)が発表されましたけれども、そのときにもこの話を思い出しまして、骨子案では原発を可能な限り低減をしていくということが示される一方で、2030年度に電力に占める原子力発電の割合を20%から22%ということが示されまして、この割合というのは福島原発事故以前の割合とほぼイコールということになりますから、老朽原発はどんどん廃炉されていくと。そういうことを考えると、同じレベルを維持しようと思うと、原発の再稼働はもちろんですけれども、新設も含めてやっていくということになっています。
この方向性というのは、今、世論調査を行えばどの世論調査でも7割近くの方が原発、時期の問題は別にして将来ゼロにしていく、廃止をしていくべきだというふうな方向を持っている中で言うと、非常にその方向と同じ方向を向いてやはり行政が力を発揮していかなければいけない、極めて重要な問題の中で、私は逆方向になりはしないかというふうに思わざるを得ません。同時に放射性廃棄物の問題なんかも含めてまだまだ重要な課題、これは原発をなくしていくにしても課せられた重要な課題なわけです。
そうした問題が棚上げにされながら、多くの国民が意識の変化を原発事故以降やっている中で行政は全く変化しないということになると、これは世界的にも再生可能エネルギーへの大きな流れというのが生まれていますし、同時に国民の中でも大きな変化が生まれている。ところが政治は変わらない、行政は変わらないということになってしまうと、世界の中からも、また国民自身からも見放されてしまう可能性があるのではないかなというふうな危惧を私は今強く持っておりまして、そういった意味では本府においても、ぜひ国民の意識の変化というのは、私は極めて重要な変化だと思いますし、そうした変化にふさわしい、同時に同じ方向を向いて、ともに力を発揮できるような、そうした施策、取り組みをぜひとも進めていただきたいなと、この点は強く思っています。
何人かの委員の方からこの委員会の運営のあり方について少しお話がありましたけれども、参考人を招致するということでこの1年間行われまして、先ほど冒頭にも言いましたように非常に勉強になると私は思いました。ただ、一方で幾つか言われましたように、テーマがどうしても非常に絞られてきますので、そういった意味で言うと幅広い議論であるとか、あと理事者との間での政策的な議論であるとか、委員間での政策的な議論というのは、なかなか少ししにくいかなということは感じました。実際に参考人との意見交換というかその質疑は盛んに行われた一方で、理事者との間での意見交換というか質疑というのは極めて私は少なかったかなと思いますし、ぜひ、これは理事者の皆さんではなくて議会サイドに課せられていると思いますので、今年度に新しい体制での特別委員会、どういう形になるかわかりませんけれども、そういった中でぜひ検討していただければなというふうに、この点は申し述べておきたいと思います。
本当に1年間ありがとうございました。
◯島田委員 1年間、皆様、ありがとうございました。
初回の委員会で理事者から説明もありまして、環境・エネルギー総合戦略事業費、予算では20億円、15億円はスマート・エコハウス促進事業費の融資ですから、これが大半を占めるわけですが、その展開といたしまして府内の再生可能エネルギーの倍増計画、さらに再エネ設備と蓄電池セット導入の支援とか、再エネコンシェルジュの認証、並びに地域特性を踏まえたエネルギーの地産地消に向けた取り組み、そしてLNGインフラ整備とかメタンハイドレートの開発促進、バイオマス、水素エネルギーの活用の推進などが説明をされました。
それに沿って委員会としても管外調査を行い、参考人招致による勉強をさせていただきました。その点では、他の委員もおっしゃったようにいろいろ勉強になりましたが、最先端の研究成果なり技術なり、高度なものを学ぶ一方で、足元の府内の再生可能エネルギーの現状、あるいは地域におけるエネルギーの地産地消の現状など、現場の実態をつかむ、あるは府の取り組みの到達点をリアルにつかんで検証できるような調査なり議論がもっと必要ではなかったかなというふうに思っております。
再生可能エネルギー倍増ということですが、その到達とか、この20億円の予算がどういうふうなということは決算の議論がまたれるわけですが、ネットで見ておりましたら環境エネルギー政策研究所がエネルギー永続地帯、都道府県別の自然エネルギーの電力供給割合というのを、ちょっとデータが古いんですが、2015年で京都府は下から3番目と。東京都、大阪府、京都府が3番目に低いということで、こんなデータがありました。本当に100%のエネルギーを自給自足できる自治体が出つつある一方で、やはり、どなたか指摘がありましたが、本気で再生可能エネルギーを取り込むという点では、さらなる努力が必要ではないかというふうに感じておりますし、その点での先ほど申し上げました現場から出発した成果の議論をさらにしていきたいなと思っています。
それで、本府がLNGプロジェクトポテンシャル調査・分析業務として日本総合研究所大阪本社に委託してまとめられた京都舞鶴港のスマート・エコ・エネルギーマスタープランが3月に出されたということでございます。100ページに及ぶ内容でありますが、その中に京都府の再生可能エネルギーの取り組みが紹介されておりました。幾つかの戦略やプランが策定をされて、平成27年度策定の再生可能エネルギー導入等促進プランでは、平成32年までに府内総電力量のうちの12%、21億kWhを再生可能エネルギーで補う目標に対して、平成28年度末は8.4%まで達成したということでございました。これらについてちょっとどのような評価か、ちょっとこの際に質問だけ、この点はちょっとお聞かせいただきたいと思います。
それで、舞鶴港のマスタープランではエネルギーの地産地消の取り組みを舞鶴地域だけでなく北部地域、府北部にも拡大する、視野を広げて取り組んでいくともされておりますが、プラン策定に当たって舞鶴市民、そして市民以外は京都府北部在住の方々にウェブアンケート調査ということで回答者361人、再生可能エネルギーへの関心などをアンケート調査をされておりますが、これは政策目的に従った調査で、しかも委託先のところが調査されたことだと思うんですが、私は府民意識調査というのは、やはり府北部にとどまらず京都府全体で推進していくということならば、このような調査は府域全体で必要かなと思うんです。そのことが府民意識の向上にもなりますし、府民参加、地域参加、住民参加で再生可能エネルギーをふやしていくということができていくと思いますので、もしかして、ほかに調査があったら、どういうことがあったのか聞いておきたいと思いますし、既にやっておられればどういうことか、あるいは調査が必要でないかという見解について、どう思われるかお聞きをしておきたいと思います。
先ほど馬場委員もおっしゃいましたように、国においては2014年のエネルギー基本計画の改定から3年が経過をして見直し作業が進められておりますが、2030年のエネルギーミックスの電源構成比が、原子力が20から22%、そして化石燃料、石炭が26%という見通しを立てておりますが、旧来型の持続不可能な原発・化石燃料依存のエネルギーシステムにしがみついているというのが現状であると思います。
世界は、今パリ協定のもとに脱炭素社会の早期実現に向けて原発や化石燃料からの脱却や省エネ・再エネと、本当にダイナミックにシフトしております。エネルギー大革命時代とも言うべき時代の中にありまして、脱石炭の宣言達成、あるいは再生可能エネルギー100%の宣言達成という動きが国家レベルだけではなく、その自治体、さらには大学、企業、そして民間団体など多様な主体が参加をして率先して取り組みが始まっていると聞いております。とりわけ福島第一原発事故以来、こうした流れが加速しているわけですが、日本においてもこうした方向に乗りおくれないように、化石賞をもらわないように、エネルギー政策の国においての転換が求められておりますし、地方自治体も主体的に本気で取り組む時期ではないかと思っております。
もう1点、最後に聞いておきたいのは、舞鶴港のマスタープランに関連をして、立派なパンフレットもできて、100ページにわたるまとめもできまして、先日の議会でLNGに関する調査結果に基づく設備投資額は650億円との資料をいただいたわけですが、それを含むマスタープラン全体の実現のための予算、京都府の税金投入額といいますか投資額はどういうふうな展望を持っていらっしゃるのか、ちょっとあわせてこれはお聞きしておきたいと思います。
最後に、京都大学の手塚参考人を招きました質疑の中で、私のほうからメガソーラーの発電プラント問題で南山城村の案件を取り上げて問題提起をしたんですが、人々が豊かな里山の自然を享受しながら暮らしている、そこに大規模なメガソーラーと。しかも、昭和28年発災で大規模な土砂災害が起こり人命が奪われたような地域での開発、危険について問題であると指摘をしました。南山城村に限らず府内各地でどんどんと広がっておりますが、安全性の面でも、環境面でも、景観の面でも非常に問題ではないかと思っております。
手塚参考人からは、災害、そしてエネルギー、個別問題も多いが最終的には我々の住む世界、社会がどうなるか、エネルギーをどうしていくのかと全部話をした上で、全部話を戻して、そこの絵を描いて、その上で議論をするというのがやっぱり必要ではないかと。難しいけれども、それをやらないと合意形成ができないし、また住民合意は大事であるというふうな旨の発言もされたと記憶をしております。この点でも、ちょっと今、現時点での大事な課題でありまして、エネルギー政策に伴う環境問題としても問題認識を持っているところです。
いろいろ難しい点があって全部を理解したわけではありませんので、引き続き勉強をしていきたいと思っておりますが、ぜひとも参考人等の御意見等も府政に生かしていただけたらなと思います。
質問の答弁だけお願いいたします。ありがとうございました。
◯金谷環境部副部長 まず、マスタープランの中での意見聴取ですけれども、一般市民を対象にしたウェブアンケートだったんですが、市民対象ということでいいますとフォーラムを開催いたしました。広く周知をして、100人ぐらいでしたか、ご参加をいただいたんですけれども、そういう中で意見をできるだけお伺いもし、反映をしようと努めたつもりでございます。
あと、港湾整備に係ることもございまして、関係の事業者の方にいろいろ意見を、かなりこれは細かくヒアリングをさせていただきました。40社ぐらいですかね、かなり期間もかけてヒアリングをさせていただきまして、そういうようなこともこの報告の中に反映させていただいているというふうに考えております。まだまだ不十分とは思いますけれども、これからもいろいろ意見を聞きながら実施に努めてまいりたいと思っております。
それから、全体の費用ということではプランの中でもすぐできるところからという部分と、それから10年先というようなところも含めて幅広く将来に向かっている部分も書いております。総額ということではなかなか、それを試算したわけではございませんので、できるところから、京都府の予算もございますし、補助金がどのように取れていくかというようなこともありますので、全体の投資額ということで試算したわけではございませんが、やれるとろから着実に進めていきたいと思っております。
時点的には、再エネプランの進捗状況ですけれども、平成29年9月現在ではさらに若干進みまして、8.8%まで進んでおります。これからもバイオマス発電とか、そういう部分も進んでいきますので、目標に向けて頑張っていきたいと思っております。
以上でございます。
◯島田委員 ありがとうございます。
◯光永委員 正副委員長並びに委員の皆さん、本当にありがとうございました。また、理事者の皆さんにもお世話になりました。事務局の皆さんもありがとうございました。
それで、エネルギー政策を考える上でそのエネルギーをどうしていくのかという観点と同時に、やっぱり今、国際的に直面している温室効果ガスの削減をどうしていくのか、それを両立させていくということが非常に大事なんだということは国際的にも共通の課題かなというふうに思っております。
昨年の国連気候変動ボン会議で、御承知のようにパリ協定からアメリカが離脱するという宣言をして、これは国際的にもかなり衝撃が走ったわけです。これ自身が私は問題だと思いますが、ただアメリカもワシントンD.C.だとか、その他10州ぐらいではパリ協定を遵守しますということを言われているのだと思うんです。そう考えると国の成り立ちや制度は日本とは大分違いますけれども、いずれにしても国レベルでどうしていくのかということを国連を軸に話し合っていく、あるいはそれぞれの国がパリ協定に基づいて目標を持って進めていくという問題とともに、やはり自治体レベルや地域レベルでどうエネルギーを保障していくのかということは、それぞれ問われるんだろうなと思っています。
その観点から言うと、日本全体で言えば原発の再稼働、エネルギー基本計画が見直しされていますけれども、それが位置づけられていて、これはパリ協定との関係ではかなり到達し得ない目標になっていますよね。それにふさわしい見直しがされるのかも、極めて不透明と。当初の計画で言えば2030年目標で2013年比のマイナス26%だったり、1990年比で18%と言われていますけれども、これは吸収源をなくすと15%ぐらいなんで、本当に日本の目標や取り組みというのは非常におくれているということだと思います。それで、特に注目しないといけないのは超大口排出である発電事業だとか、あるいは大企業が全体の7割ぐらいを占めているんだと思いますので、やはり中小企業、あるいは民生部門などをどうするかというのは国ももっと考えなければいけませんけれども、自治体が本格的に取り組める分野だし、取り組まなければいけない分野の大きい柱かなと思う一方、やはり超大口排出だとか大企業などについては国レベルでももっと本格的に取り組まなければいけないと思いますので、その点では再生可能エネルギーと省エネ、それぞれ2本柱ぐらいで大きく施策展開が要るのかなということを改めて感じます。
その意味では、国レベルで例えばリニアはどれだけ電力を使うのか、まだわかりませんけれども、莫大な電力を使うということは想定されておりますので、そういうことに本当に突入していくのか、これはつくったら電力がかかるだけではなくて、つくるのにも莫大なエネルギーがかかるわけで、これだけ人口減少時代に果たしてどうかということも、エネルギーという角度からもやはり国レベルで考えなければいけないのではないかなというふうに思います。
一方、自治体レベルでは、やはり先ほど述べたみたいな、どこに重点を置いてやっていくのかということは、私はすごく大事ではないかなと思っているんですね。このエネルギー政策特別委員会で現地調査も行きまして、皆さんも声を上げておられましたけれども、LNGとかはかなり巨大な施設、これを京都府が視察してどうなんだろうみたいな、率直なイメージを私は持ったりもしました。それが悪いことではないんだけれども、そういう国のエネルギー安全保障だとか再エネ、省エネを進める上でどうかという角度ではなくて、自治体で本当に考えていくといったときに、やはりもう少し地元でどうするのかという政策論議や具体化が必要かなと感じました。
その意味では、先ほど委員からもありましたけれどもHEMSとかBEMSとかスマートシティとかスマート・エコハウスとか、そういう幾つかの予算も立てられて人員も体制も予算も少ない中で一生懸命やっていただいているというのはよくわかるんですけれども、やはりモデル的なことが多くて、掲げた目標にふさわしい大胆な執行や施策展開というのは、本来もっと自治体がやらなければいけないんだけれども、国の予算が少ないということも相まって、なかなかモデルは華々しいけれども、それが進まへんなというのが総論としての私の印象なので、そのあたりにフォーカスした論議というのも今後本当はもっと必要なんだろうなということを感じました。
それと、個々の施策ということもあるんですけれども、先ほど述べた自治体のあり方ということでいうと、産業を興すという意見もありましたが、やはり自治体で言えばエネルギーの地産地消という観点で考えれば、それは産業も大学も中小企業との連携なども一体に社会資本として連携して取り組んでいくと。当然、中小企業が再生可能エネルギーの普及のための技術的な支援だとかいうことは当然一体として進むわけだから、何かエネルギーを、省エネだけではなくて再エネということを両方考えると、やっぱり地域レベルの地産地消ということに本当にしっかりフォーカスした取り組みということにしないといけないのかなということを改めて感じました。その点で京都は中小企業が圧倒的ですし、技術力も高いし、大学もたくさんありますので、行政がしっかりとそういう役割を連携して取り組むということが要るかなと改めて感じました。
その意味では、大きい話をこの1年勉強させてもらって役に立ったんですけれども、そういう大きい視点から地元でどうするのかということを考えるような論議をさらに進めていただけたらなと思います。
最後になりますけれども、ちょっと重複しますが、やっぱり1年間すごく勉強させてもらいましたが、委員同士の政策的な意見交換だとか、あるいは府が今実際されている具体的な施策についての詰めた論議、大きいメタンハイドレートとか、そういうのは将来どうするのかということはあるんだけれども、やっぱり目の前を一歩一歩、2030年に向けてということを考えなきゃいけない時期なので、そういう論議をもっとできたらなというのが1つです。
もう1つは、それにもかかわるんですけれども、自治体の取り組みを、それぞれ先進事例とかいうのをやっぱりお互いもっと学び合ったり実行していったりということが非常に大事かなと思います。そこは、なかなか今回、この1年で言えば到達、話題になりにくかったので、今後はそれをぜひ生かしていただけたらなと思っています。
もう1点は、やはり海外の先進事例ですね。これはすごく大事な努力があるかと思うんです。海外視察に行かれた方は実感されたのかもしれませんけれども、この委員会としてはあんまりそこまでの論議はなかったので、ぜひ海外に行こうということではなくて、その例をぜひ学び合って、国レベルの施策ではなくて、ドイツなんかも自治体レベルの施策が相当進んでいるということは視察に行かれた方からからもお聞きをしておりますので、そういう努力は、日本の国の施策が不十分であっても自治体でできることはあるのではないかなということを考える上でも非常に大事かなと思いますんで、今後ぜひ生かしていただけたらなと思います。
1年間、本当にお世話になりました。ありがとうございました。